いち麦さんの映画レビュー・感想・評価 - 43ページ目

いち麦

いち麦

映画(6133)
ドラマ(1)
アニメ(0)

ショート・ターム(2013年製作の映画)

4.0

グレイスの物語も子供たちの物語もごく自然に導かれ引き込まれた。傷ついた心を一体何が癒せるのか…説教じみた台詞は全くないのに伝え切れているのが素晴らしい。手持ちカメラならではの映像も現実感を引き立てて>>続きを読む

天才スピヴェット(2013年製作の映画)

4.0

3D鑑賞。兄弟の事故死の悲しみを乗り越えていく旅。家族愛が露わになっていくまで少年の思考を貫く描写が心に沁みる。レイヤー表現としての3Dはユニーク。構図も配色も練られた映像美は2Dでも十分素晴らしい>>続きを読む

ポイントブランク 標的にされた男(2014年製作の映画)

5.0

仏作品「この愛のために撃て」の韓国版リメイク。一流クライム・サスペンスに韓国映画らしい濃い人間ドラマを繊細かつ巧みに織り込む見事な人物設定…どっぷり引き込まれた。震撼のラストまでクール。

やさしい人(2013年製作の映画)

3.0

中年男がこんな若い娘に恋しちゃった当然の結末として想像通りの痛々しさ。だがツイストもあり二人とも正直になった分ちょっとだけ救われる。男がV.マケーニュだからこその悲哀感。ソレーヌ・リゴの奔放で瑞々し>>続きを読む

レミニセンス(2021年製作の映画)

3.0

自分自身の望む記憶を増強して追体験させてくれる“施術”士が、あるクライアントの女性に惚れたことから巻き込まれるクライム・サスペンス。愛が牽引する物語な割には記憶に拘るセンチメンタルなムードが弱く没入>>続きを読む

真昼の決闘(1952年製作の映画)

3.0

西部劇だが正義を貫こうとする者が次第に孤立していく皮肉な話としては十分現代にも通じる。掌を返すように元保安官ウィルを突き放す者どもの言葉と表情が陰険で反吐が出そう。グレイス・ケリー演じる新婦にさえ首>>続きを読む

ぶどうのなみだ(2014年製作の映画)

3.0

アオに滲む土と格闘する農夫の険しさがどことなく大陸風。現実感の数センチ上を行こうとしたシュールな演出が味わいと言えば言えなくもないが。北海道の大自然に抱かれつつ地元の食材使った洋食とワインを味わいた>>続きを読む

トワイライト ささらさや(2014年製作の映画)

4.0

交通事故で急に夫に先立たれた妻が幼子と共に生きる自覚と強さを身につけていく過程をファンタジーの形で描いている。既視感あるテーマだが、やがて父親と息子の和解へと物語の舵が切られていく辺りが胸に迫った。>>続きを読む

ザ・ゲスト(2014年製作の映画)

5.0

善人から悪魔へと変わりつつある頃合いが先の見えぬ不穏感と相まって恐ろしい。ミニマム・エッセンシャルな作り、シンセサイザーのアルペジオや金属音を使ったスコアの煽り感見事。ダン・スティーヴンスの甘いマス>>続きを読む

ドラゴン・フォー2 秘密の特殊捜査官 陰謀(2013年製作の映画)

4.0

無情が捕らえられ諸葛正我も幽閉に甘んじ口を閉ざしてからクライマックスのアクション・シーンまで延々と重苦しい。過去の真相がそれまでの謎を一気に解き明かすラストのドラマ展開には驚いた。

ドラゴン・フォー 秘密の特殊捜査官 隠密(2012年製作の映画)

4.0

ワイヤーアクションと空を掻く様なカメラワークで魅せる。見応え十分な中国宋代の武侠アクション。ちょっぴりコミカルな悪玉のキャラクター、意外にも色濃く絡む女同士の恋の一騎打ちが面白い。

ファイヤー・ストーム(2013年製作の映画)

4.0

過剰なまでの連続カー・クラッシュと激しい銃撃戦。どこまでも立ち向かうA.ラウ演じる刑事ロイ。彼の旧友でL.カートン演じる凶悪強盗団の一役担う男トー。二人の揺れ動く心情と真実がもう一つの大きな見所だっ>>続きを読む

祝宴!シェフ(2013年製作の映画)

2.0

字幕版。ところ構わず尻振ってしゃしゃり出てくる母ちゃんナイス。オーバーアクションのギャグと挿入映像…流石に長くてダレた。色鮮やかな料理は目を引くが会話の字幕に独特の文化の香りを嗅いだ。吹替の出来映え>>続きを読む

0.5ミリ(2014年製作の映画)

4.0

社会から弾き出された老人たちにどうしても引き寄せられてしまう根っからのヘルパー気質。真っ直ぐな性根と緩く力抜いて生きる術…サワの得も言えぬ魅力が容赦ない現実を癒やす。長尺だが安藤サクラの自然体演技に>>続きを読む

セザール・チャベス(2013年製作の映画)

4.0

《LBFF》米国農場で働く外国人の労働条件改善を求め非暴力の集団蜂起を先導した男のドラマ。企画・製作・監督をしたディエゴ・ルナの熱い心の底を垣間見た思いだ。マルコヴィッチが狡猾で頑固な農場主を演じて>>続きを読む

ブエノスアイレスの殺人(2014年製作の映画)

4.0

《LBFF》夜の闇に紛れていたかのような男色味がじわじわと作品全体を伸していく。追い追われる関係の筈なのに妖艶さを増していく青年警官ガンソに懸命に抗う中年警部チャベスの構図となっていく物語に飲まれた>>続きを読む

「僕の戦争」を探して(2013年製作の映画)

5.0

《LBFF》J.レノンに心酔の中年英語教師。旅の道連れとなった娘と少年に伝える、彼の巧まざる教えが静かに強かに胸を打つ。ジョンのスペイン探訪を織り込みつつ味わい深いシーケンスで紡がれる見事な構成…秀>>続きを読む

MESSI/メッシ -頂点への軌跡-(2014年製作の映画)

4.0

《LBFF》A.イグレシア監督。ピッチでのプレイを収めたフッテージ、幼友達・同僚選手・監督らの会食中談義、役者による当時再現シーンを組み合わせたドキュメンタリー。現在の本人不在が逆に作品の熱狂的気分を>>続きを読む

100歳の華麗なる冒険(2013年製作の映画)

3.0

無心に逃亡した老人にとんだ道連れまで加わり…ブラックな笑いで煙に巻かれるうち遙か彼方の着地点まで連れて行かれた。人生なるようにしかならない…彼の確信の通り、心地よいほどの波乱万丈な道程を見せてくれた>>続きを読む

ガンズ&ゴールド(2014年製作の映画)

4.0

青年JRの純朴なキャラクターが、獄中から始まる悪漢ブレンダンとの主従関係や組織の女性ターシャとの恋愛関係から描かれるドラマ色が魅力。和めるラストも好み。ユアン・マクレガーが青い瞳に凄みを湛えた悪役を>>続きを読む

美女と野獣(2014年製作の映画)

4.0

何といっても西洋絵画の世界のような美しさ、そして衣装共々レア・セドウの美しさに只々嘆息。逆に着ぐるみの様な野獣の造形がちょっと見劣りしているかな。冒頭30分の退屈さや心理描写の荒さを補って余りある映>>続きを読む

サボタージュ(2014年製作の映画)

4.0

シュワルツェネッガーが2つの犯罪事件を繋ぐ要の引き締め役として作品を十分に牽引。ジョンはどこまでも灰色…肝心な部分の言動には辻褄合わぬ部分あるがまぁ良い。真相のバラし方がちょっと唐突で拍子抜けするの>>続きを読む

イコライザー(2014年製作の映画)

5.0

一本筋の話だが持続するテンションに酔えた。D.ワシントン演じるロバートの冷静沈着さ、分析力と身体能力…静かに厳かに正義感が炸裂する瞬間が爽快。C.G.モレッツはやはり普通の女子よりエキセントリックな>>続きを読む

エクスペンダブルズ3 ワールドミッション(2014年製作の映画)

5.0

ハリウッド枠超えた名優揃い踏みを拝む幸せ勿論だがアクションだって抜かりない…最高に楽しい。熱き友情のジジイ勢が若者たちを取り込む構図に高揚。K.ラッツの人懐っこい目が可愛くて堪らぬ。

蜩ノ記(2013年製作の映画)

2.0

秋谷がなぜ不名誉な罪名のもと不可解な罰に甘んじているのか…主流のオチにはなるほどと感じ入った。だが脇のEpに少し不自然さや違和感を感じる部分が幾つかあったのは残念。この辺り原作がどうなってるのか気に>>続きを読む

ドラキュラZERO(2014年製作の映画)

5.0

15世紀の実在モデルを組み入れたドラキュラ生起譚。民衆のために過酷な宿命を選んだヴラドがやがては家族愛ゆえに悲しい運命を受け入れる話が胸を打つ。L.エヴァンスの苦悩と葛藤の表情、映像スペクタクルも見>>続きを読む

マダム・マロリーと魔法のスパイス(2014年製作の映画)

5.0

仏料理に真摯に取り組み、時のシェフへと登っていくハッサン…彼の素朴な優しさもマロリー婦人の真のプライドも沁みた。演技では鬼姑の様な意地悪さと少女の様な可愛さを併せるH.ミレンが輝いていた。

先生、私の隣に座っていただけませんか?(2021年製作の映画)

5.0

映像ならではの牽引力。これは妻から夫へのお灸か復讐か?現実か妄想か?不倫を俎上に繰り広げられる漫画家夫婦の心理戦の行方が最後まで悩ましい。心の内を見せず、はぐらかす黒木華が見事。全て窺い知る母親の爽>>続きを読む

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

3.0

恋愛映画部と時代劇映画班との対比と交流が楽しい。友情描写もさり気なくあちこちに織り込まれていて温かい。何より笑顔だけでなくクシャッと崩したハダシの表情がとても魅力的だった。ただ微妙に青臭い山場に向け>>続きを読む

カムバック!(2014年製作の映画)

5.0

“サルサはハートだ”…若い頃の特技で恋に再チャレンジ。スピーディーで刺激的なコンテスト場面に湧く。中高年の応援歌っぽい物語に胸が熱い。下ネタ満載、映画ネタ満載で笑いのセンスも好み。S.ペグも見届けら>>続きを読む

小野寺の弟・小野寺の姉(2014年製作の映画)

5.0

お互いが子供だった頃の事が大人になってから心を痛めるのは兄弟姉妹にはあるね…お互いを思いやる姉弟愛がごく自然に感じられた。ホロリとなってると直ぐに爆笑させられたり…片桐はいりの自然な演技が素晴らしい>>続きを読む

パトリック 戦慄病棟(2013年製作の映画)

2.0

《シッチェス映画祭FS》マッドな医者が実験に勤しむ精神病院…収容された少年が昏睡状態のまま超能力を使い暴れる。オーソドックスなショッキング・ショット多数。折角のリメイクだからもっと今風にアレンジして>>続きを読む

ゾンビ・リミット(2013年製作の映画)

4.0

ゾンビ・ホラーというより真面目なSFサスペンスとして堪能した。近未来の気すらしない、高致死率のパンデミックに怯える現在をそのまま彷彿させる。この意味でリアルに恐ろしい。
何より医科学パートの作り込
>>続きを読む

キョンシー/リゴル・モルティス 死後硬直(2013年製作の映画)

3.0

《シッチェス映画祭FS》フックはあるが往年のキョンシー・ホラーとはテイストが違うシリアスもの。会話の多い前半ではダレたが終盤のバトル・シーンは見応えがあった。やけに邦画的映像演出が目立つと思ったら清>>続きを読む

モーガン・ブラザーズ(2012年製作の映画)

3.0

《シッチェス映画祭FS》折角のゴア描写が雑で甘いところは残念。でもオーソドックスな展開のホラー・コメディとしてそこそこ楽しめた。ラジオに合わせて懐メロを口ずさむデイモン・ヘリマンがとても愛嬌があった>>続きを読む

トランストリップ(2013年製作の映画)

2.0

《シッチェス映画祭FS》親友の友達集団とのノリのズレ、取り残された不安感…J.テンプル演じるアリシアに共感。だが一番肝心の彼女の謎めく言動が白々しく破壊力ない。マイケル・セラはなかなか良い演技で目を>>続きを読む