champavertさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

4.6

戦争なんて政治の極みのようなものなのに、政治的な背景が一切語られない戦争映画。カリフォルニアとテキサスが独立(どちらも分離運動は実際にある)、地方は巻き込まれたくないなど、こんなことアメリカでしか起こ>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

2.6

トーキング・ヘッズ好きなら楽しめるだろうが、BLM(だからスパイク・リーなんだろうが)や有権者登録など、典型的なアメリカリベラル左派のメッセージを伴ったパフォーマンスは好みが分かれるだろう。映画的な驚>>続きを読む

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

3.1

映画は記号の集合体だ、と改めて認識せざるをえない作品。高校生、青春、SF、学祭、恋愛、そこに時代劇=愛、といった記号が全部ごちゃまぜになって、それってつまりこういうものでしょ!と、各記号を背負った各シ>>続きを読む

憐れみの3章(2024年製作の映画)

3.6

前作『哀れなるものたち』(未見)でわりとメジャーなファンを掴んだ気がするランティモスだが、元々こういう不条理セックス・コメディを撮る人だったよな。詳しいことはよくわからないけど劇中でみんなが従ってる「>>続きを読む

の方へ、流れる(2021年製作の映画)

2.1

演劇でやっとけこれは。特段大した映像も撮れてないくせに、わざわざ中編にする意味がわからない。ラストもこれ見よがしで引く。表情のない唐田えりかは不穏でいいのだが、いかんせん男がチープ。

ビートニク(1999年製作の映画)

3.6

ジョニデやデニス・ホッパーの朗読のシーンはそんなに必要ないかもしれないが、ビート文学に関連する錚々たる面々の顔が拝めるのは貴重。ブライオン・ガイシンなんかも登場。

ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画(2013年製作の映画)

2.1

ケリー・ライカートなのに凡作、ということはとりあえず置いといて、この脚本に圧倒的に足りなかったのは、三菱重工爆破事件などを起こした東アジア反日武装戦線「狼」の大道寺将司が、獄中でひたすら自己批判したそ>>続きを読む

ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

4.1

このカナという女性の不条理ともいえる感情のむき出し方がこの映画の何とも言えぬ魅力のひとつだが、その彼女を捨てるわけでもなく、「殺すぞ」とまで言っても付き合い続けるクリエイターの彼氏の存在もまた魅力。そ>>続きを読む

宗方姉妹(1950年製作の映画)

3.6

仕事しないインテリ飲んだくれ山村聰のDV、そして死んでまで妻を呪う悪夢のような男根根性で窒息させられるようなきつさだが、そこに奔放なデコちゃんが清涼剤のように効いているので何とか観ていられる。それでも>>続きを読む

恋する惑星(1994年製作の映画)

3.1

ドラッグ殺人と不法侵入についてのオムニバス映画。返還前のこの時代の香港の雑多さ、いかがわしさはいいですね。トニー・レオンかっこよすぎ。でも同じ曲使い回しすぎでダレる。

Chime(2024年製作の映画)

4.1

『CURE』に先祖返りしたような、黒沢清特有の「狂気は伝播する」系中編。とにかく不穏なのは、意図的に不安定なカメラワークとほとんどハーシュノイズのような音のせい。ストーリーはあってないような気もするが>>続きを読む

アナイアレイション -全滅領域-(2017年製作の映画)

4.1

再見。
そこに入るもののDNAを反射する「シマー」においては、心の中も反射するのか、レナの心の中には何度も黒人教授との不倫セックスのシーンが繰り返される。そして帰還した「夫婦」はふたりともこのシマーが
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色情妻 肉の誘惑(1976年製作の映画)

2.6

オカルト・ロマンポルノ、という触れ込みで観てみたが、タロットの導入はいいものの、終盤の意味不明生贄サイケダンスを経験したら性の秘技で夫のインポも治してしまい、ハッピーエンド、というわけのわからなさ。ラ>>続きを読む

ユンヒへ(2019年製作の映画)

4.1

青春時代の同性愛が精神病扱いされ、無理矢理結婚させられた韓国と、自分の秘密を守って生きていく日本の対比が、方や貧乏なシンママ、方や生活に不自由のない動物病院経営と、ふたりの現在の状況からもよく映し出さ>>続きを読む

時をかける少女(2010年製作の映画)

3.6

この仲里依紗の透明感にかなうものは何もないでしょう。ただストーリーは残酷で、バスの事故は辛いし未来人は過去を変えられないのも辛い。ラストの8ミリも辛い。

美女のうごめき/鮮血に染まる死霊の館(1978年製作の映画)

3.1

貧血予防のために牛の血を飲み始めて血の味を知ってしまったブルジョア吸血女たちの、年1回の集会に居合わせた男は羨ましいなあと思って観ていると、当然のごとく最後には死んでしまう、という筋も何もあったもんじ>>続きを読む

ザ・ビーチ(2000年製作の映画)

3.1

植民地主義とコミューン主義の失敗は視覚的に明白な暴力によってもたらされる、というわかりやすい結末だが、そんなことよりも、ディカプリオがある晩少し時間を共にしただけの気の狂った死者ダフィに取り憑かれてし>>続きを読む

ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-(2020年製作の映画)

2.6

トランプの副大統領候補で名が売れたJDヴァンスの自伝の映画化。本当に貧困層出身だったのか、実はミドルクラスだったんじゃないのか?という疑惑もあるらしいが、それはさておき、ラフな白人一家のラフな話ではあ>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

1.6

特に海の中のCGはすごいがストーリーは予定調和にもほどがある。しかもどうしてこういう悲愴な音楽をダラダラと流すかね、これで太平洋戦争を清算した気になるアホはおらんだろ。
CGがすごい、というのはもはや
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

4.1

女性が言う、「どの男も全部同じ」という、男に対するがっかりな反応がこの映画の根底にあるような気がするが、この村では本当にどの男も顔が同じで、どいつもこいつも自分のことしか考えておらず、女性を下に見てい>>続きを読む

ライトハウス(2019年製作の映画)

3.1

1930〜40年あたりの古典ホラーに、タルコフスキーをぶちこんでニューロティックにしたような不気味ホラー。孤島ゆえの気狂いなのか、ムーンシャインのせいなのか、本当にタコかクトゥルーのような化け物が出て>>続きを読む

蛇の道(2024年製作の映画)

3.6

ほとんど完璧な映画と言っていいオリジナル『修羅の極道~』と比較すると、この映画はわりと凡庸なストーリー――児童売買グループによる連れ去り、スナッフビデオの製作――なので、やはりあの「世界の法則」に触れ>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.1

沖縄の部分短くして尺90分になってれば潔かった。桜木の背中は大丈夫だったんだろうか、安西は指導者失格じゃないのか。そればかりが気になるラストだった(その後リハビリして復活したんだっけ?)。

PLAN 75(2022年製作の映画)

2.1

現代の姥捨山!悪夢の高齢化日本を描く衝撃作! とでも言いたいところだが、暗澹たる現実をあまりに現実的に描き過ぎててさすがに辛い。みんないつかはああなるのか、『死の王』みたいなもんだ。ラストは生きる希望>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.1

いくらでも換えの効く使い捨て労働者の夢は、アメリカのフロリダに移民するか、当時まだソ連だった海の反対側にあるエストニアに行くかくらいしか選択肢がなかった貧乏フィンランド。東でも西でもないこの国の不確か>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

3.5

ちょっと展開がダラーっとしてる気がするが、アニャの目力の強さがさすが砂埃とよく合ってて、長尺さはあまり感じなかった。でもイモータン・ジョーは動かないし、前作ほどの高揚感はなかったな。エンドロールの前作>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

3.0

ルドルフ・ヘスによる自伝『アウシュヴィッツ収容所』の淡々さを、さらに俯瞰したような突き放したカメラと、ほとんどダーク・アンビエントやインダストリアルのようなノイズが時々鳴り、その合間のあるドイツ人一家>>続きを読む

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

3.5

10年ぶりくらいに見返したが、エピソードは結構ぶつ切れなのに全体のトーンが統一されているからか、観ていて飽きないのはさすが。足利の田園地帯のおかげでもあるか。
蒼井優の援交は悲しいしそれで得たお金なん
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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

3.5

「労働者階級に祖国はないわ」
ジョー・ストラマーのスレたテレキャスがかっこいいのだが、そのスレ具合くらいこの映画もスレている。虚無のフランス移民と乾いた殺し屋の悲しくて滑稽な物語。

蛇の道(1998年製作の映画)

4.0

久々に再見。高橋洋x黒沢清コンビの作品では最恐なんじゃないかと思える禍々しさが、画面から演技から溢れ出ている怪作。パンパンと乾いた銃声で殺されるヤクザたちの命の軽さが、逆説的に子供を殺された親の辛さを>>続きを読む

最後にして最初の人類(2020年製作の映画)

2.0

何十億年も先のまったく未知の世界から語りかけられているのに、映像はたかだか数十年の間に社会主義ユーゴで作られた物質的で妙な建造物を見せられるだけなので、その2つの乖離が気になって朗読が入ってこない。ヨ>>続きを読む

最も重要なものは愛/大切なのは愛すること(1975年製作の映画)

2.5

武者の甲冑、インポ、血まみれと三拍子揃ってるが、ズラウスキーにしては単調でなにか物足りない。でもここから『ポゼッション』に行くのよね。

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.5

15年ぶりくらいに再見。私が覚えているよりもスペイン内戦の影は強く、母が宛もなく書いている手紙は内戦ではなればなれになった誰かで、脱走兵は「ゲリラ化した共和派の残党マキ」なのだろうか。また「若きフェル>>続きを読む

清作の妻(1965年製作の映画)

4.0

元妾のあややの孤独になりたくない一心と強烈な愛ゆえに盲になってしまった清作だが、それであややの孤独の胸中を知り、模範=国家に従うことを止め、自ら売国奴として生きていくことを悟ったのは、ある意味ではハッ>>続きを読む

風よ あらしよ 劇場版(2023年製作の映画)

2.5

伊藤野枝という田舎者がいて、青鞜という女性の雑誌があって、こういう出来事がありました、というのをさらっと伝えるためだけの伝記映画。で結局伊藤野枝や大杉栄の主張した無政府主義思想とは何だったの?という謎>>続きを読む

浮き雲(1996年製作の映画)

4.0

失業貧乏フィンランドの淡々ハッピーエンド。アル中の失業者が寒空の下で集まってるところから、アル中矯正施設行ってピシッとなって帰ってくるのが最高。この頃のカウリスマキはまだ底明るさがあるからいいね。暗い>>続きを読む