よくできた会話劇で、主人公モリー・ブルームの頭の回転の早さ、類稀なる知力という設定が下支えになっているけれど、ひるがえって、映画的な躍動感、時間の芸術性という点には比重は置かれていない。
辛く言えば、>>続きを読む
非マジョリティと言えそうなオタク然とした見た目とは言え、白人男性のタイ・シェリダンを主役にした点や、シスジェンダー・ヘテロセクシュアル前提な展開にはそこまで感心しなかったけど、リナ・ウェイス、森崎ウィ>>続きを読む
『i-D』で、本作についてダイアン・クルーガーにインタビューしてまーす。
本作は、徹底的にテロ、ヘイトクライムの被害者の描写に心砕いており(つまりヘイト、差別を断じて許さないというのがファティ・アキン>>続きを読む
非モテっぽい愚痴言ってっけど、コロンビア大学に在籍して、アッパーイーストのアパートに住んでるし、両親は健在(しかも父は、落ち目とはいえ出版社経営)、彼氏のいる女の子とデートとセックスはしてるし、そのう>>続きを読む
もともと全世界での配給権を持っていたパラマウントが改変要求をしたのに対し、アレックス・ガーランドとプロデューサーのスコット・ルーディンが拒絶したのをきっかけに、アメリカ、中国以外はネットフリックスが配>>続きを読む
介護や、兄弟格差が示唆されながら、そうした現実的な課題がドラマを(無理やり)駆動させる装置程度にしかなってなくて、未消化。
悪くないけど、「良い映画」と言ってしまっては……という気持ち。
要素は興味深>>続きを読む
主人公3人のたたずまいのどんくささを見て、よくこんな素人感出せる役者を見つけてきたなとおもってたら、エンドロールで本人役だとわかって驚愕。
リアリズムの御しかたは少し変わっていて、オランダ・アムステ>>続きを読む
冒頭の、5分以上のバイオハザードなゲーム的主観カメラは正直「おおすごい」は数分で終わったし、その「すごさ」描写以外に意図がつかめなかったのだけと、その10分長回しには韓国映画のアクション撮影技術の余裕>>続きを読む
富山県の魚深市という、架空の町を舞台に、刑期を終えて出所したものの身元引き受け人がいないため、自治体が過疎対策のために秘密裏に受け入れる、というお話は、「罪を償う」ということは他人との関係の中でしかな>>続きを読む
オープニングの、ミズーリの風景に廃れた穴だらけのビルボード、に続く原題『Three Billboards outside Ebbing, Missouri』のうしろ3つの単語が痛切。
ミソジニー(女性>>続きを読む
ブラックユーモアが散りばめられているだろうことは想像がつくのだけど、それよりなにより長かった。前作の痛快さはどこへ。
(アクションはまあすごいんだが)(あとクィアなエルトン・ジョンが思ったより大活躍だ>>続きを読む
☆「i-Dマガジン」のウェブ版に監督へのインタビュー記事が公開されたので再ポスト。
https://i-d.vice.com/jp/article/kznzqe/koi-to-wolbachia-di>>続きを読む
これまたひどいミソジニーがものがたりの推進力になっているのに、説明なく蒼井優が関西と関東のイントネーションを使い分けてて(姉は関東のイントネーションで話すのに、妹は関西の、とかね。このへん育ちがちがう>>続きを読む
イマジネーション賛歌。
『リアリティのダンス』に続いて今回も、ミソジニーの表現が胸をざわつかせながらもテーマのため、と思いつつ、スペイン語のどういうことばがセリフに置かれていたかわからないのだけど、字>>続きを読む
既存の男女二元論を超える、クィア的な表現としてのエイリアンがユニークなのに、日本語字幕は「女優」が演じるキャラクター、あるいは「女性」に見えるキャラクターをすべて女ことば字幕にしていて台なしー。
PT>>続きを読む
「無機質な団地生活」「都市の緊密な人間関係のしがらみ」「満たされずにセックスにのめりこむ」みたいな記号が飛び交うけれど、描写になっておらず、何かがほのめかされるだけと感じた。
その背景にある人々の生命>>続きを読む
7歳で難解な数学の計算もできる子どもをめぐる話だけど、その「イレギュラー」を人格の全体とせず、部分的には同年代の子らと過ごし、部分的には学力の面で合う人たちと過ごす、という極端に偏らせない可能性を照ら>>続きを読む
今年のフィルメックスの当たり(と言ってもまだ5本しか観てないけど)。すばらしかった(後でちゃんと書く)。
フランスのLGBTのHIVアクティヴィズム団体「Act Up」をテーマにした作品で、とにかく「批判を重ねて議論をする」「決して多数決に任せない」という民主主義な手続きを重ねる描写に圧倒されたし、感心し>>続きを読む
フィルメックスのコンペ部門で。
中国中(クレジットで桃園市という字を見たから、もしかしたら台湾含)の監視カメラ何台もから抽出した映像をもとに、勝手に物語をはめていくというアイディアはおもしろい。
ま>>続きを読む
フィルメックスのコンペ部門で。
ストーリーらしきものがあって、なにかほのめかしているのだけど、あまりにも物語の力や映画の動的な力を軽視しているようで(主人公がタレコミ屋だなんてほぼわからなかったよ…>>続きを読む
アメリカでの銃規制法案の通過を巡って、ロビイイング業者を通して見えてくる、日本にはなじみの薄い政治活動は興味深い。
同時に、法案を通すために、あるいは反対するために市民が団体に働きかけたり、政治家がそ>>続きを読む
有色人種はこういう出来事にあう可能性がある、という(かなり戯画化された)ブラックコメディというかホラーなんだけど、フランケンシュタインにしろゾンビにしろ、そういう風刺だったはず、だから意外性はおもった>>続きを読む
直接的でないにせよ、間接的に誰もが加害者になりうる、ということをめぐる、しかもミソジニー(女性蔑視)の極致といえる物語でとても辛いのだけど、リアリティの文脈だと「子どもに “負けるな、立ち向かえ、誰も>>続きを読む
「韓国映画」「ヤン・イクチュンが出る」という情報だけで勢いで東京国際映画祭での上映チケットをとって、タイトルもイクチュンのことも忘れてしまっての観賞だったけど、とても良かった。
監督のキム・ヤンヒさん>>続きを読む
タイ深南部あるいはマレーシア北部におけるロヒンギャ難民の人身売買というテーマや、国外に可能性を求めようとするマレーシア人は興味深いテーマだけど、ロヒンギャも、マレーシアにおけるインド系、中華系、マレー>>続きを読む
60年代末、ストーンウォールの暴動を大きなきっかけとして高まった、性的マイノリティの人権運動を推進したのは、男性・女性の同性愛者であるゲイ・レズビアンや、バイセクシュアルでもなく、トランスジェンダーと>>続きを読む
劇中の大学生劇団らしき若者たちの作品で女装の男が笑いのネタになってたのは、原作にもあったのか映画化の際の脚本によるものかわからないけど、さらりと挿入されていて不用意に過ぎるとおもった。
男から女への接>>続きを読む
NASAによる有人宇宙飛行を目指すマーキュリー計画に計算士として関わった有色人種の女性たちのものがたりは、原題の示すとおり、計算式を解くという意味と、白人男性中心主義で描かれた『ライトスタッフ』(これ>>続きを読む
増殖するゾンビという点は、ヨン・サンホ監督は本作ののちに制作する初の実写映画『釜山行き』(やっぱり『新感染』と言いたくない)と共通するが、前哨戦である本作がソウルの都市全体を舞台にしている点と、若者、>>続きを読む
子どもたちの世界の力関係の変化、その世界は親や保護者や先生といった大人の世界からの影響とも無縁ではなく、PRでおどる「いじめ」という言葉では(むしろ矮小化していると言えるほど)つかみきれないふくらみを>>続きを読む