くろねこヤマ子さんの映画レビュー・感想・評価

くろねこヤマ子

くろねこヤマ子

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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.9

掃除を生業にするのは嫌なので
真似することはないですが、
心持ちは平山と
近いところでありたいと思った。

緩い緩急がありながらも
淡々と日々を過ごす掃除夫を
淡々と描く物語。同じような日々。

多分
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

圧倒的映像美。
加えてドレスの美しさ。
エマちゃんの
良さを引き立てるカッティング。
チグハグの美しさを浴びる140分。
ビジュアルの暴力。
「組み合わせ動物」だってハイセンス。
血も肉もこの物語では
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.3

冴えないアル中ノッポな男と
慎ましくつまらない人生を送る女が
出会って恋に落ちて
成就のために努力しちゃう物語。

いわゆる恋物語なんだけど
どうにもこうにも
カウリスマキ節は効いている。
にやりとで
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.9

めちゃんこ久々に映画館。
シャラメのためなら
時間を作る自分、笑える。
.
魔法少年が母との思い出を胸に
チョコレートづくりで
一旗あげようと頑張る物語。
.
明るくて甘くて
歌って踊って
ヒューグラ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.7

お爺がこのクオリティ作品を
作れるというパワーに感動。

宮崎駿が伝えたいこと、
本人じゃないから
想像でしかないけれど、
なんのぶれもなく変わらんな、駿。
(親しみを込めて敬称略)

友人たちに行く
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.9

7/26に観ようって決めて
自分の中で盛り上がっていたのに
結果8/2に観た。

今年、フランスでも
公開されたとのこと。
うん、7/26に。
あぁやっぱり7/26に観たかった。

別れてしまったカッ
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.1

わたしがハの字の人と呼んで
愛してやまないコリンファレルが主演。

拗らせたオジサンたちが
アイルランドの片田舎でやり合う物語。
というかコリンがブレンダンに
一方的にやられる物語。
ハの字の眉が
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.1

.
男たちに上手く飼い慣らされた女たち。
女たちはその非道な扱いが
明らかな犯罪であることに気づき、
男たちを恐れながらも
この先の自分たちの未来を
どこに託すかを話し合う2日間の物語。
.
実話ベー
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メグレと若い女の死(2022年製作の映画)

3.7

1950年代のパリが舞台。
淡いピンクのドレスがよく似合う
身元不明のお嬢さんの
刺殺事件を
メグレ警部が追い迫る物語。

ロマンスもアクションも
冴え渡る謎解きも刺激もなく、
事件解決への展開はとて
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

アカデミー賞授賞式の
生放送を観て、そのまま劇場へ。
.
主演女優賞を授賞した
ミシェル・ヨーのスピーチを
聞いた上で観ちゃったから
響いてしまった。
何故にココで母親?と
思っていた部分が
ストンと
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.0

パク・チャヌク監督の
ファムファタル作品。

どことなく色香のある中国女に
心を奪われる
エースな刑事の物語。

節々に前作「お嬢さん」と似たような
テンポを効かせながらも
(監督の変態的持ち味、面白
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そばかす(2022年製作の映画)

3.4

リアルっぽく作ってあるけど
嘘っぽいんだよな、なんでだよ。

琥珀糖みたいな作品だな
って思った。
しゃりしゃりとして、
口の中に甘くて柔らかいけど
角が当たる感覚と、
何食べたのかよく分からない
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冬の旅(1985年製作の映画)

4.5

さすがのヴァルダさま。
救いなどない現実世界を
ガッツリと。

働きたくない縛られたくない
自由でいたいと
ひとり旅をする若い女が、
死に至るまで堕ちていく姿を
擬似ドキュメンタリーとして追う物語。
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テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

3.8

フォード サンダーバードの
コンバーチブルをぶっ飛ばし、
グラマラスな女ふたりの
カーリーヘアが
ご機嫌に風に揺れる
ロケーション最高ロードムービー。

日常から数日逃避するつもりが、
エンドレスで逃
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ハッピー・オールド・イヤー(2019年製作の映画)

3.7

タイのファッションアイコン
aokbabちゃんの主演映画。

バッドジーニアスで知って、
インスタ見つけて、
なんとなくフォローしてる。

ミニマムで
洒落た生活を実現するために、
実家の断捨離を頑張
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

3.8

ニューシネマパラダイスとは
似て非なり。

片田舎の貧しい少年が
映画に魅せられ、映写機に魅せられ、
友だちを巻き込んで
映画を観せることに目を輝かせる物語。

色が綺麗。本当に綺麗。
カラフルシーン
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RRR(2022年製作の映画)

3.8

ボリウッドじゃなくて
トリウッド映画。
ヒンディ語じゃなくて
テルグ語だから。
(え?これ訛りとかじゃなく?)←

熱量半端ない
鋼の肉体を持った2人の男が、
極悪大英帝国に立ち向かう
インド神話も重
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ひらいて(2021年製作の映画)

3.9

密かに想っていた男の子を
自分より「ナイ」と
(無意識に)思っていた子に
持って行かれていた悔しさ。

恥も外聞もなく行動力で
否定された自分を埋めようする
女子高生の物語。

この世代の女の子が持つ
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フジコ・ヘミングの時間(2018年製作の映画)

3.6

公開当初、劇場に観に行き、
半分以上眠りこけてしまい、
改めて観直し。今度は自宅で。

フジコさんの今を写し、
フジコさん自身が過去を回顧する、
多分そんな作品。

音楽のことを詳しくないけれど、
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世界で一番美しい少年(2021年製作の映画)

4.0

タジオがタジオになる前と
なる直前と(面接)
なってからと(撮影)
なった後と(カンヌそれから日本)
タジオが父になった時と
(えっ?!子ども居たんだ?!)
そして更にその後のことを、
今の姿(これが
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La Fate Blance(白い祭り)(1964年製作の映画)

3.7

「宇野亞喜良 万華鏡」展にて鑑賞。

物語なのだろうか。
くるくると変わる様。

白い布に人。
人は老婆、髭の男、
薄倖そうな女と姿を変える。

赤い粒。
粒を投げて遊ぶ。
赤い粒が連なり首を吊る。
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もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)

3.5

初めて存じ上げましたが
伊藤万理華ちゃん、
可愛い可愛いbotになってしまう。
なんなん、可愛い。
なんなん、好き好き。

あとレイジがレイジ。

人って結果、相性よな。
タイトルどおり超越する物語。
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ダウントン・アビー/新たなる時代へ(2022年製作の映画)

3.7

皆んなまぁるくなった
ダウントンアビーの人々。

ずっと見守ってきた
大家族の特番を
見てる気持ちになるの巻。
(大家族の特番見ないけど)

いいねん、それで。

TVシリーズで観ていた頃の
ハラハラ
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彼女のいない部屋(2021年製作の映画)

3.6

マチュー・アルマリック様が
監督をなされているため鑑賞。

主人公は2児の母、
夫のことも愛している物語。

記憶の断片と想いの断片が
交差し、
深く入り混じり、
時に同じ記憶に違いも生じる。

何を
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さかなのこ(2022年製作の映画)

3.9

さかなクンの半生を
いい塩梅でユーモアを含みながら
紆余曲折があったことも描く物語。

総じてファンタジー。
性差を問わず、
のんがさかなクンを演じた時点で
そういう要素が入っちゃってるというか。
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モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

4.2

韓国映画の円熟を
肌で感じる、熱い作品。
骨太で面白く
鑑賞後の満足感たるや。

エンタメを基幹産業・輸出産業とし、
国を挙げて育成に取り組んできた結果が
どんどんと花開いてる感、凄い。
今作もそのう
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私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

4.1

孤独を纏ったある女の物語。
自室・車・彼女の部屋と移動する。

物語が成立する
ギリギリのところまで削ぎ落とした上で
これだけのものを作り上げちゃうなんて、
なんかとてもクレバーな感じ。

男性原理に
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囚われの女(2000年製作の映画)

4.2

上っ面的に「めまい」が取り込まれていて
(え?そうでもないの?)
これサスペンスなのよ〜って言いながら、
実は哲学論じちゃってるアケルマン、クール。
(プルースト読まない人が感想書くとこうなる)

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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.1


後味は
苦味のある甘さと
燻んだ色を孕んだ温かな気持ち。

悲しすぎない終わり方と良き余韻。
生きてることを赦される物語。

赤ちゃん捨てたけど捨てきれない女子と
おっさん(ベイビー・ブローカー)と
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明け方の若者たち(2021年製作の映画)

3.7

夢みる大学生から社会人へ。
若者たちが現実を
知ってゆく様を描く物語。
並行して進む甘酸っぱい恋もまた。

呑んだくれて明ける空も
ハイボール缶片手の夜の公園も
はしゃぐ歩道橋も。
王将もビレバンも
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アネット(2021年製作の映画)

4.2

カラックス天才。
カラックス天才。

はじまっていきなり
So May We Startにアガルし↑↑
エンドロールには
ええもん観たなぁって思う丸さがある。

アダムドライバーとコティヤールに
目を
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.7

彗星ぶつかっちゃう!!
までの、
魑魅魍魎たちの物語。

素晴らしくアメリカ思考だし
豪華ハリウッド俳優陣だし
バカバカしいし
ちゃんと風刺してるし
よくわからん高揚感あるし
どんどんスケール大きくな
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.0

感じることができてますか?

今、感覚を研ぎ澄ませて、
感じることをしてみて下さい。
この作品は、感じるための装置です。

…なんてことを
アピチャッポン監督は
言ってはおりませんが
(言ってないんか
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.3


40分程の短編が3作品。
女性たちの心の機微を
描くことが中心の物語、みっつ。

どこかに思い当たる節があれば、
凄く刺さると思う。
観る手に実体験がなくても、
それが想像であっても。

正直下品だ
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白い牛のバラッド(2020年製作の映画)

3.7

冤罪による死刑で
夫を失ったシングルマザー。
生活は四面楚歌。
そんな彼女の元に
夫の古い友人と名乗る男が現れて…
の、物語。

序盤に描かれる、
イランという国での寡婦の生きにくさは
観ているだけで
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ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

4.0

ずさんな養子縁組制度の下、
幼少期にやってきた主人公が
30年以上の時を経て強制送還の標的に。
それに抗う物語。

巡ってきた幸せを守ろうとする様と
生活がゴロゴロと崩れて行く様と
うっすらと残ってい
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