拘泥さんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

拘泥

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日子(2020年製作の映画)

4.0

青春神話で死ぬほどうろちょろするちん毛を演じたリー・カンションが始まった瞬間から5分間マジで動かないのに相当ウケた。ツァイ・ミンリャンの心根を思うと苦しいものがあるが、しかしそうは言ってもあまりにおじ>>続きを読む

セガvs.任天堂 Console Wars(2020年製作の映画)

3.5

『VHSテープを巻き戻せ!』みたいにハード戦争と信者の煽り合いをオタクどもが必死こいて語る映画かなーって思って観たら、メガドラの快進撃におけるSEGAアメリカ社員の自分語りでした。監督の一人の自著の映>>続きを読む

死ぬほどセックスしてみたかった(1994年製作の映画)

3.6

驚異的なキャラクターの織り成す驚異的映像ではあって、シーン一つ一つは相当に面白い。
ただ、これほどまでの不謹慎や不快感を持ってるのにも関わらず、主に行為として発露する狂気なるものは記号的露悪、記号的ア
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ピンクサロン 好色五人女(1978年製作の映画)

4.7

観てない人は何一つわからんレビューになってしまったけど感動ポイントが深すぎてこうならざるを得ない。ということで誰しもに前情報もなくこの映画を観てほしいが、観れる場所などおそらくほぼない。この世はクソな>>続きを読む

恋の大冒険(1970年製作の映画)

4.4

邦画史上指折りのイカれを見せる恐るべき映画。できれば何の情報も仕入れず見て欲しいものだけど、そもそも簡単に観れるものでもあるまいしで非常にむず痒い。ソフト化しろ。歌いながら食ってるせんべいデカくなるオ>>続きを読む

(秘)女郎責め地獄(1973年製作の映画)

3.8

オープニング含むいくつかのシーンの美しさは異常で、もちろん凄い映画であるものの、田中登がやった割には少し弱く感じる。時代劇を作るとどうしてこう、時代劇性に嵌るのだろうか。マル秘色情めす市場と同時期にこ>>続きを読む

チャパクア(1966年製作の映画)

2.4

うーん、尺10分にしては?挑戦ではあるもののしたいこと結実してなさ過ぎるな。
次の瞬間が楽しみだという瞬間が一瞬たりともない面白くなさなのに同じこと繰り返し続けるのやめてくれ。

霧の中の風景(1988年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

 ギリシアは弄ばれ続けた。ギリシアは蹂躙され続けた。その誇り高き歴史、栄華は近現代において、幾つもの国々に完全に凌辱された。幼少期を二次大戦と戦後の情勢不安の中に生きた本作の監督テオ・アンゲロプロスは>>続きを読む

不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

4.4

相変わらず天才的な画作りはさておき、いやさておくのもおかしいか。天才過ぎるよ。『天が許し給うすべて』コレなのやべえ。
初老の白人エミとモロッコ移民の黒人のアリ。この二人のキャラクターがまずすげえ味わい
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クローズ・アップ(1990年製作の映画)

4.2

現実の中で成された虚構を更に現実かのような虚構にし直す厄介な入れ子の威力は確かにただならず、映画の不遜さというものを感じずにはいられない。
初めから彼がマフマルバフでありさえすればよかったのだ。彼を主
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ホース・マネー(2014年製作の映画)

3.9

カーボヴェルデからポルトガルへ連れて来られ、クーデターに人生を置き去りにされ夢幻を闊歩するヴェントゥーラ。ヴィタリナがポケットに忍ばせた剃刀、ヴェントゥーラが指輪と共に奪われたナイフ。震える手を治め再>>続きを読む

ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

-

これはカサヴェテスもうちょいいっぱい観てから見直してもよいですか?あまりにも遺作然とし過ぎていて、キャリアを見直さないと少し勿体なかったかもしれん…とりあえず動物ウケた。

オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

4.8

あの一人で住むには無駄に広過ぎるホテルの部屋さえ観れば彼女の空虚など分かりきり、そこに娘が入り込み一緒に暮らすことになるのは部屋の広さからしてまあ必然である。全ての男は存在しない。
愛の錯乱に漂う女の
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.1

「こっちはあっちと違う。この世の闘争の全てはそれが全てだ。」とはヘルシングのカリスマヴィラン少佐の金言であって、それはもちろんぶち殺されるものの金言としてであり、まず端的に否定されながら桎梏としていつ>>続きを読む

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

3.9

京都でやってたケリー・ライカート企画のケリーライカート参考書という冊子にレビューを寄稿したんでここでは一応軽くにしとくと、まあ現代の社会問題に連なる未知からの断絶を西部劇として、フロンティアスピリット>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

4.1

何一つ体制に逆らうこともなく、漫然と、真綿で首を絞められるような形の超現代的アメリカン・ニューシネマ。反逆は何一つ「上手く行ってしまわず」反逆にさえならない。男を歯牙にもかけず決着をつける女は、単なる>>続きを読む

青春神話(1992年製作の映画)

4.5

正に、良い台湾映画!ってな画力の強さや虫やら水やら西瓜やらとの象徴的画的な快不快の妙といい、デビュー作にして既にツァイ・ミンリァンという監督の作家性が超発揮されてて素晴らしい。ガキンチョのクソ気持ち悪>>続きを読む

地下幻燈劇画 少女椿(1992年製作の映画)

3.8

あの頃のあの耽美を十二分に内包する象徴的一作ってな具合でマジ偉し。JAシーザー超良いよ。

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

4.9

マジの映画の天才のマジの天才的映画。特に語ることなくヤバ過ぎるし語られてもやばいわよ。
ファスビンダー観るのは3作目で過去二つを観る分にはファスビンダーという男映画を撮るのがうますぎるヤバ過ぎるで終わ
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こわれゆく女(1974年製作の映画)

4.3

父であり夫であり家族であれと、少なくとも一定の愛はある凡夫ニックの要請は規範からもたらされ、そして明らかに向いてない規範に陥るメイベル。夢心地で白鳥の湖を踊り猫騙しによって現実に覚醒させられるずれずれ>>続きを読む

鬼婆(1964年製作の映画)

4.0

婆がいようが鬼がいようが鬼婆がいようが結局全く関係なくガンダッシュToファック以外知らねえその馬鹿野郎田舎もんっぷりがマジ最高。エゴにジェラスに仏様を濫用した罪はめちゃくちゃ重いぞパニッシュメントって>>続きを読む

楽日(2003年製作の映画)

4.2

なんかずっと真顔で睨めっこしてる感覚で、45分らへん幽霊が出る→僕日本人なんださよならさよなら辺りで耐えきれず爆笑してしまった。マジなんなん。一回笑っちゃったらもうそっからは全部笑っちゃうでしょ。>>続きを読む

アルジェの戦い(1966年製作の映画)

3.8

良い映画だったけど期待デカ過ぎて少しがっかりしてしまったよくないパターンに反省。
アルジェリア独立への戦いを相当マジなリサーチのもと大変劇作的でないタッチでマジに映す超張り切りムービー。
最強に理不尽
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フィメール・トラブル(1974年製作の映画)

4.1

前作で無修正食糞で幕を閉じてしまった後に、そこで焦らずにしっかりと映画としてこれを作ったのはかなり偉い。凄い。
マジキチのクソデブが徹頭徹尾正に生き方としてマジキチのクソデブを貫く姿。その全力疾走に敬
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濡れた欲情 ひらけ!チューリップ(1975年製作の映画)

4.1

神代のバカ丸出しのギャグセンが終始一貫するクソバカ映画。
童貞が童貞らしく童貞に殉じてしっかり童貞を捨てる。かつてそのような童貞性を早々に放棄してしまった逸った童貞であった私はそれをむしろ何か羨ましく
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SPETTERS/スペッターズ(1980年製作の映画)

3.8

映画久々に観た。なんだか青春と還元してしまうのは惜しいようなやけに乾いた青春物語。このあからさまにバカになりきらない一抹の蹉跌が魅力かと言われるとそうでもなくて、結構いい映画だけどヴァーホーヴェンとし>>続きを読む

山の焚火(1985年製作の映画)

3.6

『山の焚火』というタイトルですが、観ればわかるように山の焚火が現れるシーンを考えるとそのままこの映画のタイトルは『SEX』なわけでキモすぎます。
隔絶した山中で、賢くも因習的に山に閉じ込められる姉と、
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イップ・マン 序章(2008年製作の映画)

3.8

とにかく2が神なせいでマークすんの忘れてた。この映画で一番必要なのはもう、アレだ。弟子をとることだな。アホくせえ手先のクソがうざい。

イップ・マン 完結(2019年製作の映画)

3.9

今回はだいぶ露骨におもろいところが多かった。
特にブルース・リーに渡すためだけにあるような相手が急に取り出したヌンチャクとか、やられた奴の👍とかは爆笑だったわ。

2を踏襲してるような形式が多いし、回
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ワンダーウォール 劇場版(2019年製作の映画)

3.5

俺は京都大学の学歴である程度相殺されて結果社会不適合度ギリマイナスと旧友に評される社会不適合者なので、マサラの「どこに行けばいいんだよ〜」っつー叫びはマジで分かる。吉田寮は入学年から募集停止されてたけ>>続きを読む

県警対組織暴力(1975年製作の映画)

4.4

ずっと面白いことしかしてねえバケモン映画。
結局「法」なんて言葉は「菅原文太」って言葉の言い換えに過ぎねえし、法なんてもんがまかり通る世の中じゃねえ。

ブリキの太鼓(1979年製作の映画)

3.6

3歳で止まるやつなんてキモいもんはキモいし、そもそも生まれた時から見た目3歳でキモいし、バッジぶっ刺しといてパパー!とか言ってんのはマックスキモい。ガキとしての太鼓がガキ性を持って利用され、というか利>>続きを読む

水のないプール(1982年製作の映画)

4.1

ダサいダサいと言いながら懲りずに若松孝二を観ちゃう癖。
でもコレは、めっちゃダサくない!めっちゃ良いぞ!めっちゃイカれている!

水のないプールを満たす。乾き切った部屋にクロロホルムを打ち込み射精のよ
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オアシス(2002年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

結局劇場まで待てず観てしまった。

私は意味不明な責め苦の果てに終わりを迎えてから恋愛というものと久しく距離を置き、その後それ紛いの地獄を主に他人にいくつか見てきて今純粋な愛というのの成立要件がわから
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

5.0

4時間かけて殴り殺された。映画として正に極みにある。映画の全てはここにある。ワンショットに宿る無限の快楽。
暗黒はあらゆるネガの心情である以上にあらゆる未知である。主体と客体とそうでない万物を捉えずに
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西瓜(2005年製作の映画)

4.2

ジョルジュ・バタイユが『眼球譚』で球体或いは楕円体そして或る女への畏敬とそれを犯すという形での原初的なタブー論的な境界突破(勿論それをさえ破壊しようとしている筈の真にシュルレアリスト的な試みを敢えて記>>続きを読む