名波ジャパン10さんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

名波ジャパン10

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レイジング・ファイア(2021年製作の映画)

4.1

香港の自由は奪われてしまいましたが、香港映画は健在でした。カンフースタイルの格闘アクション、ほとんど無意味なカーチェイス、掟破りの繁華街での銃撃戦。これぞ香港映画と唸らされる傑作です。ただし、中国との>>続きを読む

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

4.1

呪術廻戦0。公開3日間の興行収入は「鬼滅の刃」に次ぐ歴代2位。ハマるのは理解できます。いわば、トルコライス。ピラフ、ナポリタン、トンカツという全部乗せが絶妙なマリアージュでクセになる美味しさ。エヴァン>>続きを読む

キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

4.2

キングスマンシリーズは元々高く評価していますが、この最新作は間違いなく傑作。歴史ミステリーとしても十分に評価出来る作品です。第一次世界大戦をビクトリア女王の孫達である従兄弟同士の争いと定義し、怪僧ラス>>続きを読む

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男(2019年製作の映画)

4.2

巨大企業デュポンの環境汚染隠蔽に挑む一人の弁護士の闘いを描いた秀作。超人ハルク役でお馴染みのマーク・ラファロがプロデュースし、自ら主役の弁護士を演じています。風体の冴えない実直だけが取り柄の弁護士をマ>>続きを読む

ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

4.2

社交不安障害、適応障害を抱える高校生達を描く。自死の問題にも正面から向き合っている秀作。安易に友情や家族の愛に解決を求める逃げを打つことなく、むしろそこで裏切られるかもしれないことを直視しつつ、それで>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.0

ホラーとしては難点が多くて及第点には届かないが、とにかく、鏡やガラスを使った実験的な映像が素晴らしい。助演女優のアニャ・テイラー=ジョイもグッド。60年代の音楽、ファッションも楽しめる本筋以外で十分元>>続きを読む

マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

3.7

Love is the genesis of everything.という措辞がエンドロールの最後に表示されるが、このありきたりのメッセージがこのマトリックス最新作の全て。AIの生み出す仮想空間で生き>>続きを読む

彼女が好きなものは(2021年製作の映画)

4.1

最近のジェンダーものは敬遠しているのですが、映画サイトの評価の高さに惹かれて鑑賞。ほとんど映画初主演の役者達のぎこちない演技の中で主役の神尾楓珠の演技はピカイチ。また、「おちょやん」の養子役だった前田>>続きを読む

あなたの番です 劇場版(2021年製作の映画)

3.7

予告編と広告そしてTVドラマ版の評判から期待度マックス。見事に裏切られました。キャラクターは曲者ばかりなのですが、TVドラマの予備知識がないとうるさいだけ。ストーリー展開は途中まではテンポ良く進むので>>続きを読む

ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)

3.7

戦後29年もの間フィリピンのジャングルに潜伏し続けていた小野田元陸軍少尉の孤独な闘いを描く。フランス人ジャーナリストの原作をフランス人監督が映像化した日欧合作映画。理屈っぽいフランス人にしては、ジャン>>続きを読む

ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

3.8

今の時代に残っている絶対的な正義のヒーローはアンパンマンのみ。最近のヒーローはトラウトを抱えていたり、ダークヒーローだったり。子供達にとってこれはいいことなのかどうか考えてしまいます。そのダークヒーロ>>続きを読む

モスル~ある SWAT 部隊の戦い~(2019年製作の映画)

3.9

モスルはイラク第二の都市。イラク戦争で米国の空爆により大きな被害を受けた後、イスラム国の侵攻で再び戦場と化した。この作品ではイスラム国の侵攻に対してゲリラ活動を行うSWAT部隊の戦いを描いている。同じ>>続きを読む

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.2

35歳で夭逝した天才ミュージカル劇作家・作曲家、ジョナサン・ラーソンの自伝的ミュージカルの映画化。劇中でミュージカル作りが進行するという入れ子構造の作品なので、ミュージカル映画とは言えないのですが、劇>>続きを読む

リスペクト(2021年製作の映画)

4.1

ソウルの女王アレサ・フランクリンの伝記映画。彼女が父親や夫からの抑圧や束縛から抜け出し、自由解放運動の先導者として自立していく姿が描かれている。それは女性蔑視、人種差別への抵抗でもあり、彼女がステージ>>続きを読む

ほんとうのピノッキオ(2019年製作の映画)

3.7

イタリアサッカーに「ウーノ・ア・ゼーロの美学」という言葉があります。「1対0で勝つのが一番美しい勝ち方」という意味ですが、イタリア人の価値観のややこしさを的確に表していると思います。イタリア映画の真骨>>続きを読む

エターナルズ(2021年製作の映画)

3.9

評論家の評価が低く、一般の評価も二分されている微妙な作品。「ノマドランド」でアカデミー賞監督賞を受賞しているクロエ・ジャオ監督作品だけに仕掛け満載。まず、Kingoというボリウッド・スター。原作では日>>続きを読む

劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

3.8

Filmarksではあり得ない高得点評価。レビューはほとんど女性という特異な作品。覚悟はしていましたが、観客は男女のカップルさえいない、女子一色。内野聖陽の演技は抜群だし、西島秀俊との掛合いも悪くない>>続きを読む

老後の資金がありません!(2020年製作の映画)

4.0

「そして、バトンは渡された」に続いての前田哲監督作品連戦。作品としてはほとんどショートコントのオムニバス作品。ただ、そこで終わらせていないのは、監督自身「作品の80%はキャスティング」と言っているよう>>続きを読む

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)

4.0

不思議な作品。どこにどう感情移入したらよいのか戸惑いましたが、周りでは嗚咽が。今風の感動ドラマなのか、最後はあの「マンマ・ミーア」を思わせるシーンに思わず、絶句。それでも、永野芽郁、田中圭という華もク>>続きを読む

モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

4.1

パニックは時として狂気を生み出します。この作品は9.11の同時多発テロをきっかけに2002年に設置されたグアンタナモ湾収容所を告発する社会派ドラマ。同収容所に14年間不当に拘束されていた男性の手記がベ>>続きを読む

ロン 僕のポンコツ・ボット(2021年製作の映画)

3.7

持ち主のプロファイルをネット上の情報から把握してベストフレンドとなり、更にはプロファイルのマッチングでネット上のベストフレンドを探し出すという友達作りロボット。それって違うんだよねというSNS時代のア>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.2

舞台は14世紀のパリとノルマンディー。中世のパリというと華やかな宮廷絵巻を思い浮かべるが、百年戦争の最中、ペストの大流行で人口の半数近くの命が奪われ、荒廃した市中が描かれている。当時の風俗、建物、街並>>続きを読む

燃えよ剣(2021年製作の映画)

4.2

司馬遼太郎原作の映画は雄大な歴史観と独特の人物解釈を描ききれずに大体が失敗作となってしまうのは前作「関ヶ原」が物語っていますが、この「燃えよ剣」は別物。「関ヶ原」では石田三成役での好演が報われなかった>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.9

前評判抜群の作品。確かに映像は凄い。音楽・音響もいい。砂漠のシーンの撮影は大変だったと思う。でも、既視感満載。Star Wars?ジブリ?しかも、シリーズモノの導入部分だけで終了。という訳で、作品とし>>続きを読む

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.0

2021年アカデミー賞で主要6部門にノミネートされ、音響賞・編集賞を受賞した作品。音響賞・編集賞の受賞は納得。出だしの椅子を揺さぶる様に伝わってくるドラム音は規格外。正にドラム音に包み込まれます。ドラ>>続きを読む

TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

3.7

ムーミンの作者トーベ・ヤンセンの半生を描いた作品。ハリウッドが商業主義で時流に合わせて作ったならともかく、トーベの母国で何でこんな作品を作ったのかと思ってしまう残念な作品。ムーミンの独特のキャラクター>>続きを読む

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.1

007シリーズもボンド役が6代目を数えて25作目。男はつらいよシリーズの50作には及ぶべくもありませんが、60年にわたる堂々たる最長寿シリーズ。相変わらずの荒唐無稽、プロットの回収されないずさんな脚本>>続きを読む

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

3.9

東日本大震災と生活保護という2つの重いテーマに連続殺人事件というミステリーを絡めた作品。本来、2本か3本に分けて作品化すべきところが、1本になっており、いわば三色海鮮丼をお得とみるか、物足りないとみる>>続きを読む

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

4.1

ジャーナリズムは歴史の傍観者であってはならないが、歴史の裁定者にもなってはならないという中立性が求められている。芸術やエンターテインメントは観るものの感動が前提になるだけに、むしろ中立性は足枷になる。>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

4.1

劇中に「みんなどうやって折り合いをつけていくんだろう」という主人公の台詞があるのですが、折り合いのつけられない不器用な人達のそれぞれの悲劇。古田新太、松坂桃李、寺島しのぶをはじめ、子役に至るまで、役者>>続きを読む

クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

4.0

MI6といえば007のような超人スパイを思い浮かべますが、実は一般人もスパイ活動に利用していたというノンフィクション作品。アクションシーン一切なし、カーチェイスも勿論なし、潜入シーンさえもなし。スリル>>続きを読む

マスカレード・ナイト(2021年製作の映画)

3.8

一作目「マスカレード・ホテル」は、キムタク、長澤まさみ出演の超豪華なホテルマン研修ビデオでしたが、今回は、しっかりとミステリー作品として楽しめました。原作者の東野圭吾氏に「木村さんの演じる新田刑事は原>>続きを読む

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)

4.1

「浜の朝日の嘘つきどもと」。ストーリー展開は粗く、映像もチープ感は否めず、B級映画となりそうなところを見事なキャスティングでカバーした稀有な作品。俳優の素を活かしたキャスティングでここまで観客を惹きつ>>続きを読む