コラボさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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冬の旅(1985年製作の映画)

4.0

 フランス農村で凍死したモナ。彼女が辿った足跡を行き当たった人々の証言で辿って行く。モナはまだ10代で家を飛び出したであろう彷徨うヒッチハイカー。浮浪者のように粗末ななりで援助を求め、時には相手との交>>続きを読む

森の中のレストラン(2022年製作の映画)

3.0

森の中のレストランで最後の晩餐。もうひとひねりあってもいいが、別につまらなくもなかった。DVの場面の父親役は結構怖く真に迫っていた。演技陣よりも脚本の方が少々問題なのかも。この監督と主演のコンビでまた>>続きを読む

ざくろ屋敷 バルザック「人間喜劇」より(2006年製作の映画)

3.5

チェンバロとテンペラ画に乗せて語られる画ニメーション。バルザックの原作はわりと大人しいが、その静謐さをこの音楽と絵(紙芝居)と語りで引き立てている。当時渋谷のBunkamuraの奥にあるミニシアターで>>続きを読む

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.7

5時間という長さに怖気づいて観ていなかったのを後悔。神戸を舞台にした4人の女性を描いた映画。この脚本、演出も独特の方向性で一度入りこんてしまうとはまってしまう魅力的なもの。演技未経験者からこれだけのも>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.0

生まれつき聴覚に障害のあるケイコがボクシングに打ち込む。ボクシングというとスポ根のようだが、本作はそういうものではない。でもじゃあ何だと言われると言葉が浮かばない。効果音大きめ、音楽一切なしで淡々とし>>続きを読む

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

4.0

 甲子園に母校の応援に来たのにどこか吹っ切れない4人の生徒たち。応援席の前ではなくはしの方に陣取ってしらけた雰囲気を醸しだしているが、次第に応援に熱も入り、という展開。野球の場面は終始音と応援席の反応>>続きを読む

夜、鳥たちが啼く(2022年製作の映画)

3.9

 城定秀夫監督の最新作。『ビリーバーズ』がちょっと波長合わずで、今回はどんなものだろうと、恐る恐る観たのだが今作は当たりだった。監督得意の濡れ場はいやらしいが後半ちょっと出てくる程度、むしろ子供に見ら>>続きを読む

ヘルドッグス(2022年製作の映画)

4.0

 本来は苦手なヤクザものだが、これはすばらしくよくできた映画。ちょっと把握しきれなかった部分(組織どうしの関係とか)も多いが、それでも高い緊張を維持してラストまでなだれ込む。潜入警察官である岡田准一の>>続きを読む

の方へ、流れる(2021年製作の映画)

4.0

 唐田えりか復帰映画。
 『寝ても覚めても』での不思議な存在感は健在で、彼女はやはり映画映えする。すらっと背が高くて透明感があり、都会的というより素朴な佇まい。今作では会話劇で相手との次々に繰り出され
>>続きを読む

最後にして最初の人類(2020年製作の映画)

3.5

ステープルドン原作の小説を映画化、というより映像化したもの。映像は世界各地にある廃墟、彫刻群を映し出し、音楽はこの映画の監督でもあるらしいヨハンソンの手になるもの。そこにところどころティルダ・スウィン>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

4.0

 宮崎で夫婦として一緒に過ごした男が実は別な存在で、その「ある男」が本当は誰なのかを、弁護士である城戸が探るというストーリー。実質的な主役の城戸を演じる妻夫木聡とその依頼人の安藤サクラ、ある男を演じた>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.2

単に美食だけならR-15はおかしい。見終わってなるほど、と思ったものの多少心の準備が必要な場面があるぐらいで別にカニバリズムが出てくるわけではない。それで贅を尽くした料理を「食べる」のではなく「味わう>>続きを読む

窓辺にて(2022年製作の映画)

4.5

 ようやく観た。稲垣吾郎はあまり好きでもないが、ここでは妻の不倫を知っでも何とも思わない、という掴みどころのない遊民(フリーのライター)を演じている。今泉監督らしい会話劇で、感情的にならず淡々と続くが>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.0

これは参った。長丁場を飽きさせない見せ場とアクションの連続。勧善懲悪の明快な構図。ハリウッドとはちょっと違って風変わりな娯楽大作。小さなスクリーンだったが8時前スタートでも満席なのも納得。

未来惑星ザルドス(1974年製作の映画)

3.5

 冒頭のシーンもイギリス風にアイロニーが聞いていて、次の有名なあの人面像が飛んでいて、怪しげな教説を未開人に告げる場面でかなり引いた。何もかも独自色で好きではないけど(ショーンコネリーのフンドシ姿、エ>>続きを読む

よだかの片想い(2022年製作の映画)

4.1

 生まれつき顔に青いアザのある大学院生のアイコ。松井玲奈がその内気なアイコになりきっている。その相手の映画監督の飛坂が中島歩。持ち前の低い独特な声と口調で、アイコどの距離を縮めていく。彼女の性格に営業>>続きを読む

線は、僕を描く(2022年製作の映画)

4.0

 横浜流星が前作とかなり違って、人生の試練に立ち止まったままでいる大学生を好演。水墨画家の篠田湖山に誘われて、彼はその世界に踏み込む。彼の心の傷痕の風景は出てくるが、そこから現在への経緯のようなものは>>続きを読む

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.0

 あなたはキラキラ光って〜重力に逆らわない、というトモヨの台詞が良かった。永野芽郁の映画は初めて観たのだが、言葉遣いが乱暴で汚れ役のはずなのになりがきれいなので役にそぐわない感じがあった。タバコ吸った>>続きを読む

家族の肖像(1974年製作の映画)

4.1

ヴィスコンティ晩年の作品で初見。バート・ランカスターとヘルムート・バーガー、シルヴァーナ・マンガーノ、常連たちを配した。資産家で裕福な老教授の孤独で静かな生活が、進入してきた若者たちに乱されていく。は>>続きを読む

LOVE LIFE(2022年製作の映画)

4.2

木村文乃と永山絢斗が夫婦役で、最初は平和な家庭生活を描いているのかと思ったら、ある事件からいきなり暗転。なんでそうなるのかと思わないわかではないが、その割り切れなさを上手に映画にしていると感じた。社会>>続きを読む

この子は邪悪(2022年製作の映画)

3.5

ちょっとしたサスペンスもの。退行催眠という道具を使ってこんなことができるのか、と驚く。離人症のようなあの人たちが実は玉木宏の催眠術とつながっていたとは。途中から何となく見当がついても飽きなかった。あの>>続きを読む

夏へのトンネル、さよならの出口(2022年製作の映画)

3.5

高校生の2人がウラシマトンネルをめぐって交流していく映画。香崎という海辺の田舎街に父と暮らすカオル、東京から転入してきたとっつきづらいあんず。すごく感動するというものではなかったが、映画の雰囲気とか画>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.5

観終った後でも自分の中でもどう言っていいのかわからない。はじめはUFOものなのかと思っていたが、ちょっと違った。131分だからちょっと長いが観ている最中に退屈することはなかった。今でも「何だこれは?」>>続きを読む

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

3.9

代表作と言われるだけあって、ポップな内容。音楽、映像美は健在で内容も若者が主役なのでいっそう観やすくおもしろい。個人的には『花様年華』の方に惹かれるけれども、世評高いのはよくわかる。それからフェイ・ウ>>続きを読む

ANIARA アニアーラ(2018年製作の映画)

4.0

北欧のSF→キワモノ、といった印象を持ってしまう。途中でカルト宗教の乱交の場面が少しどぎついものの、基本的には静かな映画。低予算なのかもしれないが陳腐さは感じなかったし作り込まれたアニアーラ号は結構い>>続きを読む

春原さんのうた(2021年製作の映画)

3.8

 喫茶店に勤めて独り暮らしを始めるサチ。その日常が淡々と描かれる。叔父や叔母、友人たちがその部屋を訪れるがいつもドアが開いていて風がよく通る冷房のない部屋。そのうちに本人の台詞でもう大丈夫、とか時々出>>続きを読む

花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

4.4

 1962年の香港。たまたま隣室に引っ越してきたチャウ(トニー・レオン)とチャン(マギー・チャン)はお互い家庭を持っているが、相手は不在がちで関係は希薄。次第に惹かれ合い、チャウが小説の連載を始めると>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.5

 こちらの作品は3つの短篇オムニバスでテンポも良くすっきりして楽しめる。1話目は中島歩が独特の棒読みのようなしゃべり方が逆にはまりナイス(前に観た映画ではクズ男だったがこちらではそうでもない)。古川琴>>続きを読む

今夜、世界からこの恋が消えても(2022年製作の映画)

4.0

純愛、高校生活、湘南の海、美男美女の主役とヒロイン、と映画のキラキラ要素を詰め込んだ映画。多少意地悪く観ていたのだが、ここまでやればもう立派。主役の道枝峻佑もヒロインの福本莉子も絵に描いたような存在。>>続きを読む

機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編(1982年製作の映画)

3.9

シリーズ3作目。ホワイト・ベースが宇宙に上がり1年戦争の終盤を描いた完結編。敵側の内情も描いていて子ども心に新鮮。というよりちょっと生意気なところも重要なファクター。エンディング曲の間奏に響く木管の虚>>続きを読む

トップガン(1986年製作の映画)

3.0

あらためて観てもそんなにおもしろいものではないかな。

スカイ・クロラ The Sky Crawlers(2008年製作の映画)

3.8

近未来の戦争のために作られたキルドレたちを描いた長篇アニメ。語っているようで語り切れないようなもどかしさが残る。「ティーチャー」に挑んだ主人公はあれで良かったのか。そして無言で去って行くやはりキルドレ>>続きを読む

プレステージ(2006年製作の映画)

3.7

プリーストの原作はその界隈では話題になった作品(未読)。映画はその原作への忠実度は知らないが結構おもしろかった。

ロボコップ2(1990年製作の映画)

3.5

なぜかこの2作目がいちばん好き。少年ギャングが最期にあの世はひどいところか、と聞かれて「ああ」と答える場面。終わり方も中途半端感もあるがあれがいい。

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

4.0

キューブリックのブラック・ユーモアが炸裂した核戦争もの。不気味すぎて怖いはずなのに笑いに昇華させたのは凄い。