宮崎駿さんが晩年に差し掛かり、作った映画はなんと純愛。恐れ入った。
雲、背景による状況描写の豊かさ、上手さがさすがの一言。
日本の二度と戻ることのない美しさ風景や人物にノスタルジーを感じ、鳥肌が立つ。
蠢く群衆。群衆が奥に手前によく動く。ダイナミズムと、臨場感。さすが宮崎演出。
小さい仕草、二郎がつまづく描写が二郎をより人間的存在として際立たせる。
メフィストフェレス(悪魔)(カプローニ)のささやきによって飛行機作りという夢に取り憑かれていく二郎。
それは、アニメ作りに取り憑かれていく宮崎駿さんにも重なる。
線を書くという仕事。黒川さんという厳しい存在(黒川さんのモデルは高畑さんではないか?課長のモデルは大塚さんか?)
人物の衣装や建築は写真を切り抜いたように豊か。
目の前のことを一生懸命生きた結果、それは報われないかもしれない。
それでもこの世は生きるに値する。
言葉にしたら陳腐な想いを塊にした素晴らしい映画。何度も見ます。