きよさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

きよ

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セッション(2014年製作の映画)

4.0

爽やかで陽気な「音楽」の概念を覆す、文字通りの意味で、血と汗を流しながら音楽を追求する姿は、もう狂気の沙汰としか言いようがない。

高揚と絶望を行ったり来たりするので、終始緊張感から解放されない。その
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スノーデン(2016年製作の映画)

4.3

アメリカのデジタル監視に異議を唱え、内部告発に踏み切った元CIAエドワード・スノーデンを描いた映画。

実話を基にしてるだけあって、物語の展開に説得力がある。主人公が告発に至るまでの苦悩も丁寧に描かれ
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.0

ミュージカルシーンは目がパチパチするほど鮮やかで豪華。歌も圧巻で、特に女性歌手のソロのシーンは鳥肌が立つほど。劇場で観て良かった。

ストーリーはベタで、ミュージカルが特に好きと言う訳ではないので、全
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15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

2.0

日常と非日常を対比させてることは分かるけど、大半である日常シーンがあまりにも退屈すぎる。そもそも観るのがつらい。

「なぜ彼らはテロリストに立ち向かえたのか」の部分が気になって観たのに、バックグラウン
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記憶探偵と鍵のかかった少女(2013年製作の映画)

3.0

これからどんでん返しがくるぞ!と思ったら、そのまま終わったので肩透かしをくらった気分でした。もうひとひねりほしかった。期待しすぎていたこともあって少し残念です。

ただ、冒頭の部分は最後に伏線回収され
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フラガール(2006年製作の映画)

4.0

フラダンスと閉山寸前の炭鉱町という組み合わせが面白い。そしてこれが実話だというから驚きです。

どの登場人物にも共感できるから、衝突や葛藤に何とも言えないもどかしさを覚える。心情変化の過程も丁寧に描か
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ミスト(2007年製作の映画)

3.5

最近itを観て面白かったので、本作もキング原作ということで鑑賞。

恐怖に置かれた時の集団心理の移行は、生々しい怖さがありました。狂信的な偏った思想でも、あんな状況で自信満々に演説されたら、考えること
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オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

3.8

ポアロシリーズは子供の頃から大好きで、原作本もデヴィッド・スーシェ主演のドラマもよくみてました。細かい内容は覚えていなかったので、それぞれの関係性や動機にフォーカスして鑑賞。

険しく冷たい雪山の映像
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死霊館 エンフィールド事件(2016年製作の映画)

3.5

前作より初期の兆候がいきなり怖くて、小さな違和感を感じるような地味な怖さがなくなってたのが残念。

また、私は「恐怖の起源に迫る」ことをホラーの醍醐味としているのですが、前作のようなゾッとするような過
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死霊館(2013年製作の映画)

4.3

わたし好みの怖さでした。過激な画で驚かせるというより、日常生活の中に恐怖の気配を少しずつ与えて、ジワジワと追い詰めていくタイプのホラー。

家の時計がすべて3:07で止まるとか犬が家に入りたがらないと
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ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ(2015年製作の映画)

3.5

邦題に騙された感はあります。アイリーンとコルビュジェはそもそも恋仲ではなかったし、コルビュジェの描かれ方が明らかにアイリーンの引き立て役だった。

しかしそのことを抜きにしてもアイリーンという建築家を
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

4.0

面白いと思ったのは子供たちが見るitがそれぞれ自分が恐れる馴染みのものに起因していたということ。最近フロイトの「不気味なもの」を読んだのですが、関連しそうなとこがいくつかあって楽しめました。

人間模
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ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)

3.8

「Sherry」や「君の瞳に恋してる」など聴いたことのある曲が登場するので、よりストーリーにグッと引き込まれます。名曲が生まれた背景を知れるという点でも良かった。

爽やかな音楽とは裏腹に、メンバーと
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バグダッド・カフェ 完全版(1987年製作の映画)

3.8

お洒落で爽やかな映画。独特なゆるい空気感と綺麗な色彩が印象的でした。特に派手な展開はないのですが、登場人物が魅力的なのか、穏やかな心で退屈することなく楽しめました。

ぐるりのこと。(2008年製作の映画)

4.0

法廷画家として、社会/外の闇に向き合うカナオと、精神を患い自己/内の闇に向き合う翔子。寄り添い合いながら「画」を通して乗り越えていく過程が良かったです。

身体のパーツや物を通して、人物の心情や状況を
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レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

3.3

ミュージカルに整合性を求めるのはナンセンスなのかもしれませんが…釈然としない所も多々。

マリウスは一度家族と縁を切り革命では命懸けで闘ったにも関わらず、夢敗れてアッサリと戻り金持ち生活を謳歌している
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アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

4.3

喜劇であり悲劇。旧ユーゴスラビアの激動の時代を幻想的な世界観で描いた作品です。ナチス支配からチトー政権の繁栄と崩壊、その後の内戦といった歴史を背景としています。

とにかく喜劇と悲劇の配分が絶妙で、面
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

3.3

味のある役者さん達による穏やかな物語。特に何か起こる訳でもないけど、心がホッとします。

登場人物たちの会話が面白かったです。一見ありきたりな会話のようで、どこか非日常的な、不思議な会話。笑 それぞ
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シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

4.3

ドイツ人実業家オスカー・シンドラーを描いた実話。第二次大戦下、ユダヤ人大量虐殺が行われる中で、このような事実があったことに衝撃を受けました。

赤い服の少女が印象深いです。白黒映画の中で映える「赤」。
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バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

3.8

今あるタイムスリップものの原点となるようなエッセンスの詰まった映画。とにかく観ていて純粋に楽しい!

何気ないシーンが後々繋がったりするので、しっかり観れば観るほど楽しめます。お母さん、女から迫るなん
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ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

3.5

パリのお洒落な世界観が魅力。当時の芸術家達の知識があればもっと楽しめたんだろうなと思う作品でした。たまに知ってる偉人が出てくるとテンション上がります。

やはり面白かったのはいつの時代の人々も「昔は素
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アーティスト(2011年製作の映画)

3.5

面白いと思ったのはサイレントとトーキーの使い分け。主人公の心情に合わせて切り替わっています。全編通してほぼサイレントなのは、主人公がずっとサイレントに囚われ続けていたから。

トーキーに対する恐怖心を
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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

3.3

ラストシーンを現実と見るか妄想と見るかで映画の印象がガラッと変わる作品。現実ならばハッピーエンドのファンタジーだし、妄想ならばバッドエンドの反戦映画のような印象。

私は、ラストはオフェリアの妄想と捉
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人生フルーツ(2016年製作の映画)

4.0

建築に関わる人には特に勧めたい作品。山を削り谷を埋めるニュータウンの開発に携わっていた建築家が、最終的に自然に囲まれたスローライフを選択するっていうのは感慨深いです。人間らしい理想的な暮らしを思い描き>>続きを読む

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017年製作の映画)

2.5

なずなに魅力を感じられなければ、この作品は好きになれないと思います。自由奔放で影がある人物ってふとしたした表情とか色気で魅せるとこがあるので、アニメーションでは厳しい気がしました。

「もしもif」の
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シカゴ(2002年製作の映画)

3.0

率直な感想としては、これはどちらかというと舞台で観たい作品だと思いました。もちろんそれぞれのシーンの完成度は高いのですが、より臨場感があったほうが楽しめるんだろうなと。

ストーリーというよりミュージ
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

5.0

数年ぶりに鑑賞しました。こんな話だったっけ?と思うほど、私の評価がガラリと変わった。とても良かったです。

少年たち4人が街を出て死体を探しに行くだけの話。正直映画の設定としては地味です。しかし全ての
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蛍火の杜へ(2011年製作の映画)

4.0

どこか物寂しい儚い世界観でした。でもそれがとても良かった。

普段お面を被っているギンが時折それを取る描写は、毎回どきどきしました。綺麗なんだけど、何処かに行ってしまいそうで胸が締め付けられます。
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いまを生きる(1989年製作の映画)

3.5

詩って「自分の気持ちを、自分の言葉で語る」こと。簡潔に、明確に、叙情的に。それって生きる上で絶対必要なことだし、実は学問的ではなく実用的なことだなよなあって改めて思いました。

この映画は、規則の厳し
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リリーのすべて(2015年製作の映画)

3.5

最後この物語が実話であったことを知りました。この時代トランスジェンダーというものが全く浸透しておらず、リリーが性転換手術の第一人者だったということを考えると感慨深いです。

ゲルタがリリーに献身的だっ
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.0

時代はトーキー映画とサイレント映画の変革期。映画業界の大革命です。この時代設定がすでに私好みでした。

変革期ならではの様々なアクシデントをユーモラスに、そしてお洒落に描いています。大まかなストーリー
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ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

4.5

どんでん返しがあると聞いていたので、純粋無垢の心で観ることに全力を尽くし、見事に騙されたので良かったです。

終盤で畳み掛けるようにこれまでの台詞や映像が流れるシーンは鳥肌モノ。その少し前くらいには黒
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善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)

4.8

かつて表現の自由が規制されていた社会主義国・東ドイツを舞台に、監視する側とされる側を描いた作品。恥ずかしながら東西冷戦時代をほとんど知らなかった私には衝撃的でした。

ヴィースラーが盗聴しながら芸術家
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おくりびと(2008年製作の映画)

4.2

鑑賞中、ずっと静かに涙が出ていた。おくりびとの所作が綺麗で…淡々としてるんですが、とても優しい。

あの美しい所作があるから、亡くなった方の人生を思い出し、懐かしみ、涙することができる。そして死生観に
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スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)

4.3

これまで観たポップなインド映画と比べると重い内容でした。でも面白かった。

インドの悲惨な現状に胸が締め付けられます。特に子供達を騙し集めて"盲目の"歌い手にする描写は、本当に胸が痛かった。全体的に観
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ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

4.3

キスシーンでここまで泣いたの初めてだし、おそらくこれからもないだろう。ラスト、最高です。冒頭のキスシーンひたすらカットするとこがここで活きるなんてやられた。

「自分のすることを愛せ。子供の時、映写
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