褐色丼ぶりさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

褐色丼ぶり

褐色丼ぶり

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ちひろさん(2023年製作の映画)

4.2

たかが他人、されど他人。
抱えた問題や心の隙間を時間と環境に身を任せ、孤独を持ったまま生きる選択肢の重要性。
年齢や性別を問わず出会う人の傷に寄り添ってくれる自由奔放なちひろさんの不思議な魅力に取り憑
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

4.2

面白かった。
最高。

蹂躙された魂と肉体に導かれた復讐の連鎖。
血に飢え、空腹を満たした狼の復讐心は復讐という感情から歪な狂気に変貌する。
血肉を裂き骨を砕く重たく響くアクションと泥臭くスピリチュア
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メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

4.0


1冊のBL本で繋がった17歳と75歳。
価値観や年齢の壁を越えて好きなものを共感し共有できる喜びと新鮮さをほのぼのとした雰囲気で優しく描く。
自分にとっての“完璧な一日”を求めて今日もこれからも思考
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地獄(1999年製作の映画)

3.7

目には目と歯を歯には歯と目を。
毒入りカレー、地下鉄サリン、連続幼女誘拐事件、平成日本を震撼させた大罪人が地獄で徹底的に裁かれる。
チープだが味のある斬新なエログロ断罪描写と共に展開される被害者の怒り
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ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

3.9

血と暴力によって崩壊する国境、善人と悪人の境界線。
動揺する時間すら与えない無慈悲な銃声が引き裂く正義と国の将来性。
哀愁漂うベニチオ・デル・トロの血なまぐさい存在感。
続編と言うよりスピンオフのよう
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.2

亀裂の入ったきっかけと変えられない“あの頃”と“これから”に翻弄される遠くへ行ってしまったかつての友情。
断崖絶壁に囲まれ終わりを告げる波の音が響く島の中でエスカレートする負の連鎖。
年甲斐もなく幼稚
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感染家族(2018年製作の映画)

3.6

緊急事態宣言発令。
噛まれると若返る謎のウイルスを持つ若者を使いビジネスを始めるも副作用でゾンビ化。
村の崩壊、村人の暴走、非常事態での出産を終始コメディ調で乗り越えるバカらしくて清々しいパニックホー
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ノーカントリー(2007年製作の映画)

4.5

再鑑賞。
血と暴力が充満する修羅の国アメリカで巻き起こる大金を巡る逃走劇。
追われる者、追う者、それを更に追う男3人の視点から描かれる緊張感に満ちた圧倒的不条理。
徐々にエスカレートする社会への不満と
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.8

今語られるべき作品と時間が経っても記憶に留まる作品の覇権をかけた数字の戦争。
好きという気持ちや情熱だけでは想像を形にできないアニメ業界の現状に挑むスタッフの葛藤と責任。
制作を通して誰かの後ろを歩く
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ザ・ディープ・ハウス(2021年製作の映画)

3.4

湖の底に眠る屋敷を訪れたYouTuberカップルを襲う極限の水葬ホラー。
酸素不足が近づく恐怖と屋敷内で巻き起こる怪奇現象が不安を煽る。
どう足掻いても死。
慌てずゆっくり呼吸をして死を待とう。

メトロポリス(2001年製作の映画)

4.3

人に近いほど人の世界で生きるのが難しく、人が見えなくなってしまったものがよく見える。

親のエゴやちょっと不思議なボーイミーツガールを混じえた展開。
人とロボットの出会いを通じて問われる心の生まれる環
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ザ・シスト/凶悪性新怪物(2020年製作の映画)

3.5

飛び交う悲鳴。飛び散る膿汁。
奇天烈な医療器具によって誕生した意志を持った巨大おできの逆襲。
人が忌み嫌うおできを純度の高い不快感で描き終始嫌悪感をキープさせる悪趣味全開の意欲作。

マイリトルゴート(2018年製作の映画)

4.0

グリム童話『おおかみと七ひきのこやぎ』をベースに親という名の毒を社会風刺を交えながら禍々しい雰囲気で訴える。
PUI PUI モルカーの作風からは想像できない狂気な本作、作者の性癖を感じる1本。

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

4.2

孤島のレストランを訪れた客に待ち受ける人生をかけた食事。
舌の上で踊らされ浮かび上がる客の価値観と皮肉、それに対する代償。
皿の上と島の環境で語られる奪う側と与える側の五感を刺激する神経の削り合いに胃
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さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌(1992年製作の映画)

4.4

一瞬の出会いが一生記憶に残る。

幻想的で遊び心満載の映像、陽気な音楽と一生頭に残りそうな言葉のセンスで気持ち良く酔わせてくれるさくらももこワールド全開の傑作。

今この時を愛し今この出会いを忘れない
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.5

最悪な形で産まれた奇跡。
略奪した愛、祝福に立ち入ろうとする存在を異端として捉える人の浅ましさを極限まで台詞を削ぎ落とし映像で語り、特別と異常の境界線を魅せる。
ホラー映画として観るより少し奇妙な家族
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キングダム2 遥かなる大地へ(2022年製作の映画)

3.8

信の志と将軍への憧れなど今後の方向性を大きく決める蛇甘平原のボリュームある内容を映画的に上手く構成した功績はかなり大きい。

本格的な戦が始まると凄い熱くなるしめちゃくちゃキングダム観てる感覚になるが
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ソラニン(2010年製作の映画)

3.7

ぼっちざろっくロスで心に空いた穴を埋めるため、アジカン繋がりで久しぶりに。
青くさい恋愛と泥臭い努力。
懐かしい。

クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡(1997年製作の映画)

4.1

最・高。
本郷監督から原恵一監督に変わり完全に子供層だけじゃなく一緒に映画館に来させられた大人もターゲットに入れた作風が楽しい。

バーバリアン(2022年製作の映画)

3.7

超良い。
チャプターごとに主軸を変え全く違う視点へ持っていく作りといつ殺られるか分からない展開はホラーゲームをしているような感覚を味わえて楽しい。
怪しい奴と見せかけて良い奴のペニーワイズも良し。

さかなのこ(2022年製作の映画)

4.3

好きな事を嫌いになるより好きな事を好きでい続ける方が難しい。
魚への愛情を常に探求するミー坊の好奇心が巡り巡って誰かの“好き”へ繋がる愛らしい人生に泣く。
気がつけば魚の虜になったミー坊のように気がつ
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セルビアン・フィルム(2010年製作の映画)

3.7

人の道を外れた映画撮影に巻き込まれた元ポルノ男優。

倫理観、道徳心に真正面から喧嘩を売る血と裸に飢えた畜生映画に映る人の限界を超えた残虐性と性的本能の解放。
予想したくなかった最悪を確実に見せてくる
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劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

4.0

ちょうど1年前の“12月24日”ぶりに再鑑賞。

愛に触れる。呪いに溺れる。
呪いで呪いを祓うように“純愛”をもって愛を解き結び直す。
呪いの可視化、呪いの放出を圧倒的な熱量とサービス精神で楽しませて
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パラサイト(1998年製作の映画)

3.8

後に指輪を火山に捨てた英雄となるイライジャ・ウッドが学園生活を未知の寄生生物に襲撃される。
残酷なスクールカーストとSFホラーの見事な融合、遊星からの物体Xのオマージュが散りばめられた演出と寄生生物の
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

3.0

共存と繁栄を繰り返しようやく辿り着いた新しい世界“ジュラシック・ワールド”

7年間を使いようやくタイトル回収を果たした三部作の最終章がイナゴ映画になるなんて予想してなかった。
結局ジュラワシリーズは
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.3

ただ、負けてほしくなかった。

好きだからこそ逃げたい、好きだからこそ辞められない思春期の葛藤がとんでもない熱量で蘇る。

原作の1番観たかった場面を最高の環境と情熱で仕上げて観せてくれた井上先生やス
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女神の継承(2021年製作の映画)

4.3

どれだけ供物を捧げ、どれだけ信仰心があっても神が助けてくれる保証はどこにもない。
信仰心に背を向けた代償と救いの先にある狂気が踊る地獄絵図に精霊と神の存在を問う。
体力と精神を削り取るPOVホラーの傑
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ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

3.9

敷物を小便まみれにされ同姓同名の金持ちと間違われた無職の男の空回り復讐喜劇。
ボンクラ中年ろくでなし達の噛み合いそうで噛み合わない絶妙な味付けがされた会話劇は酒飲みながら観るのにちょうどいい。

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

4.0

この星は恋をする。
詩的なセリフと軽快な音楽と共に綴られる恋の期限と好意の起源。
出会いを距離、別れを時間に置き換えて語られる失恋した男と思考の読めない女のソフトな猥談に気持ちのいい酔いと狂気を覚える
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ミニオンズ フィーバー(2022年製作の映画)

3.8

絶対に車検通らない車のデザイン、何言ってるか分からないけど何を伝えたいのかは分かるミニオン語。
暴力や大麻なんて辞めてこういう平和で優しい映画をみんなで観ようや。

女優霊(1995年製作の映画)

3.7

中田監督デビュー作。

カメラテストに写り込む謎の映像を発見した事により徹底現場主義の幽霊の呪いが降りかかる。
陰湿な演出と不気味なテンポの良さ、女の不気味な笑みがJホラーの基盤を余すことなく堪能させ
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.5


奇妙な椅子とその場所に生きる人を通じて自身のルーツを探し求めるバディムービーの中盤までは新海誠の集大成や最高傑作と言いたくなるが、後半からのスピードの落ちた展開に疲れる。

中盤までは新海誠の成長を
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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.5

全体的に終始画面が赤い。
愛に近い残虐性と悲嘆に似た変態性を兼ね揃えた殺戮パレード。
圧倒的なゴア描写を期待してから観ると物足りなさを感じるものの電車内の地獄絵図は見応えを感じる。

星を追う子ども(2011年製作の映画)

3.0

再鑑賞

“宮崎駿らしい事をしよう”ならまだ救いようがあるが“ジブリっぽい事をしよう”という漠然とした目的で作られてるように感じ前作の『ほしのこえ』や『雲の向こう約束の場所』のような思春期を捨てられな
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