名波ジャパン10さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

名波ジャパン10

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憧れを超えた侍たち 世界一への記録(2023年製作の映画)

4.3

素晴らしいスポーツ・ドキュメンタリー。
最近のスポーツ・ドキュメンタリーは「ロストフの14秒」や「三笘の1mm」の様に劇的なスポーツシーンをプレーヤーなどのインタビューで解析するというマニアックな傾向
>>続きを読む

ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

4.2

無茶苦茶なストーリー展開、ありえないカーアクション、偏執的なクラッシュ・爆発シーンの連続。私はワイルド・スピードシリーズを畏敬の念を込めて、「究極のおバカ映画」と呼んでおります。今回も、3億ドル(!)>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.6

「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフ作品の実写版と知ったのは、映画鑑賞後。鑑賞前に知っていたら、見方も変わり、もう少し楽しめていたかもしれません。高橋一生が独特のキャラクターを極く自然にこなしていた以>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.0

「坂本龍一追悼作品」として観るべき映画。独特の身体に沁み入る様なゆったりとしたメロディーが印象的でした。登場人物それぞれのエピソードが描かれ、それがより合わさってストーリーを紡いでいく手法が取られてい>>続きを読む

波紋(2023年製作の映画)

4.1

日本で女性として生きることの息苦しさ、鬱屈が込められていながら、それを笑い飛ばしている怖くて、それでいて痛快な作品。介護、新興宗教という現代風のテーマを重くなり過ぎずにズバッとその本質をえぐって描いて>>続きを読む

ライフ・イズ・クライミング!(2023年製作の映画)

4.3

ドキュメンタリー映画は映画作品として評価すべきではないとの意見があります。映画作品の重要要素であるスジ(ストーリー)、ドウサ(役者の演技)が欠けているからです。この作品はその議論に対する見事な回答とな>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.8

アカデミー賞6部門ノミネート、評論家絶賛の作品。イコール面白い作品とは限りません。オーケストラの演奏シーンは迫力満点。時折り挟み込まれる風景映像が美しい。ただ、158分の長尺は正直退屈でしたし、余り意>>続きを読む

ウィ、シェフ!(2022年製作の映画)

4.1

最近のフランス映画で度々取り上げられる不法滞在問題がテーマ。フランスでは意見を二分する深刻な社会問題化していることが窺えます。本作品は、未成年の不法滞在者に調理という職業訓練を行うことで就労滞在の道を>>続きを読む

最後まで行く(2023年製作の映画)

4.0

2014年公開の大ヒット韓国映画のリメイク作品。既に中国、フィリピン、フランスでリメイク版が制作されており、特にフランス版はヒット作品となっています。一旦オモテ面のストーリー展開を見せておいて、途中で>>続きを読む

EO イーオー(2022年製作の映画)

3.8

ポスターからロバが主役のコミカルな作品を予想して劇場に。ところが、監督は世界3大映画祭を制したポーランドの巨匠、85歳。ロバの眼を通して社会の歪みを描くというかなり暗めの実験的な作品でした。癖の強い作>>続きを読む

ブラフマーストラ(2022年製作の映画)

3.7

バーフバリ→RRRと観てきて期待度Maxだっただけに肩透かしとなってしまった作品。劇中「我々はアベンジャーズだ」という台詞が出てきますが、ボリウッド版アベンジャーズというよりはXメン+ファンタスティッ>>続きを読む

銀河鉄道の父(2023年製作の映画)

4.0

菅田将暉主演作品にハズレ無しの法則。更に役所広司が加わり、森七菜の予想外の好演もあって鉄板の感動作に仕上がっています。ただ、ストーリーとしては父親の息子への溺愛ぶりには感情移入出来ず、個々のエピソード>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.2

マーベル映画の中では異彩を放ち、恐らく最もファンに愛されているGotG。GotGの愛されキャラの中で一番の人気キャラながらこれまで「凶暴なアライグマ」としか表現されていなかったロケットの出自がいよいよ>>続きを読む

せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.8

なんとも不思議な映画。糞尿の映像と「ちゃっぽん、ちゃっぽん」の音響が観た後に残る映画ですが、観後感はとても爽やか。モノクロの時代劇にスタンダードサイズのスクリーンという古き日本映画そのものなのにテーマ>>続きを読む

劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室(2023年製作の映画)

4.2

エンドロールで流れる救急医療の現場の写真がこの作品の魅力の全て。一旦安心させた直後に奈落の底に突き落とす、そして、万事休すの瞬間に現れる救世主というワンパターンのストーリー展開や現実離れした手術シーン>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.0

ビデオゲームの映画リメイクは「バイオハザード」シリーズは別格として、「ソニック・ザ・ムービー」、「名探偵ピカチュウ」など今ひとつ芳しくないものが殆ど。ビデオゲームの性質上原作のストーリー性が薄いので自>>続きを読む

東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-(2023年製作の映画)

3.9

第1作にハマって今回も期待して観ましたが、内容は何と東京リベンジャーズ3の予告編。伏線のみ埋め込まれた120分で伏線回収は次回作でといった具合。それでも次回作への繋ぎだけで観客を120分間繫ぎ留めるの>>続きを読む

ヴィレッジ(2023年製作の映画)

3.6

予告編とポスターを見る限りではホラー映画。「新聞記者」、「ヤクザと家族」の藤井道人監督だけにそれは無いだろうと思っていましたが、やはり社会派ドラマ。村社会の閉鎖性と現代の村おこしの矛盾というテーマ性を>>続きを読む

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.9

イラン第二の都市であり、イスラム教の聖地の一つマシュハドで実際に起こった娼婦連続殺人事件を題材にした作品。イランにおける女性の人権問題の根深さが判るとともに狂信の恐ろしさが見事に描かれています。殺人犯>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

4.1

介護が必要となって住み慣れた自宅から介護施設に移る92歳の女性の半生を描いた作品。女性の半生そのものはありがちなストーリー展開ながら、介護施設に移るまでのタクシー内の会話で半生を描く手法やパリの街並み>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.0

本来、感動作。本来、涙すべき作品。エンディングで作品中の人物は皆んな泣きじゃくっていますが、観客は感情移入できずに置いてけぼりにされたままです。死に直面している肥満症の主人公、反抗期の娘、悩みを抱えた>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

4.1

PCとスマホの画面だけで構成された映像が正に衝撃そのものだった「Search」の続編。前作は中年の主人公が悪戦苦闘しながらネット上の情報を手掛かりに行方不明の娘を探すというストーリーでしたが、本作はZ>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

4.1

プロジェクトXナイキ版とも言えるエア・ジョーダン誕生秘話。マイケル・ジョーダンに新人時代から注目していたというナイキの慧眼、NBAのシューズに関する細か過ぎる規制、スポーツビジネスに革命をもたらしたロ>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.2

不朽の名作のリメイクといえば、スピルバーグ監督による「ウェスト・サイド・ストーリー」。ただ、これは生けるレジェンドだからこそのなせる技。世界のクロサワの名作中の名作のリメイクは若手のオリバー・ハーマヌ>>続きを読む

オットーという男(2022年製作の映画)

4.2

ハリウッド流正統派感動作。家族愛、隣人愛と人生という古典的テーマを笑いの中に涙させるという伝統的手法で描いています。様々な伏線を回想シーンで回収するというのも教科書的ストーリー展開。受賞に縁が無かった>>続きを読む

わたしの幸せな結婚(2023年製作の映画)

4.0

目黒蓮、大西流星、今田美桜、「わたしの幸せな結婚」のタイトル、映画サイトでの高評価。正直、ジャニーズの学芸会程度の期待しかしていませんでしたが、どうしてどうしてなかなかの力作。小説が原作になっているに>>続きを読む

グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)

3.6

久々の二次元アニメ。映画サイトの圧倒的な評点の高さに惹かれて観ましたが、予備知識ゼロではさすがについていけませんでした。途中で轟沈。独特の世界観と多彩なキャラクターがマニアには堪らないのでしょうが、ご>>続きを読む

ロストケア(2023年製作の映画)

4.3

エンドロールの後に残されたのは感動というよりは重い沈黙。余りにも重たい質問を投げかけられて観客は俯いて沈黙するしかありません。孤独死、認知症老人の介護、介護士による安楽死殺人という極めてデリケートで、>>続きを読む

シング・フォー・ミー、ライル(2022年製作の映画)

3.7

オーソドックスな動物主人公作品で標準以上の出来とは思うが、Singシリーズとどうしても比較してしまうので、高評価は出来ない。「自信を持てば全てが変わる」というメッセージは伝わってくるが、主役のライルの>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

4.1

闇バイトでの強盗が連続している時期だけに殺し屋組織や敵役の殺し屋バイトという設定にはかなり抵抗を覚えますが、そこを割り切れば、かなり楽しめるバイオレンスコメディ。とにかく主人公の殺し屋少女コンビのゆる>>続きを読む

The Son/息子(2022年製作の映画)

4.0

父と息子の絆とそれぞれの葛藤を描いた佳作。答えのないテーマに向き合ったエンディングがとても切ない。ラ・ラ・ランドのエンディングの演出と被るが、願望と現実の順番を入れ替えていたらより劇的なエンディングに>>続きを読む

長ぐつをはいたネコと9つの命(2022年製作の映画)

4.0

アカデミー長編アニメ賞ノミネート作品ということで一応チェック。主役の長靴を履いた猫のメインストーリー以上にバイプレイヤーのチワワと3匹のクマと少女のストーリーが絶妙。特に「3びきのくま」は、なんのオチ>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.2

庵野秀明脚本・監督作品。仮面ライダーin庵野ワールドというか、エヴァンゲリオンの仮面ライダーバージョン。世界征服を目論む謎の国際的秘密組織SHOCKERを敢えて「Sustainable Happine>>続きを読む

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.3

本当に心に沁みる名作です。余命宣告をされたシングルファーザーが幼い息子の養子縁組先を探すというストーリー。父子の交流の切なさ、養子縁組希望先の様々な家族観が描かれて重厚なヒューマンドラマとなっています>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.8

スピルバーグ監督作品のルーツを探る再現ドラマとして観ると勉強になりますが、映画作品としては、ましてやアカデミー賞作品賞ノミネート作品としては物足りなさを禁じ得ません。ただ、151分という長尺を途中飽き>>続きを読む