友達の家で深夜に観た。チープな恐怖演出が逆に不気味で不安を煽る。前半の伏線を回収しつつ、徐々に既定のルートから離れてゆく後半は素直に面白かった、ただ気付いたら自分以外全員寝てた。
初デヴィッド・クローネンバーグ。
「クローネンバーグ」と聞いて連想するような禍々しいビジュアルが108分間常に画面中に溢れていて良かった。産業廃棄物を食糧とできる身体には絶対になりたくないので、人類が>>続きを読む
#MeToo運動の発端となった告発の裏で奔走したニューヨーク・タイムズ紙の記者を描いた作品。権力を振り翳し濫用する権威、権威に取り込まれる司法、二次加害が蔓延し、根深い構造的問題が残るこの社会で声を上>>続きを読む
閉鎖的なキリスト教一派の村で起きた連続レイプ事件、犯人の”男性”達に対して「何もしない(赦す)」か、「闘う」か、「村を出て行く」か、決断を迫られた”女性”達の議論を描いた作品。「村を出て行く」ことは逃>>続きを読む
blurのデビューから再始動(2009年)までを振り返ったドキュメンタリー、先日のサマソニで観たblurが本当に本当に本当に良かったので、兎に角何かしらのblur成分を摂取したくて観た。メンバーそれぞ>>続きを読む
(前作と較べて)冗長な物語、弱体化したヴィラン、日常パートとアクションパートのコントラストが曖昧でイマイチハマれなかった。ただ殺し合い後のCIAOちゅ〜る乾杯シーンは素直に良かったし、主演2人のビジュ>>続きを読む
冒頭、静寂の中ボクシングのリズミカルな練習音だけが響き渡る練習風景があまりに心地良く一気に心を掴まれたと同時に、その”音”を聞くことができないケイコを取り囲む現実の過酷さを痛感させられ、いきなり呆然と>>続きを読む
ジェームズ・ワンのホラーは本当にバランス感覚に長けていると思う、伏線回収も華麗で恐怖演出の塩梅も絶妙で、ただただ観ていて気持ちが良い。
世界最高のゲームを原作とした世界最高のドラマのメイキング。「ゲームと無縁の人にもこの物語を届けたい」という言葉に『The Last of Us』に対する絶大な自信とクリエイターとしての尊厳を感じられて>>続きを読む
TXTの丁度一年前の今頃(初ワールドツアー 〜 ロラパルーザ)を追いかけたドキュメンタリー、過酷なアイドル活動の中での苦悩や絆がキラキラと凝縮されている。ラスト、ロラパルーザ出演後の興奮冷めやらぬメン>>続きを読む
ポイントだけを優先して相手の気持ちを踏み躙るようなことはしたくない、という至極真っ当で人間的な意見を唱えるエリザベス宮地が参加者唯一の良心、そして彼にその良心を齎したのはアイナ・ジ・エンドで、やはりア>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
割と公開直後に観たのだが、感想を考えるのが面倒でかなり寝かせてしまった。
過去の宮崎駿監督作品を殆ど観ていないのでなかなか汲み取れなかった部分も多かったのだろうが、それでも”ジブリらしさ”が横溢した世>>続きを読む
BiSHのメンバー6人それぞれが主演を務めた6篇からなるオムニバス映画。WACKの(渡辺淳之介の)低レベルで安易な下ネタには心底辟易しており本作のタイトルもまた同様ではあるが、BiSHが解散したばかり>>続きを読む
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に負けず劣らずの「前編」、この流れで「後編」が面白くならない訳がない。過去のスパイダーマンが甘んじて受容してきたあの「運命=犠牲」に対して遂に「NO」を突きつ>>続きを読む
BiSHのドキュメンタリー映画としての前作『ALL YOU NEED is PUNK and LOVE』とは打って変わって監督・エリザベス宮地の自我が徹底的に封印された本作、生々しくも切実な彼女達の言>>続きを読む
明日2023年6月29日を以て解散を迎えるBiSHの2017年を追いかけたドキュメンタリー作品。自身最大規模(当時)となる幕張メッセ イベントホールでのワンマンを控え、目まぐるしく変化する世界の中で悩>>続きを読む
天才と天才達がほんの僅かな情報を頼りに意思を疎通させてゆく快感、登場人物皆んなあまりに頭が良すぎて全くハラハラしないので気楽に観られて良かった。
「目には目を、歯には歯を」を体現するかの如く、レイプ犯及びその周囲の傍観者に制裁を下していく女性、なかなかに重苦しいテーマではあるが、軽やかでポップな演出を以てしっかりエンタメとして昇華されている。し>>続きを読む
業界シェア3位、崖っぷちのNIKEが起死回生を狙ってあの”エア ジョーダン”を産み出していく過程を軽妙に描いた痛快お仕事ムービー、むさ苦しい中年男性がお仕事しているだけなのに何故か面白い。互いが互いを>>続きを読む
『GotGVol3』での違和感/疑問がかなり解消した、しっかり予習しておけば良かった。マンティスとドラックスの凹凸コンビにただただ癒される44分。
ここ最近なかなか追えていなかったMCU、『ソー:ラブ&サンダー』と『〜ホリデー・スペシャル』を観ていなかったのでいまいち着いていけない部分もありつつ、それでも破茶滅茶に面白かった。それぞれのキャラクタ>>続きを読む
つまるところ権力と高慢にがんじがらめになったEGOTの指揮者の転落劇であるが、己の行いのグロテスクさを自覚し嘔吐した彼女が音楽の本質的な喜びへと回帰する結末は寧ろハッピーエンド(あくまで彼女にとって)>>続きを読む
上映前の任天堂のCM(https://youtu.be/5uHNQxVamoM)からかなり涙腺を刺激され、「マリオって良いなあ…」と整ったところで始まる本編、92分間ずっと実家のような安心感に包まれて>>続きを読む
王道ラブロマンスからパニック映画への鮮やかな転換、奇を衒うことのない堅実な演出、美しく華やかな美術/衣装、壮大で感動的な音楽、経済格差への批判的視点、端役まで尊重して描かれた人間ドラマ(死に直面した人>>続きを読む
新作映画『セブン・サイコパス』の脚本を執筆中の脚本家のまわりで、まるでそのネタを提供するかのようにイカれ暴れ散らかすサイコパスたちの物語。サイコパスと一口に言っても色々なサイコパスが居るのだ、という当>>続きを読む
西部劇というものを殆ど観たことは無いが、銃を外したり馬から落ちたりといったアンチヒロイズム的な視点だったり、痛々しい暴力が繰り返される陰惨な作風が、以前の西部劇と一線を画したものであったであろうことは>>続きを読む
ジワジワと刺激されていた涙腺が終盤の衝撃的なイベントでついに決壊した、全編通してスクリーンから放たれる凄まじい熱量に圧倒されっ放しだった。これを漫画という媒体で表現している原作に俄然興味が湧いた。
愛の為に当時8歳の娘を捨てた大男、まるで白鯨のような巨体を必死で動かし過去を償おうとする様には、純粋な応援の念と軽蔑の念が入り混じるような複雑な感情を覚えた。ただ、彼が緩やかな自殺の果てに迎える、救済>>続きを読む
シンプルに面白い、信じられないぐらい手汗かいた。微かな希望が生まれては絶望に変わる、ただその繰り返しではあるが、そこの展開が至って自然なので純粋にのめり込めた、塔に登り始めるまでの尺がスッキリしている>>続きを読む
数日前に人が溺死した湖で何事も無かったかのように男を漁りセックスに励む男達の薄気味悪さ、常に作品を覆う漠然とした緊張感が突如明確な形を持って襲いくるラスト、滅茶滅茶面白かった。
立て続けに敵オーグが登場する構成は、TVシリーズをダイジェストで観ているかのような楽しさがあった、庵野作品らしい台詞回しや作品を貫く独特なトーンが、異形としての仮面ライダーの不気味さを際立たせていたと>>続きを読む
日常の中にさも当然のように存在する虚構、余りにもさりげなさすぎて、彼女達にとってそれらは確かな現実なのだという妙な説得力を感じた。現実と虚構が曖昧に入り混じる、ふわふわとした浮遊感に包まれた30分、植>>続きを読む
2021年11月に開催されたオンラインコンサート「SEVENTEEN CONCERT <POWER OF LOVE>」の映像とともに、舞台裏の映像やメンバーのインタビューを収めた、SEVENTEEN初>>続きを読む
タイムループしている事実を一つずつ上の者に上申していくシュールさと、仲間が少しずつ増えていくことの楽しさ。キャラクターも個性豊かで魅力的、82分でサクッと観られて良い。
椎名林檎のアルバム『加爾基 精液 栗ノ花』の世界観を映像で表現した短篇キネマ、ほぼMV。小雪と小林賢太郎がお似合い。
号泣した。
主要キャラの過去が断片的に挿入される構成は(桜木花道や流川楓ですら顔と名前が一致していないレベルの)初心者にはあまり優しくなかったし、試合のテンポを削いでいたような気もするが、そんな多少の>>続きを読む