喜連川風連さんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

鉄道員(ぽっぽや)(1999年製作の映画)

4.0

静かに淡々と力強く魅せる技。

画面を支配する白雪と実直な黒の鉄道員。それを支える赤いマフラーをした妻。

乙松さんは何事があってもグッと涙をこらえ、どんなときも仕事へと向かう。

高度成長期の光と影
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戦国自衛隊(1979年製作の映画)

3.5

人間の香りがする昭和映画。

3カ所の山場への持ってき方と描写、今見ても引き込まれる。役者の表情が皆いい。

大合戦のあとの焦燥しきった隊員の表情と対照的に決意と自信に溢れる千葉真一の表情。バックに流
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ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

4.0

埼玉県警 奮闘記!

何度も大きな山があって、それに立ち向いユーモアを交えて描くこれぞエンタメ。

劇中のルパンのセリフ「役者がそろったな・・・」それ以後のルパン作品にも引用されるが、かっこいい。
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大脱走(1963年製作の映画)

3.0

脱走を試みる間の収容所内での群像劇に加え、航空、機関車、バイク、舟、自転車、車から一筋縄ではいかない脱走。元気になるエンタメ映画。

ただ、脱走しても罪が軽すぎる、登場人物が分かりづらい、BGMがほと
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真夏の方程式(2013年製作の映画)

-

前回の映画作と同様ガリレオ独特の淡々とした雰囲気の中に様々な感情が入れ込んであり面白かった。二つに大きく通底するのは自己犠牲と大きな愛。

大きな自己犠牲ほど美しいものはない。最高のカタルシスである。
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清須会議(2013年製作の映画)

3.0

時代劇のコメディ化ほど難しいものはない。言葉使いやキャラ設定に融通が利かない。

清須会議ではしかと古語を使うキャラとそうでないキャラの使い分けを行っていたが、どうしても窮屈な印象は拭えなかった。
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.6

徹底したリアリズムに魅せられた。

地球が危機に陥る場合に定番の異星人との遭遇や隕石の危機などが描かれず、食糧危機やそれに伴う軍隊の廃止、疫病、砂漠化など自分たちの将来起こりうる可能性の高い滅亡要因を
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ローレライ(2005年製作の映画)

3.5

男心をくすぐる演出が多い。

日本の秘密兵器とその脆さ。

梟の城(1999年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

言葉、CG、狂言、能、曲芸、血の描写など
そのどれもが丁寧で引き込まれる。

1999年公開ということで失われた10年真っ只中である。
サブカルチャー史的にも
エヴァンゲリオンのような自我や自己のあい
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のぼうの城(2012年製作の映画)

-

痛快な脚本、再現性の高いCGそして野村萬斎の演技力の高さ

エンターテイメントとしてよき映画に思えたが、成宮寛貴氏の演技が一人だけ浮いていて、興ざめ。

言葉は一人標準語を操り、なんと戦では鎌倉時代さ
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炎の戦線 エル・アラメイン(2002年製作の映画)

4.0

WWⅡのアフリカ戦線をイタリア視点でみた映画。

アフリカ戦線といえば、ロンメル将軍の名が真っ先にあがるだろう。

英雄ロンメル将軍。しかし本当の英雄とはなんだろうか?実際に戦うのは前線の兵士たちだ。
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横道世之介(2013年製作の映画)

4.0

大学生の青春映画が好きだ。

横道世之介に寄り添い体験する人生は綺麗なものだった。

マトリックス リローデッド(2003年製作の映画)

3.5

前作に比べて息切れしている部分があるものの、戦闘シーンのキレは変わらず。

もしかしたらやられるかも?そう思わせる舞台設定が本当に上手い。足場を不安定なトラックの上にしたり、高速道路を逆走したり、スミ
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マトリックス(1999年製作の映画)

4.6

飽きさせない展開、スピーディーなアクション、難解なテーマ・哲学。

ありとあらゆる切り口から楽しめる傑作映画。

いわゆるマトリックス避け、弾丸止め、壁を走る、などは誰しもが真似しただろう。

マフィ
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インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989年製作の映画)

4.0

インディジョーンズシリーズでは一番好き。

ナチスとの抗争と、最後逃げ去るシーンが印象的。

娯楽映画の教科書!

ロード・オブ・ザ・リング(2001年製作の映画)

4.0

エンターテイメント超大作の名がふさわしい作品。原作、脚本、音楽、キャストともに見るものを飽きさせない。特に剣舞のシーンは圧巻の一言。

ホビットの純情さと背後の暗黒がいいコントラストを醸し出し、重厚な
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バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(1990年製作の映画)

3.0

シリーズ第三作目ということで期待していたが案外展開は普通だった。
第一作の飽きさせない展開にはかなわない。
ドクとマーティの演技はよかったのだが、クララの演技がくどくて、頭がクラクラ。

タイヨウのうた(2006年製作の映画)

4.0

ただただ見ているこっちが幸せで笑顔になる映画

YUIがインタビューで見ている人が笑顔になれるように演じたと言ってましたが、まさしくその通りでした。

YUIの演技のぎこちなさが
逆に恋のぎこちなさに
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バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

4.0

最初の15分!登場人物の背景をものの見事に紹介し、高まってきたところでタイムマシンの登場!
なんて最高の脚本なんだ。

きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

3.5

そこはかとない明るさと底抜けさ。
本質をズバズバ付いていく主人公の気持ち良さ!

歌が最高に気持ちがいいので、ぜひ字幕版で見てください。

そして父になる(2013年製作の映画)

-

核家族化や地域のコミュニティが崩壊して久しい現代社会において子育てとはなにか?を問いかける。

子どもへの愛は血ではなく、「過ごした時間」これは恋人にも同じことが言えるのかもしれない。

ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

4.6

暴力、理不尽さ、圧力様々なものに打ちひしがれることがある。

一番人から生きる活力を奪うのは希望を絶つこと。絶望だ。

無実の罪が明かされるという希望、
自分が手塩にかけた存在の死。

ロープの伏線、
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エクス・マキナ(2015年製作の映画)

3.0

検索エンジンは人間そのもの。
IPS細胞みたいなジェル状の脳みそ。

自分の気持ちまでも道具にして、脱出をはかるエバ。

すべての政府は嘘をつく(2016年製作の映画)

4.0

たまたまBSでやっていたのを視聴しましたが、ジャーナリズムについて、種々様々な提言がなされ、面白く見させてもらいました。

広告から収益を得るメディアだと報道が捻じ曲げられるから課金制のメディアを始め
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雄呂血(1925年製作の映画)

3.8

これまであった旧劇(時代劇)を変えた革新的一作。

固定カメラ、長回しの多用など撮影技法は黎明期そのものだが、現代でも通用するテーマ。
善人に見える者が実は悪党で悪人にされる者が実は善人。

大戦後の
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君の名は。(2016年製作の映画)

3.5

絵画のような画面が動くことにひとえに感動しました。もはや一つの工芸作品といっても過言ではないと思います。

大衆向けのメッセージとしては
男女入れ替わり物
批評家向けのメッセージとしては
3.11のオ
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怒り(2016年製作の映画)

4.0

怒り、乾き、性欲、喜び、悲しみ、感情の爆発。

少女の汚れ役出来て、綺麗な顔に色気のある唇に引き込まれた。

少年の魂の咆哮。出演者の全員叫びのようにきこえて鳥肌が立った。

相手を疑ってしまったとい
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ソラニン(2010年製作の映画)

4.0

惚れ惚れするほど、気持ちのいい映画。ゼロ年代邦画の淡い雰囲気がたくさん詰まっている。

音楽もスーパーカーやSUPERBEAVER、ASIAN KUNG-FU GENERATIONで彩られる。

浅野
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風立ちぬ(2013年製作の映画)

4.7

宮崎駿さんが晩年に差し掛かり、作った映画はなんと純愛。恐れ入った。

雲、背景による状況描写の豊かさ、上手さがさすがの一言。

日本の二度と戻ることのない美しさ風景や人物にノスタルジーを感じ、鳥肌が立
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