ausnichtsさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

3.0

考えてみれば真モンゴル映画を見たことがありません。思い出すのはモンゴルっぽい映画ばかりです。

そうした新鮮な感覚でしばらくはもちますが、あまり展開もなくややかったるい感じもうけます。

ただ、こうい
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マネーボーイズ(2021年製作の映画)

3.0

ミヒャエル・ハネケ監督に師事したというC.B. Yi監督の長編デビュー作。

感情表現を避けることが意図されているようですのでわかりにくい映画です。

フェイとシャオレイが愛し合っているかどうかもわか
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.0

汚穢のインパクトでおきくをくっちゃっています(笑)。

着想は面白いのですが、いろいろ盛り込まれていることが断片的にしか描かれずなんとも中途半端です。

面白いのにもったいない映画です。

「せかいの
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小さき麦の花(2022年製作の映画)

3.0

前々作の「僕たちの家に帰ろう」は、10歳前後の兄弟二人が、放牧のために移動する両親のもとへ砂漠や草原を旅していく話で、その二人が実に自然体でとてもよかったのですが、この「小さき麦の花」は大人の話という>>続きを読む

午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

3.0

物事にあまり深く立ち入らない、前作の「アマンダと僕」でもそうでしたのでミカエル・アース監督の作風なんでしょう。

冒頭のミッテラン大統領誕生のお祭り騒ぎも単なる1981年の説明シーンですし、ラジオの深
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べネシアフレニア(2021年製作の映画)

3.0

これ、本当はもっと面白く出来たネタじゃないんじゃないですかね。

ホラーを前面に出していますが、双子のひとりとその妻のラストのメッセージなんて結構切ない感じでしたので、それを軸に双子の確執とか、観光立
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わたしの見ている世界が全て(2022年製作の映画)

4.0

台詞にしても画にしても、説明的なこと意識して避けているようです。それでも伝わってきますので、そうした見えないもの語られないものを撮るのがうまいです。

中盤の農業シーンで、まさかそっちへ行かないよね…
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郊外の鳥たち(2018年製作の映画)

3.0

「中国第8世代新たなる才能」と宣伝されていますが、新たなる才能か?未熟さか?と問われれば、未熟さとまでは言わないまでも、この乱雑さは気負いの現れだと思います。

ふたつの時間軸を交錯させて描くことは目
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サイド バイ サイド 隣にいる人(2023年製作の映画)

3.0

前半は未山(坂口健太郎)にこだわりすぎていますのややかったるいですが、後半になりますと詩織(市川実日子)が引っ張る場面が多くなりわかりやすくなります。

笑える、と言うよりもぷっと吹き出すところもあり
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.0

アリ・アッバシ監督がこの映画をイランだけのことだと考えないでくれと言っているように日本でも女性蔑視風潮はかなり顕著です。

今現在、女性を自分の所有物であるかのように物的に扱うような倒錯的な価値観から
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ガール・ピクチャー(2022年製作の映画)

3.0

目につくのは、女性がセクシュアリティについて話をすることに羞恥心を抱かないこと、男性が後景に追いやられていること、ヌードシーンがないこと、セックス(的なも含め…)シーンを執拗に描かないこと、レズビアン>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.0

映画を見ながらこれは舞台劇のほうがいいなあと思っていたのですが、実際にそうでした。この映画の脚本も書いているサミュエル・D・ハンターさんの同名タイトルの舞台劇が原作でした。

映画のシナリオを主として
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Single8(2023年製作の映画)

3.0

「映画作りに情熱を燃やす若者たちを描く70年代青春グラフィティ」という、おおよそ想像がつく映画ですが、いわゆる友情や恋愛の青春ものというよりも映画の作り方映画みたいな感じで進みますので結構見られます。>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

3.0

最近日本で公開されるフランス映画は感動もの狙いが多くなっている気がします。

人生最後の場所となるであろう老人ホームに向かう92歳の女性がタクシードライバーに身の上話をしていく映画です。その話が壮絶で
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.0

オリジナルへのリスペクトは強く感じられますが、一方では何かが抜け落ちてしまったような物足りなさを感じます。

あらためて黒澤明監督「生きる」を見てみたところ、物語の構成はほぼ踏襲されていますが、見るも
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雑魚どもよ、大志を抱け!(2023年製作の映画)

3.0

この映画に描かれる愛すべき悪ガキ的な少年時代というのはテッパンものですので、よほどのことがなければ失敗はない映画かと思います。

懐かしく思い出したり、こういう少年時代が送りたかったと悔やんだりといっ
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

5.0

ダルデンヌ兄弟監督がドキュメンタリー作家としての原点に帰ったような映画です。一貫してトリとロキタ以外のものは撮りません。

ビザ取得の面接官も保護施設の職員も麻薬密売組織の人物も密入国の仲介者も、さら
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.0

一作目が面白いとの評判を聞いていましたが見ておらず、この続編が初見です。

確かにアクションシーン、特に伊澤彩織さんがすごいです。高石あかりさんは俳優としての期待値は高いです。

映画としては、会話シ
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死体の人(2022年製作の映画)

3.0

予告編大賞の本編映画らしいですが、この映画自体も予告編のようなダイジェスト版にみえます。

アイデアとか面白くなりそうな感じがしますが、コメディに逃げようとしている感じでもったいないです。

奥野瑛太
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ロストケア(2023年製作の映画)

1.0

基本的テーマは家族介護の過酷さは要介護者の死(ロストケア)をもってしか解消されないという不条理でしょう。

現実的に重いそのテーマをまったく現実感ある家族介護を描かずして、斯波と大友の観念論的論争で語
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コンペティション(2021年製作の映画)

3.0

まずはペネロペには似合わないだろうと思っていた映画監督役が妙にはまっていてびっくりしました。その顔立ちから役柄が限定されてきたのかも知れません。

モダニズム建築といいますかミニマムな建築物の中で遠近
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The Son/息子(2022年製作の映画)

3.0

内容のわりには伝わってくるものがありません。多分人間関係が観念的に作られたものだからでしょう。

ピーターはそうは見えないのに、父権主義的、家父長主義的、男根主義的にニコラスを抑圧していると描こうとさ
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マジック・マイク ラストダンス(2023年製作の映画)

3.0

スティーブン・ソダーバーグ監督の映画は「コンテイジョン」以来、12年ぶりに見ました。

「セックスと嘘とビデオテープ」「エリン・ブロコビッチ」「トラフィック」そしてゲバラ2部作あたりに比べますとドラマ
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Winny(2023年製作の映画)

3.0

脚本監督の松本優作さんは、このWinny事件に対して自ら興味を持ち、自ら取材調査してこの映画の結論に達したんですかね。

愛媛県警の裏金事件までこの事件に関係するかのように描いていますが大丈夫ですか?
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エッフェル塔~創造者の愛~(2021年製作の映画)

2.0

史実として記録もたくさん残っているであろうエッフェル塔建設の物語を、あまりにもベタなラブストーリーを突っ込んでダメにしています。

映画として凡庸、物語として散漫、史実はつまみ食い、ラブストーリーはベ
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丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)

3.0

目的や意図がはっきりしない映画です。ラストに『世界人権宣言』がバーンと出ますが、そこへ持っていくための映画になっているわけではもありませんし、本を読みましょうとアピールしてくるわけでもありません。>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.0

さほど才能を感じる映画でもありませんのでA24の新手のマーケティング手法に踊らされているということはないのでしょうか…。

低予算を逆手に取ったポストプロダクションがポイントの映画です。俳優がどうこう
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.0

ポール・ヴァーホーヴェン監督が描こうとしたのは、レズビアンというよりも「エルELLE」と同じように完全に自由な女性像だと思いますが、ビルジニー・エフィラさんにはちょっと難しかったようで、イザベル・ユペ>>続きを読む

レッドシューズ(2022年製作の映画)

1.0

脚本と監督にレッドカード!

もう少し現実社会をよく見てくださいね。

「レッドシューズ」ネタバレレビュー、あらすじ、感想、評価。
https://movieimpressions.com/redsh
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

1.0

話がしょうもなくってブラックユーモアにもなっていません。映画は最初から最後まで「雲の中」状態です。

邦題の「逆転の」はミスリードです。原題の「Triangle of Sadness」は眉間のしわのこ
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.0

母親愛、映画愛、人間愛、そして女性差別、人種差別の映画です。

全体としては悪くないのですが、なんだかあれこれ盛り込みすぎて散漫に感じます。

年の差恋愛、それも社会的好奇の目で見られやすい母親ほどの
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対峙(2021年製作の映画)

3.0

フラン・クランツ監督の初脚本、初監督作品であることに驚きます。

銃乱射事件の犠牲者の両親と加害者であり後に自殺した少年の両親が4人だけで対面で話をするという難しい題材です。ほとんど動きのない室内のシ
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

2.0

人食い族のラブストーリーなのに、カルバニズムに対する意識も希薄、マレンやリーの苦悩も希薄、単にラブストーリーのために原作を利用しているとしか思えません。

原作者のカミーユ・デアンジェリスさんはビーガ
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.0

ヒッチコックっぽさを感じさせるクラシカルなつくりのロマンチックサスペンスです。要は、犯罪をからめた男と女のメロドラマです。

そのベタさを避けるために巧妙なモンタージュで見る者を煙に巻いています。です
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バビロン(2021年製作の映画)

3.0

音楽で持つところもありますが、やはり映画は一定程度ドラマの奥深さがないとダメでしょう。それにやっていることがほとんど二番煎じ的です。

デイミアン・チャゼル監督、このダメージは大きいでしょう。

「バ
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エゴイスト(2023年製作の映画)

3.0

高山真さんという方を知りませんでした。2020年に50歳で亡くなられています。その方の自伝的小説『エゴイスト』の映画化です。

浩輔を演じている鈴木亮平さんは多才で器用な俳優さんですのでゲイの役柄もう
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