川田章吾さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

JUNO/ジュノ(2007年製作の映画)

3.4

10代の妊娠を機に、本当の愛とは何かを考えるジュノ。テーマ設定やキャラは立っていたのだが、エンディングにカタルシスが感じられず。

先ず、テーマ設定が良い。
コメディ・テイストを入れながら、安易な妊娠
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アマデウス(1984年製作の映画)

5.0

モーツァルトの半生を振り返りながら、人間の罪深さをえぐり出す渾身の一作。役者、舞台芸術、台本、演出、全てに文句のつけようがない。

アハハハハハハ…

なんと言っても、この映画の一番の見所は、このモー
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パラノーマル・アクティビティ(2007年製作の映画)

2.8

やっぱりカメラが動くのは怖い。
怖い…んだけど、ストーリーが杜撰で全然のめり込めない。

これはどこかのレビューで書いたと思うけど、ホラーの鉄則は三宅隆太さん曰くフィクション・ラインを下げることだ。
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ソナチネ(1993年製作の映画)

3.2

わからん。これはエンターテインメントというより、アートな感じがする。

楽しさもあったが、不思議な映画でした。
『タケシーズ』もそうだけど、北野映画って、『アウトレイジ』のようなエンタメとして分かりや
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ウォルター少年と、夏の休日(2003年製作の映画)

3.6

ウォルター少年がイカれた伯父さん達と一夏を過ごすファンタジー映画。

基本的な設定は現実の世界をベースに描かれているけど、どこか地に足がついてない感じ。
ウォルターが過ごした伯父さん達の家は、どことな
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SUPER 8/スーパーエイト(2011年製作の映画)

3.0

JJエイブラムス、嫌いだわ〜。
撮り方は良いんだけど、作品の部分部分が有機的に機能していなくて、とりあえず勢いだけで攻め込んでく。
だから、終盤でカタルシスがなくて、せっかくの作品の持ち味が活かしきれ
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1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)

4.2

韓国版レミゼ。韓国の民主化闘争を描く。
この映画を見ていると、なぜ韓国が日本と違って政治意識の高い国民が多いのかが分かる。

大学の時に先生から、アメリカ独立戦争やフランス革命の系譜から明治維新を捉え
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ルディ/涙のウイニング・ラン(1993年製作の映画)

4.5

隠れた名作。TSUTAYAで特集されていて、その中からたまたま引いた当たりくじ。
物語はスポ根の王道なんだけど、エンディングの持ってき方がとても良くて、泣ける。

特にこのルーディーのポイントは伏線の
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

5.0

全方位的に感動できる傑作!
まだ観てない人は、ぜひ劇場で見てほしい。
『グエムル』のレビューで相当、ポン・ジュノ監督をこき下ろしたけど、今回の作品に関しては、オスカーやカンヌも認めるだけある、すごい作
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.8

スパイク・リーという非常に政治的な作家性が個人的にとても好き。『ドゥ・ザ・ライト・シング』よりもライトに、むしろ今回はコメディ性をガンガン入れながら、社会的なメッセージを見てる側に叩きつける。

先ず
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ハロウィン(2018年製作の映画)

3.3

これは1を見てから論評すべきかな。
出直してきます。

バンクーバーの朝日(2014年製作の映画)

3.1

衣装や舞台セットなど舞台美術は好評価だが、それ以外はイマイチ。監督が野球をベースにしたスポーツ映画の醍醐味を理解していないで撮っているように感じた。

スポ根映画の醍醐味は身体表現じゃないかな。
だっ
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日日是好日(2018年製作の映画)

4.5

茶道を通して生きるとは何か、死とは何かを教えてくれる東洋哲学の指南書みたいな映画。少し説明多寡のところや過剰な演出が目につくけど、繊細な演出による見せ場の作り方と役者の演技力に好評価でした。
ただ、こ
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ピラニア リターンズ(2012年製作の映画)

2.5

最悪だな。1作目が良かっただけに期待して観たんだけど、ハイライトシーンは何もない。

さようなら…

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008年製作の映画)

3.3

映画館で見た時は、自分の持っていた「インディ・ジョーンズ」のイメージと違い過ぎて、とても好きになれなかった映画。しかし、改めて見直すと、まあまあ楽しむことができた。

この映画の、上がるポイント①
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キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

3.5

1話目がヒットした後の作品に多いのは、アクションやバイオレンスをより過激化して、1話目とは違う独自路線を展開していくこと。
その代表格がエイリアン1・2なんだけど、それはそれで成功していた。

今回の
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ミュンヘン(2005年製作の映画)

3.6

うーん、どうなんだろう。これは。
評価が難しいというか、スティーブン・スピルバーグでなかったらもう少し評価が低かったかも。
というのは、スピルバーグだから、演出的な部分の面白さを自分が理解できていない
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スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット(2017年製作の映画)

3.9

権力者は権力抗争に終始し、現場は置き去りにされていく。こうした政治的なテーマを据えながら、物語やアクションの見せ方もベリーグッドな作品。

ただ、展開が見えやすいのは、映画業界のレベルと視聴者のレベル
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blank13(2017年製作の映画)

4.2

作品の完成度にはムラがあったけれど、テーマが良く作品に一貫性がある。そして、このテーマ性はこの前の演劇祭で演出した『LUCK』と同様のものであり、非常に共感することができた。

では、いったいここでの
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プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

4.6

いつ見ても、何度見ても、心震わせる名作。
死者は戦場で死ぬことよりも「生きる」ことを望む。そんな確かなメッセージが心に響く。

ミラー中隊長率いる部隊は、なぜ自分たちがライアンの為に犠牲を犯さなければ
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ランボー 最後の戦場(2008年製作の映画)

2.8

うーん、うーん、うーん…って感じ。
ドラマがない。結局、ランボーは何のために戦っていたのだろう。
ランボーはサラを救ったけど、2人の間に恋愛でも友情でもいいんだけど、何か心情の変化があったわけでもなく
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スカイライン-奪還-(2017年製作の映画)

2.6

この作品は『GANTZ』ばりに期待値を極限まで高めて、最後に全部ぶち壊す…相変わらず最悪の作品だ。

そもそも、最初の作品『征服』もそうだった。
『インディペンデンス・デイ』の最初の作品を初めて見た時
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スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ(2008年製作の映画)

3.7

面白い!
映画バージョンよりドラマの方が面白いけど、これひょっとすると、ディズニーの7-9より面白いんじゃないのか?と思う。

というのも、演出の仕方は違うけど、スターウォーズの世界観をしっかりと表現
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

4.6

悪の華とはまさにこのこと。レオナルド・ディカプリオの演技が光る隙のない作品。
この映画を見た後に感じるのは、ディカプリオはこの映画で完全に『タイタニック』という自らのイメージを完璧に破壊したこと。
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キングスマン(2015年製作の映画)

4.4

何も考えないで、楽しめる極上のエンターテインメント!ただ、何も考えなくて楽しめるのに、この作品にはスパイ、スラッシャー、アクション、社会派的な要素が縦横無尽に散りばめられている。しかもそれをポップアー>>続きを読む

タイタニック(1997年製作の映画)

5.0

久しぶりに見直したけど、やはりこの作品は名作中の名作!タイタニックの悲劇を逆算して、生きるとは何かという生の本質を私たちに問いかけるジェームズ・キャメロンの脚本の才能、演出の才能が燦然と光り輝く。>>続きを読む

遠くの空に消えた(2007年製作の映画)

3.6

ストーリーはめちゃくちゃだけど、作品の世界観が好き。特にオープニングのシーンはめいなCo.の曲と相まって、ベスト級。
また、幼少期の神木隆之介の演技、ささの友間の田舎の悪ガキ感、小日向文世、三浦友和、
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アーノルド・シュワルツェネッガー/ゴリラ(1986年製作の映画)

2.7

シュワちゃんの役を生かしきれていないというのが一番印象的。
なぜかと言うと今回のシュワちゃんはある意味ロボット的な感じで全く成長していないから。
(※ターミネーター2のロボットはロボットなのに人間的に
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デリンジャー(1973年製作の映画)

3.4

アメリカの大学に留学していた時、なぜか国語の授業で見せられた作品。
当時はこの作品が何を意味しているのか全く分からなかったけれど、銃撃シーンはとても印象に残っていた。

同じ銃撃シーンが印象的な作品に
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ランボー3/怒りのアフガン(1988年製作の映画)

3.5

面白かったが、ランボーシリーズは時代の「読み」がことごとく外れている点が惜しいし、それがこのシリーズをコメディに見せてしまうんだよなぁ…。

先ず、ランボー1はベトナム戦争帰還兵が患ってしまったPTS
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ウォッチメン(2009年製作の映画)

4.0

ロールシャッハ最高!
オジマンディアスに天誅を!
と心の底から感じた作品。

実は、この前、裁判で報じられた相模原殺傷事件の被告的な発想はオジマンディアス的な発想であり、哲学的に言えば、ベンサムの最大
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シルミド/SILMIDO(2003年製作の映画)

4.3

大好きな社会派の作品。
国家の都合で振り回される兵士たち。教官との師弟愛。そして、自分たちの実存をかけた戦い。どれをとっても最高だった。

特に脚本がとてもいいと思う。
起承転結の転が特に良くて、国家
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ドラえもん のび太と夢幻三剣士(1994年製作の映画)

4.6

ドラえもんシリーズでは、トップクラスに面白い作品。特に「夢」をテーマにしていて、フロイト的な解釈を駆使していることから、前提知識がないと分かりにくい構造になっている。それが、ドラえもんという子ども向け>>続きを読む

娼年(2018年製作の映画)

3.4

映画史に大きな爪痕を残す作品。
というのも、日本の社会ではタブー視されてきた「女性の性」について、かなり露骨(素直)に描いているから。なので、この映画の評価はそうした歴史的文脈を押さえないとなかなか見
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ペット(2016年製作の映画)

2.6

なんだ、この酷い映画は。物語になってない。
主人公たちの行動がその場の思いつきで失敗してばかりで、全然感情移入できない。また、登場人物たちの障害となる事件もバラバラで全然繋がってないから、最後にカタル
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エンド・オブ・デイズ(1999年製作の映画)

4.2

これは、キリスト教の知識がないと日本人にはなかなか分かりにくいテーマなんじゃないかなと思う。ただ、エンターテインメントとしては十分成立していたし、アイコンとしてのシュワちゃんをうまく使っていたと思う。>>続きを読む