イホウジンさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

イホウジン

イホウジン

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search/サーチ(2018年製作の映画)

3.9

手法は斬新、話は王道。
おそらくこの言葉がこの映画にはふさわしいだろう。

全てのカットが画面上であることはさることながら、その制約の中でいかに登場人物の心情を表現するかという問題に正面から立ち向かっ
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止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

3.4

我々のような若い世代が「若松孝二」という男を知るための映画としては良かったと思う。彼の映画作りへの情熱を感じることができた。
めぐみの心情の表現の手法もよい。様々な言葉や行動で若松映画の持つ独特な力を
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パプリカ(2006年製作の映画)

4.3

世界観が(良い意味で)常軌を逸しているのは当然なのだが、ストーリーもなかなか作り込まれている。夢と現実を複雑に行き来し複雑に交わる様はとても丁寧で、それこそ我々さえも夢の世界へ誘うようである。
映画愛
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.6

IMAXで鑑賞。
ストーリーは言うほど難しい気はしなかったが、宇宙ものの中ではかなり大人向けである。
あれが50年以上前の映画だとは到底思えないくらいの美しい特撮と現代的なストーリーで、あっという間に
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運命は踊る(2017年製作の映画)

3.9

戦争映画の枠を超えた“何か”が映画を包み込む。

映画は中盤までサイレント映画並にセリフが少なく、そのかわり様々な手法で登場人物たちの心情を表現している。息子のフォックスロットはシンプルに上手い。
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カランコエの花(2016年製作の映画)

4.0

短い映画ながら、場面展開がしっかりとしており何を伝えたいかも明確である。

個人的には昔から考えていたことではあり新鮮さに欠けるものがあったが、このテーマで映画をつくったということ自体が評価されるべき
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.4

これほどまでに詩的で官能的な映画があるのだろうかと感じてしまうくらい、とにかく全てが美しい。

多くの場合に同性愛そのものに焦点を当てるような映画が多い中で、これは更に17歳の甘酸っぱい青春にもフォー
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

4.1

アクションと社会問題の表現のバランスが丁度よく、相互に影響し合ってるということがよく分かる。

観る前は、カンニングを巡るアクション映画かなと思っていたが、予想以上にタイの格差社会・学歴至上主義社会を
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飢えたライオン(2017年製作の映画)

3.9

現代社会の闇という闇を見せつけられるような、ある種のドキュメンタリー要素を含んだ社会派映画である。

「フェイクニュースの映画」というよりは「フェイクニュースとデマに代表される日本の闇を描いた映画」と
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.7

低予算とは思えないクオリティで、本当にネタバレ厳禁の映画である。もはやジャンルすらも言うことができない。
ただ、この映画の衝撃は観終わってから長い時間残るものかと言われるとそうではないと私は感じた。つ
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巨神兵東京に現わる(2012年製作の映画)

3.8

まさかこれがシン・ゴジラの布石だったとは…!!
当時は思ってもいなかった…

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.6

サイコパス彼女✕サイコパス元彼による、ラブストーリーに見せかけたヒューマンホラー作品。

ここ最近の恋愛映画は観客に共感を誘うような描写を入れることが定番化しつつあるが、この映画ではそういった思惑がほ
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響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)

3.0

扱ってるテーマと登場人物のキャラクターは観る人を飽きさせず、配役も絶妙である。
ただ、連載中マンガの実写化に特有の「情報詰め込みすぎ病」に陥ってしまい残念だった…
個人的には、小栗旬の無駄遣い感が半端
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アルマゲドン(1998年製作の映画)

2.5

アメリカ礼賛映画の真骨頂!
これを見ずして現代アメリカは語れない!!

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

4.2

これが実話であるということが衝撃的である。
ここまで「対立」「分断」にフォーカスした映画はそう多くはないのではないだろうか。
クライマックスに進むにつれて、双方(とその陣営)が残酷な歴史を越えた新たな
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1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)

3.9

「タクシー運転手」を観た方にはぜひアフターストーリーとして観てほしい一作。
なんとこの映画、主人公がいない(も同然)。それだけ、短い時間に6月民主抗争を多角的に描いている。
これだけ多くの登場人物を出
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.2

映画でありながら今にも私の日常に溶け込んでしまいそうな、それくらい自然体で等身大な人間達の映画である。
「友達以上恋人未満」の男女の絶妙な距離感の日常を描いた作品。カメラワークも独特でおもしろい。
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空海 ーKU-KAIー 美しき王妃の謎(2017年製作の映画)

3.5

全体的に不評だが、個人的には可もなく不可もないアドベンチャー映画だなと感じる。
登場人物の扱いも、そこらのマンガ実写化映画なんかよりもずっと丁寧だったように感じる。
伏線回収もうまい。

万引き家族(2018年製作の映画)

4.2

全体的にリズムが単調なので、観る人を選ぶ映画である気がする。ドキュメンタリー番組を観ている感覚に陥った。
扱っているテーマや話の終わらせ方にぬかりがなく、とても丁寧に作られた作品だと感じた。日本独特の
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.1

一言で言うなら万引き家族のアメリカ版。
どちらかがパクったのではないかと思えるくらい、視点や現実への描写が似ている。
映画の宣伝にもあるように、ラストはあまりにも残酷で美しい。余韻が今でも残っている。
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インクレディブル・ファミリー(2018年製作の映画)

3.5

前作に比べて展開が早く、見やすかった。
ただ、映画の中で問われる「問い」に対する「答え」が不十分で消化不良に終わってしまった。問い自体はとてもよかったのだが…
また、映画全体で見ても、後半に向けての盛
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銀魂2 掟は破るためにこそある(2018年製作の映画)

3.5

前作よりも良かったように感じる。
ギャグパートとシリアスパートの塩梅が丁度よく、前作以上に「銀魂らしい」。
全体としてストーリーは凝っているのだが、福田監督オリジナルのストーリーは少し原作の雰囲気と乖
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ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

3.5

本当にトム・クルーズのアクションは最高だし、これからも映画館で観続けたいとは思うのだが、もはやMIシリーズが「トムのアクションをみせるための映画」になりつつあると実感した。
アクションは相変わらず素晴
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ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

3.8

笑える場面とシリアスな場面のバランスが良く、それでいてストーリーに一貫性があり、とても見やすい。

フィクションだからこそ作り出せる世界ではあるが、「普通」や「助ける」という言葉の難しさがこの映画をよ
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日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)

3.3

観て損は無い映画。
当然、ある特定の人物を「味方」「敵」と区別しているのでフィクションとして考える必要はあるが、ポツダム宣言受け入れまでに日本で何が起こったのかを知る意味では、いい映画である。
ただ、
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人間機械(2016年製作の映画)

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現代版「蟹工船」的な要素を感じる。まるで産業革命当時の欧米諸国の労働搾取を見ているかのようで、こんな労働環境で作られた衣類を我々は安価で手に入れているのだと思うと、胸が苦しくなる。
確かに音へのこだわ
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

4.4

映画館で爆音で観てみたい映画の一つ。
とても30年近く前の映画とは思えないような圧倒的な視覚効果と、現代を予言するかのようなディストピア感。
「暗い近未来SF」という意味では「ブレードランナー」と共通
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JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

3.8

スピルバーグ監督の作品にしては荒削り感があったが、それはただ単に彼が若かったからなのだろう。
それでもその後のスピルバーグ映画に通じる要素は多数埋め込まれていたように感じる。
なかなか襲われるシーンは
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カールじいさんの空飛ぶ家(2009年製作の映画)

4.0

ピクサーでは数少ない「普通の人」が主人公の映画。
子どもの心理的成長を描く映画は世間一般によくあるが、老人の心理的成熟を描いた映画は数える程しかなく、斬新である。
重いシーンと明るいシーンのバランスが
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ウォーリー(2008年製作の映画)

4.0

全体として「環境問題」「ロボットと人の共存可能性」といった重いテーマが潜んでいるが、ロボットや人間たちのコミカルさとほのかなラブシーンがそれをマイルドに仕上げていて、とても見やすい。
目と手の動きだけ
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バトル・オブ・ザ・セクシーズ(2017年製作の映画)

3.9

「女性差別」や「性的少数者への差別」という一見すると重苦しい映画になりかねないテーマを、主人公やその周囲の人間のタフさによって軽くしたところがとてもよかった。また、最後のシーンが予想外で、現代社会の課>>続きを読む

ピーターラビット(2018年製作の映画)

3.6

ピーターラビットの原作の世界観は最低限守りつつ、現代のブラックユーモアやポップミュージックも積極的に取り入れており、予想以上によく出来た映画だったように感じる。
内容は王道な感じがしたが、とにかく人間
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スノーデン(2016年製作の映画)

3.8

ストーリーはまあ普通のスパイ系映画といった感じだが、とにかく映画の中で暴露されていく内容が怖い。
アメリカの情報網がいかに世界を支配しているのかが分かる映画。
これを観るとスマホやパソコンの自撮りカメ
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七人の侍(1954年製作の映画)

4.9

3時間超の大作で果たして集中力を維持出来るのか不安だったが、途中の休憩時間(5分)も含めてあっという間に感じてしまうくらい面白い作品だった。
どの場面、どのキャラクター、どのセリフ、どのカメラワーク、
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ザ・サークル(2017年製作の映画)

3.3

正直、エマ・ワトソンとトム・ハンクスの二人を配役する必要があったのかについては疑問が残る。二人の良さを十分に引き出せてはいなかったと思う。
ラストは物議を醸しているが、わたしは「現代社会らしい」と感じ
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