考えてみれば真モンゴル映画を見たことがありません。思い出すのはモンゴルっぽい映画ばかりです。
そうした新鮮な感覚でしばらくはもちますが、あまり展開もなくややかったるい感じもうけます。
ただ、こうい>>続きを読む
ミヒャエル・ハネケ監督に師事したというC.B. Yi監督の長編デビュー作。
感情表現を避けることが意図されているようですのでわかりにくい映画です。
フェイとシャオレイが愛し合っているかどうかもわか>>続きを読む
汚穢のインパクトでおきくをくっちゃっています(笑)。
着想は面白いのですが、いろいろ盛り込まれていることが断片的にしか描かれずなんとも中途半端です。
面白いのにもったいない映画です。
「せかいの>>続きを読む
前々作の「僕たちの家に帰ろう」は、10歳前後の兄弟二人が、放牧のために移動する両親のもとへ砂漠や草原を旅していく話で、その二人が実に自然体でとてもよかったのですが、この「小さき麦の花」は大人の話という>>続きを読む
物事にあまり深く立ち入らない、前作の「アマンダと僕」でもそうでしたのでミカエル・アース監督の作風なんでしょう。
冒頭のミッテラン大統領誕生のお祭り騒ぎも単なる1981年の説明シーンですし、ラジオの深>>続きを読む
これ、本当はもっと面白く出来たネタじゃないんじゃないですかね。
ホラーを前面に出していますが、双子のひとりとその妻のラストのメッセージなんて結構切ない感じでしたので、それを軸に双子の確執とか、観光立>>続きを読む
台詞にしても画にしても、説明的なこと意識して避けているようです。それでも伝わってきますので、そうした見えないもの語られないものを撮るのがうまいです。
中盤の農業シーンで、まさかそっちへ行かないよね…>>続きを読む
「中国第8世代新たなる才能」と宣伝されていますが、新たなる才能か?未熟さか?と問われれば、未熟さとまでは言わないまでも、この乱雑さは気負いの現れだと思います。
ふたつの時間軸を交錯させて描くことは目>>続きを読む
前半は未山(坂口健太郎)にこだわりすぎていますのややかったるいですが、後半になりますと詩織(市川実日子)が引っ張る場面が多くなりわかりやすくなります。
笑える、と言うよりもぷっと吹き出すところもあり>>続きを読む
アリ・アッバシ監督がこの映画をイランだけのことだと考えないでくれと言っているように日本でも女性蔑視風潮はかなり顕著です。
今現在、女性を自分の所有物であるかのように物的に扱うような倒錯的な価値観から>>続きを読む
目につくのは、女性がセクシュアリティについて話をすることに羞恥心を抱かないこと、男性が後景に追いやられていること、ヌードシーンがないこと、セックス(的なも含め…)シーンを執拗に描かないこと、レズビアン>>続きを読む
映画を見ながらこれは舞台劇のほうがいいなあと思っていたのですが、実際にそうでした。この映画の脚本も書いているサミュエル・D・ハンターさんの同名タイトルの舞台劇が原作でした。
映画のシナリオを主として>>続きを読む
「映画作りに情熱を燃やす若者たちを描く70年代青春グラフィティ」という、おおよそ想像がつく映画ですが、いわゆる友情や恋愛の青春ものというよりも映画の作り方映画みたいな感じで進みますので結構見られます。>>続きを読む
最近日本で公開されるフランス映画は感動もの狙いが多くなっている気がします。
人生最後の場所となるであろう老人ホームに向かう92歳の女性がタクシードライバーに身の上話をしていく映画です。その話が壮絶で>>続きを読む
オリジナルへのリスペクトは強く感じられますが、一方では何かが抜け落ちてしまったような物足りなさを感じます。
あらためて黒澤明監督「生きる」を見てみたところ、物語の構成はほぼ踏襲されていますが、見るも>>続きを読む
この映画に描かれる愛すべき悪ガキ的な少年時代というのはテッパンものですので、よほどのことがなければ失敗はない映画かと思います。
懐かしく思い出したり、こういう少年時代が送りたかったと悔やんだりといっ>>続きを読む
ダルデンヌ兄弟監督がドキュメンタリー作家としての原点に帰ったような映画です。一貫してトリとロキタ以外のものは撮りません。
ビザ取得の面接官も保護施設の職員も麻薬密売組織の人物も密入国の仲介者も、さら>>続きを読む
一作目が面白いとの評判を聞いていましたが見ておらず、この続編が初見です。
確かにアクションシーン、特に伊澤彩織さんがすごいです。高石あかりさんは俳優としての期待値は高いです。
映画としては、会話シ>>続きを読む
予告編大賞の本編映画らしいですが、この映画自体も予告編のようなダイジェスト版にみえます。
アイデアとか面白くなりそうな感じがしますが、コメディに逃げようとしている感じでもったいないです。
奥野瑛太>>続きを読む
基本的テーマは家族介護の過酷さは要介護者の死(ロストケア)をもってしか解消されないという不条理でしょう。
現実的に重いそのテーマをまったく現実感ある家族介護を描かずして、斯波と大友の観念論的論争で語>>続きを読む
まずはペネロペには似合わないだろうと思っていた映画監督役が妙にはまっていてびっくりしました。その顔立ちから役柄が限定されてきたのかも知れません。
モダニズム建築といいますかミニマムな建築物の中で遠近>>続きを読む
内容のわりには伝わってくるものがありません。多分人間関係が観念的に作られたものだからでしょう。
ピーターはそうは見えないのに、父権主義的、家父長主義的、男根主義的にニコラスを抑圧していると描こうとさ>>続きを読む
スティーブン・ソダーバーグ監督の映画は「コンテイジョン」以来、12年ぶりに見ました。
「セックスと嘘とビデオテープ」「エリン・ブロコビッチ」「トラフィック」そしてゲバラ2部作あたりに比べますとドラマ>>続きを読む
脚本監督の松本優作さんは、このWinny事件に対して自ら興味を持ち、自ら取材調査してこの映画の結論に達したんですかね。
愛媛県警の裏金事件までこの事件に関係するかのように描いていますが大丈夫ですか?>>続きを読む
史実として記録もたくさん残っているであろうエッフェル塔建設の物語を、あまりにもベタなラブストーリーを突っ込んでダメにしています。
映画として凡庸、物語として散漫、史実はつまみ食い、ラブストーリーはベ>>続きを読む
目的や意図がはっきりしない映画です。ラストに『世界人権宣言』がバーンと出ますが、そこへ持っていくための映画になっているわけではもありませんし、本を読みましょうとアピールしてくるわけでもありません。>>続きを読む
さほど才能を感じる映画でもありませんのでA24の新手のマーケティング手法に踊らされているということはないのでしょうか…。
低予算を逆手に取ったポストプロダクションがポイントの映画です。俳優がどうこう>>続きを読む
ポール・ヴァーホーヴェン監督が描こうとしたのは、レズビアンというよりも「エルELLE」と同じように完全に自由な女性像だと思いますが、ビルジニー・エフィラさんにはちょっと難しかったようで、イザベル・ユペ>>続きを読む
脚本と監督にレッドカード!
もう少し現実社会をよく見てくださいね。
「レッドシューズ」ネタバレレビュー、あらすじ、感想、評価。
https://movieimpressions.com/redsh>>続きを読む
話がしょうもなくってブラックユーモアにもなっていません。映画は最初から最後まで「雲の中」状態です。
邦題の「逆転の」はミスリードです。原題の「Triangle of Sadness」は眉間のしわのこ>>続きを読む
母親愛、映画愛、人間愛、そして女性差別、人種差別の映画です。
全体としては悪くないのですが、なんだかあれこれ盛り込みすぎて散漫に感じます。
年の差恋愛、それも社会的好奇の目で見られやすい母親ほどの>>続きを読む
フラン・クランツ監督の初脚本、初監督作品であることに驚きます。
銃乱射事件の犠牲者の両親と加害者であり後に自殺した少年の両親が4人だけで対面で話をするという難しい題材です。ほとんど動きのない室内のシ>>続きを読む
人食い族のラブストーリーなのに、カルバニズムに対する意識も希薄、マレンやリーの苦悩も希薄、単にラブストーリーのために原作を利用しているとしか思えません。
原作者のカミーユ・デアンジェリスさんはビーガ>>続きを読む
ヒッチコックっぽさを感じさせるクラシカルなつくりのロマンチックサスペンスです。要は、犯罪をからめた男と女のメロドラマです。
そのベタさを避けるために巧妙なモンタージュで見る者を煙に巻いています。です>>続きを読む
音楽で持つところもありますが、やはり映画は一定程度ドラマの奥深さがないとダメでしょう。それにやっていることがほとんど二番煎じ的です。
デイミアン・チャゼル監督、このダメージは大きいでしょう。
「バ>>続きを読む
高山真さんという方を知りませんでした。2020年に50歳で亡くなられています。その方の自伝的小説『エゴイスト』の映画化です。
浩輔を演じている鈴木亮平さんは多才で器用な俳優さんですのでゲイの役柄もう>>続きを読む