スペインで起きた米大統領襲撃事件。現場に居合わせた関係者それぞれの視点から、リアルタイムに事件を振り返るサスペンスフルな群像劇。
オムニバス部分と全体のストーリーバランスは非常に計算され斬新なアイデ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ナチスやユダヤ人という一見重いテーマを扱いながら、タイカ・ワイティティ監督は大胆に自分色のユーモアに染め上げ、ヒューマニズムを謳った一種のファンタジー作品に仕上げられている。ある意味出尽くした感のある>>続きを読む
本来は劇場公開作品だけあって、上質な脚本に迫力の映像、壮大な世界観など、正直、映画館で観たかったと思えるほどの高いクオリティ。
この手の映画でありがちな、派手な演出ばかりでストーリーが御座なりになっ>>続きを読む
間違いなく一般受けしない作品だが、キャッチコピーに「完璧なラスト!」と書かれている程トラウマレベルの衝撃的な結末なので、グロ描写に耐性が無い方にはあまりお勧め出来ない。
社会に根深く残る、人種差別や>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
哲学的な展開に一般受けが難しそうな雰囲気が漂う。良く言えば重厚、悪く言えば退屈な映画だ。「惑星ソラリス」や「インターステラー」等のエッセンスを含んだ正統派な作品といえるが、重厚な割には散漫で雑な描写が>>続きを読む
本作は、死刑囚の心の救済に努め、彼らが悔い改められるよう導く「教誨師」と囚人達との対話を描いたヒューマンドラマ。大杉漣主演の遺作でもある。
熱心に教誨師の話に耳を傾ける者、一方的に自分の話を捲し立て>>続きを読む
実話を題材にした、ロン・ハワード監督らしい手堅く纏められた良作。
ニキ・ラウダという名前ぐらいしか知らない前知識で観始めたが、レースそのものよりも、二人の天才ドライバーの意地とプライド、そして、それ>>続きを読む
内容的には「チャッピー」風な、どこか既視感漂うB級作品。本作は青春ものの味付が濃いせいか期待した派手な戦闘シーンは少なく、ストーリー自体に捻りもないので少々単調な感も。
A-X-Lに関しても、軍が秘>>続きを読む
豊かな自然と子供達の純粋な姿に対し、古い屋敷に隠された鏡、天井に広がる黒い染みなど、想像力を掻き立てるミステリアスな世界観に惹き込まれる。
ドキっとするような恐怖描写は少なく、雰囲気の作り込みだけで>>続きを読む
荒野の用心棒から始まるC.イーストウッドのウエスタンも、本作がまさに集大成と言える作品。通常であれば単純で画一された勧善懲悪的なストーリーになりがちな西部劇に、敢えて激しいガンアクションは見せず、複雑>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ベン・アフレックスの監督デビュー作品。初監督ということもあり、地味な演出ながら奇をてらわず脚本で勝負したのが今作の完成度を高めている。
人物の心情描写が巧く、物語もよく練られた重厚なミステリーに仕上>>続きを読む
POV視点のモキュメンタリー作品としては、プロットやギミックはありがちと言えるが、そのぶん丁寧に練られた演出はしっかりしている。役者陣の素人風な演技もリアルさを醸し出し、序盤の和気藹々とした雰囲気から>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
13年前から未解決のままとなっている、同僚の娘に起こったレイプ殺人事件の真実とその後を描いたサスペンスミステリー。
まずストーリー展開が分かりづらい。過去の出来事と現在のエピソードが並行して描かれて>>続きを読む
観始めるまでは、他の○○人間同様に、結構悪趣味な映画を想像していたが、意外と手堅くストーリーは纏められている。ただ、「セイウチ人間」というアイデアだけで突っ走った印象があり、今ひとつ盛り上がりに欠ける>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
こんなにも切なさに溢れるロードムービーに、かつて出会ったことがあるだろうか。
不遇な人生を送ってきた脱獄犯の主人公と逃亡中に偶然人質となった少年が、お互い父親の愛情を知らない境遇を持つことで、やがて>>続きを読む
2003年のフランス映画「恍惚」のリメイク作品のようだがオリジナルは未見。
演出や映像美へのこだわり、クロエの魅力的で妖艶な眼差し、そして50を過ぎても脱ぎ惜しみしないジュリアン・ムーアの匂い立つ色>>続きを読む
グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」が、まさかの魔女ハンターとなってバトルを繰り広げるという大胆な発想はなかなか面白い。しかも、B級?映画の割には特殊メイクがしっかり作られていて、グロテスクなシーンも>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
かつて幼馴染みだった拭えない過去を持つ三人の運命が、一つの殺人事件を通して複雑に絡み合っていくさまを、繊細な心理描写で描かれている。
観る側に幼少から現在に至るまでの膨大な時間を鮮明な記憶として蘇ら>>続きを読む
1970年代にチリに実在したカルト教団「コロニア・ディグダニ」を描いた今作。今もなお同様のカルト教団が世界各地から根絶されていないのがとても悲しい。
見どころは、なんと言っても愛くるしい“ハーマイオ>>続きを読む
セリフも説明的な部分も一切ない展開でありながら、その意図するところが明確であり、且つ、想像を掻き立てる美しくも力強い映像に圧倒される。特に光の反射が綺麗に映し出されているのが特徴的であった。
厳格な>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
インセプションとシャッターアイランドとセーラームーンを混ぜたような“少女の妄想力全開”な作品。奇才ザック・スナイダー監督が、厨二病的発想で自己満足の為だけに作ったような印象を受ける。
かなり癖の強い>>続きを読む
本作はジャケットで想像するようなVFXを駆使したSF大作ではない。派手な演出は一切排除し、異星人に支配された人々が自由と尊厳をかけて静かな戦いを挑んだ古典的で骨太な作品。複雑な実行計画と時間経過が複雑>>続きを読む
「きちんと見せる部分」と「敢えて見せない部分」を巧みに使い分け、視聴者が想像力を働かせ、見えない部分を頭の中で補完し完成させるという異色な作品。
ストーリーも、タイトルから想像するような可愛らしい展>>続きを読む
話題の「ミッド・サマー」の監督、アリ・アスターに多大な影響を与えたとされるのも納得の奇作。
男女の性の営みを赤裸々に詠い上げた、奇妙なフォークソングが全編を彩る、ジャンルでいえば、さしずめシュールな>>続きを読む
ただの脱出劇ではなく、監禁から脱出した後の世界を主軸に描いている所が、これまでの映画とは一線を画す。
何より良く出来ているのが、脱出後も全てが良い方向に運ぶ訳ではないというリアルな展開。辛くて苦しく>>続きを読む
モーションキャプチャを用いた実写のような映像美で、人間らしい自然な動きがうまく表現されている。
全編に渡るスリルとアクション、魅力的なキャラクターの面々、まるで「インディ・ジョーンズ」を観ているよう>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
本作は単なるボクサー映画ではない。
“一人のボクサーとして”そして“一人の人間として”尊厳と誇りを謳った物語である。貧困やジェンダー問題といった複雑なテーマを取り扱っているのも特徴。
前半部分はよく>>続きを読む
「45日以内にパートナーを見つけられなければ動物に変えられる」不条理な架空の世界を、シュールなブラックユーモアで描いた話題作。
同監督の「籠の中の乙女」が強烈な印象だったので期待していたのだが少々肩>>続きを読む
とにかく登場人物がたくさん出てくる群像劇となっており。冒頭からいきなり各キャラクター紹介が始まり戸惑ってしまうが、それさえクリアできれば最後まで大いに楽しめる。そしてなんと言っても本作の醍醐味は鮮やか>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
アメリカの死刑制度の考え方を垣間見れたのは面白かった。舞台は政治的に保守的な色合いが強いテキサス。中盤までは死刑反対派のゲイルが、制度賛成派の団体に嵌められた可能性を示唆し、何らかの陰謀に巻き込まれた>>続きを読む
泥臭い戦争アクションと男の友情ドラマを描いた、ロシア版「フューリー」といったところか。
ややご都合主義な展開が気になるものの、飛び交う砲弾をスローモーションで演出するなど、これまでの戦車戦にはない大>>続きを読む
序盤はストーリーが断片的に進むため状況が掴めず戸惑う。主人公のジョシュ・ハートネットが登場する辺からミステリー色が強まり惹き込まれていく。
サラッと流した競馬事件、謎めいたグッドキャットの不思議な行>>続きを読む
アメリカの深い政治的分断について、極めて暴力的で過激な風刺作品として描かれ、公開当時トランプ大統領も巻き込んで物議を醸した問題作。
「人間狩り」をテーマにした作品はこれまでも数多く作られおり、今では>>続きを読む
ゲームのモブキャラを主人公にするとは発想がユニーク。普段あまりゲームをしないので観始めるまでは楽しめるか不安だったが、スリル、スピード感、キャラの性格を活かしたストーリー展開と娯楽作品に求めるものを完>>続きを読む
10年ぶりのまさかの続編。これだけ時が経ったにもかかわらず、オリジナルメンバー(ビル・マーレイ含む)が勢揃いしたことにまず驚かされる。しかも、新メンバーのゾーイ・ドゥイッチが、昔大好きだったリー・トン>>続きを読む
毒ガスが蔓延した都会の真ん中で、ビルからビルへ移動しながら逃げ回るサバイバルパニック映画。毒ガスが迫る中、命綱なしでビルをクライミングしたり、綱一本で隣のビルに渡るなど、スリリングで手に汗握る展開が満>>続きを読む