金魚鉢さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.7

『女王の寵愛を奪い合うしたたかな攻防戦』

第91回アカデミー賞で最多9部門10ノミネートを獲得し、オリヴィア・コールマンが主演女優賞を受賞。

歴史物にしては人物像が掴みやすく、主要人物もまとまって
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.4

『権力者主観で描く無意識な権力行使の恐ろしさ』

繊細さが求められる指揮者を題材として、神経をすり減らし過敏になっていく様が、音によってシリアスによりじわじわと伝わってきた。ストイックに自己管理してる
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誰も知らない(2004年製作の映画)

3.3

ひたすらに明が気の毒。当たり前のことだけど、自分の幸せを優先して自由な生き方をする大人はそもそも子供を持つべきじゃないということを再度実感させられる作品。

家事も育児も放棄して遊び歩く母親だけじゃく
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帰れない山(2022年製作の映画)

4.0

『人生には時に戻れない山がある』

自分とは住む世界も境遇も全く違う人物の人生観に触れて、自分の送る生活を少しだけ見つめ直すという実に映画鑑賞らしい体験ができる作品。

まず、あまりに非日常的な広大な
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線は、僕を描く(2022年製作の映画)

3.3

いま注目の若手演技派俳優が勢揃いで、かなりフレッシュさを感じる一作だった。西濱が湖山に代わって描くところが格好良かった。
"なるんじゃなくて変わっていくもん"

夜を走る(2021年製作の映画)

4.2

"人生に楽しみを見出せなくなってしまった人が送る生活"が映し出され、薄らとした生き地獄が延々と続いているような哀愁漂う作品。状況が悪化して精神が壊れていくにつれて、工場の音が威圧感のある音に変わってき>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.7

『生きる意味と居場所を見つけるロケット・ラクーン成長譚』

ジェームズ・ガン監督天才すぎる。それぞれのキャラの引き立たせ方、見せ場の作り方が本当に上手い。2作目でかなりハードルが上がっている中、"最も
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逆光(2021年製作の映画)

2.9

夏の尾道のロケーションや70年代のファッション、レトロさを感じるものを映していて洒落た雰囲気は出ていたけど、それ以外はあまり刺さらず。

辻占恋慕(2020年製作の映画)

3.6

燻り続けて30代を迎えたバンドマン2人の奮闘記。このまま夢追い人のままでいいのかという悩みを抱えていた信太は、バンドを解散した後、月見ゆべしの才能に惚れ込みマネージャー兼恋人となる。

ゆべしにはドラ
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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

3.4

悩みを抱える繊細な若者たちが、ぬいぐるみに話しかけることを通して、現代社会や自分と向き合う。心優しく穏やかな性格のぬいサー部員たちの視点で、相手に迷惑をかけたくないという気遣いが、やがて否定のない世界>>続きを読む

名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)(2013年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

歴代の中では割とミステリーに寄った方な感じがする。ただやっぱり推理だけでは解決できないのが劇場版名探偵コナン。光彦の電波時計ナイス

名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)(2011年製作の映画)

3.2

SF超大作並みのラスト。いつにもましてコナンが絶対絶滅の窮地に立たされる回。

名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

4.0

『子供の言葉や行動で人生が変わることもある』

"コナンと灰原の正体が黒の組織にバレる"という緊迫感のある設定で、いつもとは一味違うシリアスさが漂っていた。黒の組織を絡めた灰原の過去、蘭の格闘シーン、
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レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

4.3

『シュール・リーゼント・ロードムービー』

初アキ・カウリスマキ監督作品。
奇抜なポンコツバンドが繰り広げるブラックコメディがじわりじわりとやみつきになってくる。"やりたい放題&誰も指摘しない"大好き
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アドベンチャーランドへようこそ(2009年製作の映画)

3.9

これといって何か特色のある映画ではなかったけど、この時代の甘酸っぱい青春ものの中に、ジェシー・アイゼンバーグ演じるジェイムズの冴えないぶりが炸裂してて期待通りの要素がバランス良く詰まった映画だった。加>>続きを読む

還る(2020年製作の映画)

3.6

シネマ・ロサ上映最終日。上映後の井上勝正(熱波師)、斉藤天鼓、入江崇史、伊澤恵美子、堀川湧気監督によるトークセッション付きで観ました。

夜中から朝にかけてスーパー銭湯の清掃員として働く元プロレスラー
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もう一度生まれる(2021年製作の映画)

3.7

『主人公はスーパー銭湯』

銭湯という空間、清掃員として働く人にスポットを当てた作品。壁視点で掃除をする登場人物の真剣な表情を捉えたアングルが印象的で、閉館寸前の時が止まった建物から哀愁を感じるエモー
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プレデター:ザ・プレイ(2022年製作の映画)

3.7

一難去ってまた一難って感じでテンポが良い。プレデターの容赦のなさと攻撃の手数の多さでピンチが訪れるたびにハラハラ。造形も格好良い。持つべき相棒は犬。

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

4.0

やっぱり最高のコンビ。くだらない会話の中で見せ場を作るちさととキレキレの殺陣で魅了するまひろビジュ爆発してました。主演二人がどちらもこなせるのは前提として、押し引きの演技が逆転する感じがたまらない。2>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.4

奇抜な趣向がいくつも詰め込まれている割には、根本にある「もしも別の人生を歩んでいたら」というテーマや着地は普遍的なものなのでこれは確かにかなり意見の割れそうな映画。個人的には、これまで物語を複雑化させ>>続きを読む

ひとりぼっちじゃない(2023年製作の映画)

2.8

全体的にふわふわとしていて、かと思えば突然ホラーぽい箇所もあって中々掴みどころがない作品。最後まで理解が追いつかなかった。

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.9

キャスティングに惹かれて観に行ったが、原作シリーズをほぼ通ってきていない自分からすると正直評価が難しい。SHOCKER(=人類の幸福を目的とする愛の秘密結社)が人体改造によって最適化させることで幸福に>>続きを読む

バーバリアン(2022年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

『男性犯罪に対する強烈な非難をテーマにした風刺ホラー』

女性が抱えるリスクをミスリードにも繋げているという点で監督の高い作家性が感じられる作品。冒頭から「自分が借りたはずの家に既に知らない男がいる」
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

4.1

『あの頃感じた別れの季節の儚さ』

キラキラした青春映画とは一線を画す、高校卒業を経験した大人たちに向けて作られた映画だったと思います。藤原季節演じる教師のような距離感で見てしまい、少女たちの成長と卒
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ベイマックス(2014年製作の映画)

3.3

最先端技術を駆使したスーツを着た特訓シーン最高にわくわくした。ポップでカラフルな色使いと優しいストーリーもディズニーぽい。ベイマックスが瞬きするのはじめて知った

メランコリック(2018年製作の映画)

4.6

『オフビートなヤクザの世界 × 予定調和にいかない高学歴フリーターの成長記』

オリジナリティ溢れる脚本性で、一件関わることのないであろう"東大生"と"殺し屋"という存在を、表の顔と裏の顔を持つ銭湯と
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生きちゃった(2020年製作の映画)

3.0

若葉竜也と仲野太賀が出ているので観ました。タイトルとポスターである程度予想はしていたけど、全てが悪い方向へと転び想像以上に極端な崩れ方をしていく絶望的な展開。ただ、どれもそれぞれの自己中心的な言動が招>>続きを読む

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

4.5

前半と後半で全く違うテイストなのが面白い。中盤から分かりやすい緩急をつけて畳み掛けるサスペンスにぐっと引き込まれた。なんと言っても森田剛MVP。ある意味ジャニーズの演じる役の域を完全に超えた、いやもは>>続きを読む

アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.3

フェーズ5幕開けが好きなヒーロー"アントマン"だっただけにやや期待値が上がりすぎてたのかも。ミッドクレジットの絶望感はあったものの、作品単体としては単調でやや物足りなかった。

スターウォーズに酷似し
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.8

『愛は、血の味がした』

ルカ・グァダニーノ監督らしい純愛タッチで、人喰いの若者たちの恋と葛藤を描く。「君の名前で僕を呼んで」同様に、鑑賞後にタイトルが意味を持つ感じ。が、同作コンビの再タッグだけを期
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ちひろさん(2023年製作の映画)

3.7

お互いの背景を気にせず出会えるコミュニティがあることで救われる人がいて、無駄な情報に左右されずに関係を築くことでその人の本質が見えてくる。目の見えない多恵さんに全て見抜かれているのもきっとそういうこと>>続きを読む

ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方(2018年製作の映画)

4.5

『自然の道理について深く考えさせられる作品』

アメリカの広大な土地でオーガニック農場を築いた夫婦が長閑に暮らす話かと思っていたら、予想だにしない現実的な過酷さ。夫婦が美しい理想郷にたどり着くまでの絶
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.4

『周囲から浮いている少女あみ子に起こる出来事を一定の距離から見つめる』

味わったことのない鑑賞後感。成長するに連れて"こちらあみ子"という呼びかけに誰も耳を傾けず、応答しなくなっていくという形で、教
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

原作を読んでいたときに浮かべていた音を超える迫力で一つの答え合わせのような体験。それに加えて演奏シーンでの3人の躍動感が見事に表現されていて抜群にキマってました(突然の3Dアニメーションに少し違和感を>>続きを読む