面白い作品だ。記憶とは何かについて、改めて考えるきっかけとなった。記憶喪失が蔓延するという発想は奇抜だが、それ以外は至って常識的である。常識的にするためには記憶の代用をしてくれるスマホやPCが邪魔だ>>続きを読む
映画「DEATH DAYS」のメイキング映像だ。これを映画と呼んでいいのかどうかは不明だが、「DEATH DAYS」の直後に上映されるので、観たばかりの映画のネタばらしみたいで、結構面白い。
撮影>>続きを読む
森田剛の凄いところは宮沢りえと結婚したことだ。何が凄いかという具体的なことは、考えられる限りのあらゆる語弊があるので触れないが、とにかく凄い。
そんなことはともかく、本作品の、生まれたときから何>>続きを読む
正直に言ってよくわからない映画である。2018年の製作で、主演のバージニア・ガードナーはまだ23歳だった。主人公オーブリーは、その精神性からして、高校を卒業してそれほど経っていない19歳か20歳くら>>続きを読む
本作品はバカリズムの脚本と大九明子監督の演出がとにかく秀逸。主演の篠原涼子をはじめ、役者陣は概ね好演。特にひっかかるところもなく、全体にスムーズな流れである。コメディはあくまでも平凡で常識的なモデル>>続きを読む
戦時中の日本では、空襲爆撃を避けて田舎に避難することを疎開と言っていたと思う。島国の日本ではどこへ行っても日本語が通じるから、言葉の苦労はない。
しかし他国と地続きのヨーロッパでは、疎開先が外国の>>続きを読む
タイトルの通り、肉体の所有者の話である。意識を乗っ取って、宿主の肉体を自由に扱う。依頼された殺人を実行し、そのあとで宿主を殺せば自殺にしか見えない。何の証拠も残さない完全犯罪だ。まずこのアイデアが見>>続きを読む
新垣隆さんの音楽が凄い。人が欲望に負けて堕ちていくときには、確かにこんな音楽が鳴り響く筈だと思わせる、そんな音が随所に散りばめられている。その結果、映画全体が怪しくて危なっかしい雰囲気で満たされたよ>>続きを読む
小松菜奈は去年(2021年)公開の映画「ムーンライト・シャドウ」ではほどよく筋肉の付いた健康的でバランスのとれた素晴らしいプロポーションを披露していたが、本作品ではとても痩せて弱々しく見えた。減量し>>続きを読む
サーフィンのシーンは監督の趣味だろうが、この映画には不必要だった気がする。夏のシーンなのにウェットスーツを着たサーファーのシーンが挿入されるのは不自然だった。真冬のサーファーが好きなのだろうか。もし>>続きを読む
シネマカリテでの上映後に、立山芽衣子監督の舞台挨拶があった。なかなか正直な監督で、映画の中でこれを訴えようという方向性が決まらないままに、本作品を完成させてしまったと言う。問題を提起して、あとは観客>>続きを読む
ティルダ・スウィントンは、そのロンパリ気味の大きな目と、常に半開きの口元のせいで、外見はかなりミステリアスである。カメラ目線でまっすぐこちらを見ているようでも、どこか遠くを見ている感じだし、開いた口>>続きを読む
主人公エレネにとって、ミランダは娘の夫の母親である。だから娘が結婚するまでは赤の他人だった。娘の娘、つまり孫はアメリカの大学に通っている。孫の娘、つまりエレネにとってのひ孫はエレネと一緒に暮らしてい>>続きを読む
真面目に一生懸命に作った作品という印象だ。監督、脚本、主演ののんは真面目で一生懸命な性格なのだろう。それがそのまま作品に出ている。
若い女性の心模様を描きたかったのだと思うが、それにしては本作品>>続きを読む
昨年(2021年)の3月6日に収容先の名古屋出入国在留管理局(入管)で亡くなったウィシュマ・サンダマリさんのことは、未だに記憶に新しい。開示された動画を見た記事によると、亡くなる3日前の3月3日には>>続きを読む
本作品のハイライトは裁判のシーンである。主人公ケンプトン・バントンは、口うるさく文句をまくしたてる妻ドロシーを相手に、鈍重とも言える反応しかできない。それはそうだ。家計はドロシーが家政婦で稼いだ金で>>続きを読む
ナチスがユダヤ人の他にLGBTの人々を虐殺していた話はかなり知られている。国家主義者はLGBTが許せないということだ。国会議員の杉田水脈が「同性愛者は生産性がない、税金を払って彼らを支援する大義名分>>続きを読む
「地球は青かった」でお馴染みのソ連の宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンと同じユーリという名前の黒人青年が主人公である。宇宙飛行士の資料映像が流れるシーンもある。ユーリは親しみを感じ、憧れを抱いていたのだろう>>続きを読む
監督が代わったせいか、前作に比べて全体的に穏やかだ。社会問題の作品から人情噺に変わった感じで、これはこれで悪くない。それでも、前作で描かれたロンドンの格差問題や麻薬禍のシーンはしっかりある。
まず>>続きを読む
一本調子のサクセスストーリでないところがいい。既にウィリアムズ姉妹の大活躍は広く知られているから、順調なサクセスストーリーには誰も興味がない。姉妹がグランドスラム大会を何度も制するに至ったのはどのよ>>続きを読む
上映後のトークで、金子雅和監督は「同じ場所に過去と現在が同居しているイメージ」という意味のことを言っていた。まさに本作品が示す世界観そのものである。歴史は常に土地に紐付いているのだ。
これは素晴ら>>続きを読む
監督、脚本、主演のマリヤム・モガダムという女性は本作品ではじめて知った。素晴らしい才能である。テヘランの現在がよく伝わってくる。
夫を失ったイスラム教徒の女性がテヘランで暮らすことがどういうことな>>続きを読む
チンピラのクズ同士が争っているように見える映画だ。そして実際にその通りである。クズのクズたる所以は、自分で考えないことにある。その上、無意味に高いプライドがある。だから反省がなく、うまくいかないのは>>続きを読む
とても面白かった。登場人物が多くて複雑な物語の印象はあるが、少し整理すれば簡単な筋書きだということが解る。簡単すぎてつまらなくなるのを防ぐために、コリン・ファース演じる主人公ユーエン・モンタギューの>>続きを読む
ナチスがユダヤ人の他に同性愛者やジプシーを虐殺したり収容所に拉致したりしていたのはよく知られている。本作品のマヤもそのひとりだ。ロマ(ジプシー)であった時期にナチスに襲われてレイプの被害に遭ったトラ>>続きを読む
倒錯した性的嗜好を持つ初老の翻訳家を、色気とは無縁に見える永瀬正敏が演じたギャップがいい。ヒロインのマリを演じた28歳の陸夏はとても少女には見えなかったが、ほとんど笑わない演技がそこそこよかった。>>続きを読む
よく出来たアドベンチャームービーだ。ワクワクしながら鑑賞できた。俳優陣はいずれも好演。特に主演のふたり、トム・ホランドとマーク・ウォールバーグの掛け合いは見事で、初心(うぶ)だったネイサン・ドレイク>>続きを読む
アイデア満載の作品だ。とにかく面白かった。結婚11年の鋼婚式に合わせてプレゼントされたワイヤロープみたいな鋼のネックレスがキーアイテムのひとつとなっているのだが、よくもこういうアイテムを思いついたも>>続きを読む
冒頭から嫌な予感がした。タトゥーについては趣味の問題だからとやかく言うつもりはないが、就職面接で正直に答えない態度は不誠実である。まるで商品の欠陥を隠していいところだけを宣伝する悪徳商人みたいだ。バ>>続きを読む
新聞の切り抜きをベタベタと貼り合わせたような映画である。兎に角ダーイッシュ(ISIS=イスラム国)の連中から酷い目に遭ったという話や、町はもはや瓦礫の山で、辺境の住民は女と子供だけが残されて、明日も>>続きを読む
タイトルで損をしている。ビリー・ホリデイが合衆国政府と法廷闘争をした話かと思ってしまった。ビリー・ホリデイをよく知っているアメリカ人ならそんな誤解はしないのかもしれないが、かなり昔に亡くなったアメリ>>続きを読む
当方は聖書は読むが、クリスチャンではない。だから本作品のようなキリスト教礼賛の映画には若干の抵抗がある。精神の自由を毀損されるように感じてしまうのだ。
予想していなかった終映後の舞台挨拶は、例に>>続きを読む
なんとも切ない作品である。切なさという感情をそのまま物語にしたみたいで、観ていると胃のあたりがだんだん重くなってくる。泣きたいのでもなく叫びたいのでもなく、ただ悲しくて淋しくて苦しい、つまり切ないの>>続きを読む
誰かから問いかけられたら、その問いかけに対して必ず返事をしなくてはならないものだろうか。顔見知りからならまだしも、見知らぬ人間からの問いかけに、返事をする義務があるのか。
「聞こえとんなら返事せえ」>>続きを読む
コロナウイルスの地球規模のパンデミックは世界を変えてしまった。コロナ前と後とでは、我々の生活は明らかに異なっているし、コロナ禍が終息しても、元に戻ることはない。
コロナ禍以上に危惧されるのが戦争>>続きを読む
冒頭のシーンで疑問が浮かんでしまって、最後までその謎の答えを思いつかなかった。無差別の電子機器を通信で制御できるのだが、通信を発するのもまた電子機器である。ということはそのシグナルを飛ばした段階で、>>続きを読む