飯さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

デカメロン(1970年製作の映画)

4.0

『生の3部作』の第1作。
原作を忠実に再現した。
(中国の『三言二拍』も映画化にしてほしいと。

叙事する時の「間」、重要情報の隠し、滑稽な演技でわざと現実と映画の疎外感を作り出す。
古典主義の撮り方
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ピンクリボン(2004年製作の映画)

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芸術と情色を兼備するピンクポルノはその時代の産物であり、時代が進んでいくうちに自滅するのも美学の残酷循環である。

情報量が多すぎて感動した。この中で出た作品いつか全部観たいという。

(『肉体の市場
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人造の水(1953年製作の映画)

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靛藍陰翳、青蓮色調、物質光線、日光暴晒、傀儡行走、扇金明滅、墨鏡黝々、十八世紀遊魂、低々高々、噴泉沁涌、水光協奏、花火流星、女人重合、油絵質感、男性欲望、噴射、窒息、水の詭計

Subtle sexu
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プース・モーメント(1949年製作の映画)

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サリー妖艶、色彩秩序、定影輪廻、白目天際、衣服幕布、身体劇場、魅力展示、消費主義、実験気分

Vanity, recreate silent era style by using a alternat
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花火(1947年製作の映画)

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早熟少年、春夢倒懸、早期名作、漆木乳滴、肉男置換、錨持喧嘩、共同戦慄、US NAVY、セーラー服と股割れズボン、聖誕樹燃焼、潜在意識燃焼、双重定影、疲軟。

Temporary relief of e
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卑弥呼(1974年製作の映画)

4.5

中国の堯舜禹時代と似たような感じ。

美術、構図、カメラの動きとその悲劇の核心がパゾリーニの古典劇の改編作と似ているが、本作はさらに東洋的(日本的)の奇異恐怖な雰囲気と儀式感を呈している。

太陽神(
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帰れない二人(2018年製作の映画)

4.2

チャオ・タオの圧倒的な存在感、とても「Taoish」笑。

初めてショットから人物の覚醒が見えた。定められた時間と空間の並びから逃げてしまう。破壊性が半端ない。
A Chinese Wonder Wo
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上海(1938年製作の映画)

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春秋筆法。

中国人の抗戦痕跡と日軍の墓碑。

戦後廃墟、都市難民、哀愁音楽。

歴史の「現場」を再現する。傍観者立場でカメラを喋らせる。憐憫。

ロゼッタ(1999年製作の映画)

4.2

手持ちカメラの圧迫感、空間の狭さなどで社会どん底の生活を描破する。また観客の緊張な神経も一緒に縫い込まれた。

制限される視角、音楽もほぼ無く、自然音で叙事。画面外の音が空間を延長させる。特にオートバ
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怪談(1965年製作の映画)

4.5

東洋伝統女性図、のう、絵巻、人体書道、諧謔叙事。

日本昔話の絵本みたいに、カラフルで相対的に静態である。空間は平面で展開され、カメラの代わりに「目」がついていく。”a different view
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絞死刑(1968年製作の映画)

4.8

内景幻想の中で真実を演じ、外景現実の中で夢を見る。

三一致の法則、重複ショット、シュルレアリスム、人物全般の記号化。

1、肉体と魂が分離されたら、「人間」という存在が認められるか。すなわち人間とい
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私というパズル(2020年製作の映画)

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女のかけら。

#彼氏と一緒に観てはいけないシリーズ

ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

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本作別名:『自閉症児童に愛を』、『強迫性障害会計士の秘密』、『バットマンの副業』。

長江哀歌(ちょうこうエレジー)(2006年製作の映画)

5.0

『一瞬の夢』と本作は個人的に贾樟柯のトップ2映画。前者は才能。後者は工夫。

生活の不条理と無常、パラドックスへの思考と監督が自分の映画美学を突破しようとする野望。

細部処理、叙事リズム、時代記号、
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王さんの憂鬱な秋(1994年製作の映画)

5.0

中国第五世代の監督が皆1994年で才能を放っている。張芸謀の『活きる』、陳凱歌の『覇王別姫』、田壮壮の『青い凧』と黄建新の本作。

官僚主義の教科書。

中国世情小説の白描手法。ねじ曲がった衆生像、退
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

天、地、人の三位合一。

アメリカ自主映画の様式だが、クロエ・ジャオは大した力を込めず、軽く、淡々と描写していくことが逆に心に残る。
大象無形。

Nomadland, no mad land. 色ん
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洲崎パラダイス 赤信号(1956年製作の映画)

4.4

同じく男女関係を描写する。同じく笑ってしまうような皮肉な結末。川島雄三とロメール。

ロメールは会話を通じて、登場人物自分自身が思ってる現実と本当の現実との差で皮肉を表している。

一方川島監督は時間
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M(1931年製作の映画)

4.5

ドイツ表現主義からフィルム・ノワールへの転換期の傑作。

対比: 光と影、サイレントと画面の高速変化、軽快な口笛と極端な反人類行為、空ショットと大袈裟なパフォーマンス。
白黒構図の張力。

あの発声映
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THX-1138(1971年製作の映画)

4.1

典型的な冷戦中期SF

写真+録音の宗教のあり方

極端的な理性、人と空間の数字化、プログラミング化、消費同一化、人間の機械化

薬物が感情を抑制するが、自由と性の覚醒が反抗の火種になる

多数の人が
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真実の行方(1996年製作の映画)

3.9

“If you want justice, go to a whorehouse. If you want to get fucked, go to court.”

孤狼の血(2018年製作の映画)

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深作欣二xウィリアム・フリードキン

北野武時代の閉幕

先に愛した人(2018年製作の映画)

3.9

夢のバリ島はまだ夢なんだよな。

けれど、けれどって言いたいけれど。

突然炎のごとく(1961年製作の映画)

4.5

2人の男と1人の女の間から生まれた、極端な束縛と極端な自由が混ざり合う感情。まるでナチスが台頭する前に人類最後のロマンス。

ヌーヴェルヴァーグの凄さは、どれだけ不条理な物語でも日常茶飯事のようにさせ
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ラブホテル(1985年製作の映画)

4.0

夜へ 夜へ 夜へ
処女 処女 少女 処女
媚薬 微笑 女豹
落花 落花 快楽 落花
春風 有情 無情

ブルジョワジーの秘かな愉しみ(1972年製作の映画)

4.4

目的のない終わりもない「作為」。

錯乱の時間、突然の欲望、間違えた環境。

フロイトは、欲望が満たされていない時に悪夢が出てくると主張した。
全ての夢は男から発したもので、女はただの付属品。
3人の
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同級生マイナス(2020年製作の映画)

4.4

大仏プラスよりはマイナスの一作。

蔣中文(蔡英文)で笑った。

男の悩みとロマンス。


やっぱり台湾が好き。

大好きかもしれん。

羊飼いと風船(2019年製作の映画)

4.4

風船は避妊具、女性の腹部、空へ飛んでいく精子。

『風船』のテーマはこの三重の矛盾と隠喩で表現された: 性欲の束縛、生育の担い手と生命の起源。

女性は仏教が唱える輪廻の母体(宗教からの制限)、性欲を
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乱れる(1964年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

もしアルモドバルは西洋女の風情を踊らせる力を持っていると言えるならば、成瀬の作品はきっと東洋伝統女性の魂を丸映す鏡である。

男は「発乎情」(情を育む)、女は「止乎礼」(礼で止める)
(だから礼子と言
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