010101010101010さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

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舐める女(2016年製作の映画)

3.0

人間のどうしょうもない癖(へき)を肯定する映画。
そこに人間のペーソス(哀しみ)と、(秘められた)歓びも、見えてくる。

ついでに、結婚生活のペーソス、そしてそれを超えた歓びというものも描き出されるの
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そして人生はつづく(1992年製作の映画)

3.5

珠玉ですね。
被災地をどのように撮るかは難しいところだけど、謙虚に、たんたんと進んでゆく。偽善的すぎない絶妙な柔らかい距離感。
それは撮る側の加害性に自覚的でありながらも、その批評性を前面に出しすぎる
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風が吹くまま(1999年製作の映画)

3.0

まず、村がいい。
高低差、水平性、ターコイズ色…、この村、今でもこんな感じで残っているのだろうか。
さすがに携帯電話は通じるようになっているのだろうが、過剰な開発はされないでいてほしいなぁ、と、勝手な
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バハールの涙(2018年製作の映画)

4.5

・バハールさんの眼の説得力。その深い眼の背景には、どれほどの過酷な経験があったのだろうと、まず、そこに打ちのめされる。
・奴隷にされた女性たちによって結成された女戦士たち。兵士の訓練をさせられる子供た
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シャイラク(2015年製作の映画)

3.5

よく練られており、ウィットに富んでいて、大事なことを痛切に提示し、そして勇気を出して行動、変革せよ、と訴えかけてくる。
かつては、子供を殺さないことがギャングたちのルールだったらしいが、今や、そんなも
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フリークス(怪物團/神の子ら)(1932年製作の映画)

3.0

昔観たことを忘れており、再見。
最後、恐ろしい…。
煙草に火をつけるプリンス・ランディアンの圧倒的な貫禄!かっこいい!

映画 闇金ウシジマくん(2012年製作の映画)

2.0

原作を読んでないのだけど、期待はずれ。
まぁ、こういう世界もあるんだろうな、という感じだが、興味なかったな…。
最後、大島優子がこの映画にむりやり教訓を与えてくれた感じだが、とってつけたようで、どうで
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ソワレ(2020年製作の映画)

4.0

宝物のような映画。
とにかく共同主演の二人が素晴らしい。
忘れたくないシーン、台詞がいくつもある。
幻想と現実が交錯するような独特のニクい演出も利いている。
脚本への細かいツッコミどころは多々あるのだ
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ダブルミンツ(2017年製作の映画)

1.5

気合の入った作品であることは認める。
だが後半になるに従って、いかにも正解をなぞっているような進行という印象を受けた。

二人の主従関係が変化してゆき、その両性具有-アンドロギュヌス的な側面と、最後、
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さらば、愛の言葉よ(2014年製作の映画)

2.5

80〜00年代ゴダールの大ファンなのだが、その後にあたる今作はマジで意味分からなかった。
(調べてみると、この作品、ちゃんと3Dで、しかもきちんとしたアスペクト比で観ないと全然意図が伝わらないらしいで
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ニック・ケイヴ 20,000デイズ・オン・アース(2014年製作の映画)

3.0

ニック・ケイヴ。ヘタに触ると火傷しそうな、得体の知れない、でも滅茶苦茶気になる存在。
その秘密に、ほんの少しだけ触れられる気がする作品。

(覚書)
・ブライトンの風景
・一緒にライヴをやった時のニー
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風の電話(2020年製作の映画)

4.5

(メモ)
・喪失を描いているロードムービー的な面と、主人公の女の子の危うい感触が、(自分でも意外だったのだが)どことなく青山真治『ユリイカ』を思い出すところあり。
・出てくる人たちがことごとくよい。あ
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Seventh Code(2013年製作の映画)

1.0

どうでもいい内容を作品化するってのは、映画であれ落語であれ何であれ、決して嫌いじゃないのだが、しかしそれは監督らの確固たる意志に貫かれていてこそなのだよなぁ、と、改めて感じさせられました。
その点、本
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パス・オーバー(2018年製作の映画)

3.5

「ゴドーを待ちながら」におけるパスオーバーの不可能性と、スパイク・リーの描くパスオーバーの不可能性の違い。
リーはおそらく、ベケットによる権威や制度への鋭い批評性を評価しつつも、そこで描かれているのが
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もうひとりの息子(2012年製作の映画)

3.7

どうなることかと思ったが、息子たちの本当に素直な育ちのよさと、母親たちの愛情深き根気強さに救われた感じもする。
どこかひとつ掛け違えていたら破綻してもおかしくないし、最後までその緊張感はあったように思
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私はあなたのニグロではない(2016年製作の映画)

3.5

ジェームズ・ボールドウィン氏の切実な表情と論調が強く印象に残る。

公民権運動家はマルコムXとキング牧師しか知らなかったが、それだけではないこと、そこから今日のBLM運動までを広く見通しながら、北米に
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うなぎ(1997年製作の映画)

2.5

松竹だけど、なんとなく角川映画みたいな雰囲気を感じたり(時代かしら…)。
重くなりそうなところ、余白とユーモアでもって、見れてしまう。
うなぎって、そういうことだったのか。なるほど、と。
キャストも豪
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東京自転車節(2021年製作の映画)

4.0

いやはや、体を張った、ケッタイな作品だった。
思わず、こちらも応援する気持ちに力が入ってしまう。
監督は一見天然にも見えるが、結構意識的なところもあるように感じられて(映画を面白くするため、というのも
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ひいくんのあるく町(2017年製作の映画)

3.0

まず、冒頭のひいくんの姿を見ていて、「あぁ、こういう、何やってるのかよく分からないけど、いつも姿を見かける人、いたよなぁ」と。
ちょっと飛躍したことを述べるが、ふと、落語で描かれる世界をも感じる。なん
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.0

良作。
さして演技が上手いというわけでもないのだが、フレッシュな役者陣にも不思議と惹きつけられた。
ところどころウルッとしてしまい、脚本と演出に上手く乗せられたなぁ。

たゆたえども沈まず(2021年製作の映画)

4.0

地元のテレビ局だからこそ作れた作品、という気がする。
丁寧に、大切に作られた作品で、涙なしには見られない場面もチラホラだった。

「負けてたまるか、ヘノカッパ」。
「これを見た皆さんも頑張って生きてい
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.0

まず、主人公の男の子が凄い。特に彼の目。女優もまた凄い。ただならぬものがある。
…と思ったら、ほぼ全てのキャストが、実際の役柄と同じような境遇で暮らしている素人とのこと。
セミドキュメントというわけで
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つみきのいえ(2008年製作の映画)

4.0

なんて素敵な、じんわりくる作品でしょう。
これで12分だなんて。忘れがたい濃さ。

放射線を浴びた「X年後」(2012年製作の映画)

3.7

こう言っちゃなんだが、テーマは重くて地味だが、超ヤバイ作品。

第五福竜丸のことは知ってたけど、それ以上の、えっ?!と耳を疑うようなことが明かされる。
こうしてテレビでも放送され、劇場公開されてもなお
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夢は牛のお医者さん(2014年製作の映画)

3.5

まず第一の感想として、小学生の頃から、こんなに密に、責任を持って動物と接する機会があるのは、教育としてとてもいいなぁ、と。
愛情を育てる上でも、相手の気持ちをおもんばかる上でも(ヘタすりゃ、言葉の通じ
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天井桟敷の人々(1945年製作の映画)

3.5

観たのは3度目になるが、やはり名作。

ここまで人をずっとずっと想いつづけるような情熱的な恋愛観に共感はないものの、(10代、20代の頃は、まだあったかもしれないなぁ、とも…)、人の抱えるペーソスには
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