イホウジン

洗骨のイホウジンのレビュー・感想・評価

洗骨(2018年製作の映画)
3.6
内容はとても良いのだが、笑いの要素がいちいち余計。

ストーリーは構造的。娘→息子→父の順におばさんの助けもあり心の悩みに向き合っていく。それぞれの喪失感や風景と心情の重ね方が良かった。最後も都合が良すぎな気もするが、個人的には少し意外な展開だった。終盤でテーマが「家族の絆」から「生と死」にシフトしていったように思える。一人一人の心情の繊細さが観客にも伝わった。
ストーリーがあまりに単純すぎる気もしなくはなかった。

ただ、監督本人の意思か製作の吉本の意思かは分からないが、エモーショナルなシーンに場違いな笑いのシーンを入れている場面が多く、観ていて不快にさえも感じた。場の空気を和ませるならまだ良いが、せっかくの美しいシーンがその一言で台無しになってしまうようなことが多く残念だった。
まるでクラシック音楽を聴いてて突然ヘビメタを聴かされているような感覚だった。
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