イホウジンさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

イホウジン

イホウジン

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ロボコップ(1987年製作の映画)

3.5

お決まりの展開の連続で、安心して観ることが出来る。

設定が現代なんだか近未来なんだか分からなかったり、話の因果関係が成り立っていない場面が多かったり、人があっさり殺されたり、ツッコミどころは山ほどあ
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洗骨(2018年製作の映画)

3.6

内容はとても良いのだが、笑いの要素がいちいち余計。

ストーリーは構造的。娘→息子→父の順におばさんの助けもあり心の悩みに向き合っていく。それぞれの喪失感や風景と心情の重ね方が良かった。最後も都合が良
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グリーンブック(2018年製作の映画)

3.7

人種差別がテーマの一つである映画だが、それについて安全圏から石を投げているようにしか思えなかった。

確かに、単純な「黒人対白人」の構図ではなく人種間の格差や個人と自身の民族のアイデンティティのズレな
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たちあがる女(2018年製作の映画)

3.9

重さと軽さの塩梅が丁度いい。
社会派映画としてもスリラー映画としても成立している良作。

ストーリーは見事。単純な構成ながら、現代社会への風刺が存分に織り込まれていたり伏線要素があったりと、観ていて飽
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.5

観終えてからの余韻がとても良い“メタファー”の映画。

一部レビューにもある通り、この映画は全てメタファーで構成されていると言っても過言ではない。この映画の楽しむポイントは、映画内に登場するものや起こ
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ヨーゼフ・ボイスは挑発する(2017年製作の映画)

-

ボイスを手放しに賞賛しないところが映画としての魅力だったと思う。

全体としてはボイスの生涯を当時の作品やインタビュー記録などからボイスの実像を追うような構成になっている。
前半では孤独と絶望に苦しん
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金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト(2017年製作の映画)

4.0

抗日とかそういう枠を越えた美しい映画。

「朴烈事件」という実際に起きた事件を題材にした映画で、観終えた後にwikiで調べて、かなり事実に近いものを描いていたということに驚く。この映画を通して金子文子
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Noise ノイズ(2018年製作の映画)

3.6

評価とか世間体とかそういうものを超越した凄まじいエネルギーに溢れた映画だった。

正直なところ映画としては微妙な点が多い。人物像の深堀りが中途半端だったり、全体としても統一感のないストーリーで、ラスト
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

3.9

「万引き家族」をさらに無慈悲にして、より現実味を持たせたような衝撃的な作品。

主人公を観客に共感させるようなキャラでもなく、だからといって全くエキセントリックなキャラにしなかった点が秀逸。映画内の行
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シスターフッド(2019年製作の映画)

3.0

ドキュメンタリー映画として観るか劇映画として観るかで、評価が二分されるのかなと思う。

ドキュメンタリー映画としては悪くない。暗いとも明るいとも言えない現代日本の空気感を、(主に)3人の女性を通して眺
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.8

後半に起こる話の急展開が見事。
前半のモヤモヤは後半でどんどん伏線回収されていって感動してしまう体感型映画。

正直前半は在り来りな描写が続き、観ていて退屈さも感じてしまった。事件も発生してすぐに全貌
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翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.2

原作は好きだし埼玉disを否定はしないが、さすがにやりすぎでは?

単純にコメディ映画としてはそこそこいい方である。原作の要素を詰め込み過ぎず、だからといって新しいネタを盛り込み過ぎていなくてちょうど
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真っ赤な星(2017年製作の映画)

3.9

登場人物に感情移入ができるかできないかで好みが分かれるであろう映画。(個人的にはかなり胸に刺さるものがあった。)

ここ最近の邦画の中ではかなり鮮烈なラブシーンの連続である。しかしながらそれぞれのラブ
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.4

よくこの内容で2時間に収まったなというのが率直な感想。

3人の人間性は互いに大きく異なっていながらも、観客がどの登場人物にも想いを寄せることが出来るのが本当にすごい。特に(アカデミー賞も受賞した)ア
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半世界(2018年製作の映画)

3.5

前半はいいが、後半が微妙。
観終えた後「で、結局なに?」と思ったのは忘れない。

全体を通して田舎特有の保守的な空気の表現は見事。亭主関白の登場や跡継ぎ問題などのいわゆるステレオタイプな表現が多く思え
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アクアマン(2018年製作の映画)

3.7

頭を使わず気楽にみれるアクション超大作。

全てが予定調和で設定もぶっとんでるが、そこも含めて楽しめる。出来事の背景についての説明パートがあったり、分かりやすい心の動きの表現があったり、とても親切に作
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シミラー バット ディファレント(2013年製作の映画)

3.6

わっかりやすいラブストーリー。
適度な観客との距離感で、適度に二人の繋がる時間とすれ違う時間を描いている。
目玉焼きトーストの場面が好き。

清澄(2015年製作の映画)

3.4

ものすごく抽象的で、現実と虚構が観客にも区別のつかぬまま交錯していく。
雰囲気は嫌じゃない。

ブランク(2017年製作の映画)

3.7

あの微かなホラー要素が嫌いじゃない。
YCAMの建物の構造をフル活用した映画。

ちいさな独裁者(2017年製作の映画)

3.7

内容云々というよりは、現代にこの映画が制作されたこと自体を評価の対象とすべき映画。

正直内容は薄っぺらい。情報量もそこまで多くないはずなのに、肝心な所が抜けていたり、理由もない突拍子なシーンが多く見
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山<モンテ>(2016年製作の映画)

3.2

あの後半は一体何だったのだろうか。

ストーリーは悪くない。監督曰く当初は日本を舞台にする予定だったらしく、おそらく扱っているテーマは「部落差別」であると読み取れる。
理不尽でどうしようもない差別に苦
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ゴッズ・オウン・カントリー(2017年製作の映画)

3.6

あらゆる面で、イギリス版「君の名前で僕を呼んで」と表現できる。

恋に悩む青年が運命の人と邂逅し、最初は反発しながらも次第に惹かれあっていく。と、中盤までまるで「君僕」の展開をなぞるかのようなストーリ
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天才作家の妻 -40年目の真実-(2017年製作の映画)

3.8

裏テーマは「女性蔑視」と「名誉とは」。

共依存状態にある夫婦のやり取りは独特。感情のバランスはとても不安定で、崩壊したかと思えば突然強力に結び付き合い、微妙な所を進むやり取りが展開される。これにより
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マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)

3.0

連続テレビドラマを無理やり映画に押し込めた感じ。
世の中こういう映画もあるんだなぁ~

ストーリーの一貫性は、ほぼ皆無。
映画の本筋とは全く関係のないストーリーが前半のほとんどである。各パートで、木村
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ジュリアン(2017年製作の映画)

3.6

家庭内暴力の加害側に向き合った斬新な社会派映画。

これまであらゆる暴力の被害側が主体となる映画は多くあったが、この映画では「父親が暴力に手を染める理由」を全面に描いている。これが非常に絶妙で、と言う
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七つの会議(2018年製作の映画)

3.7

観終えた直後の爽快感の一方で、後々振り返ると色々とボロが出てしまう。

終始畳み掛けるような展開で、次々と登場人物たちの実態が明らかになっていく。適当に因果関係も整っており、悪くはない。
俳優陣の演技
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.7

青春映画の究極形を観た。
4時間があっという間だった。
最初に観る時は、ぜひ前情報なしで観てほしい。

物事が大きく動くのはせいぜい最後の20分程度で、それまではひたすら若者たちの日常を描くという実に
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十二人の死にたい子どもたち(2019年製作の映画)

1.9

期待値低めで行ったが、まさかここまでとは…
俳優陣の演技以外全てが雑。

推理要素、生と死について考える要素、スリラー要素、全てが雑。
テンポはいいが、そのせいで話が散らかってしまっている。
推理要素
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バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

4.2

娯楽映画としても社会派映画としても愛の映画としても満足な出来上がり。

160分の大作で一瞬観るのを躊躇ったが、重さと軽さのバランスがちょうどよく非常に見やすかった。パキスタンパートでインド的な踊りの
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ひかりの歌(2017年製作の映画)

4.2

人間の無意識を可視化した奇跡的な映画。
そして、観客の想像力が映画のカギになるという斬新な映画でもまたある。

4つの物語が、お互いほとんど絡むことなくオムニバス形式で展開されていく。どれもが人間の「
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バハールの涙(2018年製作の映画)

3.9

ノンフィクションのドキュメンタリー映画かと錯覚してしまった。

登場人物の心情にとことんフォーカスするというよりは事実を背景も交えて淡々と追っていく感じで、最前線の戦争映画にしては意外に軽かった。
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未来を乗り換えた男(2018年製作の映画)

3.7

一風変わった戦争映画。

戦争そのものを描くというよりは、戦争の下で生きる民衆の心情を描く方に重点を置いた作品。
主人公も含め全体的に掴みどころのないストーリーだが、その中でどこかに命の天秤の気配を感
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怒り(2016年製作の映画)

4.3

100本目のレビューは私が映画の世界に引き込まれる契機になった作品を。

ストーリーとか関係なしに、怒りという感情に真正面から向き合いもがき苦しむ登場人物たちの心情がただただ圧巻。

3つのストーリー
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チワワちゃん(2018年製作の映画)

3.6

とにかく“エモい”。

映画というよりは、俳優の皆さんのプロモーションビデオを眺めてる感覚。

オープニングから鳴り止まないクラブミュージック、パーティーで踊り狂う人々、定点カメラで乱交する男女、刺激
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シュガー・ラッシュ:オンライン(2018年製作の映画)

4.2

ポップさと深さを併せ持った良作。
まさに大人も子供も楽しめる映画である。

前作は未観だが、ラルフとヴァネロペの軽快なやり取りは面白いし、ブラックユーモアも交えつつネットあるあるを表現している。巨大な
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あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)

4.5

良い意味で観客を裏切ってくれる。

前編とは一変し、後編では感傷的な出来事や描写が多い。前編で負け犬の逆襲がテーマの一つとしてあるならば、後編のテーマは「逆らえない運命」である。死や不景気、遺伝子など
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