名波ジャパン10さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

名波ジャパン10

名波ジャパン10

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SING/シング:ネクストステージ(2021年製作の映画)

4.3

たかがアニメと侮るなかれ。極上のミュージカル。劇中の楽曲に手抜きは無いし、劇中劇の舞台の演出は細部にこだわり抜いて、見事のひとこと。歌唱も含めた全編吹替が許諾されたのは世界でも日本だけということで、敢>>続きを読む

アンネ・フランクと旅する日記(2021年製作の映画)

4.2

この作品の素晴らしさは見事な編集で「アンネの日記」を再現しつつ、観客に原作を読み直してみたいと思わせる点。「アンネの日記」は「赤毛のアン」と並んで、少女の必須読本ながら、少年にとってみると敬遠しがちな>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.1

バットマンの苦悩は偏執的なところまで深まり、ゴッサムシティの犯罪と腐敗の闇は更に深まる。ヴィランの生い立ちやキャラクターの深掘りも更に進んだ。とにかく深い作品。殆どのシーンが雨の夜という映像もその雰囲>>続きを読む

ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

4.2

米国の国際養子縁組の闇の部分にスポットを当てた力作。米国では子供に恵まれない家庭のみならず、既に子供のいる家庭でも児童福祉の為に孤児や虐待を受けている子供を引き取るなど毎年12万人の養子縁組が行われて>>続きを読む

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

3.7

映画は耐えきれないほどの長さの静寂の後突然の爆発音(主人公の幻聴)で始まる。それに続く自動車の盗難防止警告音。台詞は無い。その後も雨音、風の音、せせらぎの音で映画が紡がれる。脈絡の無いストーリー展開で>>続きを読む

ライフ・ウィズ・ミュージック(2021年製作の映画)

3.9

オーストラリアのシンガーソングライター、Sia(シーア)の原案・脚本・製作・監督作品。アルコールと薬物依存症で自殺まで考えたという自らの過去を主人公に重ね合わせ、そこに自閉症の妹、悲惨な秘密を抱える優>>続きを読む

余命10年(2022年製作の映画)

4.2

予備知識無しで観るとよく出来た超感動的な作品。ただ、37歳の若さで難病の為に夭逝した小坂流加さんの私小説的作品が原作となっていることを知った上で観ると切なさ以上の想いが胸を締め付ける。小松菜奈、坂口健>>続きを読む

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.7

ケネス・ブラナー監督・主演のオリエント急行殺人事件の続編。エジプトの風景映像は見事だし、人物の表情のアップを多用するカメラワークも面白い。ただ、凝りに凝って伏線が張り巡らされたミステリー作品に慣れ親し>>続きを読む

シラノ(2021年製作の映画)

3.9

客観的に評価するとそこそこの良く出来たミュージカル作品。ただ、時期的にスピルバーグ監督の「ウェストサイドストーリー」と重なり、フランスを舞台としたミュージカルということで「レ・ミゼラブル」と比べてしま>>続きを読む

ゴヤの名画と優しい泥棒(2020年製作の映画)

4.2

実話に基づくことがとても信じ難いストーリー。主人公の実際の孫が企画・監修しているだけに事実よりはかなり美化されているのかもしれません。主人公の愛すべきキャラクター、妻との絶妙なやり取り、法廷での感動的>>続きを読む

ドリームプラン(2021年製作の映画)

4.3

原題は「King Richard」。ウイリアムズ姉妹を育てた父親の名前となっていますが、母親を含めた家族の物語であり、邦題「ドリーム・プラン」の方が作品を的確に表現しています。父親が娘をトッププレーヤ>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.2

今は別れてしまった男女の過去5年間のさりげない日常を切り取ったラブストーリー。コンセプト的には「花束みたいな恋をした」に被るが、「花束」が文字通り花束が色褪せていく姿を描いているのに対して「ちょっと」>>続きを読む

アンチャーテッド(2022年製作の映画)

3.8

人気ゲームの実写化というと大コケした「モンスター・ハンター」があるが、こちらはまだストーリー性が高くて映画としてそこそこ評価できる作品。ただ、インディ・ジョーンズの後継シリーズと位置付けるには謎解きが>>続きを読む

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.3

間違いなく名作。但し、60年前のストーリーは今の世代には不自然さを感じるのだろう。予想外に映画サイトの評価が低い。スピルバーグ監督の子供時代に家庭で聴いた最初の音楽はウェスト・サイド・ストーリーだとい>>続きを読む

ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサート(2022年製作の映画)

4.3

5日間限定上映。出遅れて、既に東京の上映館はことごとくチケット売切れ。川崎の上映館で空きを見つけて、何とか鑑賞。この時期に満席の劇場。通常の上映で上映後拍手が湧き起こった映画は初めて。ビートルズの偉大>>続きを読む

鹿の王 ユナと約束の旅(2020年製作の映画)

3.6

原作は、2015年度の本屋大賞と日本医療小説大賞をダブル受賞したファンタジー小説。日本医療小説大賞を受賞した作品だけに伝染病との闘いが重要なテーマとなっており、強大な帝国と辺境の小国の争いが背景となっ>>続きを読む

ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

4.2

今でもテーマソングが時々流れ、ロゴやマシュマロマンのキャラクターが人気の永遠の名作「ゴーストバスター」第1作が公開されたのは約40年前。本作の監督ジェイソン・ライトマンは第1作の監督アイヴァン・ライト>>続きを読む

大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

3.4

東映・松竹が総力を結集して、東宝の「シン・ゴジラ」に対抗する作品となるはずだった映画。それが、どこでどう間違ってしまったのか、最悪の作品に。怪獣を倒すのではなく、その後始末を巡っての政治劇という視点は>>続きを読む

前科者(2022年製作の映画)

4.2

コミック原作を上手く活かしたヒューマンドラマ。一般的にコミック原作と映画の親和性は高いと思う。主人公のキャラクターはコミックの生命線だし、そのキャラクターを活かし切れば観客を惹きつける確率はかなり高く>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.8

毎年何本かはある実験的な前衛作品。自分には向いていないと自覚しつつもスルー出来ず、ついつい観てしまいます。案の定、途中でウトウトし、筋を追えず。真面目に観たら見所十分な作品なんでしょうが。
ただ、フラ
>>続きを読む

明日に向かって笑え!(2019年製作の映画)

3.8

「明日に向かって撃て!」は好きな映画Top3なので、タイトルに惹かれて鑑賞。原題は「間抜け達のオデッセイ」。さすがにこの邦題には無理あり。エンディング曲の「泣くな、アルゼンチンよ」を邦題にした方がずっ>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

4.1

アトミック・エースの次世代クリエイター映画開発プロジェクト「CINEMUNI(シネムニ)」第1弾作品。低予算作品だが、質の高い映画。サスペンスとしても上出来な上に昭和のテーストを感じさせる映像もなかな>>続きを読む

ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

4.1

上質な正統派サスペンス。航空機墜落事故の事故原因が調査官の推理により二転三転していくストーリー展開は絶妙。ロケ、セット、出演者を極力絞ったのがミエミエの低予算映画ながら、音声が重要な役割果たしている映>>続きを読む

スティルウォーター(2021年製作の映画)

4.1

最近の米国映画は美男美女はまず出てこない。すんなり感情移入できる主人公も出てこない。観客にとっては全く厄介な傾向にあります。本作品も子役のマヤを除くとややこしいキャラクターばかり。どんよりとした終わり>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.3

フランス映画「エール!」のリメイク版。聴覚障害の家族の中で唯一の健聴者の女子高校生が手話通訳として甲斐甲斐しく家族を助けるといういかにもお涙頂戴のストーリー。ところが、この家族が底抜けに明るく、見事な>>続きを読む

ブータン 山の教室(2019年製作の映画)

4.2

言うなればブータン版「サウンド・オブ・ミュージック」。ブータンの僻地標高4,800mの村ルナナが舞台。驚きに満ちた映画。ヒマラヤ山脈の情景は息を飲むばかり。日本の民謡に通じる節回しの音楽が素晴らしい。>>続きを読む

トムボーイ(2011年製作の映画)

3.9

引越し先で男の子のフリをしたまま友達を作ってしまった10歳の女の子の物語。10年前に制作された作品が日本では2021年に公開。今なら性同一性障害のテーマとなるのだろうが、トランスジェンダーという意識が>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.9

グッチ創業家の黒歴史を描く実話に基づく作品。TVの連続ドラマであれば面白い作品になったと思いますが、2時間半の映画に詰め込むには無理がありました。脚本がとにかく杜撰。ただ、グッチの映画だけにファッショ>>続きを読む

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.7

元々10年前にシュワルツネッガー主演で企画されていたが、彼の隠し子騒動と重なってお蔵入りに。この埋もれていた企画をイーストウッドが監督・主演して作品としたもの。テースト的にはイーストウッドで良かったと>>続きを読む

99.9-刑事専門弁護士‐ THE MOVIE(2021年製作の映画)

3.9

最近はミステリーTVドラマ花盛り。毎週よくぞミステリーのネタが続くものだと感心しておりますが、ネタの被りを心配しておりました。この作品のミステリーはよく出来ていると思いますが、どうしてもあるあるネタの>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.2

「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督による短編3作のオムニバス作品。共通のテーマは「偶然」。第一話、第二話で偶然の残酷さを突きつけられますが、第三話で救われます。「偶然」の試練も「想像」するチカラで>>続きを読む

香川1区(2021年製作の映画)

4.2

ドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」の続編。今回は昨年の衆議院選挙香川1区の選挙戦の模様を追いながら民主主義とは何かを問い掛ける。政治改革を愚直に唱える候補者。所属政党の躍進の為の立>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.1

スパイダーマンシリーズ完結編。20年にわたる7作品のヴィラン総登場どころか歴代スパイダーマンも登場させるという超豪華版。とはいえ、スパイダーマンファンでもさすがに各作品のストーリーやキャラクターを全部>>続きを読む

レイジング・ファイア(2021年製作の映画)

4.1

香港の自由は奪われてしまいましたが、香港映画は健在でした。カンフースタイルの格闘アクション、ほとんど無意味なカーチェイス、掟破りの繁華街での銃撃戦。これぞ香港映画と唸らされる傑作です。ただし、中国との>>続きを読む

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

4.1

呪術廻戦0。公開3日間の興行収入は「鬼滅の刃」に次ぐ歴代2位。ハマるのは理解できます。いわば、トルコライス。ピラフ、ナポリタン、トンカツという全部乗せが絶妙なマリアージュでクセになる美味しさ。エヴァン>>続きを読む

キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

4.2

キングスマンシリーズは元々高く評価していますが、この最新作は間違いなく傑作。歴史ミステリーとしても十分に評価出来る作品です。第一次世界大戦をビクトリア女王の孫達である従兄弟同士の争いと定義し、怪僧ラス>>続きを読む