oqmrさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

ケルジェネツの戦い(1971年製作の映画)

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うつろな目をした人々イコン画が怖い。小さいと思っていた切り絵があつまると大きく見えてまた怖い。毎度ながら音楽が握る物語の主導権。というか音楽が映像の連続性を担保しているから当たり前か。

25日・最初の日(1968年製作の映画)

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既存封建権力者に立ち向かう民衆の闊歩がショルタコビーチの旋律と重なり合いロシアらしい赤いガッツを生成する。音楽が画面を支配するさま。

ブリティッシュ・サウンズ(1969年製作の映画)

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横移動と共に加速する眠気。正直永遠の横移動と「オーガナイズ」と「ユナイト」が半覚醒の心地よい状態でささやかれていたのだけ覚えている。

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

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キューブリックの分かりやすい凄さにすごい政治的なカリスマ性のようなものを感じてしまって、「キューブリック好きな人」に若干のアレルギー反応を示すことがある私の柔肌。けど作品は独立したものなので政治を介入>>続きを読む

ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

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相変わらず全体を全く捉えることができない監督なので力を抜いて見るのが健康にも良いと思うし第一楽しい。目を直接合わせようとする客の頭を何度もまっすぐに直すバーバーとか、こき使われるロビーボーイとの会話と>>続きを読む

ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

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毎朝起きると性別容貌体格までもが全く別な人間になっているが精神のアイデンティティとしては29歳男性韓国人家具デザイナーのウジンが大手家具販売店の接客をしているイス(これは日本語の椅子と関係あるのか終始>>続きを読む

冬冬の夏休み(1984年製作の映画)

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母親が入院中なので田舎で夏休みを過ごすことになったもうすぐ中学生(には見えない)台北っ子の冬冬は、周りで起こる全てのことが新鮮に映る年頃の少年でとにかくその能面のような顔が終始素晴しい。何とも不安そう>>続きを読む

ブロンド少女は過激に美しく(2009年製作の映画)

4.5

滑稽なほど脱力しているのに上品で美しい。そもそもロケ地が美しい。水辺の街を美しく映すことに関しては右に出るものはいないオリヴェイラさん。主演のリカルド・トレパの開口したまま娘の美しさにうっとりしている>>続きを読む

ウラジミールとローザ(1970年製作の映画)

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千九百何年、ゴダールとゴランはフランスの何々テレビ局からの委嘱を受けて本作品の撮影を開始する。翌年完成したがテレビ局側から放送を拒否されて一部の劇場での公開に留まった。云々の背景の作品をバカみたいに作>>続きを読む

人生の意味(2005年製作の映画)

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人生の意味というおそらく何万年も前から人類が頭を抱えてきた問題に空っぽというか空白の脳みそで挑む棒人間。次元を一つ下げ、色を排除した画面で進行する物語はとにかく解しやすかった。

たのしい知識(1969年製作の映画)

4.0

映像の再構築段階の映像。実に緻密で科学的に映像と言葉を分解して、すでに十八番となった政治へと還元する。「極端さ」の時代。極端な分離。極端な辞書批判。「アフリカの食卓のない子供の事を考えていない!」とい>>続きを読む

アワーミュージック(2004年製作の映画)

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ダンテ「新曲」を下敷きに、というか形を拝借して、神話の時代から地獄、そして天国へカメラは移動してゆきながら見ることと想像することに対し饒舌になってゆく。

ハムレット・ゴーズ・ビジネス(1987年製作の映画)

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言わずと知れた古典とカウリスマキ的感性の邂逅がいい感じに外れた結果となってて結構見ていて苦痛ではあった。ただ数百年前の戯曲の演出を現代風に変換する以外なセンスに驚き、器用さに微笑。

トレーニング デイ(2001年製作の映画)

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警官が利権に蠅のように群がり汚職の温床である警察署での新米警官のワクワクルーキートレーニングデイ。正義感溢れる徳の高い青年の異常なまでの正義信仰が怖く映るという不思議体験。

こんなに近く、こんなに遠く(2004年製作の映画)

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21世紀らしく勿体ぶった深刻な映像な質感に悲劇を予感させる深刻な演出が吻合する。技術的な上質さのうちに見え隠れするセンスの「ズレ」が外国映画を見ている感覚に幼少期ぶりに私を引き込む。「娘が最初に恋した>>続きを読む

欲望(1966年製作の映画)

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人気写真家の1週間。不必要と思われるシークエンスに惹かれるが意図は解さず考える。それにしてもあまり解読するように映画をみたくはないと反省。シュールレアリスティックな表現と解釈をしてみるのもそれはそれで>>続きを読む

ある朝の思い出(2011年製作の映画)

4.0

一人の人間が自殺した。彼は何者だったのか。男性で、年は50ぐらい。ヴァイオリンを趣味とし、フランス文学に精通したインテリでゲーテやプルーストの翻訳家でもあったらしい。とにかく目撃者、関係者は語る。ラテ>>続きを読む

日本の夜と霧(1960年製作の映画)

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神聖な結婚式に忽然と土足で踏み込む闘争の記憶が憎悪と背徳の念をかき混ぜ、なんとも不思議な画面を構成する。理想を諦め俗に堕ちた全ての人に送る辛辣なメッセージではなく、割と限定的で明確な批判。

駅馬車(1939年製作の映画)

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言わずと知れた名作らしいと鑑賞後に知り納得。フォードは静的に美しい映像を淡々と撮り続けているイメージがあったので最後のアパッチとの戦いは意外だった。イーストウッドを感じた。

同じ星の下、それぞれの夜(2012年製作の映画)

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大陸アジアを舞台にした日本の監督のオムニバス。新進気鋭の若手インディーズ監督が名を連ねる。個人的には低予算感溢れるニュースキャスター編がお気に入りだった。

明日へのチケット(2005年製作の映画)

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3人の監督のオムニバスなのに全て面白いという大変貴重な作品。馬鹿っぽい「若さ」が文字通り高速で移動して素敵空間を演出する。到着後も全速力でかけて行く。

彼岸花(1958年製作の映画)

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恋愛という結婚に至る過程がお見合いに比べてどれだけ親にとって不安を煽るものであったのかと当時を想ふ。結局娘の将来を案じてのことであったのだろうが、もはやこの時代のライフスタイル自体が空想的で現実とは思>>続きを読む

エル・スール(1982年製作の映画)

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ヴィクトル・エリセの数少ない長編作品のうちの一つ。ここまで少ないと見てしまうのが勿体無く感じてしまいなかなか手が出せない始末である。
自身の幼少期と父親の記憶。なぜ毎回少女が主人公なのかとか再見して考
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初恋(1997年製作の映画)

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金城武の日本語以上に監督の頭とテンションがおかしいので次第にウォン・カーワァイが怖い上司のように思えてくる。多分監督は台湾では有名人で彼の人となりを知った上で笑ったり感動したりできる仕掛けをかなり逃し>>続きを読む

ポロック 2人だけのアトリエ(2000年製作の映画)

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劇中実際絵画を製作する場面がかなり出てくるがポロック役のエド・ハリスのドロッピングスキルによって可能になっている、しかしうますぎて笑える。「絵で生きてます」と言わんばかりの熟れ具合と集中力。

イマジン(2012年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

視覚障害者の文字どおりの支え、頼りであり同時に「障害者」としての象徴である白杖の物語。英国人教師イアンは必要ないと言い、部屋に閉じこもるエヴァは障害者として助けられるのが嫌だと言い張るがどちらの場合も>>続きを読む

緑の光線(1986年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

食事の席を白けさせ、集団の中にいると自分の孤独を実感する。かといって一人になれば寂しくて友達の元へ甘えて泣きに行くという高慢で自己中心的なデルフィーヌがバカンスに行く先々で不満を抱き各地を転々とするち>>続きを読む

踊れトスカーナ!(1996年製作の映画)

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ラテンな感じのニート精神に惹かれる。どこかのコメディほど映像の質感とか、科白で時間を埋めないし。案外このぐらいの方が観やすいのではないかと想像してます。

ロゼッタ(1999年製作の映画)

4.0

このぐらいの所得層の人たちって明らかに日本ならここまでの美しいトレーラーハウスの中で生活できない筈でこの差はなんなんだろうってずっと考えてた。

アンナと過ごした4日間(2008年製作の映画)

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実家には今にも死にそうな老婆、職場には切断された腕とパーティと謎の滝の照明が形作るアンナ宅の浮世的なイメージが対峙して配置されていて、その快楽には自分は触れる権利はないと諦念を抱く男は何処かで見覚えが>>続きを読む

3-4x10月(1990年製作の映画)

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荒唐無稽な暴力からくる笑いとその一切の反響をかき消す無表情という北野映画の文法に従いながらそこに加えられた圧倒的意味不明さを不本意ながらかっこいいと思ってしまった。
美しさと醜さが入り混じっていて、ど
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