城岩いとさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

ウォッチメン(2009年製作の映画)

4.5

長いけどかなり面白いと思うね。2009年時点でこんなに暗いスーパーヒーロー物はなかった。

FLEE フリー(2021年製作の映画)

4.0

難民として祖国を追われた人の内面がよくわかる。
地上にいても溺れる人たち。彼らは生きるために泳ぎ方を覚えるしかない。勉強をしたり映画を見たり、青春を謳歌するかわりに、「そういう人たち(難民)」と片隅に
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.0

目に見えないもの形にならないもの言葉で言い表せないものつかみとろうとしても不可能なものを探求したり見つめ続けるのが人間なんじゃないでしょうか。
限りなく人間に近い存在がそばにあることで浮かび上がる人間
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.5

こういった作品を観て、主人公に共感できないからダメだとか、フェミニズム映画とラベル付けして作品を評するのはしたくない。まず男が主人公ならそういう感想は出てこないだろうし、なんだか小馬鹿にしているような>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

しっとり、静かな語り口でぐっとくる作品。
地味な映画なのかもしれないが、撮り方が徹底して美しく丁寧で、わかりやすく没入しやすいものになっている。

右に移動しながら街並みと道路を映し、父親を見上げる少
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瀉血(2022年製作の映画)

3.5

いまの日本がめちゃくちゃ閉塞感あるし、どうしようもないので若い人は自分を見つめ、深掘りして表現するのが必然なのかもしれない。社会を意識した映画を撮っても国民の意識はそうそう変わらない。

ブラックアウ
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レイクサイド マーダーケース(2004年製作の映画)

3.5

18年ぶりぐらいに再見。
いま観ると浅い部分(ふんわりした終わり方や説明台詞の多さのわりに内容がないなど)があるけど、事件が起きてからがめっちゃ怖い。
遺体処理から、奥さんが愛人になりすますなど、なん
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FAKE(2016年製作の映画)

-

ずっと上手くない演技を見せられている気分。聞こえたり聞こえなかったりする、というのが真実だろうか。作曲についても、共作なのか完全に新垣さんがゴーストとして作曲したのか、そのへんも事実関係が曖昧。そうで>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

全体的に中年男性が作ったファンタジーのようでまったく入ってこなかった。
ちひろさんのような人はいるだろうし、普通だなという印象。ホームレスのおじさんが亡くなっているのを見つけ、警察に通報せず遺棄した部
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別れる決心(2022年製作の映画)

5.0

映像を読む作品。
言語には直接的な意味とそれに伴うイメージが含まれている。映画における映像も同じ。直接的な意味と、裏にある台詞であったり登場人物の感情であったり心象風景があるわけだ。

観た人が直感的
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仁義なき戦い 代理戦争(1973年製作の映画)

4.5

〝知らん仏より、知っとる鬼の方がまだましじゃけぇ〟

いくら言葉を重ねようと、とにかく話がまとまらない、揉めに揉めて結局は解決もないわけだけど、そのいざこざのすべてがとにかく面白い。

〝わしらばっか
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スマホを落としただけなのに(2023年製作の映画)

4.0

鈍重な前半から後半の盛り返しえぐい。終わり方も良いね。ちゃんと怖い。
演技派チョン・ウヒ氏の見せ場があまりなくそこは残念。まあ彼女のほかの出演作みたら犯人やめとけってなるね。

駅 STATION(1981年製作の映画)

3.5

田中邦衛だ!!
予想外な話だった。倉本聰ってこんな話書くんすね。
お互いに詮索し合わない大人の恋愛を描いた部分が良い。倍賞千恵子さん、いいですねえ…

吉原炎上(1987年製作の映画)

-

演者から女として生まれたこと自体を意識したような、演技や表現を超えた執念を感じられる。

いちばん印象に残った場面は、病気で引退した遊女が戻ってきて宿の一室でのたうち回るシーン。ホラーともとれる恐ろし
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疑惑(1982年製作の映画)

4.5

法廷にいくまで辛抱がいるが、裁判が始まってからが見物。撮り方は退屈だけど。
桃井かおりと岩下志麻、ふたりのあいだに何らかの化学反応(ほのかな友情であったり、同姓同士特有の共通意識が生まれたり)が起こる
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震える舌(1980年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

両親クソやけど、そのおかげで映画として起伏あるものにはなっている。正気を失っていく母親が良い。親の考え方は、まあ時代性なんでしょうね。
父親が観るサイケデリックな色彩の夢のシーンはまさにホラーで、実に
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

この雰囲気と内容、文章ならもっと良いだろうとさっそく原作小説を注文した。

映画で人間の感情を表現するとき、自然の風景というのはとても相性が良い。文学も同じ。個人がもつ心の表情、感情の揺れ動き、そのす
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鬼畜(1978年製作の映画)

4.0

田中邦衛だ!!
そして大竹しのぶ可愛すぎ!?
内容きつかったし泣いた…二度と見たくない。

夜を走る(2021年製作の映画)

3.5

変わった話だけど、一部の描写でいまの日本社会とかSNS(Twitter)の雰囲気が生々しく反映されている。何がというわけでもなく漫然と広がる厭な感じ、不快な感じ、これはなんでしょうね。
平静を装い日々
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御法度(1999年製作の映画)

4.0

キャスティングが的確だし味がある。トミーズ雅とか超武士顔でしょ。重々しい雰囲気からはじまるが、北野武の存在もあり、途中から笑いをとるような場面が出てきて
、軽快で観やすい映画になっている。随所に詩のよ
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