きねまっきいさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

きねまっきい

きねまっきい

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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

3.0

良作。
男性性と女性性に囚われる私達の深刻を暴き語る為に、
それにこそ無自覚に盲従する市井の群像を最適配置する天才の筆致。
某政治家演説を背に今こそ撮るべき閑散として美しい風景の底抜けの哀しさと可笑し
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.0

特殊技能とトンチの組合せを肝とする
映画ドラえもん型冒険譚としてウェルメイド。
宇多丸氏推薦。

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.0

DVD初見。なるほど新味あり。
父の危うさの具体理由が描かれず納得感低いが、
今はさしたる理由も無く誰でも病む時代よ、
と無理にも納得して良作と唸らねばか。そこが引っ掛かる。
評判の終盤の選曲にもピン
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ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)

5.0

色を廃し濃度高まりまた落涙。
世界映画史上の重要作、到達点と言おう。
全編が役者神木の激演に依る奇跡のバランス。
主役個人が延々のたうつ訓戒苦悶と破壊神のあの大殺戮を忘れるなとの激昂憤怒の拮抗。
それ
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

2.0

巧いが無味無臭。
綺麗に纏まり過ぎて雑味エグ味が無い。
井筒の傑作のど自慢の荒削りな猥雑を想う。
主題曲選びが敗因か。
ツマラン歌だ。
その点で同監督の傑作リンダ〜を想う。
山下敦弘には期待継続。

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

3.0

トレマーズな抜け感を買う。
田舎に濃いキャラ。
中盤の救急車アクションのキレ味。
ギリ不道徳アウトの塩梅の心地良さ。
劇場で見ねばだった。

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

2.0

主演者の好演熱演含め想定内。
天才(なのね?)もせめて社交的なら良かったね、だけ。
森田「ハル」な大喜利回答のポエムな開示は
バカリ堀健秋山西田のIPPONガチバトルに劣る巧いね程度の低調。
これ致命
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屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)

2.0

幼稚。
小児期の空想逃避は肯定して延ばすべきもの、だっけ?
で、空想ゆえ何でもアリ、
現実側もご都合主義で良いね、なんて言った覚え無い。
駿とのアニメ表現の微差を肯定的に愛でたいが、
物語が子供騙し過
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

2.0

まず地味。
で、無臭無毒が達成されたかの東京(んなわけない)でミニマリストが何だか泣く、だけな一本。
アートなトイレと行儀の良い美男美女。
外国人巨匠に東京をちゃんと見せたのか?
同業でソレまみれの「
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

2.0

夫婦、親、子、職場の複雑な人間関係下で悲惨過ぎる事故が起こる。
複雑さ悲惨さで見る者の感情移入を拒んでどうする。
そうなのね、大変ね、で幕。
どうせ安寧救済は無理と踏んで2時間付き合った感。
この監督
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

1.0

浅い物語風の断片を詰め込み過ぎ。
せめて整理してから撮れ。
国家民俗の重要キャラの誕生秘話の幼稚さに落胆。
推理もの名作群からの引用は下手で稚拙、
で丸ごと不要。
要は全然面白くなかった。

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.0

支持。
憑かれた症状のリアリティ、
登場人物と見る側とが同時にどうしたら良いか分からなくなる構造が巧い。
こうしたら済むというゴールが分からないなんて。
生命遊びとネットと薬多様の危険を説教しないのが
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市子(2023年製作の映画)

2.0

非支持。
詰め込み過ぎ、時間軸解体し過ぎ、演技させ過ぎ。
台詞喋らせ過ぎなのに構成が緩いせいで中盤からよく分からん。
不幸要素の全部載せに撮る側の動機の弱さが漂う。
杉咲、泣く不思議ちゃん役からの早期
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

2.0

この手では、
私とその周辺だけは反戦でした、
被害者です、
で一気に萎える。
ほんまかいな。
今の世の正論を並べ挙げて
互いに確認し合う作業たる鑑賞。
これをこそ疑え、がテーマでは?
何箇所かでウルっ
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終わらない週末(2023年製作の映画)

2.0

シャマよりマシだがシャマの方が好き。
安心してください治安維持してますよ、現実では政府が、と言われてもなあ。
不穏表現はそれなりに楽しんだがそれだけ、かな。
カメラワークの凝り過ぎも恩着せがましい。
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呪怨 白い老女(2009年製作の映画)

2.0

09年。恐い。
人物の関係性と出来事の順序を一旦バラして
コマ切れの怪談として並べ直す。
そうすることで世の個々の怪談は因果で繋がっていますよ
と信憑性を変に引き上げることに成功。
南明奈、
旬の美少
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ロッキー5/最後のドラマ(1990年製作の映画)

3.0

初見。
終盤の逸脱を何故か愛でたくなる可愛げある珍品。
スタローンの深部に確かに横たわる無垢な幼児性で
無理筋且つ文字通り反則な作劇をギリ成立させた珍品。
カルトとするか。
ゆえに推す勇気は無い。
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スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

2.0

役者だけど撮れますよ感を醸し出すことに腐心する気配が邪魔になる。
ベンアフは如何にアルゴに辿り着いたのだったか。
森田、大林、フィンチャー、リンチを見てます感、というか。
そしてこのオチは納得性が低い
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

2.0

巧い省略話法に飽きる、という稀有な映画体験。
話法は優れているかもだが、
そもそもの物語が地味で凡庸で面白くないのだ。
その地味さを無理に愛でる気にはならぬ。
巧い監督なら物語選びをこそ巧く。
尤もら
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ロッキー2(1979年製作の映画)

3.0

見たのは1と4。
2は初見。
なるほど極端に終盤に盛上がりを寄せる作劇は成功。
延々と緩慢を見せる勇気は買おう。
恋愛にだけは迷いも理由も文句も無いのが良い。
三宅隆太氏推薦作。

怪物の木こり(2023年製作の映画)

2.0

脚本の整理不足。
なまじ各人の動機が説明されるだけに、
その半端で常に失速。
特に終盤。
菜々緒はハマり役を得た感だが、
本作が最善と思えず。
三池またもケレン薄く、
怪作快作の極道大戦争を最後にもう
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

2.0

緊張感はある、下手ではない、、だが全然面白くない。
尤もらしいが、だから何?な一本。
無理に面白がることは可能だが。

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

3.0

革命譚の典型に内輪ネタ楽屋ネタを詰め込み成功。
刑事譚の典型にリアルSF要素のブレラン型作劇と評す。
過剰な露悪とおふざけの先に郷土愛と人間讃歌が透けるのが味噌。
そこそこの幸福、か。
泣き笑った。
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ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃(2001年製作の映画)

2.0

当時落涙した記憶。
再見。
子供騙し感否めず失笑。
主役父娘の演技の稚拙は全編の質感に合うっちゃ合う。
もう見ない。

シャッター ラビリンス(2009年製作の映画)

3.0

拾い物。
全編の居心地の悪さと気持ちの悪さ、
ちゃんとオチた物語の面白さ、
作劇の分かり易さ、
主演女優の力演を買う。

だから支持。
三宅隆太氏推薦作。

スラローム 少女の凍てつく心(2020年製作の映画)

3.0

勝つ程に陰鬱になる、
愛し合ってなどおらず、
寧ろ憎しみ合い破滅と堕落に邁進するかの男女。
何れかが死ぬまで続くシン・エースをねらえ!と見るか。
雪山の異様に雄大な白と
それに対置される極少量の赤の気
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愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

2.0

ベタ、だ。
そして何処か小狡い。
上品に見えてこの語りの順序は下品だ。

アナログ(2023年製作の映画)

2.0

成就しないからメロ持続、か。
幾ら何でもベタ過ぎる。
無印良品な空間で延々回遊する無菌な恋愛未満。
シン・40歳の童貞男、と見るべきか。
ま、お好きなら。

正欲(2023年製作の映画)

2.0

正しい事を正しいと言う、
毒にも薬にも成らぬ一本。
この稲垣は今や分が悪いのは自明。
この無害で綺麗な性趣向を
目を覆う迷惑千万有害な性趣向に置き換えても
同様に語れるか?と意地悪を言いたくもなる。
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(2023年製作の映画)

1.0

凡庸、稚拙、散漫、冗長。
全然面白くない。
以上。

ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋(2019年製作の映画)

2.0

米国民は政治家の歯に絹着せぬ発言から
善人か悪人かを嗅ぎ分ける能力がある
と言いたいらしい。
それが気に食わぬ。
美しい努力型の秀才、
営利より環境、
ハイソ美男より庶民的ブ男が好き、
だから良い大統
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八つ墓村(1977年製作の映画)

2.0

土着怨念に合理的洗練を被せる市川崑連作へのアンチか、
要は怪談という身も蓋も無さを楽しめるか?だが、
物語の凡庸、構成のダルさ、何よりショーケンと渥美清初め全キャラのツマラナさゆえに振るわず。
小川真
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軽い男じゃないのよ(2018年製作の映画)

3.0

必見。
物語での役割の性差を徹底的にメタ化して現実社会を斬る。
物語が映画があったから逆に現実がこうなったと撮った人と見た人を断罪する。
映画は即ち恋愛映画だから現存する全ての映画を吹っ飛ばす破壊力。
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法廷遊戯(2023年製作の映画)

3.1

支持。
意外に高級上質な気持ち悪さ。
あの樹木江守の怪演の分だけ森田39に微量及ばず。
黒沢清な美しくも汚い薄暗画に童顔美形を置く異様も良し。
意匠に酔うには1.5捻り余計が惜しい。
ペドゥナより杉咲
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