COZY922さんの映画レビュー・感想・評価 - 16ページ目

COZY922

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ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

3.9

グリーニッケ橋を双方のスパイが渡っていく。息を呑むような緊迫感。静かに進み橋の真ん中ですれ違う。張り詰めた空気を保ったまま自陣側に着き、仲間に抱擁されるアメリカ人パイロット。一方、ソ連スパイのアベルは>>続きを読む

草原の実験(2014年製作の映画)

3.8

本作にはセリフが一切無い。それ故に無意識のうちに、神経を研ぎ澄ませてスクリーンとわずかな音に没頭する。視覚と聴覚を思い切り作品に委ねる映画体験。それを裏切らない、素朴ながら計算された美しい映像とそれに>>続きを読む

フィラデルフィア(1993年製作の映画)

3.8

もしも今日、同僚や友人がHIV感染者または既にAIDSを発症していると知っても、あなたは昨日までと全く同じように接することができますか?その感染が薬害や医療行為ではなく同性愛者間の性行為によるものであ>>続きを読む

はなちゃんのみそ汁(2015年製作の映画)

3.5

デルタ航空機内で鑑賞。
個人的なことだけど、私の母は私が高校2年の時に乳癌を患った。『はなちゃんのみそ汁』の はなちゃんは、主人公 千恵さんが乳癌罹患後に結婚し出産した娘だし、私の母は幸いにも今も健在
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フィフス・ウェイブ(2016年製作の映画)

2.2

デルタ航空機内で鑑賞。
リック・ヤンシー原作のヤングアダルト小説の映画化作品。ある日突然現れた地球外生命体アザーズが地球侵略のため人類を段階的に攻撃し壊滅状態へと追いやる中、弟を探しつつ生き延びる主人
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おとなの恋には嘘がある(2013年製作の映画)

3.4

デルタ航空機内で鑑賞。
【Enough said (もうそれで十分だよ)】

個人差はあるけれど、一般的には年齢と共に抱えるもの守るものが多くなり、守るものが多くなるとどうしても慎重になるんだと思う。
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マックス/MAX(2015年製作の映画)

3.5

Aero mexico機内で鑑賞。
人によくなつき、勇敢で、ちょっと寂しがり屋で、快活な犬は、いつの時代でもどこの国でも人の良き友だ。だが、その従順で勇敢な性格と、人間にはない卓越した嗅覚や、野生の森
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JOY(2015年製作の映画)

3.1

【必要は発明の母】
Aero mexico 機内で鑑賞。
コンカッションもこれも何の知識もなく新作だという理由だけで選んだのに偶然にも連続ノンフィクションを引き当ててしまった。「ジョイ」は“ミラクルモ
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コンカッション(2015年製作の映画)

3.7

デルタ航空機内で鑑賞。
「コンカッション(concussion)」意味は脳しんとう。NFL(プロアメリカンフットボールリーグ)の選手が試合や練習で受ける脳への衝撃で慢性外傷性脳症(CTE)を引き起こし
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ズートピア(2016年製作の映画)

4.2

「持って生まれた属性は変えられなくても生き方は変えられる。」「先入観や偏見は真実を見る目を曇らせる。」今どき珍しいくらい奇をてらわない直球のメッセージが潔い。内容も映像も満足度が高く、加えて 4Dで見>>続きを読む

名もなき塀の中の王(2013年製作の映画)

3.8

以前、ACジャパンのCMで”こだまでしょうか”というのがあったのを思い出した。金子みすゞさんの詩が使われているCMだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「遊ぼう」っていうと「遊ぼう」っていう。「
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レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

4.1

個人差はあるけれど、人間の感情の中で最も長く続くのは悲しみで、最も強く出る感情は憎しみだと言われる。愛する人を失った喪失感は計り知れない。

revenant の意味は帰ってきた者、死から蘇った者、亡
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冷静と情熱のあいだ(2001年製作の映画)

3.6

【今一緒にいる人は一番好きな人ですか?】冒頭に出しておいてこんなこと書くのもなんだけど、これは最大の愚問だと思う。ためらい無く即座にyesと答えられる人にとっては「一番好きだから一緒にいるに決まってる>>続きを読む

21グラム(2003年製作の映画)

4.0

【いろんな重さと意味がある それぞれの21グラム】失われた命、受け継がれる命、救われる命、芽生えた命、人の手で生み出す命、人の手で潰された命。

死ぬと失われるという21グラム。言い換えれば21グラム
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ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)

3.8

歌が詠まれる前の張り詰めた空気。ピンと張られた糸を思わせる緊迫感ある静寂と、広瀬すずの真っ直ぐで人の心を射抜くような目。なんて似合うんだろう!内容がどうのこうの以前に、競技かるたと今の広瀬すずの組み合>>続きを読む

ヘルタースケルター(2012年製作の映画)

3.1

消耗品の最たるもの、それは芸能人。そんな芸能界への皮肉をこれでもかとばかりに感じる映画だった。売るためにメディア露出度を増やすが、増やして人気が出ると今度はそれを維持するのに苦労し、やがて努力も虚しく>>続きを読む

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師(2007年製作の映画)

3.5

ネガティブな感情に心を黒雲のように覆い尽くされ、その感情から発した黒い思考に心も体も乗っ取られた男の哀しい物語。

愛する妻を失い無実の罪で投獄された理髪師の残忍な復讐劇。映像は明度・彩度共に低く、音
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リトル・ランボーズ(2007年製作の映画)

3.9

「夢中」を大切にして生きたい。何かに夢中に取り組むってなんて素敵なんだろうと今さら思った。その「夢中」が対極的な性格の2人の少年を結びつけ、夢中ゆえに一度は関係にヒビが入り、また絆を深くする。少年達が>>続きを読む

ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー(2015年製作の映画)

3.4

10代の頃からの悪友トリオがクリスマスイプに繰り広げる、アホでお騒がせで悪ノリが過ぎる どんちゃん騒ぎ!この手の映画にはもはや定番のドラッグ、下ネタはもちろん、宗教がらみの危なっかしいジョークに、「ホ>>続きを読む

ルーム(2015年製作の映画)

4.1

初めて見る、視界いっぱいの青い空。空に浮かび流れて行く雲。空がこんなにも広く高く、世界がどこまでも続いているものであると知った戸惑いと驚きはどれほど大きかったことだろう。樹々に揺れる葉、次々に目の前を>>続きを読む

マディソン郡の橋(1995年製作の映画)

4.6

誰にでも忘れられない時間や大切な記憶がきっとあるはず。それは家族、親友、愛する人との時間であったり、苦労の末に何かを成し遂げた時であったり、人によって様々だろう。その後の人生の糧になるほどのかけがえの>>続きを読む

雨あがる(1999年製作の映画)

3.6

【浮世離れした感のある、人間的に出来過ぎた主人公】
人間の感情は複雑で厄介なものだなと思う。スポーツ選手などが、勝って堂々としていると「ふてぶてしい」と言われ、勝って驕らず謙虚な発言をすると「優等生ぶ
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ペイ・フォワード 可能の王国(2000年製作の映画)

2.8

【”幸せになるためのねずみ講” は社会を良くするか?】

中学校の社会科の授業で生徒達に与えられた「もし自分の手で世界を変えたいと思ったら何をするか?」という課題。これに対して主人公トレバーが考えたの
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少女が大人に変わる夏(2013年製作の映画)

3.3

今どき珍しいくらいベタなひと夏の初体験ストーリー。ダコタちゃんの肌が異様なまでに白いです。親友と同じ男性を好きになるという三角関係、付き合っていることを言い出せない葛藤などを主軸に女同士の友情、家族の>>続きを読む

東京家族(2012年製作の映画)

3.8

『親の心,子知らず』『親思う心にまさる親心』。”親の恩を忘れるな” 的な諺や格言は多い。諺が多いということは、実際には、それほど忘れる子ども達が多いということなんだと思う。劇中、あるあるな描写が随所に>>続きを読む

ボクのスーパーチーム(2015年製作の映画)

3.8

まさかの宗教、それもヒンドゥー教がモチーフで驚いた!ヒンドゥー教の神々に祈りを捧げるインド人の父親とテレビのスーパーヒーローに夢中なその息子の対比から始まるショートムービー。

息子が見る白日夢の中と
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キック・アス(2010年製作の映画)

3.7

【ヒーローとは何か?】
著名なキャストの割りにB級臭が漂う、しかしそれを上回る痛快なアクション・コメディ。が、ハマる人はハマるが、ハマらない人には全くダメなジャンルで、ターゲットの観客層はさほど広くは
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推定無罪(1990年製作の映画)

3.6

この、なんとも言えない後味はゴーンガールを鑑賞した時の感じに似ている。ストーリーもキャラクター設定も異なるけれど、女に翻弄される男と、気まずさと後悔と怒りと戸惑いをミキサーにかけて混ぜたような後味。>>続きを読む

武士の家計簿(2010年製作の映画)

3.3

堺雅人は不思議な表情を持つ俳優だ。穏やかな笑顔なのに怒っているように見えたり、笑っていても寂しげだったり。「表情が」というより「笑顔が」多様だと言ったほうが的確かもしれない。俳優だから当たり前だと言わ>>続きを読む

マジック・イン・ムーンライト(2014年製作の映画)

3.4

【軽妙洒脱なウディ・アレンの恋愛夢想@南仏】

何作か観るとわかってくる、作品へのウディ・アレンの自己投影。それは必ずしも特定の登場人物への直接的なものとは限らず、劇中での出来事やセリフに見られること
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トイ・ストーリー 謎の恐竜ワールド(2014年製作の映画)

3.8

やっぱり大好きトイストーリー‼︎ 短編でも、『3』以後のおもちゃの様子を垣間見ることのできるのがファンにはとても嬉しい!さすがピクサー、映像の美しさや躍動感に満ちたキャラ達の動きは言わずもがな、わずか>>続きを読む

サウンド・オブ・ミュージック(1964年製作の映画)

4.5

澄んだ心地よいメロディーが心に沁み渡り、歌声が豊かな感情をもたらす。雄大で美しいオーストリアアルプスやザルツブルグの景観に目が釘付けになる。音楽が登場人物の表情や大自然の映像に寄り添うように溶け込んだ>>続きを読む

ボルト(2008年製作の映画)

3.9

無邪気な顔、寂しげな目、嬉しそうに振る尾、情けなく垂れる耳、怒りに震える肩・・etc。犬のボルトが見せる豊かな表情にこちらの感情もシンクロする。

なんと言うか、ボルトの大真面目な突っ走り感が愛おしく
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ミケランジェロの暗号(2010年製作の映画)

3.7

第二次世界大戦下のウィーンを舞台にした、ミケランジェロの絵を巡るナチスとユダヤ人画商との騙し騙されの駆け引き。手に汗握るシーソーゲームのような展開であっという間に時間が過ぎました。おもしろかったです。>>続きを読む

真夜中のゆりかご(2014年製作の映画)

3.5

善意に潜む悪、悪の中にもある良心。スサンネ・ビア監督の作品は夫婦や親子など家族にフォーカスし、善悪の二極では割り切れない微妙な心理や行動を巧みに炙り出したものが多い。何気ない日常からの突然の暗転と結末>>続きを読む

最高の人生の見つけ方(2007年製作の映画)

3.7

原題はTHE BUCKET LIST。bucketはバケツ、listは文字通りリスト。翻訳ではユーモアを交えて棺桶リストと書いていたけど(笑)、これは生きているうちに成し遂げたい行動や業績のリストのこ>>続きを読む