Tatsuさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

サンフランシスコ連続殺人鬼(1969年製作の映画)

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フィンチャー『ゾディアック』のダウニー・Jrでお馴染みのポール・エイヴリーによる警告文から幕を開ける。リアルタイムの事件をかなり忠実に、但し市井の人々の脱線的なシークエンスやショットを入れ込む、確かに>>続きを読む

愛のメモリー(1976年製作の映画)

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ラストが最高。モロに『めまい』なんだけど、後々『オールドボーイ』の原作に影響与えてたりするのだろうか。中盤ちょっとだるい。

スリープレス(2001年製作の映画)

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地獄のような冒頭15分とか、ナイトクラブの変な撮り方とか、延々と面白い。顔も見ずに皆発砲しすぎで笑った。打ち切りみたいな終わり方だけど、殺人シーンで犯人の視点になることへの翻りにもなっていて上手いんだ>>続きを読む

友情にSOS(2022年製作の映画)

4.0

これは良い一晩もの。『スーパーバッド』から脈々とある仲良しコンビのパーティートラブルものを通して、アメリカ社会で黒人として生きていくことの緊張感を描いている。コミカルとシリアスのバランスが絶妙。足元し>>続きを読む

シェラ・デ・コブレの幽霊(1964年製作の映画)

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面白かったが前半の方が撮り方の特異さが際立ってたかも。あの幽霊の顔に結構ビビってたので、終盤で魔神みたいに下品に出てきた時はガッカリした。

ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

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ベアトリス・ダルがひたすらに怒鳴ってる。引用されるクラシックに逆らうような形式。ある種の幼稚さ。但し1番気になったのは自己批評的な台詞の数々の方。

モスル~ある SWAT 部隊の戦い~(2019年製作の映画)

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始まったと同時に銃撃戦に放り込まれる性急さが良い。手早いキャラ説明、背景や外部を描かずひたすら銃撃。ワンショットで階段下の敵兵を撃ち殺す場面とか、どうやって撮ってるんだという瞬間が所々ある。もうちょっ>>続きを読む

犬王(2021年製作の映画)

3.6

めっちゃ野木亜紀子脚本だ。湯浅作品は好きだけど、中盤、ロックオペラもアニメも得意じゃない自分にはキツかったかも。現代と過去の繋げ方もなんか…。『マインドゲーム』とか他作にはもっと明快なメッセージが漂っ>>続きを読む

バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ(2021年製作の映画)

2.9

なんかゲーム全くやってなくて主要キャラの名前くらいしかわからない自分とかはお呼びでない映画だったな。ヨハネス・ロバーツはカーペンター好きなんだろうなあとは思ったけど、今こんなそこそこのスローテンポゾン>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.2

今の時代、命をかけて生身の人間が操縦席に乗る必要もなく、パイロットはいなくなるだろう。序盤でエド・ハリスの言うパイロットは、トム・クルーズのような、つまり命をかけてアメリカ映画を作る、そんな人間のこと>>続きを読む

TOKYO EYES(1998年製作の映画)

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最高。街を捉える。東京で『拳銃魔』やりつつ、散文的でこじんまりしたストーリーと濃い人物たちでピンチョンになるかならないかの瀬戸際って感じ。蓮實重彦がぶっ殺されるお蔵入りシーン見たすぎる。

旅情(1955年製作の映画)

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ツーリズムロマンスをこの時代で言うところのオールドミス(今聞くとドン引きするような言葉)を主人公にやってる。孤独を感じる時のヘップバーンの演技と撮影がとても良い。というか、この時代の映画は、オールロケ>>続きを読む

チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

完全に21世紀の『ロジャーラビット』の趣で楽しかった。サムバーグとムレイニーの掛け合いも良いし、豪華な脇役とゲストもいるけど、1番のゲストはアニメキャラクターたちだろうな。会社と作品を超えて多くのキャ>>続きを読む

シニアイヤー(2022年製作の映画)

3.7

バリバリのゼロ年代リバイバル映画で笑った。みんな楽しそうで良い。もっと面白くなりそうなプロットだとも思うし、特に男性キャラクターとの関係性がかなり薄く回収されてる気もしたけど、サラッと楽しく見られた。>>続きを読む

旅するパオジャンフー(1995年製作の映画)

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傑作。柳町光男で1番。台湾で芸をこなしながら旅をするパオジャンフーの一家を追ったドュメンタリー。近年だと『ミッドナイトファミリー』の面白さにも通ずるし、空族ぽさもある。場所に到着→準備→夜のショーを3>>続きを読む

組織(1973年製作の映画)

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淡々としたバイオレンスから、爽快なラストカットがあまりに素晴らしい。

北の橋(1981年製作の映画)

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至福。運動の映画。2人の女が出会って冒険に出る。陰謀と虚実。連帯。遊び。好きなセリフだらけだったのでもう一回見たい。

BEGINNING/ビギニング(2020年製作の映画)

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長回し、フィックス、スタンダードサイズ、という今となってはそこまで新鮮味を感じない形式主義ながらも画面の情報量がすごい。冒頭の教会への放火を建物内から映す鮮烈さ。決定的な暴力がちゃんと恐ろしく撮られて>>続きを読む

夜を走る(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

装うことの主題が全体を包むが、宇野祥平カルトが出てくる後半から矮小化の一途を辿る。重機の存在感と足立智充の身体性が凄い。被写体が魅力的であれば魅力的な場面になるが、平凡なものは平凡にしか撮れない。そし>>続きを読む

デ・パルマ(2015年製作の映画)

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デパルマ自作語り。いくらヒッチコックフォロワーといっても、何も『映画術』まで真似しなくても…という感じだが、ひたすらに肩の力が抜けた語りが良い。カメラに向かって語るデパルマとフッテージのみで構成されて>>続きを読む

東京暗黒街・竹の家(1955年製作の映画)

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素晴らしい。暴力の撮り方の引き出しの多さ。解放的でショッキングな演出。DVD画質良すぎて80年代の映画かと思った。『クリムゾンキモノ』が見たいな。

影なき狙撃者(1962年製作の映画)

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弾着表現印象的。キッチンでの殺人描写の画面の運動神経が1番見所。

インキーパーズ(2011年製作の映画)

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超面白いインディーズゴシックホラー。タランティーノ以外で暴力までの待ち時間を面白可笑しく撮れるのって今やイーライ・ロスとタイ・ウエストくらいなのでは。ほぼグダグダ会話劇なのが素晴らしい。修学旅行の夜み>>続きを読む

スクリーム(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

スキート・ウールリッチとかマジか。シリーズで初めてクレイヴンが演出していなくて、ケヴィン・ウィリアムソンが脚本を書いてない新作。ディラン・ミネットの役名がウェスってそういうことなのか。クライマックスは>>続きを読む

人生の高度計(1933年製作の映画)

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傑作だけど辛すぎる。33年作の時点で、「結婚して子供を生む」女性を古風という。先進的かつ女性目線のメロドラマで重要作。ラストの人生と高度計が重なる描写泣けるし、その後訪れる結末を悲惨に見せてるのも圧倒>>続きを読む

恐れずに(1950年製作の映画)

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闘病×メロドラマ。特出して秀でたところはないように思えたが、サリー・フォレストの演技は圧巻。表情の機微、感情の落差。

彼女たちの舞台(1988年製作の映画)

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デビュー作『パリはわれらのもの』の翻案のようで、さらに『セリーヌとジュリー』以降で画面内の女性性が高められている感じ。で傑作。リアリティラインを飛び越えるのが本当に楽しい。

ザ・ウォッシュ(2001年製作の映画)

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エミネム笑える。トロマかと思うほどのチープ感。『フライデー』や『ビーバットボーイズ』には遠く及ばず。

野蛮人として歴史に名を残しても構わない(2018年製作の映画)

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ルーマニアのホロコーストの歴史と表現についての主題。映画や劇を回想として使いつつ、聞く耳を持たない声をフラットに羅列する。この2日女性映画監督が主人公の映画ばっかり見てる。

アンナの出会い(1978年製作の映画)

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『工場の出口』的なショットの積み重ねも何れか、ある女性を主体に置いた、どこか不穏な雰囲気を身に纏いながら、物語として収縮していく。開けていたものが少しずつ閉じていき、ラストは部屋に収まる。

ウォーターメロン・ウーマン(1995年製作の映画)

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傑作。レズビアンの黒人女性の日常をナチュラルに描く先進性は勿論、30年代の黒人女優についてのリサーチ、ドキュメンタリー作りと、恋愛を重ね合わせる様が美しい。全体を貫くラフな魅力。

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

4.1

MCUでは『スパイダーマン FFH』以来のフェイバリット。話に引っ掛かりがあるのは事実だが、視覚的楽しさに釘付け。当然MCU一のゴア描写と、スタン・リー出演時間をそのまま当てたようなブルース・キャンベ>>続きを読む

殺しのベストセラー(1987年製作の映画)

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ニック・ノルティとフィリップ・シーモア・ホフマン足したようなブライアン・デネヒーに対して、何にも似ないジェームズ・ウッズの立ち振る舞い。階段上のウッズが決断する数秒間が美しい。傑作。

シリアル・ママ(1994年製作の映画)

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ポップで狂気じみてる。基本はホームコメディの枠を崩さずに進み、おバカな息子をマシュー・リラードがやってる(しかもスクリームよりも先駆けてホラー映画オタク設定)。90年代反骨映画の系譜として『フォーリン>>続きを読む

不都合な理想の夫婦(2020年製作の映画)

4.0

ショーン・ダーキン2本目の傑作。キャリー・クーンは本当にいい女優。7年経っても作風もリズムも崩していなくて良い。個人的には夫婦と馬の三角関係メロドラマとすら思った。ラストカットがあざといと思いつつ、潔>>続きを読む

ベルイマン島にて(2021年製作の映画)

3.9

案外批評性があっていいし、ハンセン・ラヴ的な視点だと思った。なによりも主人公の夫婦が全然ベルイマン好きそうじゃないのが最高。ミア・ワシコウスカが輝いてるけど、出番が遅くて待ちくたびれた。最早ベルイマン>>続きを読む