くろねこヤマ子さんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

くろねこヤマ子

くろねこヤマ子

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サンザシの樹の下で(2010年製作の映画)

3.9

淡く儚い初恋。

立場の違うふたりが
細く線をなぞるように
心を通わせ、
やがて来る別れ。
清く清く描かれる。

もやを帯びたくすんだ山道や、
舗装されていないカサカサとした
砂っぽい町の道や、
澄ん
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シーモアさんと、大人のための人生入門(2014年製作の映画)

3.7

イーサン・ホークによって
目の前にスッと差し出された
シンプルな映画。

奇をてらったところなど
変なひねりなど何もなく

シーモアさんの
優しい目と語り口が
シューーっと身体に沁みる感じ。

シーモ
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アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲(2015年製作の映画)

3.6

実はインドの魅力を
カメラに収めたかった…
だけではないかと思える程
舞台がインドであることが
成功している作品。

物語として
鮮烈さはないけれど、
嫋やかな河のように心を包み込み、
後からじんわり
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ランデヴー(1976年製作の映画)

3.6

絶叫マシン。
案外好きだったのに
いつの頃からか
乗ると心臓がバクバクと
するようになった。

それを不覚にも(?)
再確認してしまった作品。

低い低いフェラーリ目線で
凱旋門を抜け、走る。
パリの
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七人の侍(1954年製作の映画)

4.3

【午前10時の映画祭】

4Kピカピカの七人の侍
観てきました♪

困・求・遭・集・移・惑・信
繋・笑・緊・戦・涙・春・平

映画の色んな要素が
ぎゅーーーっと詰まっていて
敢えて書くこともないくらい
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ベロニカ・フォスのあこがれ(1982年製作の映画)

3.7

37歳で亡くなるまで
44作品。
ファスビンダーが
どれ程の速度で
作品を撮っていたか。

伝えたい事が山盛り
だったのかもしれない。
溢れるアイデアが
止まらなかったのかもしれない。

けれどもし、
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シアター・イン・トランス(1981年製作の映画)

3.9

ファスビンダーが
亡くなる1年前に撮った
テレビドキュメンタリー。

1981年にケルンで催された
15日間に及ぶ世界演劇祭に
参加した100余の
団体の中から13講演を
ファスビンダーの好みで
セレ
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13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

4.1

生きる事に希望が持てる
そんな作品に
良い映画を感じる

的な事を以前レビューに
書いたのだけど、
その真逆を行く作品。

けれど間違いなく良作。
何故だか惹かれてしまう、
狂気と性と暴力と愛の作品。
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レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

4.1

イソップ童話に
田舎のネズミと町のネズミ
というお話があるけれど、
それの
可愛い女の子バージョン
というか。
フランス女子バージョン
というか。

田舎のネズミは田舎でこそ光る。
可愛いけど野暮った
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スリ(掏摸)(1959年製作の映画)

4.1

手さばきの美しさ
素晴らしく。
するりと抜き取り、
ふらりと戻す。

指から生まれる
エクスタシー。
満たされる。

華麗さに見惚れてしまうけれど、
連携プレーの軽やかさに
胸はときめいてしまうけれど
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友だちの恋人(1987年製作の映画)

3.9

3.4.5と観てきた
喜劇と格言劇シリーズの
ラスト、6作品目。

気になる人がいるけれど
友だちの不在時に
友だちの彼と
仲良くなっちゃって
その友だちも
友だちの気になる彼と…

ありがち少女漫画
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グッバイ、サマー(2015年製作の映画)

3.7

少年たちのキラキラを
陽光とともに浴びる作品。

彼らよりオドレイ演じる
「お母さん」の方が
確実に歳が近いので、
おばさん目線で感想を書くと

可愛い子には旅をさせよ
(中2可愛い…)
この一言に尽
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神のゆらぎ(2014年製作の映画)

4.2

鑑賞後の独特な余韻。

エホバの証人への信仰が
大きな流れになっているが、
決してそれだけではない
人々が行き交う群像劇。

罪を重ねる人にも愛はあるし
信仰のためにつく嘘もある。

航空機の事故によ
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クリスチナ女王(1933年製作の映画)

3.7

17世紀スウェーデンに
実在した
雄々しい女王。

父の死により
齢6歳にして王に即位する
知性溢れる才女クリスチナ。

作中のスペイン人との
ランデブーはいざ知らず、
おおよそ史実に則った話。

3
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君の名は。(2016年製作の映画)

3.4

若くて青い映画。
「おセンチいっぱい」の
心の描き方が
今の日本的、と思った。

アニメのことは
よく分からないけれど
アニメじゃないと
描けないであろう
光の粒が綺麗だった。

あと。何ともかんとも
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緑の光線(1986年製作の映画)

3.8

鑑賞後に「彼女」の事を
あれこれ話したくなる
想像がしやすい身近な作品。
(突拍子なくないのだ)

緑の光線の後、彼と彼女は
どうなったと思うー?
から始まって、

主人公デルフィーヌ
(つまりは、彼
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満月の夜(1984年製作の映画)

4.0

ロメールという監督は
軽やかな女の子たちの
恋愛あるあるを
素敵に可愛く、

しかしながら
とても細やかに撮る、
そんな監督なのだと
特集2作目にして思う。

声が甘く、
普段のダボ服からは想像しがた
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ライオット・クラブ(2014年製作の映画)

3.7

んむむむ。
イケメン叩きになるような、
イケメン揃いだから
マイルドになったような、
何とも難しい作品でした。

胸糞悪いと
言われるであろう事を
敢えて取り上げた監督の
意欲作というか。

特権階級
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放浪の画家 ピロスマニ(1969年製作の映画)

4.2

この作品が
このビジュアルで
撮られていなかったら、
予告で惹かれなかったし
観ていなかったと思う。

そうしたら
ピロスマニという画家を
知らないままでいたはず。
知れて得したなという気分。

彼の
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海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

4.1

岡目八目映画。

他人ことはわかるのに
自分のことは
さっぱりなんっすね。

なんて感じの恋模様が
軽いタッチで
可愛くお洒落に撮られてる。

日本で初めて紹介されたロメール映画。
しゃべりにしゃべる
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グランドフィナーレ(2015年製作の映画)

4.0

タイトルから食指が動かず
見逃していた作品。
チャンスがあって観てみたら
良作だった。驚いた。
邦題に偽りあり((ΦωΦ))

幻想的であり
現実的であり
心に迫ってくる程、美しい。

雄大な風景と
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ストリート・オーケストラ(2015年製作の映画)

3.4

下手なところから
徐々に上手くなっていく。

そんな音楽の話は
よくある話なんだけど、
なんだろうな、グッとくる。

そこには環境もあって、
抜け出したいけれど
抜け出せない子供たちが

打ち込めるも
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ハイ・ライズ(2015年製作の映画)

3.4

ハイライズ難しい。

マンション購入から
緩やかに
歪んでいく日常。
そこに潜む格差社会は
如実に露呈し、
無秩序社会はエグかった。

道徳心の薄い人間が変に力を持つと、
ロクなことないよ。
って話
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地球に落ちて来た男(1976年製作の映画)

4.0

スーツも似合うけれど、
身体にフィットした
ぴったりピタピタの
衣装も似合う。
半裸も似合う。
怖いものなし。

そんなボウイが
銀色のモジモジくんで臨む宇宙人。
全裸も辞さない潔さ。
(安心して下さ
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時をかける少女(1983年製作の映画)

3.8

何気に初見。
いろんなことを
省いて書くと、

全てにおいて
野暮ったいって素晴らしい。

心がトキメキました。

めぐりあう日(2015年製作の映画)

3.8

監督の自伝的映画。
ウニー・ルコント三部作の
第二部が今作品。

知的な雰囲気のエリザ。
いかにも
フランス人な空気。

そんな彼女が頑なに、
食らいつくように、
生活の場を変えてまでも
産みの母を捜
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デスティーノ(2003年製作の映画)

3.7

サルバドール・ダリの
不思議な世界観が
ディズニーと
コラボすることで、
ドラマティックに
動きだしてしまった…
そんな感じの短編アニメ。

写実的ゆえ、
夢と現実の境目が曖昧な作風の
ダリの絵画だけ
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マシュー・ボーンの「ザ・カーマン」(2015年製作の映画)

3.6

美しい肉体の強さ。
コンテンポラリーダンス。

身体表現の豊かさと
人の絡まり方の妙。
発される言葉はなくても
身体から言葉が
湧き上がってくる。

カルメンから着想された作品
…とは思えない(!)
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アンダルシアの犬(1928年製作の映画)

4.2

淀川さん曰く、
わかりにくい方が面白い。

Me too.
観客に解釈を委ねる作品。
衝撃的かつ
謎めいた映像に
私たちは想いを巡らせる。

この作品の丁度良さは17分という
見返しやすい短さにあって
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デヴィッド・ボウイ・イズ(2013年製作の映画)

3.8

回顧展のための
ドキュメンタリー映画。

PRとして上手い構成。
来年、是が非でも
天王洲まで観に行かねば…
なんて思ってしまった次第。

会場観て回って、元素記号の前では
そりゃー色々好き勝手話した
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ラビリンス/魔王の迷宮(1986年製作の映画)

3.8

マペットに囲まれた
デヴィッド・ボウイの
青白いキメ顔。

シュッとした顔で
歌い揺れるミュージカル。
妖精界の王というメルヘン。
MVとしても秀逸な舞踏会。

ストーリーそのものは
素直な気持ちで
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ファインディング・ドリー(2016年製作の映画)

3.6

暑いうちに水モノを。
サクッと観れる映画を。
そんな気分でドリーを。

大人と子どもにしっかり響く
ストーリーにづくり。
身体的コンプレックスと
各々のトラウマを越えての、
行動力をそっと盛り込む。
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.7

デニーロが白目を剥き
ストップモーション。
そしてスローモーション。
あの演技。

彼の凄みを感じた時、
この物語に色がついたように
面白いな、と思った。

そこに行き着くまでは
スコセッシのカメラ運
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シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

3.8

音楽が喜びを運んでくる
青春バンドムービー。

爽やかな余韻が残る。
こういう作品は
定期的に観たくなるし、
こういう作品があることが
嬉しかったり。

展開が速くて単純明快なのも良い。
前作「はじま
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

3.9

噛めば噛むほど
監督に興味を持つ作品。

フィクションなのに
ノンフィクションなのかと
見紛う作品。

出演者の拙さと
演技をしていない
素のような雰囲気が
生々しさを増す。

会話シーンは特に長く時
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ふきげんな過去(2016年製作の映画)

3.0

田舎が舞台と思いきや
北品川のお話。

アイスクリームじゃなくて
アイスキャンデーな映画。
甘いんじゃない。
シャリシャリとした感じ。
気だるい夏の映画。

豆の皮を剥きながらの会話が秀逸。
時々、会
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