このレビューはネタバレを含みます
驚愕の事実とそこから暴かれる人間の本性をバイオレンスな展開で畳み掛けるポンジュノらしさが光る結末。
『身内以外へのよそよそしさ』が色濃く出ていて物語としては見応えがあったが、正直心を揺さぶられること>>続きを読む
1時間で気が狂いかけるド級の鉄フェチ変態映画。初っ端からアクセル全開の衝撃度と映像表現の豊かさはかなり見ものですが、何せキワモノ過ぎて人に薦めるには中々至らない位置付けだと思います。製作費1千万円程の>>続きを読む
ハエと遺伝子レベルの融合をしたことで天才研究者の体と自我が蝕まれていくホラー映画であり、愛した男が徐々に怪物と化していく哀しきラブストーリーである。作風を変えればスーパーヒーローでも誕生しそうな夢の装>>続きを読む
『アニメ制作に携わる者たちの流儀』
受賞式のスピーチなどで「この作品に関わった人全員で取った賞」というようなことを口にする監督や俳優をよく目にするけど、この映画はまさしくそのチーム一丸となって作品を>>続きを読む
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『ゲット・アウト』や『アス』のプロデューサー、ショーン・マッキトリックが制作担当。アンテベラム=ラテン語で戦前、特にアメリカ合衆国の歴史における「南北戦争前(の時代)」
黒人奴隷の問題を扱う映画とし>>続きを読む
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色んな意味でクローネンバーグの血が見られるSFノワール。鬼才の遺伝子を確かに感じさせるような生々しいグロ描写。冒頭からメッタ刺しの血みどろで感覚的には出血量オブザイヤー。脚本も発想と個性が爆発していて>>続きを読む
「人は見たいようにしか見てくれない」という言葉がこの映画を表しているような気がした。幼女誘拐を扱う作品としては犯人を探すミステリーから入って逮捕後にその人物が犯行に至るまでの経緯が明らかになるものが多>>続きを読む
猟奇的な犯人の思考と目が見えないというハンディキャップを背負いながらも元警察官という経歴から果敢に捜査に参加するなつめに終始ハラハラ。焦点の合わせ方といった細かいところまで行き届いた吉岡里帆さんの演技>>続きを読む
『与える者から奪う者への制裁』
芸能人や美食家や富豪などコネのあるツアー参加者たちが予約の取れない名店を目当てに孤島を訪れる。彼らが目の当たりにする常軌を逸したシェフの食へのストイックさと厨房の料理>>続きを読む
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予告の「愛したはずの夫はまったくの別人でした」というフレーズが気になりすぎたのと『ARC』、『蜜蜂と遠雷』の石川慶監督ということで見に行ってきました。
巧妙に入り組んだ事件を紐解いていくサスペンスで>>続きを読む
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国王の死を有耶無耶にせずワカンダ国民と共に弔う冒頭から素晴らしい。故チャドウィック・ボーズマンへの敬意を感じさせつつ、国民と共に亡くなったという事実に向き合う現実とリンクさせたような完璧な始まり方だと>>続きを読む
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近年の北欧ホラーは風土や国柄を活かした独特の気味悪さがある。今作もハンナ・べルイホルム監督の長編デビュー作品ながら、幸福度ランキング上位国フィンランドの幸せそうに見える家庭に潜む闇という視点から独創的>>続きを読む
親目線から見るよりも子供は自分の考えを持っているからこそ導き方が難しい。過度な干渉は好奇心や未来の芽を潰してしまう。かといってエネルギーの矛先や感情をコントロールする術を知らないので踏み外さないように>>続きを読む
「こんな日まで絵を描くのか?」
「こんな日だから絵を描くんだ!」
自分の勉強不足もあり予告編から劇的な盛り上がりを少々期待しすぎていたかもしれない。残された資料が少ないとされる葛飾北斎の生涯を2時間の>>続きを読む
真っ黒く静かに揺れる兄弟の確執と心情の移り変わりから目が離せない。誰のせいで死んだのか、引き金を引くきっかけは一体誰だったのか。何とも巧妙であり複雑な倫理観の問われる設定。事件の真相をぼかし物語が進ん>>続きを読む
ピアニストの厳しい世界における天才たちの苦悩と複雑な心情が見える作品。プロの演奏家に対して勝手に抱いていた繊細でこだわりの強い印象も納得のいくような張り詰めた空気と果てしなく孤独な戦いが伺えた。一つの>>続きを読む
エノーラ・ホームズの事件簿待望の続編。前作に続き圧倒的なポップさとミスNetflixミリボビのチャーミングさが光る。複雑すぎない謎解きと事件解決のテンポが軽快でとにかく見やすい。所々あるエノーラのカメ>>続きを読む
ブラック企業という現実味のある地獄で同じ1週間を繰り返す、またも新しい切口のタイムループが誕生。忙しさから曜日感覚すら失い社畜と化した同僚に気づかせるところから脱出作戦が始まっていくワンシチュエーショ>>続きを読む
主に基地での生活に焦点を当てていて、終いにはオーロラ観測そっちのけでラーメンにがっつくという南極浪漫<隔離共同生活コメディな作品。南極における過酷さ:浪漫:知識=5:3:2くらいな印象
遠い地へ1年>>続きを読む
『恋を光を纏う現象として可視化したらラブストーリーはどう転がっていくのか』
原作は秋★枝先生の同名漫画。ジャンルはファンタジー混じりの恋愛哲学映画といったところ。久しぶりの恋愛ものでしたが、『人に惹>>続きを読む
その壮大で幻想的な世界観から実写化困難とされていた彩瀬まるの同名小説を、中川龍太郎監督が一部アニメーションで表現することで映画化。メインキャスト二人の少し陰があって涼しげな空気感が監督の作風との相性間>>続きを読む
見たことないくらいに乱暴で何でもありなやんちゃ過ぎる映画。今年公開の映画で間違いなく一番興奮しました!!
舞台は1920年英国植民地時代のインド。実在したインドの独立運動家を炎と水を象徴として「もし>>続きを読む
原作は鈴木光司の同名小説であり『リング』の続編にあたる作品。高山の大学時代の友人であり死体解剖を担当した監察医の安藤と高山の助手であった高野舞が数字の羅列から呪いのビデオの真相を紐解いていく暗号謎解き>>続きを読む
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1999年公開のリング続編。『らせん』とは異なるパラレルワールドのような全く異なる作りの続編になっている。脚本を一般から募ったものの結局、脚本家の高橋洋が書き下ろしたものを採用。
呪いが次々に伝染し>>続きを読む
Jホラーブームの火付け役となった金字塔。作家鈴木光司が出版した同小説をホラー映画界の巨匠中田秀夫監督が手がけた作品。低予算映画ながら興行収入は10億円程。貞子で有名な本作だが、直球なホラーというよりも>>続きを読む
四畳半タイムマシンブルースが面白かったので、2005年に劇団「ヨーロッパ企画」の戯曲を本広克行監督が映画化した実写版の方も視聴。
改めて見比べると親和性の高さを感じ、四畳半タイムマシンブルースはその>>続きを読む
森見登美彦の小説『四畳半神話大系』×劇団ヨーロッパ企画の舞台『サマータイムマシン・ブルース』
暑苦しく不毛な青春SF奇譚が森見ワールドとのコラボによって知性と風情溢れる仕上がりになっている。
映像>>続きを読む
ケネス・ブラナーの故郷ベルファストでの幼少期の体験を重ねて半自伝的に描いた作品。第46回トロント国際映画祭で観客賞を受賞。第94回アカデミー賞では7部門にノミネートされ、脚本賞を受賞した作品。
白が>>続きを読む
埼玉県川口市に暮らすクルド人一家。女子高校生の長女サーリャの視点を通して、ある日突然在留資格を失った難民の苦悩と日本に存在する国境の実態を描く。
是枝裕和監督率いる映像制作者集団「分福」の川和田恵真>>続きを読む
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ローマで殺人現場を偶然目撃したイギリス人ピアニストが女性記者と共に犯人を探し出すジャッロ映画。"目撃しているのに分からない"巧妙な視覚トリックによって誘導される推理サスペンス。
『サスペリア PAR>>続きを読む
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イタリアンホラー界の巨匠、ダリオ・アルジェント監督の6作目にして出世作。
ドイツのバレエ名門校に入学したスージーの周りで不可解な事件が次々と巻き起こり、友人の証言や記憶を辿って校内に潜む魔女の謎を解>>続きを読む
1930年代大恐慌時代のアメリカで人々の希望となった競走馬シービスケットとそれを取り巻く人間たちとの伝説
時代背景や苦悩といった地味なパートにかなり時間を割きじっくり描いている印象。しかしシービスケ>>続きを読む
男達の生き様と人情が熱っちい。ジェネレーションギャップがありすぎて時代による古き良きな部分と昔ならではな厳しさの中で闘う男臭さをより強く感じる青春映画で、ボクシングジムで再開した二人を真横から映す描写>>続きを読む
エンターテイメントの枠に落とし込まれていないような所謂「見える人」の視点に忠実なホラー。ありそうでなかった霊の表現が秀逸。お決まりの来るぞ来るぞ演出がない分、日常に突然現れる霊の異質さが強調されており>>続きを読む
軽はずみでうたた寝したら悪夢にうなされたみたいな30分。ただ起きたらすぐ忘れる夢とは違ってこちらは絶大なインパクト。掴みどころなさすぎて途中本当に寝てたんかなってくらいの難度。このままが正解なのかガロ>>続きを読む
悲しい生い立ちを温かさと人情で包み込んでしまおうと言わんばかりなクドカン脚本と阿部サダヲの思わず吹いてしまう勢いコメディの相性の良さを感じる作品でした。特に勢い余って徹っちゃんに迫ったあとのチーンから>>続きを読む