HidekiIshimotoさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

4.0

むかーし観てジャンピエール・レオがおじさんになってる!と驚いた以外覚えてなかった。大人に成ってくれないでいるレオと勝手に思い込んでたもんで。開始早々また解雇と自殺かよ!のお決まりパターン。けど1ミリの>>続きを読む

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

3.5

8割ぐらい志村けんな感じの、たぶん番外カウリスマキ作品。あとの2割は『ダウン・バイ・ロー』って感じでオマージュに違いないシーンもいくつか。同年に『ミステリー・トレイン』撮ってるジャームッシなのだし、た>>続きを読む

真夜中の虹(1988年製作の映画)

4.5

開始10分でまた追い剥ぎかよ!のお馴染み不運スタート。その10分までに炭鉱閉鎖で職をなくし、父親を自殺でなくすという怒涛の不幸スタート。その後も次々不運と不幸の連打で、当然ながらむさ苦しいおっさんと冴>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.5

初デートでも葬式帰りみたいな男と女。元々無口なような人々が容赦ない世界に押しつぶされ喋れなくなったようなこの感じ。ズームとかカメラワークも後期にはない緊張感。それでも抗うthe manペロンパー。と裏>>続きを読む

ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)

4.0

『プライベート・ライアン』冒頭の地獄戦場がずっと続く弾丸地獄。肉塊地獄。の地獄実話。そして勇気ある正義の使者的描かれ方のアメリカ軍。念のためソマリア内戦ググってみたらやっぱりあったよこの内戦前にソマリ>>続きを読む

Rainbow/レインボー(2022年製作の映画)

3.5

映画じゃなくてドラマみたいだなと思いながら観てたけど、これがなかなか新鮮なスペイン版オズの魔法使いだった。色彩が新鮮。音楽の絡みが超ノリノリで新鮮。何よりドーラちゃんが溌剌新鮮な魅力。ファッションも超>>続きを読む

SEOBOK/ソボク(2021年製作の映画)

3.5

AI時代の今どきにクローン話なので素朴な心理系SFかと思ったらわりとAKIRAで、今どきそっちかという意味ではまあ素朴なソボクだった。少年か青年かよくわからないソボク君の必殺仔犬ちゃん眼差し。からーの>>続きを読む

マッドゴッド(2021年製作の映画)

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驚異の『JUNK HEAD』の堀貴秀と、この元祖驚異のお爺ちゃんの愛らしい対談があがってた。フィル爺はダンブルドア的ナイス爺感。元祖驚異のお爺ちゃんにはユーリ・ノルシュテインがいるんだけど属する時空が>>続きを読む

ノベンバー(2017年製作の映画)

5.0

ちょうど一年前に配信で観た『私の20世紀』は昨年観た映画のベスト(3の一つ)なんだけど、劇場で観た時は異次元映像美以外なんだかわかりません状態。観直しでドガンと脳内爆発だった。そんな映画の代表は18の>>続きを読む

聖なる証(2022年製作の映画)

3.5

設定エグくて観る気になれない『ルーム』も書いてる原作者エマ・ドナヒューってなんでこんな話ばかり書くんだろ。書いてて気が滅入らないのか?と余計な心配。こんな出来事を書くべき理由が作家にはあるわけで、恐ら>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.5

俺的にはこれぞベストバットマン。この潔いリアル設定がいい。まずマッチョじゃない。飛んでもリアル。着地もリアルにドタンバタン。メカも実際ありそな範囲。ペンギンづらも汚職もくそリアル。キャットスーツは鼠小>>続きを読む

アンテナ(2003年製作の映画)

4.5

日本人のストレス発散法について知り合いに訊かれ、日本人は発散した気がするだけ法しか持たずひたすら溜め込むだけ、と答えてしまい思い出したこれまた観た。少年期に起きた妹失踪事件で高ストレス溜め込み、自傷で>>続きを読む

男はつらいよ フーテンの寅(1970年製作の映画)

4.0

山田洋次監督じゃなく森崎コメディタッチにいまいち乗り切れずでこれだけ飛ばしてた。ごめんなさい。ちゃんと観たらこれもしっかり正月映画金字塔シリーズの一本。冒頭で孤児の身を泣くおさげの樹木希林を5秒で笑顔>>続きを読む

タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

4.0

名作の誉高いこの映画やっと観た。マレーシア映画自体初めて観た。物語から登場人物から画面の質感から何から、2017年の映画とは思えない何というか昭和感。これが早すぎる遺作となったこの素敵な監督さんはチャ>>続きを読む

この広い空のどこかに(1954年製作の映画)

5.0

この殺伐とした世界の元旦にこそ相応しい宝物映画また観れた。U-NEXTまじで有難う。戦後九年でまだ傷あとあってもこの活気、この人情なのか、いやだからこそなのか…と駄々漏れる涙の中でちょっとボーッとなる>>続きを読む

ミューズ・アカデミー(2015年製作の映画)

5.0

『シルビアのいる街で』でもなんか訳わからんうちに未体験の恍惚体験だったこの監督さん。相当高度な映画理論を持ってることは低度な俺にもボンヤリわかる。この作品も映画撮れるくらい高度に生まれついてたらこんな>>続きを読む

マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985年製作の映画)

4.0

ミニシアター隆盛期にこの監督の名を世界に轟かしたやつ。辛いことあるけど、スプートニクに餓死するまで詰め込まれ実験台にさせられたライカ犬よりは幸せだ、と自分に言い聞かせるめちゃくちゃ犬顔の少年。あの頃、>>続きを読む

グッド・シェパード(2006年製作の映画)

4.0

ここ数年で自分のいる国がずいぶん前からUSAのATMなのだったと知り、USA以外の国にとってUSAとはCIAなんだと知ったわけだけど、知ったからってどうにもならないことも思い知ったので、せめてCIA黎>>続きを読む

上海から来た女(1947年製作の映画)

3.5

サスペンス映画としてはちょっと退屈だったけどそこは1947年作ってことで、当時を考えればラストの怒涛で十分お釣りがくる。なるほどさすが『燃えよドラゴン』元ネタ。ウディ・アレンの『マンハッタン殺人ミステ>>続きを読む

クローサー(2004年製作の映画)

3.5

以前観てかなり良かったと記憶。けどナタリーのストリップシーン以外何が良かったか忘却の彼方なので期待して観たら良いどころか割と胸くそ話だった。主役四人が揃って愛の名のもとにfuckと騙し合い。これ名作『>>続きを読む

クロスロード(1986年製作の映画)

4.0

コアなブルースファンは文句あるだろうけど、割とコアなライ・クーダーファンとしては文句など全くなしで何度も観てるしサントラも相当聴いた。文句ある人の文句の中心はやっぱりまあスティーブ・ヴァイかと思うけど>>続きを読む

北の果ての小さな村で(2017年製作の映画)

4.0

旅に出て色んな経験をするために、アメリカの家畜経験しか出来ないこの日本からデンマークへ旅立とうとしている若い素朴な友人がいる。この映画の素朴なデンマーク人青年も「旅に出て色んな経験をしたい」と、デンマ>>続きを読む

ハズバンズ(1970年製作の映画)

4.5

カサベテスとピーター・フォークとベン・ギャザラ。十分すぎるほど大人の年齢になってもまだ大人の男に憧れてる情けない俺にとっては、大人の男映画筆頭って感じ。そもそもカサベテス映画には大人しか出てこない。け>>続きを読む

トロール(2022年製作の映画)

3.0

目から鱗の『トロールハンター』で火がついたらしきトロール映画最新版たぶん最終版。は殿山泰司+川谷拓三+ジミー大西な感じのトロールだった。殿山泰司も川谷拓三もジミーちゃんもちょっと不細工、けど心優しき生>>続きを読む

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

4.0

前二作が好きすぎたアレックス・ガーランド待望の新作は、A24仲間アリ・アスターの『ミッドサマー』超えを目指したのかって感じ。俺的にゃ超えちゃった感じ。初めて観に来た吉祥寺プラザごっつローカルでいいわあ>>続きを読む

アニエスによるヴァルダ(2019年製作の映画)

4.0

元祖マッシュヘア、元祖ヌーベルバーグだったアニエス・ヴァルダ。いくつか観た作品はどれも彼女の人格から1ミクロンも乖離してない。そんな印象。素直さと好奇心の塊みたいな、少女のようなアニエスおばあちゃん。>>続きを読む

ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

4.5

最後のショットのアニエスのモノローグで微かにじわっと泣きそうになった。とりあえず郷愁という言葉しか思い付かない。とりあえず愛ラブ小売店と言いたい。俺の愛するものから消えていく故国日本では、大規模スーパ>>続きを読む

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

3.5

あらすじにハンターは"完璧な夫と誰もが羨む暮らしを手に入れた"とある。どの都市社会でもやっぱりこれが大多数独身女性の求める完璧の定型なのか?"完璧"の内にいる男達はもちろん、女達もそれ以外の完璧などあ>>続きを読む

モービウス(2022年製作の映画)

3.0

MCUレクレーションも飽和しました。
再創造(re-creation)の時が来ました。

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.0

噂のセリーヌ・シアマやっと観た。と思ったら10年以上前にデビュー作『水の中のつぼみ』観てた。しかもそれにもエロイーズ役のアデル・エネル出てた。しかも彼女、実生活でセリーヌ監督のパートナーだったとかで色>>続きを読む

ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

4.0

『私が生きる肌』がめちゃくちゃ面白いんだけどちょっときもち悪くなって遠ざかってたアルモドバル。どれもいいんだけど同性の愛の壁超える気なくてちょっと苦手なアルモドバル。これも前半軽めな感じでやめようかと>>続きを読む

画家と泥棒(2020年製作の映画)

3.5

なかなか興味深いドキュメンタリー映画だったけど、観てる間ずっとほんとにドキュメンタリー?と疑念もやもやで、検索してみたら「サンダンスで審査員特別賞受賞し、BBCやワシントン・ポスト紙が2020年ベスト>>続きを読む

生きる(1952年製作の映画)

5.0

黒澤明自身1番好きな作品だと言ってたこの大傑作がビル・ナイ主演、カズオ・イシグロ脚本でリメイクされてる記念に、もう何度観たか不明だけどまた観た。相変わらず何度観ても映像術が超絶面白い黒澤映画。何という>>続きを読む

ロスト・シティZ 失われた黄金都市(2016年製作の映画)

3.5

ジェームズ・グレイ監督のこれの前作、地味だとかであまり好かれてない『アド・アトラス』がすごく好きだった理由は、たぶんあの静けさ。音だけでなく演技やら暗黒空間やら何やら、色んな静寂をスリル要素として使う>>続きを読む

霊的ボリシェヴィキ(2017年製作の映画)

3.0

タイトル超かっこいい超ビビりの俺でも観れる共産主義カルトホラー。あと10億ぐらい予算あったらカルト映画。

国家が破産する日(2018年製作の映画)

3.5

ハリウッドは名優揃えて『マネー・ショート』撮ってるし、韓国映画界もヴァンサン・カッセルまで呼んでこれ撮ってる。日本映画界はこんなの5本は撮れる経済ネタ腐るほどありながらもまだ撮る気配もなく、いまだパン>>続きを読む