このレビューはネタバレを含みます
劇映画ではなく記録映画から映画の両義的な本質を語るおかしさ。
愛ではなく本質を語り、最後はおもしろい絵とつまらない絵の差を、つまり映画の作り方を教えてくれることが、彼を信頼できる何よりもの証拠。
ヴィランがまとも過ぎる。これじゃあヒースレジャージョーカーやサノスと同じではないか。彼女はどう見ても、まともさゆえにすべてを終わらせようとしている。カオスはそのプロセスにすぎない。
だが本物のカオスは>>続きを読む
馬と車と列車、そしてボートチェイス。すなわち映画。
ましてやサーカスの列車なんだから、バルカン超特急だってできてしまう。
今泉力哉の脚本でありながら、彼にはできない演出も観られる。それだけで満足…
『Mellow』の暴力性はミラクルエースくらいの程度、『パンとバス〜』でもフランスパンがクッションになって、喜劇性は保たれ>>続きを読む
レコーダーが登場する映画は大体良い(ブレッソンの『白夜』みたいな歪な使い方も好き)。記録物は、その場に別の時空を持ち込むことを無理なく可能にする。これならフラッシュバックなんて現実から乖離した野暮な演>>続きを読む
これだけラフな手持ち撮影でも、国岡が感傷的になった場面の夕日の遠景はちゃんと美しかった。
タランティーノの映画オタクっぷりがちょっとウザかったこと以外は全部良い。フリードキンの放つ言葉は全て最高。
Hello, motherfuckers!
当時公開から2年しか経ってない『たぶん悪魔が』を引用してしまう躊躇のなさがすごい。
ションベンハウアー哲学における意志と表象についての云々とブレッソンの表象批判のクロスオーバー。でも登場人物達は、哲学>>続きを読む
見ることを巡る映画であるため、『裏窓』同様、窓(ショウウィンドウ)が鍵となる。彼女が窓を越えるとき、ドラマが生まれる。
そして、音は必要最低限。
チャップリン曰く、
「余計なものを振り落とすために木を>>続きを読む
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「日本と韓国」や「男と女」という区別がバイアスとして働くとき、良いことなど少しももたらされないのは分かる。
だが、女が本当に彼らを守ろうとしていたのなら、あんな中途半端な接触はむしろ逆効果。
スターウ>>続きを読む
『Cigarettes & Coffee』の凄すぎる脚本の構造はあまりにも短編向きだったから、こっちではPTAらしいキャラクターの愛おしさで勝負することに振り切ってる。良い。
スタンダードサイズを選ぶ勇気。それで横移動までしたらそれはもうウェス・アンダーソンなんだけど、彼よりもずっと演出が主観的で巧妙だから見れてしまう。たとえ、何かが起こりそうで起こらないまま収束してしまう>>続きを読む
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主題も演出も、わかりやすいほどに映画的。これこそ映画についての映画。
スクリーンとしての窓があり、その中へ入り込む瞬間にサスペンスが生まれる。
しかもそれは双方向から行われる。主人公達が見つめるだけで>>続きを読む
チャゼルの映画極左っぷり炸裂。
『セッション』や『ララランド』以上にスコセッシの影響が強い印象。
かつてのスコセッシみたいに、作品賞を貰えない怒りが残ってたのか。それなら観客に象のうんこかけたくなるの>>続きを読む
タル・ベーラやブレッソンが形式の中でやったことを、押井守は物語の中でやる。東京にある可視領域と不可視領域を並置して。