名波ジャパン10さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

名波ジャパン10

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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.7

アカデミー賞作品賞受賞はどうなんだろうとクエッションマーク満載の作品。最近の受賞作品はLGBT、人種などダイバーシティがテーマの社会性の高い作品が続いており、観客を楽しませる(泣かせる)というエンター>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

4.3

非常に複雑な要素が絡み合うWinny事件の本質を鮮やかに描き切った傑作。4年の歳月を費やして全裁判記録を読み込んだ松本優作監督の執念と18kgの増量までしてWinnyの開発者金子勇を見事に再現し切った>>続きを読む

対峙(2021年製作の映画)

4.2

映画そのものが衝撃的な作品。導入部とエンディングを除き、全編が教会内の一室での4人の会話のみで構成されています(出演者は総勢7名)。フラン・クランツ監督のデビュー作ということであり、コストを抑えたとい>>続きを読む

湯道(2023年製作の映画)

3.6

秘湯マニアとしては外せない作品として観たのですが、大スベリ作品だったのが残念。随所に散りばめられた笑いが軒並み滑りまくり。夏木マリと橋本環奈の組合せで「湯婆婆と千尋ですよ。いいでしょう。」ってくすぐら>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.7

カンヌ国際映画祭作品賞受賞、アカデミー賞作品賞・監督賞・脚本賞の3部門ノミネート作品。傑作であることは間違いありません。現代の格差社会を皮肉った作品でテーマは悪くありません。ただ、体質的に受け付け難い>>続きを読む

ワース 命の値段(2019年製作の映画)

4.1

9.11同時多発テロの7,000人にのぼる犠牲者の遺族に対する政府補償プログラムを題材とした事実に基づく作品。遺族とプログラム推進メンバー(特別管理人受託法律事務所)との面談シーンはさながらドキュメン>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.3

日本のアニメ映画健在。「The First Slam Dunk」に続いてのアニメ映画の傑作。実写ならともかくアニメ化は不可能だと思われるジャズ演奏シーンを見事に映像化。ピアノの指使い、ドラムのスティッ>>続きを読む

タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター(2023年製作の映画)

4.8

私的史上No.2作品。25年を経て色褪せるどころか改めて素晴らしさを実感する作品です。海底で朽ち果てた船内がかつての豪華客船のダイニングルームに蘇るシーン、モネの睡蓮が浸水してきた海水の中を漂うシーン>>続きを読む

シャイロックの子供たち(2023年製作の映画)

3.7

銀行の裏側を描く池井戸潤作品の映画化。半沢直樹シリーズの波瀾万丈さには程遠いが、それだけに銀行の実相に近いのかもしれない。「シャイロックの子供たち」という題名自体が池井戸潤の銀行観を表している様に思え>>続きを読む

アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.7

「エンドゲーム」で大看板のアベンジャーズに終止符を打ったマーベル映画フェーズ3。2021年に開始されたフェーズ4ではエターナルズやシャン・チーといったニューヒーローを送り出しましたが、完全に迷走状態に>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

4.1

如何にも賛否が分かれそうな作品でした。傑作名画に絵の具を塗りたくって前衛作品に仕立てた感じ。サイレントからトーキーへの移行期のハリウッドという時代背景とテーマが面白いだけにとても残念。冒頭の阿鼻叫喚の>>続きを読む

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

3.8

パン・ナリン監督が映画の道を志した自らの幼少期を描く自伝的作品。映画監督誰しもが自らの子供時代を描きたいという欲求に駆られるのでしょうが、観客にとっては他人の思い出話に付き合わさせられる訳で監督の思い>>続きを読む

金の国 水の国(2023年製作の映画)

4.1

とても心地良いアニメ作品。今どきの女子達(年齢に関係なく)には堪らないだろうなと思う要素満載。まず、主役の男女が美男美女ではない。ましてやヒロインはむしろ容姿にコンプレックスを有する王女。それに対して>>続きを読む

パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(2020年製作の映画)

4.2

カーアクションはハリウッドの十八番と思っていましたが、韓国映画がその牙城を崩してくれました。ハリウッド映画が必然性もなくカーチェイスを挟んで派手に車を壊しまくるのが殆どなのに対して、この韓国映画ではし>>続きを読む

モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.3

エンリオ・モリコーネ本人のインタビューを中心に彼の生涯を描くドキュメンタリー映画。音楽学院でのエピソードまでを描く前半は絶対音楽だとか対位法の作曲とか音楽の素養がないと判らない内容が続き、隣の観客はす>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.2

アカデミー賞作品賞最有力と評されている作品ですが、何とも感想を表現し難い作品。敢えて言うと、初めて訪れた異国の地のレストランでお勧め料理を頼んだところ何か全く判らない食材の料理が出てきて、これまで味わ>>続きを読む

そばかす(2022年製作の映画)

4.2

日本映画の良さが詰まった逸品。「ドライブ・マイ・カー」の三浦透子の初主演作。恋愛感情を抱けない主人公に離婚歴3回のおばあちゃん、鬱病で休職中の父親、妊娠中に浮気をされている妹という家族が絡んで物語は進>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.2

ニューヨーク・タイムズの2人の女性記者がハリウッド大物プロデューサーの性暴力を暴くまでを再現した実話に基づく作品。主役が女性2人である他、監督、脚本家も女性で、女性の視点が貫かれた作品です。実名を明か>>続きを読む

ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY(2022年製作の映画)

4.2

「ボヘミアン・ラプソディ」の脚本家が脚本を手掛けたホイットニー・ヒューストンの伝記映画。「ボヘミアン・ラプソディ」に比べてストーリー性は薄いものの選曲が見事で彼女の人生が曲の歌詞で描かれるという構成は>>続きを読む

非常宣言(2020年製作の映画)

4.2

航空機パニックものという手垢のつきまくったテーマをここまで見事なエンターテインメント作品に仕上げるとは、韓国映画には脱帽するしかありません。昨年の「モガディシュ」に続いて韓国映画への敗北感。もはや邦画>>続きを読む

ドリーム・ホース(2020年製作の映画)

4.2

全くベタな感動物語。しかし、展開がほぼ読めてしまうのに何故か目頭が熱くなってしまう作品です。実話の映画化というリアリティが作品に不思議なオーラを与え、あり得ない奇跡を実現したウェールズの片田舎の人々の>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.2

アバター初作は3D映画に革命を起こし、興行収入でも歴代トップの金字塔的作品です。そして、14年の時を経て公開されたこの第2作は3Dに頼らずとも映像だけで勝負できるもはや超一流の芸術作品。ストーリーが白>>続きを読む

かがみの孤城(2022年製作の映画)

4.2

辻村深月の最高傑作と評されるファンタジーミステリーのアニメ化作品。原作は読んでいませんが、原作の舞台設定、キャラクターがかなり忠実に映像化されているのではないかと思います。原作の世界観、メッセージがス>>続きを読む

ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

4.2

古き良き時代のイギリス映画という感じのとても心地良い作品。特に女性にとっては心地良い以上の快感で堪らない映画だと思います。主役の女性はチャーミングだし、登場人物は皆んないい人ばっかり。クリスチャン・デ>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.2

TVドラマ「アトムの童」のヒロイン役などで赤丸急上昇中の岸井ゆきの主演作品。実在した聴覚障害の女性ボクサーの自伝を下敷きにした作品であり、全編の大半を占めるボクシングの練習シーン、試合シーンは圧巻。生>>続きを読む

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

4.1

二宮和也、松坂桃李、安田顕といった芸達者の好演と実話に基づく感動ストーリーにより自然に泣ける良質なヒューマンドラマとなっています。この手の収容所モノの場合、通常は冷酷無慈悲な看守の中にも人間味のある人>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.3

圧倒的な迫力と見事な構成。原作者が脚本・監督を務めているだけあって原作の魅力を十二分に引き出し、映画館の大画面・大音響を最大限に活かした傑作です。原作のクライマックスであるインターハイ2回戦山王工業戦>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

3.9

「マチネの終わりに」に続く平野啓一郎のベストセラー小説の映画化。「マチネの終わりに」はパリ、ニューヨークの街並みを丹念に描くことにより小説の映像化に成功していたが、人の内面の深部に視点が向かうこの作品>>続きを読む

線は、僕を描く(2022年製作の映画)

4.2

水墨画に込められた日本人の美意識を見事に描き切り、それだけでも評価出来る作品。横浜流星がギラギラ感を消し去り、喪失感に苛まれる主人公を好演。一方で、清原伽耶はワンパターンの透明感ですが、ハマり役。原作>>続きを読む

犯罪都市 THE ROUNDUP(2022年製作の映画)

3.8

型破りのヤバい刑事とギャングの死闘を描く韓国映画。日本映画でいえば「狐狼の血」ということになるが、「狐狼の血」がウェットで捻りだらけなのに対して、こちらはパワー系の直球だけで押しまくるサッパリ、ドライ>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.2

新海誠監督が「君の名は。」「天気の子」で連続して取り上げてきた天災と人々の営みというテーマの総括作品。3.11を想起させる映像に震災前の人々の日常の営みを重ねるシーンは胸を締め付けられます。一瞬に喪失>>続きを読む

窓辺にて(2022年製作の映画)

4.1

「街の上で」の今泉力哉監督作品。今泉監督定番の浮気を絡めた3組のカップルの恋愛模様。等身大の恋愛模様が今泉ワールドの特徴ですが、本作品は「愛する」とは何かを深掘りしようとした為に主役稲垣吾郎の存在の重>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.2

「少年ジャンプ連載漫画のインドでの実写映画化」と言われたら信じてしまうほどの「友情・努力・勝利」そのものの映画。漫画そのもののアクションシーンやダンスシーンを違和感なく映像化しているのは、さすが「バー>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

4.2

B級映画の教科書的作品ということで加点評価。主な出演者は7人。しかもその中で名前が通っているのはマキタスポーツ程度。ロケ地はほぼオフィスの一角のみ。タイムループものなので、82分という短い上映時間の中>>続きを読む

愛する人に伝える言葉(2021年製作の映画)

3.9

主役は膵臓癌で余命宣告された演劇科講師とカトリーヌ・ドヌーブの演じるその母親だが、実在の癌専門医が演じる主治医と彼を取り巻く看護師の患者に寄り添う姿がむしろ見所。実在の癌専門医の哲学が貫かれた病院ドラ>>続きを読む

もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)

3.8

正に画蛇添足(蛇足の語源)の映画。途中までのたうち回る見事な蛇を描き切っていたのに、最後に余計な足を描いてしまって、すべてが台無しに。舞台の映画化ということで、ラストの演出は演劇の舞台では十分アリだが>>続きを読む