かめのさんの映画レビュー・感想・評価

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怪物(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

個人的都合で昨年見逃した本作、近所の映画館で再上映&是枝監督のトークイベントが開催されると聞いて、勇んで参加してきた。

序盤、安藤サクラ演じる母親の視点で展開されるパートは、教師たちとの話にならない
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ファイナル・カット(2004年製作の映画)

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お、惜しい……。
平野啓一郎さんの『本心』を読んだばかりなので、考えさせられることが多々あったが、終わり方がよく分からない。このテーマを引き継いで、もう一作いってみよう!

アニエスによるヴァルダ(2019年製作の映画)

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現実とフィクションを近づけていく、彼女の作品は常に「生きている」気がする。過去、歴史を蔑ろにせず、むしろそれらをちゃんと飲み込んで、現実を映していく。

色彩の切り取り方、アイディアの斬新さなどポッ
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ロバと王女(1970年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます


自分より美しい人と再婚を……と言い残して亡くなった王妃の遺言に従って、娘と結婚しようとする王様。現代の倫理観では理解できないが、妖精も大反対、王女を城外へ逃がす。

汚い姿に変えられてしまう、可哀想
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

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夫婦、そして漁村の危機を描きながらも、物事は自然に任せるように静かに進んでいく。何気なくみせて、物語はこれ以上ない完成度って凄い。

夫婦の会話を聞いていると、奥さんの不安感が強いのかな、と思ってい
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宇宙人東京に現わる(1956年製作の映画)

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敗戦から、たった11年か……。 
宇宙人、地球に現る、と言いながらも、敵は、パイラ人ではなく、新天体R。
日本を騒がせた宇宙人・パイラ人たちは、実は地球の原水爆開発に警告を発するためにやって来たとい
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市子(2023年製作の映画)

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やや演出過剰と思えるシーンが多いけど、もっとエグく、グロく見せられたところを間接的に描いて、ちゃんと描きたいものだけに焦点を当てていたのは好印象かな。

押し付けられたも同然の残酷な運命に、どこかで
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます


ドキュメンタリーのような、ニュース番組の切り取りのようなカメラ演出が「映画」という枠組みを丸見えにしてしまっているんだけど、がゆえに登場人物一人一人への感情移入を拒んでいて、主観性/客観性にフォーカ
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

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素晴らしかった、ということ以上に語りたい言葉が詰まって出てこない。

言葉にしてしまったら消えてしまいそうな、瑣末な事柄を優しく包みこんで、ゆっくり丁寧に描いて、だからこそこの物語は映画じゃないと表
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天国にちがいない(2019年製作の映画)

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分かった気にはなりたくないし、
理解できないとも思いたくない。

そうしたら、ただ、彼のように口をつぐむことしかできないのか?

ハッピーエンド(2017年製作の映画)

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分からなさが心地よいのは、何故?

ティーンエイジャー特有の文化と、それに対する大人の理解出来なさが上手く表出されていて良かった。

愛してるんだよ、口下手でごめんと繰り返す父親。本当は、自分に都合
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わんぱくデニス(1993年製作の映画)

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アメリカ映画だな〜〜
デニスのちょっとしたイタズラやドジが、わんぱくの域を超えていて何も考えず笑えた。

デニス自身は結果まで意図してない、ってとこがポイント。

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

絶対好きに違いないと初日に劇場を訪れたが、いまいちハマらなかった。
皆さんのレビューを観ると、感情移入出来なかった自分が悔しくもあるが……。

第一に、結果から出来事が作られていることに、物語として違
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わんぱく戦争(1961年製作の映画)

5.0


こういう作品を観ると、口角がニンマリ上がるばかりで語彙力を失うの何でだろ。
特に、プチ・ジュビズが可愛くて可愛くて。隣村に住む大将のおじさんの気持ち、痛いほど分かるよ。めでたくなるもん。

一つ印象
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TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

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好奇心と欲望に忠実だったことは分かったけど、むしろそのことに焦点が当たりすぎて、トーベって結局どんな人だったの?と置いてけぼりにされた感じ。

芸術家であることにこだわったトーベ。彼女の最期まで、見
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ミツバチと私(2023年製作の映画)

4.7

トランスジェンダーの子どもが主人公、という前情報だけで観たけれど、それはあくまで映画作品としての分かりやすい「情報」で、『ミツバチと私』はトランスジェンダーの子どもを持つ‟家族の物語”だった。監督は事>>続きを読む

リトル・ガール(2020年製作の映画)

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最初、母親の話を聞く場面、聞き手の男性が妊娠中のこと、その時女の子を望んだかを質問したことに潜在的な悪意を感じた。

母親は、もしかしたら自分が妊娠中、女の子を強く望んだせいじゃないか、と答えていたけ
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ずっとお城で暮らしてる(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます


数年前、漫画家の吉野朔実さんがご著書のなかで紹介されていて原作を読んだことがあるはずなんだけど、あまり思い出せないまま鑑賞。

姉妹と伯父さん三人の生活に突如として現れた従兄弟のチャールズ。はじめは
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健康でさえあれば(1966年製作の映画)

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「不眠症」なのに、ハラハラドキドキ系の小説を読んじゃうところから可笑しいんだけど、彼がのめり込めばのめり込むほどそれが矛盾となって楽しくなってくる。

全四タイトルすべて、そうした滑稽さの積み重ねで
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ムーミンパパの思い出(2021年製作の映画)

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上映館少なくて驚いたけど、正直ライトなムーミンファンが観るには物語がやや羅列的で、強固な「ムーミン愛」がないと観ていられない内容だった。

日本のムーミンアニメで最も人気作品である「楽しいムーミン一
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枯れ葉(2023年製作の映画)

5.0


あらすじだけ話すと陳腐なのに、カウリスマキ作品だとどうしてこんなに素敵に撮れるの?

二人とも仕事をクビになるし、
すれ違ってなかなか会えないし、
ラジオからは絶え間なく悲惨な戦争について流れてくる
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ひばり チエミ いづみ 三人よれば(1964年製作の映画)

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なんとも気楽な娯楽映画!深く考えちゃだめなのさ!しかし皮肉じゃなく、どうしてこんな話思いついちゃうんだろう?拍手で閉じる平和な終わり。

顔芸は、やっぱり江利チエミが断トツでした。

子猫をお願い(2001年製作の映画)

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こういう、他愛のない日常を描くのは難しい。激しい感情を呼び起こすことなく、静かな波のように物事がやってきて、過ぎていく日々が不思議と心地よかった。

嫌なことを何度も言われたら、もう友達でいたくないし
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ミモザの島に消えた母(2015年製作の映画)

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主人公が最悪すぎて、周りの人たちが本当に可哀想。謝ることも知らない甘ったれで、隠し事を暴くためなら何をしてもいいと勘違いしている。

それに、同性でも恋愛なんだから不倫じゃん。別段同情もしかねるし、
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プチ・ニコラ(2009年製作の映画)

5.0


愛おしくて、楽しくて、声を出すほど笑って、泣いて。胸がぎゅっとなる、素晴らしい作品だった。絶対、「子どもを描いた映画ベスト10」に入る。

解釈なんて必要なくて、この作品はもうエンドロールまでが全て
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ほつれる(2023年製作の映画)

4.3


良い人は良い言葉、行ないしか選ばない、ってわけではないし、人として不道徳な道を選んだからといって必ずしも悪人というわけでもない。この作品では完璧な人は(完璧な善人も悪人も)誰一人出てこなくて、どうし
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波紋(2023年製作の映画)

5.0


あ〜〜映画館で見逃したの悔しすぎる。一秒も目が離せなくて、無駄がない。なのに、filmmakersでは意外と低評価。こんな最高なのに、ぶっちぎりで低評価があるから、面白い。

主人公の苛立ちの元凶は
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