ZUSHIOさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

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復讐するは我にあり(1979年製作の映画)

3.6

この後に今村昌平監督によって撮られる『楢山節考』や『うなぎ』に通ずる場面が複数あった。肉体の生々しさ、死のざらつき、食べ物や様々な意匠一つ一つに深い意味合いが読み取れるのは流石の今村監督作品。
緒形拳
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米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー(2017年製作の映画)

3.1

ドキュメンタリー映画(ドキュメンタリー映画は『A』や『ゆきゆきて神軍』のような作品かと)というより、NHKかTBS製作の良質のドキュメンタリー番組を観たという印象だったが、内容はやはり不屈の男、瀬長亀>>続きを読む

ベスト・キッド(1984年製作の映画)

3.2

ミヤギさんの日系人部隊としての過去と、収容所で家族を喪ったという背景が、しっかりと描かれているのが素晴らしかった。
あとはエンタメ映画として文句なし。

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)

4.2

原作漫画は途中で飽きて3巻ぐらいまでしか読まなかったけど、映画の方は余計な学園ストーリーが省かれて、作家論・才能論だけに絞られてて面白かった。
響は「絶対的才能」という仮定的象徴であって、彼女を巡る周
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

4.8

トムハンクス・メリルストリープ主演でスピルバーグ監督で、
面白くないわけがないとの期待を大幅に超えて、
面白いだけでなく、社会性の高さも加えて素晴らしい映画だった。

日本でも、報道の自由もとい愛知ト
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フラッシュ・ゴードン(1980年製作の映画)

1.9

愛すべきおバカスペースオペラ。
クイーンの曲と、何のスーパーパワーもないアメフト選手の主人公が地球を救うのが良い。
子ども向けにしては、無駄にセクシー描写が多く、大人向けにしては、チープ過ぎる脚本とア
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.9

タランティーノ監督ファンとしては『パルプ・フィクション』に匹敵する傑作だと思った。69年の空気の再現も素晴らしく、リアルタイムではエリオット・グールドの『ロング・グッドバイ』が妙なヒッピーやらが出てく>>続きを読む

チャップリンの殺人狂時代(1947年製作の映画)

4.2

「一人の殺害は犯罪者を生み、百万の殺害は英雄を生む」
連続殺人者を演じているのに、チャップリンの品の良さが嫌らしさを感じさせるどころか、感情移入までさせてしまうのはさすが。
『独裁者』同様、ラストに演
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風と共に去りぬ(1939年製作の映画)

4.5

多くのレビューや感想で書かれているように、
スカーレットに対する反感から、この映画を嫌う人が多いようであるが、
この映画が公開当時から多くの女性たちに支持され続けてきたことは、
逆説的に、それだけスカ
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デトロイト(2017年製作の映画)

3.8

デトロイト暴動中に起きたアルジェモーテル事件を被害者の証言を元にかなり忠実に再現したある種のホラー映画。
やはり、かっこつきの「正義」に、恐怖心と猜疑心がミックスされた人間ほどおぞましく・恐ろしいもの
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ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.8

タルコフスキー映画鑑賞4本目になるが、
「惑星ソラリス」「ストーカー」「サクリファイス」
に続いて「ノスタルジア」
いずれも、タルコフスキー自身の家族観であったり、
故郷「家」観であったり(だからよく
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若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

4.8

女児向けの青い鳥文庫原作のアニメ映画と侮るなかれ、両親を喪った交通事故遺児が、伊豆の温泉街で祖母の宿を継いで若女将を勤めながら、自己を回復していく物語。
監督が元ジブリの作画監督の高坂監督ということも
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極道の妻たち(1986年製作の映画)

4.5

五社英雄『鬼龍院花子の生涯』からの『極道の妻たち』鑑賞だったので、かたせ梨乃がグラマラスな夏目雅子に見える瞬間があった。
やはりすごい映画。岩下志麻の凄みのある流し目も凄いが、かたせ梨乃の情熱的な肉感
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パッドマン 5億人の女性を救った男(2018年製作の映画)

4.5

素晴らしいインド映画だった。
インドの因習を打破し、女性たちに自由と仕事を与えて世の為人の為と、愛する妻の為に、人生を捧げた実在のスーパーヒーローの映画。
本当のスーパーヒーローはPOW!などと悪人を
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火花(2017年製作の映画)

4.2

原作は文学界に掲載されたときに読んで、芥川賞を確信した作品だったが、この板尾創路監督の映画版は予想以上に良かった。
正直、安易なメディア展開かと期待しないで観始めたが、何しろ菅田将暉と桐谷健太、二人の
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ウォッチメン(2009年製作の映画)

3.6

原作を読んでからの2度目の鑑賞。
やはり原作の凄さに比して、ダイジェスト簡易版の印象は免れなかった。

原作では、アメリカ人の多くが抱いている「原爆投下は世界大戦を終わらせるためにやむを得なかった」と
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来る(2018年製作の映画)

3.4

公開時は『ヘレデタリー 継承』と同時期に公開されていて、日米のホラー対比で語られていた本作。ヘレデタリーの方が、黒沢清的な演出でジワジワと来る恐ろしさである一方で『来る』は、中島哲也演出全開のド派手ホ>>続きを読む

マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

4.0

誰しもが、自分は自分の意思で自分を生きているようでありながら、誰かの(あるいは社会の)マリオネットであるし、普遍的にも、あるいはより具体的にも脚本家や映画監督や演出家のようにパペッター(操り人形師)に>>続きを読む

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

5.0

エンド・ゲームの後にも、ビルディングスロマンとしてのヒーロー映画に原点回帰して、これだけの映画を作ってしまうMCUに脱帽。
これぞヒーロー映画、最高に面白かった❗MCUマニアもクスリとくる場面多数なの
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ゴジラVSビオランテ(1989年製作の映画)

3.2

久しぶりに平成ゴジラが観たくなって、平成ゴジラ最高傑作とされるビオランテを鑑賞。
確かに、シン・ゴジラ後に観ると、しょぼく感じるところもあるが、それにしても昭和ゴジラでジェット・ジャガーが物理法則を無
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彼女が水着にきがえたら(1989年製作の映画)

3.2

バブルの象徴、ホイチョイ3部作の2作目『彼女が水着にきがえたら』だけ未見だったので、鑑賞。
3部作中では最も評価が低い作品ながらも、湘南と東京湾岸のロケ地の当時の風景を今と比較するだけでも楽しめたし、
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実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(2007年製作の映画)

4.8

二度と観たくない(良い意味で)映画だったけど、やっぱり人間の最悪なダークサイドというものは、定期的に見たくなるもので。
学生運動→過激派武装化へ・山岳ベース→あさま山荘籠城の三幕物だけど、やはり圧巻は
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野いちご(1957年製作の映画)

5.0

この映画から多くの内向的な名作映画の原点になったことがよく分かった。
冒頭のシュールレアリスティックな夢の場面が、様々な象徴(メタファー)として示されているあたりから「この映画は、象徴によって読む映画
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ハンコック(2008年製作の映画)

2.5

スーパーヒーローものとしては、異作だけど、ウィル・スミスとシャーリーズセロンの魅力で引っ張られる。
スーパーヒーローものにありがちな同等かそれ以上の力を持つヴィランは登場せず、ラストは無理やりな設定を
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葛城事件(2016年製作の映画)

4.8

2度目の鑑賞。
(良い意味で)二度と観たくない(褒め言葉としての)胸糞映画だったが、葛城事件のような事件が多発する世の中に益々なってきたことも手伝って、どうしてもまた観たくなってしまった。
ここまで、
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800 TWO LAP RUNNERS(1994年製作の映画)

4.8

1993年の作品だけに、まだ携帯電話もインターネットもなかったあの時代に青春期を(特に神奈川県内で)送った人間にはたまらなく切なすぎる青春映画。
映画の中では陸上競技は、その青春群像に花を添える程度だ
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レディ・バード(2017年製作の映画)

3.8

アメリカの女子版中2病(自分にあだ名付ける、人と違う感に憧れる…というアイデンティティに迷走する思春期の痛々しさ)映画であり、あ~いるいるこういう毒親(本当は良い母親なのだけど)映画でもあり、こういう>>続きを読む

サクリファイス(1986年製作の映画)

5.0

『ストーカー』と通づるように、子どもに未来の希望を託している。
またニーチェの永劫回帰のごとく、
主人公アレクサンデルのように仮に狂人とされても、
タルコフスキー自身のように余命いくばくもない病に侵さ
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ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)

3.8

「スパイダーマン ホームカミング」に影響を与えた80年代青春映画の金字塔という触れ込みで観たが、噂に違わぬ良作だった。
80年代映画らしい底抜けに明るい音楽や演出も良いが演劇的な密室のなかでの心理劇と
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クリード 炎の宿敵(2018年製作の映画)

4.3

やっぱり事前にロッキー4は観といて良かった。
クリードの筋肉美が有無を言わさぬ説得力を持たせてる時点でマイケル・B・ジョーダンに拍手。ドラゴJr.との対決に対する結末も、ドラゴ自身がアポロとの試合時に
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アイ・アム・レジェンド(2007年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

公開前、配給会社の指示でラストシーンを安易なハッピーエンドに変えた結果、下らないゾンビ映画と評されたが、今回その本来のエンディングを先に観た結果、実は素晴らしい映画だったことが分かった。
「レジェンド
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ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

4.4

キャストもカーアクションも、シカゴの街破壊も一切金に糸目をつけない感じが、いかにも80年代的で最高すぎる‼️
コメディミュージカル最高傑作❗

ロッキー4/炎の友情(1985年製作の映画)

3.2

クリード2の鑑賞前に予習。
ロッキー、エイドリアンよりアポロとの愛の方が深いんじゃないの?と疑いたくなるほどのBL演出。
米ソ冷戦下でありながらも、80年代的なテクノロジー=豊かさというオプティミズム
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ダークナイト(2008年製作の映画)

4.8

公開時以来の二度目の鑑賞で、時代はMCUがこの間席巻してたけど、やっぱり、アメコミ映画史上最高傑作であることは疑いようがなかった。
正義とは何か?悪とは何か?人間とは何なのか?こうしたヒーロー映画が問
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Ryuichi Sakamoto: CODA(2017年製作の映画)

3.8

青山のワタリウム美術館で体験したasyncの設置音楽展での言語化できない感動を思い出した。
とにかく、坂本龍一という天才と同時代に生きられたことに感謝したくなる。