ゴートさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)

4.0

ブラック・コメディ。
パトリックの生きている日常は、裕福ではあるが、人間関係が上辺ばかりで中身がない。自由を謳歌しているように見えて、その実、高層ビルに囲まれた檻の中を無自覚にさまよっているようにも思
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トロール・ハンター(2010年製作の映画)

3.4

珍獣モキュメンタリーを成立させるための作り込みが、わりとちゃんとしている。トロールの匂いを体に塗りたくる設定はよい。
対トロール用に改造された車は、なんか男子のロマンが詰まってるような気がした。

ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

3.8

ヴェノムはああいう憎めない悪ガキみたいなキャラクターもよいけど、もっとえげつない毒のある一面も見たい。

インターンシップ(2013年製作の映画)

3.5

コメディだから仕方ないのだが、主人公2人にあまり深みがなく、口が達者でユーモアのあるおじさん以上の印象がなかった。

Google社のカルチャーがどこまで作品に反映されていたのかはわからないが、社員は
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バード・ボックス(2018年製作の映画)

3.8

どこか神話のような物語性を感じる作品。

突如世界を襲った闇。視界を通して人を死に追いやる「何者か」の正体は最後までわからなかった。

外の世界を見まいと必死になる主人公に対し、希望を匂わせて欺こうと
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

3.9

七人の侍ではないが、シカゴセブンの面子は皆そこそこ弁の立つ曲者たちだ。
それゆえに(例えは適切でないかもしれないが)裁判中の判事とのやりとりは、どれもチャンバラとして見応えがある。
それと、ウィットに
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.0

観終わった瞬間は「え?」だったけど、これあとからボディブローくるな。
それも胸糞悪いとかじゃなくて、むしろ突き抜けるようなカタルシス。
夏至祭というモチーフもそうだが、舞台と同じ名前の村も実際にあるよ
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女神の見えざる手(2016年製作の映画)

4.1

「あなたの感情や人生に対して私は義務を負ってない。目的に対して義務がある」

ロビイストの主人公・スローンの、目的遂行のための行動の徹底っぷり。勝つためには仲間も裏切るし、世間から非難を受けることも辞
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死霊館のシスター(2018年製作の映画)

3.5

蝋燭一本と体ひとつ。呪われた修道院を夜歩くには、あまりにも心許ない。そこに例の衝撃音が突如放たれるもんだから、ホント穏やかではいられない。
アイリーンよくがんばった。

舞台が修道院ということもあって
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死霊館 エンフィールド事件(2016年製作の映画)

3.5

死霊館シリーズは、作品を観るごとに何故か他の作品も観たくなる。うまく説明できないが、それこそなにか悪魔的な魅力がある。

なんでこんな家に住み続けるんだ、さっさと別の家に移ればいいのに、と思う。経済的
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死霊館(2013年製作の映画)

3.1

ホラー映画なので、最後無理にヒューマンドラマめいた感動で締め括らなくてもよい。絶叫で終わるのもカタルシス。

余韻が残るような不穏な怖さはなく、全てが心臓に悪い系。が、それはそれであり。

悪霊って、
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死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

3.3

邦題的に悪魔の存在証明を裁判でやるのかとおもったが、そうではなかった。結局は悪魔祓いがメイン。
ミステリー要素もあるにはあるが、トッピング程度。
しかし、間断なく驚かせてくれるので、2度と入りたくない
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.2

家族なき世界の、家族の話。
ヤクザという世界によって、人生を救われ、また奪われた男の話。

きっとこれは、「生き場所」をめぐる物語だ。どこを自分の生き場所とし、その運命を引き受けるか。

藤井監督のよ
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なけもしないくせに(2016年製作の映画)

2.8

地方都市を舞台にした、どこにも行けないロードムービー。
自分の足で帰ることができず、友達に車を出してもらう主人公。
「迎えにきて」って言葉、どこかの映画のタイトルにもあったな。

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

3.9

キラキラした女子高生が、40代半ばの冴えないファミレス店長に恋をする。
その設定は、恋愛物語のバリエーションとして、単純に目新しさを狙ったものかと思ったが、そうではなかった。
ちゃんと、思春期特有の葛
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30年後の同窓会(2017年製作の映画)

3.7

ベトナム戦争のことはよくわからないので、おじさんたちの魂の救済の旅として観た。
ストーリーとしては、語るべきことを語るためにつくられた感が強く、できすぎだよとは思った。過去=死=絆という主張が、ちょっ
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はちどり(2018年製作の映画)

5.0

まるで本当のことが綴られたような物語だ。なんの足し引きも必要がないほどに、リアリティをもってそこに世界が存在している。

ウニが見る世界を、ずっと追ってしまう。そのひとつひとつが、初めて出会ったようで
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.0

めちゃくちゃ怖いというふれ込みだったので構えて鑑賞したが、ギブアップせずになんとか最後まで観れた。
恐怖の対象が外からやってくるというよりは、それはすでに自分たちの中にあり、そのことに徐々に気づいてい
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パリのどこかで、あなたと(2019年製作の映画)

3.4

なんの奇跡も起こらない雰囲気ものかと思いきや、最後の最後で見事に裏切られた。ラストシーンだけは死ぬほどいい。それまで退屈だった物語に意味が通って、映画全体にほのかな光が差し込まれたように感じた。
パリ
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バウンド(1996年製作の映画)

4.0

レズビアンの女性2人が、自分たちを虐げる男たち(マフィア)を出し抜き、自らの手で自由を手に入れるまで。

ほぼホテルの部屋の中だけで展開するストーリーだが、予期せぬ展開の連続で、緊迫感が途切れない。
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大統領の陰謀(1976年製作の映画)

3.6

一回の鑑賞では理解が追いつかず、事件の全貌は把握できなかったが、構成がよく練られ、細部まで計算された作品であるように感じた。
終わり方が渋い。
主人公の若手新聞記者2人の仕事への熱意には敬意を表する。
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Dawn(2020年製作の映画)

3.6

キャンバス地に描いたような絵の質感がたまらない。
この作品の世界観は普通に愛せる。多分ずっと観てられる。
幻想的なRPGを思わせる、画の構図とアニメーションのテンポ感。

やっぱり最後は海なんだ。

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.3

警備員でありながら、法執行官としての役割を担おうとし、そこに誇りを持っていたリチャード。
しかし皮肉なことに、彼の憧れであり、国家の権力であるFBIがデタラメな正義を振るったために、彼は冤罪を着せられ
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スウィート17モンスター(2016年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

先生との絡みが好きだ。一番嘘がない。それ以外はどこか演技がかってる。それがこの作品の言う17歳のイタさの証明かもしれないけど。

ラスト、それまで意識してなかったサエナイ君のよさに気づいて仲良しになる
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500ページの夢の束(2017年製作の映画)

2.8

ドラマが上滑り。
期待して観たけど、共感しきれず、最後になんのカタルシスもなかった。

「今この子が頑張ってひとりで旅をしています。健気な子です。感動するでしょう?」

「しません」

ヴェノム(2018年製作の映画)

3.4

このビジュアルと変態性は好き。ストーリーはともかく。

バルカン超特急(1938年製作の映画)

4.0

なんかTRICKのあのコンビを思い出した。

クラリネット奏者のギルバートの好感度のV字回復がすごい。
最初なんやこいつと思ったけど、後半はもう、彼がいないと成り立たなかった。
追い込まれたときもユー
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シュガー・ラッシュ(2012年製作の映画)

4.0

これ、日本のレトロゲームでもやって欲しい。ディズニーの物語類型は使えないと思うけど。
なんかスーファミの大工の源さん思い出した。懐かしいな。

呪いが解ける瞬間って、なんとも言えない感動があるな。

コロンバス(2017年製作の映画)

4.3

好きな作風。
風景が先にあって、そこに人がいるという感じ。
かといって物語が後退しすぎることもなく、風景と絶妙に溶け合っている。

ジョン・チョーの演技がややナルシストっぽく見えてしまった。タバ
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.4

キーンみたいな電子音が終始鳴っていたような気がする。
今時間が前に進んでいるのか、逆行しているのか、考えるほど見失うみたいなことが一生続いた。

この時間の逆行の特性を理解して、かつその裏をかくことが
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