ミシンそばさんの映画レビュー・感想・評価 - 25ページ目

ウッドランド(2018年製作の映画)

2.5

公開当時は地元の映画館でもやってたみたいだが、時間がどうしても合わなくて観れず。客も入らなかったのかすぐ打ち切られてた。
だから観るにあたって多少の地雷でもめげない、しょげない、ドラゲナイ、なノリで観
>>続きを読む

僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)

4.4

ビデオスルーながらそこそこ話題になってた作品。
四月中になんとか駆け込み鑑賞。
結論から言うと観てよかった。すごくよかった。

見えないものが見える、聴こえないものが聴こえることがあまりない身として、
>>続きを読む

ウィズアウト・リモース(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

原作は未読(でも名前を聞いたことくらいはあるキャラの関係者っぽいキャラはいるので、そこの部分は原作知ってる人向けかな)ながら、アマプラオリジナルの話題作だったので配信を心待ちにしてた本作。

序盤のシ
>>続きを読む

ホムンクルス(2021年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

ホムンクルスの造形のおぞましさや螺旋階段、奈々子のアパートの駐車場とか、ホラー映画的な映えを引き起こしそうなシーンが結構多め印象。
清水崇作品は犬鳴村くらいしか観てないからあれなんだが、観てる人には初
>>続きを読む

ミラノの奇蹟(1951年製作の映画)

3.4

だいぶめちゃくちゃな映画。
始まり方からもうすでにリアリティ全部かなぐり捨ててるパワープレイ振りがずっと続く1時間半。

基本は、ブルジョア叩き部分がちょっとアカい程度の、シュールでファンタジー要素強
>>続きを読む

十字砲火(1947年製作の映画)

3.0

これを観るためだけにdtvに加入した。
四つ目のサブスクだが、字幕がすごく読みづらかったので結構ガッカリ。

アカデミー賞を受賞した「紳士協定」(未見)と同じ年に公開されたほぼ同じ題材の映画だが、こち
>>続きを読む

るろうに剣心 最終章 The Final(2021年製作の映画)

3.4

個人的には評価が結構難しい。
アクションはシリーズ中はもちろん、邦画が今出来得る全てを注ぎ込んだ渾身のソードアクション、だがドラマ部分が個人的にはすごく自分好みではない。
原作とはかけ離れた道を選びな
>>続きを読む

名探偵コナン 天国へのカウントダウン(2001年製作の映画)

2.9

金ローでやってて、なんやかんやで最後まで観たのでレビュー書くか、となったので。

そうかあ、これもう20年前の映画かあ。
20年も前の映画を、ほぼ初見で観るもんだから、いろいろ違和感が凄いというか、時
>>続きを読む

裸のランチ(1991年製作の映画)

3.1

昨日は体力の限界が来たので二回に分けて観た。
まあ、とにかく体力を使う、いろいろとしんどい映画。
クローネンバーグ作品なので狂気を期待したが、狂気よりも悍ましさと、計算され尽した感じが勝る作りで、虫が
>>続きを読む

名探偵コナン 緋色の弾丸(2021年製作の映画)

3.5

実はコナンの劇場版を映画館で観るのは初めて(その主な理由は「同日公開の別作品が観たいから」だが、「自分と年齢層の違う客がめっちゃ入るから気まずい」というのも少しある)。

まあ、清々しいほどに大スクリ
>>続きを読む

逢びき(1945年製作の映画)

3.7

デヴィッド・リーンと言う映画作家は、キャリア中期から後期の大作にばかり目が行きがちになるが、本質的にはそれらの作品と相性の良い「動」の映画作家と言うより、「静」の作家としての毛色の方が強いだろう。
>>続きを読む

ラブ&モンスターズ(2020年製作の映画)

4.0

「ゾンビランド」シリーズが好きな人なら観て絶対損はしない快作。
ほぼほぼ怪獣版ゾンビランドな気もするが、彼らは彼らなりに、陽気ではあるが今を真剣に生きる。そんな映画だ。

現実世界で犬ってあんまり好き
>>続きを読む

ある殺し屋(1967年製作の映画)

2.8

市川雷蔵の静かな雰囲気とカリスマ性は流石だし、呻き声一つあげさせないプロ意識の塊みたいな殺り方は結構痺れる。
脇を固める成田三樹夫や小池朝雄(結構コロンボがちらつく喋り方だったが)も存在感あった。
>>続きを読む

渇望(1949年製作の映画)

2.5

ベルイマンの初期作品だが、ハッキリ言ってこれはやらかしてるというのが自分の所感。
めちゃくちゃ詰め込んでいる、と言うか詰め込み過ぎにもほどがあり、まとまりがとにかくない。
これは上映時間が短すぎるから
>>続きを読む

妻からのメッセージ(2017年製作の映画)

2.5

壁に書かれた会話の多さが物語る執念、結構狂気に迫っているまであるな。
無線についてはほとんど分からないのだが、「たまたまそうなった」から成立した一方通行の会話という説も拭えない。
だとしたら二重の意味
>>続きを読む

不思議な黒いシミ(2015年製作の映画)

3.2

結構久々のブリリア。
シミは怪異なのか、それとも不安が可視化された何かなのか。
尺が尺だけにほぼ説明はされず、なんなら主要人物の台詞もほぼないながら、なかなかどうして好きな部類の短編だ。

怪奇現象と
>>続きを読む

輪舞(1950年製作の映画)

4.0

最初こそアントン・ウォルブルックの出しゃばりぶりが目立つ(これを見て、「キャバレー」のMCや「世にも奇妙~」のタモさんは割りと立場を弁えていたんだな、と思った)。
だが、そこはオフュルス。それを差し引
>>続きを読む

牛泥棒(1943年製作の映画)

4.7

多分、あの時代に横行していたであろう西部劇の負の側面。
ヘイズコード全盛で、ホワイトウォッシュも全盛、そんな製作年にここまで露悪的で救いようがない映画を作れたのは、素直に驚嘆に値する。

暴走する偏見
>>続きを読む

ザ・スイッチ(2020年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

身長ほぼ2mの巨漢ヴィンス・ヴォーンが、全力でJKを熱演する様が、やっぱり相当に面白おかしい。
「ジュマンジ」シリーズのジャック・ブラックと双璧を成すことは間違いない。

一方、殺人鬼が中にいるキャス
>>続きを読む

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.8

「シュタゲ」、「まどマギ」の国としては、繰り返しに精神をすり減らす日本人には絶対に出来ないタイムループ、と言うべきだろう。
タイムループものもかなり作られたが、敢えて真剣に受け止めることを放棄したザ・
>>続きを読む

太陽に向って走れ(1956年製作の映画)

3.3

前からかなり観たかった作品。
TSUTAYA発掘良品、ひさびさにいい仕事した。

全体の1/3を丸々使っている多めのロマンス成分、且つゴア表現は五十年代相応の控え目な感じなのは、やっぱりゴアゴアな映画
>>続きを読む

倫敦(ロンドン)から来た男(2007年製作の映画)

3.5

これを観て、「サタンタンゴ」はずいぶん観る側に優しい仕様なんだなと理解した。

話の大筋は単純明快なカネ絡みの殺人と第三者による盗難なんだが、そこは流石タル・ベーラと言うか、おのれタル・ベーラと言うか
>>続きを読む

怒りの日(1943年製作の映画)

3.4

宗教色が非常に強いのと、宗教映画として観ない限りフィルム・ノワール的な要素をも見いだし得る点で、あまり好きなタイプの映画ではなかったのだが、やはりドライヤーの作品なだけあって空間的画作りはむちゃくちゃ>>続きを読む

彼らはフェリーに間に合った(1948年製作の映画)

4.0

確かに間に合ってるな。
日頃車を運転する人間としてはあんな無謀運転ようできるな、と言うのが素直な感想(主人公らはバイクだけど)。
古さを感じる道路事情ではあるが疾走感と緊迫感は十二分に伝わる秀逸短編じ
>>続きを読む

ジャガーノート(1974年製作の映画)

3.6

爆弾ものの新たなセオリー的なものを作り出したパニック大作。やっぱりさすがに面白い。
多少地味さはある(派手だと困るし)し、群像劇として観た場合はどうしても上には上がいるんだが、爆弾処理の緊迫感は相当な
>>続きを読む

放浪の画家 ピロスマニ(1969年製作の映画)

3.9

ピロスマニの絵が持つ素朴さゆえに暖かさは感じるんだが、それでもやっぱり根底にあるのは冷たさ、俺はこの映画をそんな風に感じた。

リー・ヴァン・クリーフの廉価版みたいなピロスマニが絶妙にTHE陰キャって
>>続きを読む

さよなら子供たち(1987年製作の映画)

4.3

ルイ・マルの半自伝的な作品。
後半の展開があまりにも衝撃的で容赦ない。
そこに至るまでは、戦時下とは言え遊びたい盛りの悪ガキどもの他愛のない青春、と言っていい流れでゆっくりと流れていくんだが、その中で
>>続きを読む

レッドブル(1988年製作の映画)

2.5

たまーにBSでやってたりするんだけど最後まで観れたためしがなかった本作。ネトフリに来てたので鑑賞。
自分にとって馴染み深い吹替版での鑑賞だったので、ニコニコ動画のコマンドーMADでよく聞くセリフのオン
>>続きを読む

アフター・ウェディング(2006年製作の映画)

4.0

誰もが誰かのことを想っている。
自分のような人生経験の浅い人間にはそれくらいまでしか理解が及ばないのだが、こういう如何にも泣かせに来てる映画でちょっとウルっと来たのは意外だった。
もっと言えば、この映
>>続きを読む

ガン・ファイター(1961年製作の映画)

3.8

西部劇が西部劇のままではいられなくなった時代の、最初期の西部劇、と言うなんだかよく分からない位置づけだと思っているアルドリッチ監督の西部劇。
復活の兆しを見せつつあったダルトン・トランボは、歴史の流れ
>>続きを読む

銀行を爆破せよ!(1964年製作の映画)

2.8

アマプラにて「銀行を爆破せよ!」の邦題で配信されていたため鑑賞。
ルイ・ド・フィネス作品はこれが初めてだが、味付けは大分コッテコテのコメディだったな。
字幕の精度が低いのはいつものことなのでまあ、もう
>>続きを読む

偽神(2020年製作の映画)

2.8

去年オンラインで開催された田辺・弁慶映画祭で鑑賞(なので思い出しながらのレビュー)。
正人と幸、息子の海斗の、敬虔に神を信じる三人家族。
海斗の8歳の誕生日の日に不気味な彫刻が家に現れ、愛する者の心臓
>>続きを読む

いる(2020年製作の映画)

3.5

去年オンラインで開催された田辺・弁慶映画祭で鑑賞(なので思い出しながらのレビュー)。
無愛想でコミュニケーションが苦手で好きな女性の目も見れない、その上傲慢で自分本位な役者の灰島が、ある日施錠したはず
>>続きを読む

ハニーランド 永遠の谷(2019年製作の映画)

3.3

去年のアカデミー賞にドキュメンタリー部門とインターナショナル映画部門に同時ノミネートされた北マケドニアの映画。
映画館で観たかったやつだったが、やはり時期的に厳しく叶わなかった映画のうちの一本でもある
>>続きを読む

ベルイマン監督の 恥(1966年製作の映画)

4.5

架空の国の架空の内戦が舞台の、序盤だけはベルイマンらしさがあまりない本作。
内戦してる国、ピノチェトとチャウシェスクが同じ国で生まれたのか?とでも言うべき程過激で、主人公夫婦がこの過激さから逃れるため
>>続きを読む

狼の時刻(1966年製作の映画)

3.9

奇妙なもので、ベルイマン作品のDVDが今よりずっと観づらかった時期には、これと「恥」と「蛇の卵」が一番観やすかった。
だが今や逆だ。先に挙げた三作品がもっとも観づらい。
今回だってTSUTAYAにわざ
>>続きを読む