ひでやんさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ひでやん

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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.7

祖母の死をきっかけに狂い出す家族の悲劇。

「21世紀最も怖いホラー映画」として絶賛された今作は、ビクッと飛び上がる怖さではなく、じわじわと精神を蝕む気持ち悪さがあった。胸中にベッタリと何かが纏わりつ
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.0

戦場を駆け抜けるトラッキング・ショット。

今作は伝令兵を「ワンカット」で追う映画という事で話題になっていたので、冒頭からカメラワークばかり意識しちゃって、カットの繋ぎを感じさせない長回しの映像に深く
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草原の実験(2014年製作の映画)

3.8

思いがけないラストに絶句。

冒頭のシーンが羨ましい。一度でいいから羊の枕で昼寝したい。見渡す限り続く草原にポツンと一軒家。そこで父と暮らす少女の美しさに心奪われる。心を射抜くような真っ直ぐな瞳が瞼の
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ベルイマン監督の 恥(1966年製作の映画)

4.2

耳にまとわりつく絶望のノイズ。

タイトルバックとともに不穏な音が流れ、その音は次第に大きくなり、孤島で暮らす夫婦の日常に鳴り響く。故障中だったはずの電話が鳴り、平日なのに教会の鐘が鳴る。そして戦闘機
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愛欲の港(1948年製作の映画)

3.5

ベルイマンの独特な演出が垣間見える初期作品。

元船乗りの港湾労働者と、投身自殺を図った女の恋物語。放題の「愛欲」がねえ…なんか違うんだよな。「港町の恋」でいいんじゃないか、普通過ぎるか。

冒頭、海
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太陽の家(2019年製作の映画)

3.0

半端な優しさはお節介となり、徹底した優しさは感謝となる。

『英二』以来20年ぶりとなる長渕剛の映画主演作だったので、大の剛ファンである自分は大喜びだった。しかし、期待よりも不安の方が大きくなり、なか
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ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

4.1

眼福を得る旅路。

エレノアを演じたダコタ・ジョンソンがとにかく可愛かった。もう彼女が画面に映る度に見惚れてしまい、目の保養になった。そんで、タイラーとザックを見ていると心の保養になる。やっぱロードム
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

4.1

オマージュに満ちた屋敷の中で、予定調和を壊す遊び心。

洋館、富豪の死、一族全員容疑者で名探偵登場という王道ミステリー。既視感を覚えまくっていると刑事が「ベタなミステリーの舞台みたいだ」というから笑っ
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菊次郎の夏(1999年製作の映画)

4.1

脳裏に蘇る懐かしい少年時代。

CMソングでも有名な久石譲作曲の「Summer」が冒頭で流れ、郷愁に満ちた旋律が心を優しく包む。学校帰りに商店街を歩く2人の少年、ゲーセンの前にいる不良を見つけて立ち止
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HANA-BI(1997年製作の映画)

4.5

花の命は短くて苦しきことのみ多かれど、風も吹くなり雲も光るなり_林芙美子

初見の時はいまいちな感想だったが、久しぶりに再鑑賞すると「こんなにいい映画だったのか」と思った。生と死の対比が全編通して描か
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.3

心のヒトラーをぶっ飛ばせ!

イマジナリー・フレンドに鼓舞され、絶叫しながら家を飛び出す少年。そして流れるドイツ語版ビートルズ。大衆を熱狂させた声は「さあ、君の手を」と歌い、同じく大衆を熱狂させるヒト
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.2

加速する高揚感。

ル・マンで開催される24時間耐久レース。そのレースをスティーヴ・マックィーン主演で撮った映画は、本物を追求するあまりレース以外のストーリー性は削ぎ落とされ、ドキュメンタリー・タッチ
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.4

卓越した演出力で描く韓国の格差社会。

軽快なテンポで進む前半は痛快。信頼を勝ち取りながら、次々とパク家に潜り込む寄生大作戦は上手く行き過ぎではあるが、欲にまみれた俗世間のトゲも毒も知らぬ金持ち奥様の
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

3.5

ギフトか災厄か。

原作未読で鑑賞した結果、高揚感を何度か覚えたものの、感動までには至らなかった。音楽の出会い、葛藤、挫折などの心理描写、友人や家族などの日常描写がないまま冒頭からコンクールに突入し、
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少年と自転車(2011年製作の映画)

3.9

断ち切られる心と結ばれる心。

ばーいしこ♪ばーいしこ♪と頭に流れる序盤、タイトルとなる「自転車」は単なる移動手段に思えて、あまり意味を見いだせなかったが、後半になってその重要性を感じた。

音信不通
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叫びとささやき(1972年製作の映画)

3.7

今まで観たベルイマン作品は全てモノクロだったので、カラーの映像はどんな色合いになるのかずっと気になっていた。冒頭、秋の陽光が差し込む森の風景が美しい。絵画のような映像にうっとりしていたのも束の間、目の>>続きを読む

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

4.5

人格を形成するものは己か他人か。

いまいち分かんなかったけど、なんかすげえもんを観ちまった。2回観ちまった。もう冒頭から強烈なインパクトあり。映写機、蜘蛛、性や暴力、罪をイメージさせるモンタージュ映
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狼の時刻(1966年製作の映画)

4.1

夫から妻へ、妻から観客へと伝染する得体の知れない恐怖。

カンカンとセットを作るトンカチの音が鳴り響き、ガヤガヤと騒がしいスタッフと監督の声が聞こえるタイトルバック。「静かに、カメラ、スタート」という
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不良少女モニカ(1952年製作の映画)

3.8

享楽的な日々に漂った刹那的な幸福。

八百屋で働く自由奔放な少女と、陶器店で配達係をする青年が恋をし、自由と幸福を求めて逃避行。社会に反抗とか、束縛からの解放とか、そういう逃避行は好きだ。自分の願望な
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カツベン!(2019年製作の映画)

3.6

さあさあ! みなさん、お立ち合い!

時は大正。映画が「活動写真」と呼ばれていた時代、無声映画の上映中に楽士が奏でる音楽とともに独自のしゃべりで物語を解説し、観客を熱狂させた活動弁士を描いた青春喜劇。
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屍人荘の殺人(2019年製作の映画)

3.3

デビュー作にしてミステリーランキング4冠達成という今村昌弘の原作はずっと気になっていたが、結局未読のまま映画を観てしまった。

ペンションという閉鎖空間で、ホームズとワトソンによる謎解き、犯人の意外性
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.0

再生のブレーキか、崩壊のアクセルか。

欲しい物があればネットで検索し、ポチッと押せば明日届いちゃう。便利な世の中だと思う自分は、宅配ドライバーの労働事情など考えなかった。荷物を受け取る時はいつも無言
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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.5

この世はでっかいVR。そうさ今こそアドベンチャー!

最近「メタバース」という言葉を耳にするたびに「なんのこっちゃ」と思っていたが、今作は入門編のようにそれを体験できる。ゲームのプレイ開始時に表示され
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ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

3.9

最終決戦の舞台に興奮。

蜂の巣のような六角形をあしらったカーペット、その上を三輪車が走る序盤にゾクゾクした。キングが不満だったキューブリック版『シャイニング』の再現は予想外で嬉しい。それにしても「あ
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ひとよ(2019年製作の映画)

3.2

自由と引き換えに背負うもの。

『ひとよ』という平仮名から『人よ』を思い浮かべていたが、『一夜』で家族が激変する物語だった。子供に暴力を振るう父を、母が車で轢くという衝撃の一夜ではじまるのだが、こんな
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アップグレード(2018年製作の映画)

3.8

一捻り加えたラストに思わず唸った。

AIチップを脊髄に埋め込み、超人的な身体能力を手に入れた男の復讐劇はよくある設定だが、終盤にかけての予想を裏切る展開に目が離せなかった。脚本が『ソウ』シリーズのリ
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

4.0

名声を得るほど募る背徳感。

『Yesterday』は名曲ですね。なんと言っても歌い出しの歌詞がいいよね。イエスタデイ〜ふーふっふっふんふんふんふぁーふぁふあ〜♪知らねえのかよ!

世界規模の大停電が
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天気の子(2019年製作の映画)

3.5

少女の犠牲で成り立つ多くの笑顔と、多くの犠牲で成り立つ少女の存在。

雲間から射し込む光や、その反射。窓に流れる水滴や、水溜りに落ちる雨。泣いたり微笑んだりする空模様の表現など、繊細なタッチの風景描写
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劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん(2019年製作の映画)

3.8

ほっこりする父と息子の大冒険。

突然退職した父と、正体を隠した息子がオンラインゲームの世界で交流する物語で、夜中に食べるお茶漬けのように心が温まった。

FFは、初のオンラインゲームとなった11を飛
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トム・アット・ザ・ファーム(2013年製作の映画)

3.9

同性愛への理解を持たぬ保守的な農村で、芽生えた愛と覚えた嘘。

都会から田舎へやって来たよそ者が、閉鎖的な空間で自由を奪われ、逃れたくても逃れられない状況に陥るのはなんとも息苦しい。トムの視点で村人を
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冬の光(1962年製作の映画)

3.8

牧師の苦悩を描いた「神の沈黙」三部作のひとつ。

最愛の妻に先立たれて以来、 失意のどん底に沈みながら、信仰に疑念を抱く牧師が主人公になっているが、彼の姿にベルイマンは父親を投影していたのだろうか。或
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処女の泉(1960年製作の映画)

4.2

牧師の家に生まれたイングマール・ベルイマンが描く信仰の深淵。

純真無垢な少女が凌辱の果てに命を奪われ、その父親が復讐する物語は、1960年の公開当時は大きなショックを観る者に与えただろう。凌辱から殺
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第七の封印(1956年製作の映画)

4.5

沈黙する神と、対話する死神。

第七の封印てなんのこっちゃと敬遠していた今作だが、覚悟を決めて鑑賞。もうね、海岸で死神とチェスをするオープニングが心を鷲掴み。打ち寄せる波をバックに生と死が対話するショ
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

4.1

カッコ悪くたっていいよ
そんな事問題じゃない
君の事笑う奴は
トーフにぶつかって死んじまえ
(THE BLUE HEARTS)

激し過ぎて疲れちまった。縁側で猫を膝に乗せて、お茶を飲みながら空を眺め
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凪待ち(2019年製作の映画)

3.7

白石和彌の作品は、殺伐とした重い空気の中に暴力と犯罪があるイメージだが、この作品は予想以上に内容が深く、冒頭からラストまでその世界に引き込まれ、あっという間に2時間が過ぎた。

信頼と裏切り、家族と他
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IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

恐怖のフォーチュンクッキー。未来はそんな悪くないよ。Hey! Hey! Hey!

いざ決戦!の2章は、冒頭で登場するグザヴィエ・ドランに驚き、大人を襲うピエロに首を傾げた。前作では、ベバリーの父には
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