陰影、光、構図、リズム、音楽、諧謔、人情…、とてもモダンな時代劇で、内田吐夢の才能を余すところなく観ることができる。
前半は喜劇、後半は人情劇の趣きがありつつ、また「槍持ちなんかになるんじゃねぇ」と>>続きを読む
映画の中の人生の中で、ある、ふいに訪れる静寂の、風景の、息を呑むような美しさ。
あぁ、こういうの、タルコフスキーの映画で教えられたよ、という場面もあったが、しかしこの映画で描きたかったのは、そのもう一>>続きを読む
坂口安吾を引用する。
「最後のギリギリのところで、孤独感と好色が目覚ましく併存するということ」「最もめざましい孤独感や絶望感のときに、ただ好色、もっと適切な言葉で言って、ただ助平になるということ(…)>>続きを読む
これ、完全にヤラセといいますか、ティエリーさんご本人も同意の上で、「現代アート業界」そのもののバカバカしさを手玉にとり、おちょくるような作品を今度は映画で作ってみました、といった感じで、そこはやはりバ>>続きを読む
途中まではとても良かったのだが、「犬王」になってからが本当に本当にクソで、クドすぎて、ここまで怒りを覚えた映画は、正直、他に覚えがない。
他の方が書かれているように、ロック・オペラがやりたかった、とい>>続きを読む
トゥリバン、自立音楽生産者組合…、韓国のイカしたヤツら。かっこいい。
やむにやまれず、ということなのだろうが、自分たちで一から作り出すこと。そのラディカルでDIYなスタイルはまさにパンク(音楽ジャンル>>続きを読む
なんという、かなしさと、いとおしさ。そしてせつなさ。
西川かんとく、このどんどん冷たくなってくように感じられる世の中に、こんな情のあり方もあるんだと、つぶてを投げてくる。
いやいやいや、いまどきそんな>>続きを読む
ネトフリのオリジナル映画って、骨のある映画が多い印象だったものの、イマイチ徹底が甘い気がした。
まぁ、テーマからして文句が付け辛いところはあるのだが…。
アンネのことを伝えたいのか、ハンナのことを伝え>>続きを読む
台湾の歴史、全然知らなかった。
そして、何も知らぬまま、侯孝賢やエドワード・ヤンの映画を愛好していた、ということも恥ずかしくなった。
親日家が多いと耳にすることもあるが、話はそんな単純なことではない、>>続きを読む
監督のご都合主義的な妄想についていけない。
どこまでも「大衆」というものにこだわりつづけた監督なのだとは思う。
が、個人的に、「そこのところ、扱いが雑すぎねぇか?!」と思わされるポイントが多すぎる。>>続きを読む
『アウトレイジ』以後のヤクザ映画って、それまでの「ヤクザ・任侠映画」との距離をどのように計るか、というところが一つのポイントになってくる印象があったのだが、この映画、思ったよりも昔のヤクザ映画を思い出>>続きを読む
その辺の劇映画で描かれる人間なんかよりも、ずっとヤバくて面白い、過剰に「激烈たらんとする」人間がここにある。
もっとも、そういう種の映画なんていまどき流行らないのだろうし、過剰な暴力性の発露を描く映画>>続きを読む
昔から何故か惹かれるところのある映画で、約十年ぶり三度目の鑑賞。
浅野もオダギリも藤も、どうしょうもなく不器用。
どうすることもできず、「待て」のサインから一向に先に進むことができず、そこから踏み出>>続きを読む
マルセル・マルソーにこんな過去があったなんて知らなかった。びっくり。
当初はいささか自分本位というのか、かたくなに「自分の表現」を探求するタイプだったのが、迫害を逃れてきた子供たちと出会うことで、は>>続きを読む
非常に味わい深く、じんわりとした作品。
人間模様が若干複雑かな…と思いきや、最終的にはスーッと落ちてくる。
それぞれの登場人物たちの心理的な奥行き(その複雑さ)がとても丁寧に描かれていることにも、とて>>続きを読む
全般的に、静謐な感じの音楽がとてもよかったし、雪の中の鹿のシーンの音も最高だった。
それとは対比的な食肉工場、そして後半の血の流れるシーン。
異常に記憶力があり、コミュニケーションが苦手で、人に触れ>>続きを読む
サイケデリックでシンメトリックな美術と、おどろおどろしい音楽。
「いかにも」な怖がらせ演出が、今観るとひどく笑えてしまったりする。
あと、冒頭から「秘密!」とか言っちゃってるあたりとか、伏線を張る気満>>続きを読む
すごい平成感のある、どうにも煮えきらない若者たちのロードムービー。ちょっと切なくて、ちょっとほっこり。
何の前知識も持たずに見たのだが、冒頭のハイウェイを走ってるシーンから、豊田道倫の音楽でも流れて>>続きを読む
どうしょうもない人たちのペーソスを優しく包み込む、思いがけない良作。
(帰る場所がなく身体を売ってしのぐ若い女、刑務所帰りの男、親に捨てられた女、好きになった人のため家族を捨てた女、妻に先立たれた寂>>続きを読む