もへあさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

カリスマ(1999年製作の映画)

3.3

象徴的で不思議な映画。森で一本の木を巡り人々が対峙するシチュエーションにリアリティはなく、対峙する人間模様そのものにだけリアリティが生じる。世界の法則とは何か。「寄生獣」的なテーマを感じさせつつ、人間>>続きを読む

ライムライト(1952年製作の映画)

3.9

なんとも情けない、自虐的な描き方をしつつ、舞台になるととたんに輝く、映画的なつながりには違和感があるにもかかわらず、そこに不思議な説得力が生まれているのがかっこいい。あとキートンが滅茶苦茶笑えてかっこ>>続きを読む

クラッシュ(1996年製作の映画)

3.8

まさに変態!全てが狂った夢のようで、はっきり言ってついていけないが、ただひたすらに激しい愛着、叶わない(かなったら死んじゃう)夢に向かう熱情には心動かされる。どんな変狂った感性でも、何かを突き詰めよう>>続きを読む

Mr.タスク(2014年製作の映画)

3.7

ゾクゾクする高度なホラー演出の果て、世にも恐ろしい、狂った所行が描かれるが・・・「セイウチ人間」のビジュアルのバカバカしさが全てをひっくり返し、抱腹絶倒のバカ映画と化すおかしな映画。観終わって「え、何>>続きを読む

クライ・ベイビー(1990年製作の映画)

4.0

とにかく全てのキャラクターが魅力的で愛おしい。終始ハイテンションで飽きないし、笑える。
世間で虐げられがちなマイノリティの立場ををカリカチュアライズしつつ、彼らが輝き、救われる姿をこれだけ説得力を持っ
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フィメール・トラブル(1974年製作の映画)

3.7

やはりディバインはすごい!その表情とポージングが作るキャラクターの説得力。そしてピンク・フラミンゴの「卵おばさん」(エディス・マッセイ)は今作でも相当狂っていて笑えるし、独特のくせになる喋り方も健在。>>続きを読む

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

3.6

主役の少年の顔、表情、姿かたちから溢れる魅力が桁違い。そのせいでパートナーとの恋愛模様にも違和感を感じてしまい、映画全体のバランスが崩壊しそうなほど。しかしこの少年を眺めているだけで映画体験が成立して>>続きを読む

グリーンルーム(2015年製作の映画)

3.7

緊迫感とハードなバイオレンスが楽しい、正統派のシチュエーションスリラーという感じ。

大魔神(1966年製作の映画)

3.7

とてつもなく質の高い合成技術による違和感のなさはさることながら、巨大な建物が最も簡単に崩れ去る、その「いとも簡単に」感による強大な力の演出にリアリティがあって恐ろしい。

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.0

人情者コメディといった様子で始まったと思ったら、とてつもなくハードで恐ろしい事件があまりにも生々しく描かれ、感情がグワングワンと揺さぶられる。後半、ちょっと盛り上げ方にやりすぎ感はあるが、現実の出来事>>続きを読む

スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.5

アニメーションの魅力をこれでもかと詰め込んだ、とてつもなく満足度の高い映像体験。どの1コマ、どの1シーンをとってもかっこいいし、楽しい。
一人の少年の成長物語、家族の物語、中年が人生をかえりみる物語、
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ジェイソンX 13日の金曜日(2001年製作の映画)

3.0

流石にこれは・・・という三流パロディ感の塊だったけど、「陽動作戦」のセンスだけ抜群で大爆笑した。

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

4.0

構成と演出力が抜群で、ちょっとクサイような台詞回しにいちいち泣かされる、巧妙で魅力的な作品。ピンふりかっこいい。

キングスマン(2015年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

真の紳士とは?というテーマと、映画とは?が呼応する、製作者の魂、本気を感じる作品だった。既存の常識や「コンプライアンス」と徹底的に、正面から戦う。しかも極めて上質かつ丁寧なエンターテインメントで。
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ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

3.9

アニメの楽しさが、これでもかと詰め込まれている。とにかく動いている絵だけで楽しい。

バタリアン(1985年製作の映画)

3.6

コメディ映画のような売られ方をしていたけれど、その実かなり深刻なパニック映画でありゾンビ映画の王道という感じ。
頭のいいゾンビってかなり絶望的なキャラクターだけど、それを上回る人類(米軍)の無慈悲さ・
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時をかける少女(1983年製作の映画)

3.5

実験的・前衛的でありながら、いわゆる「アイドル映画」として素晴らしく、楽しい。原田知世の神がかり的存在感はいまさら言うまでもないのだけれど、あらためて、とにかくすごい。

劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ(2011年製作の映画)

2.5

一昔前のテレビドラマで死ぬほど繰り返されたような筋書きにかぶせられる、文字通り神聖化されたかまってちゃんの扱い方が気持ち悪い。
そんな中、二階堂ふみだけが桁違いに輝いている。

マッドボンバー(1972年製作の映画)

3.2

なんとも雑な作りでポカーンとするような映画だけれど、登場人物のキチガイ的魅力が爆発しており、それだけで(それだけしかないと言ってもいいが)楽しめる、奇跡的な変態映画。「目を見て話しやがれ!」といちいち>>続きを読む

マネー・ピット(1986年製作の映画)

3.4

ドタバタを超えて不条理なほどの破壊的出来事が立て続けに起こり続ける、モンティ・パイソン的なテンポの良いコメディ。笑った。

ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.9

不快感で精神を削られつつ、ワクワクドキドキする、アリ・アスターのお化け屋敷的な演出はやっぱり楽しい。
「ヘレディタリー 」に比べると綿密さ、巧妙さは劣るものの、とにかくハイテンションな不快表現の連続で
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屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

3.6

汚い!臭い!
主人公フリッツはもとより、彼が通うバーと、その常連たちの汚さ、女性たちの精神を失ったような眼が印象的。まるで魂の墓場。
主人公フリッツは、そんな魂を失った女性をいたぶり、殺し続ける。彼の
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ボディ・ダブル(1984年製作の映画)

3.5

スケベな親父のしょうもない妄想をそのまま映画にしたような、唐突なお色気とサスペンスと暴力。なのになぜか面白いのは、デパルマの手腕とセンスなんだろう。深刻で凄惨な話のはずなのに、主人公が変態覗き魔&スト>>続きを読む

スノーピアサー(2013年製作の映画)

3.9

格差社会をこれでもかと分かりやすく戯画化された、極めて狭く単純な閉鎖空間で、さまざまな映像的アイデアとバイオレンス、ギャグ、家族愛となんでもありごちゃ混ぜの楽しさ。ヘラヘラしながら観ていると、ズシンと>>続きを読む