まぬままおまさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.0

バス・ドゥヴォス監督作品。

不可視の存在を覗くこと。

冒頭、部屋を捉えるショットに詩が流れ込む。
「…(略)…赤の他人が この部屋に入ってきたら その人は何を見て何を聞くだろう」
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スローンはネックフェイスに恋する(2020年製作の映画)

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ブリリア短編。

グラフィティアーティストのネックフェイスと彼に恋するスローンの恋文のやり取り。

全編ナレーションで恋文に載せた彼らの心情が語られる。その中で語る主体と書き手の主体が相違する
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

3.5

『首』をみた後にみるとやってることが変わらないと思ってしまう。

どいつもこいつも狂ってる。
銃をぶっ放し、監禁して、暴力を振るったり、法を逸脱しているのは警察もヤクザも一緒。そこに友敵はあろう
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バービー(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

本作をみてジェンダー不平等の現実を感知して、エンパワーメントされた経験は何にも代え難い。これほど多くの人々に観賞された事実も大きな意義があると思う。

しかし本作をみて、現代の問題が的確に描写され
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東京画(1985年製作の映画)

4.0

ヴィム・ヴェンダース監督作品。

ヴェンダースが1983年にカメラで捉えた東京の画=イメージ。それは小津作品をみてイメージしていた東京とは全く異なるだろう。

花見のサラリーマン、パチンコ、タ
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アリスとひまわり(2022年製作の映画)

3.5

ブリリア短編。

ルックがとてもいい…これこそエモーショナルさだ。

レマン湖での母とのバカンスに退屈しているアリス。彼女がひまわり畑に行くと、ザックと出会って、仲良くなって。

以下、ネ
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.5

アリ・アスター監督作品。

『ボーはおそれている』を観に行きたく無くなるぐらい気持ち悪い作品でした(好き)!
ひとりで行きたくないけれど、こわがっているのみられたくないからひとりで行きたい。
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Munchausen(原題)(2013年製作の映画)

4.0

アリ・アスター短編作品。Youtubeで視聴できます(https://youtu.be/G9Rxu5uW41Q?si=DhoAZhqBjjVEe7Dj )。
セリフが一切ないから全くみるのに問題ない
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Beau(原題)(2011年製作の映画)

4.0

ボーのために。

アリ・アスターの初期短編作品!おそらく『ボーはおそれている』とは全く無関係だが、とてつもなく面白い。

自主制作であろう短編なのだが、スーツケースに荷物を入れるカットでは、ア
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カナダでの暮らし(2023年製作の映画)

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第14回MyFrenchFilmFestival(MyFFF)にて。

これにて短編作品を全部みることができました。ベスト3をコメントに載せたいと思います。

さて、本作。

レズビアンの主
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夏休み(2023年製作の映画)

4.0

第14回MyFrenchFilmFestival(MyFFF)にて。

いい時間が流れている。
ギョーム・ブラックの『みんなのバカンス』を思い出しました。

予定した旅のバスが手違いを起こし
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戦いとは終わりである(2023年製作の映画)

3.2

第14回MyFrenchFilmFestival(MyFFF)にて。

アドマ・ゾッコラ住宅の住人を支援するため開催されたボクシングの試合とその選手に焦点を当てたドキュメンタリー。

ボクシン
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豚が井戸に落ちた日(1996年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ホン・サンス監督長編デビュー作品。

ホン・サンスの映画ではない…
そう倒錯した感覚を持つほど、主題や撮り方が全く違う。

カットはよく割るし、固定ショットの長回しとかも全くやらない。カメラ
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オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

理想郷は存在しないということだ。夫婦生活も家族も。夫婦間で性愛関係はもちろんない。言葉が通じないからコミュニケーションも取れない。夫婦生活は機能していない。娘は寄宿学校に通い、「文明化」をする。しかし>>続きを読む

囚われの女(2000年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

アケルマンが男を主人公にして何がしたかったが論点だ。

フレームの切り方は『ジャンヌ・ディエルマン~』を彷彿させるが、予算がかかっている割には商業映画らしさを嫌う物語に起伏がないドラマ展開。さらに
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おなかすいた、寒い(1984年製作の映画)

4.1

シャンタル・アケルマン監督作品。

分かるようで分からない彼女らの心情。
ただそれは描写の不明確さではなく、言語化を逃れる豊かなイメージによるものだ。

恋に落ちたい18歳の彼女たちが移動を
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私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「気持ちを説明する手紙」

手紙に書かれた言葉はショットとして提示されるわけではないから、私が彼女の気持ちに対して何事か語ることも不能のように思える。だから言語化が未遂のしかし言語以上のイメージを
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ベラの生き様について男の私が何事かを語ることはできないし、したくない。それは娼婦にセックス後、人生論を語りたがるろくでもない男と同様の行為のように思えるから。ただひとつベラが身体の不快さの感覚を学ばな>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

5.0

ビクトル・エリセ監督作品。31年ぶりの長編第4作目。

昨日(2024年2月9日)、公開初日にみにいったが、この経験と記憶はこの先も抱え続けると思う。それが喪失される可能性はあるけれど、また本作を
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ハム・オン・ライ(2019年製作の映画)

5.0

ハル・ハートリー大絶賛のタイラー・タオルミーナ監督作品。

素晴らしい…視線と手のショットでこんなにも映画は豊かに語られてしまうことに感動です。またポスタービジュアルの手が映し出される“儀式”のシ
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ダンスの中に(2022年製作の映画)

3.0

第14回MyFrenchFilmFestival(MyFFF)にて。

パワポみたいな映画。

それは決して否定ではない。今でも印象的な言葉があり、それは映画作家の佐々木友輔がツイッターで発言
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私に触れた手(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

第14回MyFrenchFilmFestival(MyFFF)にて。

記憶はやさしくない。

忘れてしまった情緒や価値の再確認として思い出すことはよいけれど、反面、トラウマを呼び起こすことも
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オアシス(2022年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

第14回MyFrenchFilmFestival(MyFFF)にて。

ドキュメンタリー作品において、構図をしっかり定め、劇映画のルックのようにして、物語として語ろうとする潮流はどこから来ているの
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スピード(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

第14回MyFrenchFilmFestival(MyFFF)にて。

何かしらの精神疾患を抱える彼らは「時間」について哲学議論をして、「セラピー」を行い、何気ない日常を送っている。

現代社
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結婚記念日のプレゼント(2006年製作の映画)

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ブリリア短編。

プレゼント目線のショットはじめてみたな…

コメディだから全然いいんだけど、二人の問題は何も解決してなくて笑う。
あと車をぶっ壊したかったんだろうなぁ~

ジャンヌと七面鳥(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

第14回MyFrenchFilmFestival(MyFFF)にて。

多分、思春期の大人になれないままならさを描いた作品ではある。けれど七面鳥が喋るという設定が、彼女の「イマジナリーフレンド」と
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アトミック・チキン(2023年製作の映画)

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第14回MyFrenchFilmFestival(MyFFF)にて。

鶏たち可愛いな~と思いきや、工場の大気汚染が原因で突然変異。

でっかくなるわ、お尻からマシンガンぶっ放すわで、なんやか
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現実を受け入れるべく夢を見る(2020年製作の映画)

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『みなに幸あれ』監督の下津優太監督の短編。
Youtubeより(https://youtu.be/6nuizpngxy8?si=5hOYzI91SNRGRCAX)。

田舎ホラーでおばあちゃんが
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みなに幸あれ(2023年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

狂っている…狂いすぎている…何が怖くて何が面白いのか全く分からない…
なぜ物語としてさえ成立していない映画が、劇場公開できているのか分からない…

北九州のとある集落では一家が幸せになるために赤
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フレンズ/2匹は友だち(2014年製作の映画)

3.2

第14回MyFrenchFilmFestival(MyFFF)にて。

可愛い絵でアニメーションも凄いから、よくもわるくもそれだけかな~と思いつつ、ラストが衝撃的だった。

自分の変化には気づ
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ふたりは姉妹(2022年製作の映画)

3.0

第14回MyFrenchFilmFestival(MyFFF)にて。

何気ない姉妹が遊んでいることがアニメーションとして描写されているが、妹の行動が「普通ではない」。

けれどこれが障害者と
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ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

4.5

ケリー・ライカート監督作品。

壊れやすい私たちが、それでも不快なケアを手放さないために。

以下、ネタバレ含みます。

主人公・リジーの姿をみていると胸が痛くなる。
彼女は独身で猫と一
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女と犬(1991年製作の映画)

4.0

第14回MyFrenchFilmFestival(MyFFF)にて。

5分短編の傑作ですね。素晴らしい!

1シーン1カットで、女性二人が街で何気ない会話をしているだけだが、物語になっている
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フェアプレー(2022年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

第14回MyFrenchFilmFestival(MyFFF)にて。

これは作品の善し悪しではなく、私の価値観の問題ですがシニシズムに則った現実の省察を映画はするべきではないと思う。

本作
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新凱旋門(2023年製作の映画)

3.0

第14回MyFrenchFilmFestival(MyFFF)にて(https://www.myfrenchfilmfestival.com/)。
短編はオンラインで観賞できます。

「体の輪郭
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アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

4.3

いや~~~よかった~~~
グランドシネマサンシャイン池袋の一番大きいスクリーンのIMAX 3Dでみたのですが、映画体験が覆った。こんなことまで映画はできてしまうのかと。純粋に驚いたし、純粋にアトラク
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