バンドで演奏をしたことがなくても、MV撮影の経験がなくてもいい。
何者でもなくても、ギターを持って、ステージに立てばいい。
素人だっていい。
その瞬間、瞬間に本気になれるなら、道は拓ける。
イ>>続きを読む
父と娘という関係なのだけど、なぜだか、究極の恋愛のかたちに思えた。
本当にプラトニックな意味で。
プールに潜ってジェスチャーをし合う戯れが、ただただ愛しい。
全体的にドラマ性は控えめで、ただ、流>>続きを読む
50代にして独身の男(元プレイボーイ。今は慢性的にうつ病ぽい)が、差出人不明の手紙をきっかけに、元カノ巡礼をする話。
主人公のドンは、この旅に最初から乗り気ではない。
探偵気取りの友人にそそのか>>続きを読む
誰もその居場所を知らない偉大なる冒険家の父を探すため、息子が父の残したヒントを頼りに壮大な旅に出る。
この構図は、漫画『HUNTER×HUNTER』を彷彿させた。
本作では、父と息子の関係ではない>>続きを読む
全編ワンカットを一筆書きと表現するなら、この映画の始点と終点を結ぶ線は、ほぼ完璧な円を描いていたように思う。
木陰での目覚めで始まり、木陰での眠りに終わる。
戦場で幾たびか重ねられる手と手は、固い>>続きを読む
田畑智子でなければ成り立たない映画。
相米監督はどうしてここまで、子供の視点からみた世界を、リアリティをもって描けるのか。
自分の子供のときの感覚がカメラの視界を通して呼び覚まされて、クラクラし>>続きを読む
「アビー 俺たちどうした?」
はじめて映画で声を出して泣いた。
この作品は、映画であって、映画でない気がした。
映画が現実に迫っている。最後はもう、その境界すら見えない。
こんなにも切実な、>>続きを読む
シャーリーズ・セロンの、ブロンドの髪がカッコいい。
青白いフィルタの中だとさらに生える。
キャラクターのトレードマークとしてもよいし、作品の世界観を構成してるテクノっぽいデザインとも絶妙にマッチし>>続きを読む
ひとつひとつのカットが一級品。
それをつないでいく編集も、素晴らしい。
この監督の作品を観るのははじめてだったが、初見でもう、彼が紡ぐ映像を心底信用できてしまった。
明と暗のコントラスト。人格>>続きを読む
なんだこの、寝苦しい夜の夢から覚めたような感じは。
言葉が適切かわからないが、思いきって言うと、この映画になぜか強烈な既視感を感じる。
この光景、この空気感に触れたことがある。
それは過去の映画体験>>続きを読む
幼い頃の交通事故の後遺症で耳に障害がある(常に耳鳴りがする)が、音楽を聴くことでそれが解消され、同時にドライビングテクニックが覚醒する、という主人公の設定が、もうなんかすごい。
この設定が、この映画>>続きを読む
キモかわいいかと思いきや、普通にキモい。。
でも、なんかクセになる世界観。
人間を虫か何かのように眺める視点に、ちょっとゾワっとする。
どうやったらこんな視点で、作品を描けるんだろう。
あ>>続きを読む
紀子が矢部の母・たみの想いを聞き、それを承諾する。
そのことをにわかに信じられないたみが、何度も「本当?」と聞き返す。
紀子が静かに頷き、たみが歓喜の声をあげる。
そのとき、紀子の背中を水平方向>>続きを読む
顔はいいけど、口説き方が絶妙にダサくて、いろいろ失敗した挙句、切なそうに黄昏れてるヒュー・グラントが、最高だって話。
ついでに、伏線の回収の仕方がうますぎて、もはやくすぐったいロマコメって最高じゃな>>続きを読む
トニー・レオンになりたい人生だった。
手紙の内容は雨に濡れて読めない。
ラストがベスト・オブ・ベスト。
まるでゲームのよう。
コントローラを少しいじって、ボタンを押すだけで、ミサイル発射。ミッションクリア。
現実の肉体を伴う、アクションとしてのハードルはほぼない。
あるのは、発射を「決断」するため>>続きを読む
いつだったか、夏休みがまるまる冒険だった時期がある。
たぶん、小学校3、4年生の頃だ。
あの頃は、家の外に一歩でれば、そこには友達の気配があり、彼らと一緒に出歩くだけで、なにか特別なことが始まる気が>>続きを読む
人生は続くよ。どこまでも。
こんなに秀逸なタイトルは見たことがない。
アメリカ・メイン州の小さな島。その入江に毎年八月にやってくるとされる鯨。
その鯨は、このフィルムの中ではついにその姿を見せ>>続きを読む
クリスチャン・ベイルの変身ぶりに度肝を抜かれる。
一見して、バッドマンと同じ人だとは思えない。
全編政治の話だが、小気味のいい映像演出によって、その重たさは適度に緩和されている。
クリスチャン>>続きを読む
ホラーなんだけど、ダークでもなければ、ショッキングでもない。
むしろ、これは底抜けに明るい映画なんじゃないか。
この映画を昼の部と夜の部に分けるとしたら、夜の部の<闇>より、昼の部の<陽光>のほう>>続きを読む
いやあ、渋いというかなんというか…。
正直自分の知識で語れることは、あんまり見当たらない…。
言えるのはまあ、潜入先の登場人物たちは「思想」がはっきりと背中に刺さっていて、立ち位置が明確、発言にも>>続きを読む
内調シーンの極端な青のカラーグレーディングが印象的。この作品の映像のスタイルは、本編の内容と絶妙なバランスで調和しているように感じた。
「人間をどこまで描くか」によって作品のカテゴリーは分かれるが、>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
定年後、妻を亡くし、やもめとして余生を生きる男の話。言ってしまえば、なんてことのない男の、なんてことのない話。だけどこれは、誰しもが迎える「生の終盤」を通して、人生とは何かをストレートに問いかける話で>>続きを読む
作風がそんな好きじゃないし、内容的にしんどいし、もう二度と観ないけど、クソ名作。
ぶちのめされました。ありがとうございました。
浅野いにお原作の映画化は難しい。
浅野いにおの漫画は、一枚に切り取られた静止画とかに、魂が宿るような世界な気もする。(漫画的といってしまえばそれまでなのだが。)
だからよっぽどうまく撮らないと、会話>>続きを読む
特異な身体とアイデンティティをもつ、社会的マイノリティの者たちがつくるサーカス団。
彼らのショーがどんなに素晴らしくても、彼らのことを否定し、排斥しようとする者たちがいる。
しかし彼らは諦めない。>>続きを読む
ロンドン市ケントン地区の民生係として働くジョン・メイ。彼の仕事は、孤独に死んだ人の葬儀を執り行うこと。彼は日々「引き取り手がいない死」と向き合っている。
ジョンは真面目で几帳面。だが生きることに不>>続きを読む
フランシスのキャラクター造形がすごい。
高圧的で、不寛容で、キレると手が付けられないくらい凶暴になる。その性格故に、町の人間から疎まれ、縁を断たれている。
一方で、母の幸せを純粋に願っており、当初嫌>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ロンドン・ハーツのドッキリ企画を、1人のターゲットに対して壮大なスケールでやっている感じ。
莫大な予算をかけて、企画のためだけに街をつくり、住民全員をエキストラとして雇い、数十年間一秒も休まずカメラ>>続きを読む
村上春樹原作の作品。
彩度とコントラストが落とされ、精彩と厚みを欠いた画面。 現実空間の一部だけを切り取り、その他を裁断したかのような構図。 どこか控え目な、決定的なショットを撮りにいかないカメラ>>続きを読む
崩壊した世界でたったひとり生き残り、図書館で暮らしている主人公・デル。
彼は日々、軽トラで民家の一軒一軒をめぐり、ミイラ化した死体の埋葬と、部屋の清掃を行っている。
そんな彼の前に突如、もうひとりの生>>続きを読む
この作品を眩しいと感じるくらいには、自分はうらぶれてしまった。
すべての時計を巻き戻しても、あの頃の純真な気持ちの自分には戻れない。
でも、この作品で描かれている「思いやり」や「勇気」には心当たりがあ>>続きを読む
シラフで観てなかったらやばかった。多分ブッとんでた。
マイルズがコーナーでハンドルを切るたび、直線コースでアクセルを踏み込むたび、グンッ、と観ているこっちにもGがかかってくる。
身体ごともってい>>続きを読む
三谷ワールド全開で安心して観れる。
政界を題材にしてるからって、全然肩肘を張ってない。
むしろ、ちゃんと本気でふざけてる。
記憶をなくした総理・黒田。
必死で公務を続けようとするが、何をして>>続きを読む
朝の光。
寝室のベッドの上。
腕時計で確かめる時間(6時を少し過ぎたあたり)。
隣で寝ている妻へのキス。
ひとりで食べる朝食のシリアル。
徒歩で行く通勤路。
頭に浮かぶいくつかの詩。
レンガ作りのバス>>続きを読む