Schiele1918

哀れなるものたちのSchiele1918のネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

非常に素直な作品。
映像造形美で塗り込められた近代社会を巡る旅。
外科医という出発点からもあからさまながら、ゴッド(ファルスを持たない宦官)や奇想に満ち閉ざされた楽園を出ていき、旅の終わりのその主人の交代など近代の人間の歩みと屈折を女性の躍動で乗り越えるテーマは呆れるほど明快で、シニカルな笑みで締めてくれるのが小憎らしくも清々しい。
しかし一番危機的なほど魅力的だったのは知ではなく痴によって引き立たせられたベラの美ではないか。哀れな人間の考えることかもしれない。

ある種の牧歌的な世界観と想像を超えない“驚愕の映像”が一時の喜びを与えてくれる、娯楽映画。
Schiele1918

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