イホウジンさんの映画レビュー・感想・評価

イホウジン

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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.1

友達関係を通した親子関係の再構築。
ラストが観終えて半年ぐらいたっても記憶に残ってるぐらいには良い。

ロード・オブ・ザ・リング(2001年製作の映画)

-

RPGゲームの元ネタというだけの面白さはある。
これをもう少しジャンキーにしたのが「ダンジョンズ&ドラゴンズ」か?

ラヂオの時間(1997年製作の映画)

3.7

(うろ覚えレビュー)
あれだけの人数がいたのにそれぞれにキャラ付けがされており、なおかつ中心的な人物はしっかりと物語世界の中心を担っており、その構成が見事だった。クローズドな舞台だからこそできる時間制
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恋する惑星(1994年製作の映画)

3.9

(うろ覚えレビュー)
大量消費社会の中の恋

とにかく「物」が雄弁な恋愛映画である。第2部の「夢中人」が流れるパートはそれを象徴しており、(唯物史観的に)生産様式が変わってしまった現代社会において、ど
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花様年華(2000年製作の映画)

3.8

(うろ覚えレビュー)
プラトニックラブの恋愛映画として良い。お互いに一線を越えないのがまさに「大人」である。

フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

2.5

フォレスト・ガンプ、トランプ支持してそう

今作の見過ごせない問題点は、現代アメリカの混沌やマイノリティの闘争を、「障害者の無知」を口実として、マジョリティの歴史の方へ美化しようとしていることだ。障害
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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

-

(うろ覚えレビュー)
ヌーヴェルヴァーグの映画の雰囲気は好きな一方で、そのストーリーの記憶の残らなさは異常。
でもいい映画を観たという記憶だけはある。

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)

4.1

(うろ覚えレビュー)
愛は最初からあるものか、育むものか?

構成上見事なのは、ストーリーの大半で父子関係が描かれるにも関わらず、常に妻の視点やその不在が強烈に意識させられるところだ。故に終盤の泥沼展
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

3.5

「男らしさ」の亡霊

ノスタルジーの記号が散りばめられているので思わずそちらに気が向きがちだが、内実をよく見てみると、底知れぬ虚無感に全体が覆われていることが分かる。それを象徴するのが、登場人物の旅の
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独立愚連隊(1959年製作の映画)

3.8

コメディでも拭いきれない戦争の混沌

「日本で西部劇は可能か?」という問いに挑んだ映画であることはすぐに分かる。満州の荒涼とした大地を駆け抜ける馬、男たちの友情、明確な敵、血なまぐさい恋愛模様など、ハ
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インファナル・アフェア(2002年製作の映画)

4.1

善は悪を上塗りできるか?

マフィアのスパイをする警察官と警察のスパイをするマフィアの組員という、正義と悪のバランスが常に揺らぎ続ける2人を中心に物語が進むため、少ない登場人物ながら意外と複雑なストー
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.8

裏テーマを楽しむミステリー

この物語は「一人の男の死の真相」と「彼の遺産相続をめぐるトラブル」という2つの軸で展開されるのだが、興味深いのは、これがミステリーであるにも関わらず、後者が前者に対して必
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奇跡(1954年製作の映画)

4.0

信仰は自然か?制度か?

限られた舞台と各々の役割が明確に割り振られている人物設定からは、映画というより演劇に近いものを感じ取ることができる。故に宗教をめぐる壮大な問題をテーマとしている割に、その答え
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ダ・ヴィンチ・コード(2006年製作の映画)

3.7

世界史好きには堪らない歴史ミステリー

タイトルの割りに「ダ・ヴィンチ・コード」それ自体は冒頭の冒頭でしか登場しないのには、やはり驚かされる。映画用のタイトル改変ならまだしも原作もそれらしいので、もは
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Mr.&Mrs. スミス(2005年製作の映画)

3.6

最強最悪の夫婦喧嘩

後年の『SPY×FAMILY』が今作の影響を強く受けていることはよく分かる。互いの素性と能力を隠して生活し、なおかつ所属組織同士が敵対しているという設定は、物語の乱高下を促してい
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来る(2018年製作の映画)

3.8

人間博覧会

ジャンルとしてはホラー映画なのだろうが、物語の主体は、人間にとって不可視の存在であるほぎわんにではなく、それを取り巻く登場人物たちの心の闇にある。ほぎわんが人々に恐怖を与えているというよ
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バルカン超特急(1938年製作の映画)

4.0

真実を賭けた騙し合いバトル

「複数の登場人物が別々の視点からある一つの事件を目撃し、最後に全て集約される」という、どこか『ストレンジャー・シングス』にも繋がる面白さがある。登場人物一人一人のキャラ付
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駅馬車(1939年製作の映画)

3.8

冒険モノの王道、群像劇の最も洗練された形

西部劇そのものを初見。なるほど荒野を舞台に、冒険,アクション,友情,恋愛などなど娯楽映画のあらゆる要素を詰め込める万能なジャンルである。それが常に白人による
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犬王(2021年製作の映画)

3.7

野蛮と熱狂

一連の歌の場面が今作のコアであることに間違いはないだろう。当時の技術でもギリギリできそうな演出を用いた現代的な楽曲の数々は、結果的に現代の人々が当時の民衆の熱狂を追体験させることに成功し
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

-

見えないものを見る、触れられないものに触れる

日常を切り取ったような映像から次第にどこか遠い世界へと観客を誘うのは、監督の諸作品に共通する魅力であろう。今作もまた、テンポこそゆっくりながら、終盤に向
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燃えよドラゴン(1973年製作の映画)

3.7

ブルース・リーの肉体美

もはやブルース・リーの勇姿を眺めるためだけの映画である。鍛え上げられた筋肉,機敏なアクション,名ゼリフ,紳士的な立ち振る舞い、彼の魅力がこれでもかと詰められている。それだけと
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サタデー・ナイト・フィーバー(1977年製作の映画)

3.3

それっぽさの継ぎ接ぎ

この映画が当時のアメリカのダンス・カルチャーを反映し、そして日本の80年代のディスコブームの火付け役になったであろうことは、鑑賞すればよく分かる。ビージーズの名曲に乗せて登場人
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.0

正義はどこに宿る?

過去最悪の治安レベルである今作のゴッサムシティは、もはや悪が悪を上塗りすることによってかろうじて機能しているような状態だ。この映画の冒頭のバットマンは、その悪の頂点に君臨しようと
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.0

西洋社会から逸脱する声の記録

この映画がロサンゼルス~ヘルシンキという、西洋の西端にはじまり東端に終わる構成になっているのは意図的なもののように思える。実質的なオムニバス映画ではあるが、西洋に「中心
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市民ケーン(1941年製作の映画)

3.9

愛はカネで買えない

この映画は2つの意味でアメリカを代表する作品なのかもしれない。
ひとつは言わずもがな、今日のハリウッド的な撮影技法が確立されている点である。流れるように動くカメラからは、これが戦
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第三の男(1949年製作の映画)

3.9

なによりも、光と影の使い方が本当にうまい。白と黒によって構成されるモノクロ映画の特性を、効果的に活用しているように見えた。存在すらも疑わしい第三の男を闇に見立てることで、その不気味さとカリスマ性が強調>>続きを読む

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

3.8

・淡々とした展開の中に、人間の生活の根本的な美しさがあらわれる。
・ファッションが好みだった。

ダウン・バイ・ロー(1986年製作の映画)

3.8

人生の脱スペクタクル化?

「刑務所からの脱走」というと、普通なら劇的で情動的なストーリーになりそうだが、この映画ではそういったものには発展しない。それどころか、まるで日常生活かのように登場人物が刑務
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

3.9

退屈な日常への刺激は、やがてファシズムの狂気へ

単調なデスクワークと資本主義の下にある嗜好品を楽しむ行為は、まさに現代社会の“理想”的な生活と言える。今作におけるスタバとIKEAの立ち位置は、両者が
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

4.4

飼い殺すマトリックスから飼い慣らすマトリックスへ

個人的に『マトリックス』への違和感を抱いていたので、それを制作陣側も共有していたことに少し驚かされたし安堵もした。
この映画について考えるにあたって
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.6

どんな災厄の後でも人は生きねばならない

どことなく監督の震災後の作品である、『ハッピーアワー』や『寝ても覚めても』に対する返答のようにも感じられる作品だ。この2作は、ある災いが発生するまでのプロセス
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マトリックス(1999年製作の映画)

3.9

ハッキング=システム化された世界への能動的な関与

いま目に見えている世界を虚構として全否定するという、非常に革新的で野心的な映画であることに間違いはないだろう。確かにCGを多用した映像も素晴らしいが
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ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

3.7

これサブタイトルは「~カーネイジ」じゃなくて「愛の試練」にした方がいいのでは?!

シリーズものの2作目にしては珍しく、1作目と同様の主人公(とその相棒)の成長物語であった。カーネイジの狂気っぷりの噂
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カサブランカ(1942年製作の映画)

4.0

音楽がとにかく印象的。
何度も同じ曲が繰り返されることで、物語の中に1本の揺るぎない支柱のようなものが生まれたように見える。

無限に深掘りできそうな映画であることは分かったが、まだまだ私の中に語る言
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.0

クレイグ版ボンドの“サーガ”の完結

過去4作を怒涛の勢いでまとめあげる、完結編として満点に近い映画だ。なのでこれ単体でどう観るかというよりは今作を起点に過去のクレイグ版の作品を振り返らざるを得ないし
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