いち麦さんの映画レビュー・感想・評価 - 40ページ目

いち麦

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アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ アナザー(2014年製作の映画)

4.0

“アナザー”の示唆通り『アイ・スピット…』前2作とはフックもなく別物。展開も味わいも異なる。ただ肌が浴びた血飛沫や2個の並べ方など至る処に美的感覚と拘りを感じた。劇伴も良い。

オキュラス 怨霊鏡(2013年製作の映画)

5.0

科学的な考証と検証を試みる姉ケイリーの逞しい姿に大感激。パラノーマル系にしては珍しく閉じた世界の中でのリアリティが存分に感じられる仕掛け。次第にホラー色を増す終盤、過去の被せ方も上手い演出で始終、大>>続きを読む

アノマリー(2014年製作の映画)

5.0

場面転換の刺激と最後まで目が離せぬ緊張感。短時間しか覚醒しない男の視点をほぼ一貫して崩さない点が天晴れで徐々に露わになるミステリアスな真実が追いやすい。アクションとEDの柔さSFメカの稚拙さを補って>>続きを読む

華氏451(1966年製作の映画)

4.0

デジタル・リマスター版で美しい。焚書隊が消防士のイメージ、モンターグがいつも纏っているタイトな黒服やモノレールの降車方法等SF的。でも根底はラヴストーリー。幼いマーク・レスターが既に存在感十分。出動>>続きを読む

アルファヴィル(1965年製作の映画)

3.0

台詞の魔力で近未来のディストピアが表現されている中、美しささえ感じてしまう際立つ処刑シーンの何と斬新なこと。アンナ・カリーナの美貌に見合うラブ・ストーリーの如き終盤の展開も快くEDの甘美な劇伴へと雪>>続きを読む

千年の一滴 だし しょうゆ(2014年製作の映画)

4.0

昆布の生産や鰹節の製造法と出汁のひきかた。醤油造りに使われる麹カビ=アスペルギルス・オリゼ。日本食の膨よかな味がシンプルな旨みの基礎から出来上がることを映像から体感。科学的アプローチもあって満足。

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.0

「スペクター」の続きの話。渋味の効いたクレイグ版ボンドの総括が胸熱。バイオテクノロジーを扱った細部にやや難ありで、この肝心の最先端兵器には思いっきり突っ込み入れたくなった。だが、全体のプロットは良く>>続きを読む

グッド・ワイフ(2018年製作の映画)

3.0

富裕層主婦たちの間に交錯するイヤらしい見下し感情が優美な映像に織り込まれる妙味。独特の劇伴と音楽の使い方、着地に見るソフィアの表情が印象的。ただ、不自然なEpがあったり、経済危機がどのようにフェルナ>>続きを読む

とんかつDJアゲ太郎(2020年製作の映画)

4.0

原作は知らないが予告から期待していた通りの、単純おバカで熱くストレートな展開に満足。ダサ&カッコいい独特のアゲ太郎の面持ちを北村匠海が見事に出していた。意外な音源素材を如何にクールに調理して聴かせる>>続きを読む

ザ・マペッツ2 ワールド・ツアー(2014年製作の映画)

3.0

人間や背景とマペッツたちの一体感は前作以上にいい感じだった。次から次へと登場する大勢の俳優やアーティストのカメオ出演が楽しすぎる。他じゃまず見られぬあの方々の歌やダンスにも湧いた。
物語は一寸暗い
>>続きを読む

プライズ〜秘密と嘘がくれたもの〜(2011年製作の映画)

3.0

アルゼンチンの寂れた砂浜に建つ小屋に身を潜める母娘。幼い少女の自由な心が軍政と教育にねじ曲げられる様が静かに迫り胸が締め付けられる思い。

フィフス・エステート 世界から狙われた男(2013年製作の映画)

4.0

WikiLeaks中心人物アサンジとその協力者ダニエルの人間ドラマ。大きな帰着点はないもののB.カンバーバッチとD.ブリュールの息を呑む程の緊張感溢れる演技で最後まで見応え十分。VFXを駆使した超現>>続きを読む

ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム0対31からの挑戦(2014年製作の映画)

4.0

ニッキーやジャイヤのメンタル面に踏み込む話やトーマス監督がプライベートな話で鼓舞する場面が胸に熱く迫った。米領サモアの気候・風土や文化まで香しい。

HUNGER ハンガー(2008年製作の映画)

5.0

全てを剥奪され拘留者となったIRA活動家が監房の中で行えたあらゆる抵抗と壮絶な結末。長回しによる掃除場面や17分もの神父との対話等、テーマすら押しやる程の圧倒的映像表現の巧みさに唸るばかり。何といっ>>続きを読む

歌えマチグヮー(2012年製作の映画)

3.0

うちなー好きには魅力的ドキュメンタリー。再開発計画を吹き飛ばす那覇栄町商店街の人たち…温もりたっぷりの暮らし。今度はここの商店街にも足を伸ばそう。通りをぶち抜いた客席でのおばぁラッパー・ライブ楽し〜>>続きを読む

樹海のふたり(2013年製作の映画)

1.0

冷やかし半分なモキュメンタリー・タッチで入っていって、最後は人間ドラマで上がるつもりかと?最初に伏線張らずにそりゃ無理でしょう。これまた自分には彼方此方に嘘っぽさがぷんぷん匂ってきて全くダメだった。

パーティは銭湯からはじまる(2012年製作の映画)

3.0

何度もリプレイしながらループ・アウトするためのポイントを探す、RPGの様な展開、ラストも好きだな。ただ実に馬鹿馬鹿しいコメディに何か突き抜ける笑いの要素が足らず、好みが分かれそうな味つけ。

デッド寿司(2012年製作の映画)

1.0

武田梨奈の真剣顔と俊敏なアクションだけ凄くいい。あとはもうひたすら下らない。よくまぁこんな映画を作ったもんだと、笑いながら最後まで見た自分共々呆れる。ただし日本発で寿司ネタコメディが出来た意義は深い>>続きを読む

ももいろそらを(2012年製作の映画)

2.0

展開や今時の女子高生らの緩くも棘っぽい会話が魅力的。他の二人とは一線を画すいづみのキャラクターと彼女が見せる顰めっ面のバリエーションもいい。ただ、お粗末に見える演技やシーンも散見。カラーで見たかった>>続きを読む

千年の愉楽(2011年製作の映画)

4.0

淫蕩な生活と数奇な薄命運を男たちに脈々と受け継いでいく因果な血。港を持ちながらも閉塞感のある街なみや始終流れる三味線長唄が、“マリア”すら飲み込んでいった淫靡で古風な和の世界を構築。何とも味わい深い>>続きを読む

偉大なる、しゅららぼん(2014年製作の映画)

3.0

日出家と棗家、琵琶湖の魔力を授かった両家永年の確執の果ては如何に。荒唐無稽な展開の極めつけは意外な人物が焦点となる終盤(笑)。それにしても老けた高校生達。エンドロール後に“しゅららぼん”の縁起談あり>>続きを読む

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

4.0

9年後の二人が刹那的な再会を楽しむ。空白を埋める会話を自分は言葉通りには取れない。言い訳やリップサービスと思えるものも多いがそれでも楽しい。デルピーとイーサンの顔…9年間の差分には随分な違いが。

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.0

二人の会話が痛快な皮肉やウィットに溢れ、それでいて嫌みがなく楽しい。これだけ会話が弾んでいると男女の交際関係の実体から離陸しちゃってる感じがしなくもない。E.ホークの顔がこんなにも輝いて見えるとはね>>続きを読む

マイ・レフトフット(1989年製作の映画)

4.0

今、見るとD.D=ルイスは名演には違いないが脳性麻痺の演技は少し見劣りしてしまうな。自分は『ライフ・フィールズ・グッド』のオグロドニクの方が自然で好き。母親役のブレンダ・フリッカーは魅力的だが。

くそガキの告白(2011年製作の映画)

3.0

全然大人になれてない口の悪い主人公に親しみ湧く。膨らんでは尻すぼみに消滅するエピソードの繰り返しが彼の人生そのもの。よく練られたラストの展開が実に愉快…伏線もあった。やっぱり映画監督って役得アリだね>>続きを読む

ムクドリ(2021年製作の映画)

4.0

幼い娘を亡くし深い心の傷を負った夫婦の再生物語。何がジャックを立ち直らせたのか?攻撃的な小鳥との格闘や、獣医に転向した元心理療法士が与える言葉が暗喩のように効いていた。その分、語られぬ細部にも興味が>>続きを読む

ワン・モア・ライフ!(2019年製作の映画)

4.0

与えられた猶予92分。この僅かな時間に人生のどんなやり直しができるのだろうかと…。次々と訪れる回想を現実との境界曖昧なままテンポよくコミカルに見せるイタリア映画らしい演出に引き込まれた。天国ジジイ役>>続きを読む

王朝の陰謀 判事ディーと天空のドラゴン(2020年製作の映画)

2.0

緩慢な有線アクション。整理不十分なまま次々と提示される情報。中国に伝わるとされる架空の秘奇術にタネ仕掛けのある科学的奇術を組み合わせ如何にも謎解きのように演出しているので納得いかぬオチ。台詞一言で済>>続きを読む