hiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)

3.8

終始穏やかで軽快なジャズが流れ、30年台の衣装や小物が可愛くおしゃれな映画であった。
劇的な物語ではあるものの、良い意味で静かに展開されるので、シリアスなシーンでも悲壮感は少なく気軽に楽しめた。
甘く
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(500)日のサマー(2009年製作の映画)

3.6

トムの最初の方の認知の歪みに恐怖してしまった。
サマー、最初に「真剣なお付き合いのつもりはない」って言ってるからさ……
あんなにゾッコンだったのに手のひら返してアンチに転ぶトムも大概悪いよという感想に
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ミーン・ガールズ(2004年製作の映画)

3.7

“ミーン”取りが“ミーン”になってしまう展開や、ある種のステレオタイプを助長したり露悪的に描かれていたりしたのが不安だった。
諸々ドキドキしたが、最後は若い女の子たちへのエンパワメントで締めくくられて
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.8

誰にでも起こり得る、絶望的な日常のなかの小さな希望を切り抜いたかのような映画だった。
信仰や救済の話についても切り込んでいたのでかなり重厚な物語となっている。
誰かにとって薄っぺらいものでも、誰かにと
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アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

3.8

ゴージャスなものからホラーチックなものまで、多種多様で奇抜な美術が楽しめた。

“物語”とは、“愛”とは。
ジンとアリシアの対話と回想がすごく面白かった。
ただ、個人的には“ハッピーロンリー”も尊重し
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.9

ベネ・ゲセリットの女性たち、それぞれみんな尖って鋭くてストイックで良すぎる。

ハンスジマーの魅力的な楽曲はもちろん、砂虫の咆哮や爆撃の轟音にビリビリ鼓膜が刺激されて気持ちよかった。

つぐない(2007年製作の映画)

3.6

鑑賞後、タイトルの「つぐない」がずっしりと響いた。

戦争の残酷な描写は予想を遥かに上回り、ショッキング。
過酷な戦地と悲惨な目に遭う兵士たち、かなり見応えがある。

みんな不幸になってしまったけど、
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

元となった映画「エール!」では酪農一家であったが、本作は漁師一家。
環境は違えど、どちらも家に縛られて前に進めない女の子を真摯に描いている点が好き。

ルビーの抱えるもどかしさ、とても辛いよね。
家族
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Saltburn(2023年製作の映画)

4.6

最悪すぎて最高になってしまった。
なんて気色が悪く、気分爽快な映画なんだろう。
バリー・コーガン、さらに好きになってしまった。

前半は主人公オリヴァーが、憧れの一軍男子フェリックスに気に入られるロマ
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.8

序盤の「ふふ」っと笑えるくだりから、中盤の絶望感の落差がすごい。
老いた親の面倒を兄弟で押し付け合う家族のくだり、個人的に共感してキツかった。

世間から求められるものをお出ししてやったぜ!というヤケ
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エゴイスト(2023年製作の映画)

4.5

「エゴイスト」のタイトルの意味、そういうことか……

本作でインティマシーコーディネーターが起用されている点、非常に真摯で嬉しい。
濡れ場が多いが、上記の点で安心して見ることができた。

カップルの経
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アンダードッグ 二人の男(2016年製作の映画)

3.0

社会的弱者がさらに弱者を搾取していく嫌あな連鎖の構図の物語であった。

ヒョンソクが、娘と同じ歳の少女たちを売春させて稼いでるところ、すごく気持ち悪かった……

ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)

3.8

黒人と白人の幼馴染の、相容れない価値観の違いについて鋭く描いた良作。

有名なルビンの壺の絵の使いどころが好き。
顔と壺の両方を、同時に認識することができない人間の脳が、このストーリーに痛いほど効いて
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山女(2022年製作の映画)

3.7

じっとり、淡々と、暗い。

厳しい飢饉に襲われる村で起こった、不思議な出来事が、リアリティたっぷりに描かれる。
日本の田舎の“ムラ”社会の嫌な部分の煮凝りが、切ないほど秀逸だ。

決して波瀾万丈な怪談
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.9

ブライスがずっと可愛い!
ブライス・ダラス・ハワードの演技力に終始圧倒されていた。
いわゆる少女漫画的なストーリーラインだったのがいきなり別方向にハンドル切られても違和感なく存在感出すブライス、素敵す
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.8

うっかり空腹なときに見てしまって後悔した。

現代版スウィーニー・トッド。
ゴア表現は期待通り。“肉”に対する美術のこだわりがたっぷりであった。
勝手に意地悪な映画かと思っていたのだが、意外にもヴィー
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サイレント・ナイト(2021年製作の映画)

3.8

コメディのジャンルに入れてしまうには複雑な気持ちを抱くタイプの良作映画だった。
まあ馬鹿馬鹿しいシーンはたくさんあるのだが……

序盤はのんびり「何を見せられているんだ」感が強いが、真ん中から流れが変
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

4.5

面白かった!!

私はスポーツに対してあまりポジティブなイメージを持っていない人なのだが、「試合じゃなくてただのゲームだ」とか、「サッカーよりも大事なものがある」とか、そういうメッセージ性が強くて、だ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.7

人が1人不審死したことで起こる裁判の長さ、労力、人間関係の変化について。
かなりしんどい内容なので、辛くなってしまった。可愛い名犬がいたから頑張れた。

・作品と作者を切り離すべきか否か
・機能不全家
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

4.4

私向けに作られたのかと思うほど刺さっちゃった。
「キャシーに面倒見てもらいたい」私と「キャシーみたいになりたい」私が両方いた。

「モービウス」「ヴェノム」が好きな人は問題なく楽しめるのでは。
あとは
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小さき麦の花(2022年製作の映画)

3.7

感情の起伏に敢えて焦点を当てないことで、かえって2人の感情が浮き彫りになる、極めて秀逸なヒューマンドラマ。
こんな理不尽なことある?と信じられない展開。本作は2011年の中国が舞台で、今もきっとこんな
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.9

幼い子供の視点から、見る大人の憂鬱についての、回想と追憶のフラッシュバック。

大きくて大好きな父親がひっそり泣いてると、幼心には不安よね。
父親が当時感じていたことは、今となっては知る術はない。ただ
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白雪姫と鏡の女王(2012年製作の映画)

3.8

衣装含めた美術がとんでもなく美しかった。
ターセム・シン×石岡瑛子のあっと驚くビジュアルの魔法が常に楽しい。黄色ってこんなに美しいんだな……
特にドワーフたちが好きだった。

エンディングがハッピーな
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ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ(2021年製作の映画)

3.7

エミリーとの身分差ロマンスがいじらしくて素敵。

出てくるネコちゃんも全部かわいく、実際のルイスの絵もたくさん出てくる。
飼い猫の地位向上に、こんなにもルイス・ウェインが貢献していたことは知らなかった
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アシスタント(2019年製作の映画)

3.6

キショいハラスメントの連続に体調が悪くなるかと思った。
すべてが最悪すぎる。
告発できない土壌(無視され揉み消され、逆に立場が危うくなる土壌)が、とにかく身近に感じられた。

カメオ出演俳優陣が自然す
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.8

予想以上にわからなかった。
“不安にさせたい”だけの映画ならもっとストーリー性を廃したものが作れたはずなのに、あえてボーの人生を観客になぞらせてるところが、かなり引っかかってる。しかしわからない。
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預言者(2014年製作の映画)

3.9

シーンごとにテイストの変わる映像が目に心地よく、詩を読むリーアムニーソンの掠れ声でさらにうっとり。
ムスタファの詩はどれも素晴らしかったが、私は特に“腹を空かせた善”の話が好きだ。

ムスタファの言葉
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ジェーン・エア(2011年製作の映画)

3.5

回想シーンで物語が展開するのが良い。

ミアワシコウスカのジェーンが儚げなのにちゃんと自立している佇まいで素晴らしかった。
ジェイミーベル演じる嫌な牧師や、ジュディデンチ演じる家政婦長も存在感たっぷり
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ジュリアン(2017年製作の映画)

3.4

怖すぎる。
ずっと緊張させられ、ずっと、かなり不愉快。
しかし、それこそがこの映画の真骨頂なのだ。

抑圧された環境で息苦しく生きる子どもたちの不自由さ、不安、恐怖、絶望、……
それらの居心地の悪さを
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さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)

3.8

前半の児童虐待の描写がきっっつい。
涙でぐしゃぐしゃな少年たちの顔が頭から離れなくなる。

蝶衣は絶望だらけの人生の中、芝居への強い憧れと小楼への恋慕を支えとしてギリギリに生きてきたんだなあ。

菊仙
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モアナと伝説の海(2016年製作の映画)

4.8

最近のディズニーアニメの中で最も好きな作品の一つ。
当時映画館で見てあまりの良さに号泣し、その後もブルーレイやD+で繰り返し見ているが、続編公開がサプライズ発表されたので改めて鑑賞。

1人の少女の、
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WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)

3.8

ゲイであることを後ろめたく日々を過ごしているラッセルの切ない気持ちに胸が痛くなる。
ゲイフォビックを撒き散らす意地悪な人々がいる日常を挟むことで、それがより強調されるのが悲しい。
親しい人へのカミング
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

絵本のような摩訶不思議な世界観の中に、女のリアルな人生が凝縮されていた。

無垢に生まれ、残虐性を剥き出しにし、オーガズムを追い求め、知識に飢え、残酷な社会を知り、恵まれた環境に罪悪感を抱き、簡単でな
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パワーレンジャー(2017年製作の映画)

3.8

ナオミ・スコットとベッキーGが素敵だ。

ティーンたちがヒーローとして戦い成長していく姿が爽やかで良い。
特に訓練中のHandClapが流れるシーンが大好き。こういうシーンって、ヒーローものでも特に盛
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カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

3.7

おおよそ人道的とは言えない“治療法”が罷り通っている精神病院の描写がすごくキツいが、その現状に反抗するマクマーフィーの不屈の精神に元気をもらえる。

しかしラストは衝撃的かつ悲惨。
チーフとマクマーフ
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