かめのさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

かめの

かめの

映画(1082)
ドラマ(0)
アニメ(0)

グッドナイト・ムーン(1998年製作の映画)

3.7


時折、母親の影響で父親をひどく嫌悪する子供がいる。未熟であるゆえに、しかしそのために愛する者の望むことを全うしようとする。この映画でも、実母がイザベルを嫌い、軽蔑しているから、アンナも極端にイザベル
>>続きを読む

葬式の名人(2019年製作の映画)

2.3


戦前の川端作品が好きで、かつ前田敦子さんに惹かれて観た。失礼ながら本当にこれで良いと思ったのか。映画批評と映画製作はまっこと別ものである。

何より死の扱い方が、ブラックジョークと呼ぶにはついていけ
>>続きを読む

私をくいとめて(2020年製作の映画)

3.7


劇場で観ていたら、恥ずかしさのあまりもだえていたかも。共感ゆえに、羞恥心が止まらない。主人公の女性が脳内でAと話したり、「私をくいとめて」と叫んだりする感覚も理解できてしまう。のんちゃんの演技は演技
>>続きを読む

鉄道員(ぽっぽや)(1999年製作の映画)

3.0


雪の中を走る蒸気機関車のなんと美しいことか。

乙松が過去を振り返るたび、子を失い、妻に先立たれた姿に孤独感が深まる。しかし、定年間際となり、自分の居場所すら危うくなった時に現れた娘はいったい何を告
>>続きを読む

乳母車(1956年製作の映画)

3.3


愛人物語。娘のゆみ子も同じくらい最低だ。大学生持ち前の傲慢さで先進的ぶって、母親にまで偉そうな論をぶる。母親が家を離れるのも当然だ。父親の所業よりもっと娘の態度に深く傷ついただろう。それだけでなく、
>>続きを読む

雨の中に消えて(1963年製作の映画)

3.5


甘くさい恋愛ドラマかと思いきや、ふとした場面に精神的な、深く胸をついてくるような感情や台詞が挟み込まれている。とりわけ、高校教師の愚かさが面白い。夢見る少女は子どものままでなく、自分の夢を守っていた
>>続きを読む

29歳問題(2017年製作の映画)

3.6


年齢にとらわれたくないと思いつつ、30歳になる手前、私自身も人生に迷いを感じるだろうことは既に予想がつく。

主人公が終盤、ティンロと比較して「私は劣等感を持ったことはない。いつでも目標のために努力
>>続きを読む

モラン神父(1961年製作の映画)

3.3


もう一回観たいと思うが、その時もまたうまくかわされて理解できないだろうな。

風の視線(1963年製作の映画)

2.8


不倫しておきながら、それでも自分たちは綺麗なのです、美しい愛なのですという顔が出来る図太さが素晴らしい。

こはく(2019年製作の映画)

3.9


物語の中心は基本井浦新さん演じる弟なんだけど、アキラ100%こと大橋彰さんの役どころがあまりにも魅力的で、もっと内面が描かれても良かったのではと惜しい。

40代近くになっても、父親のことを「恨んで
>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.3


最初は家族ものを期待していたので、肩透かしを食らったが、現代に生まれ変わった『若草物語』として素晴らしいアダプテーションだった。

この時代に女性が生きていくには選択肢が少なすぎる。小説家を目指し、
>>続きを読む

エイプリルフールズ(2015年製作の映画)

3.6


様々なストーリーが交差して、飽きさせず、最後に裏切る。単純に「面白い」と喜ぶ前に、構成の上手さが際立った。とはいえ、映画というより、楽しいスペシャルドラマを観たような気分。

ラブリーボーン(2009年製作の映画)

4.3


事前情報として、殺された少女が主人公だと知っていたので、殺されるまでのシーンがやたらと長く感じ、恐ろしかった。

ティーンエイジャーの女の子が望んでいることを丁寧に掘り下げ、あえてすっきりとしない終
>>続きを読む

しゃぼん玉(2016年製作の映画)

4.3


正直、主人公の箸の持ち方を見た時点で嫌な気はしていて、生い立ちを語るところあたりは「本当に2016年の映画か?」とすら疑いたくなるステレオタイプの犯罪者だった。

愛情を受けず育ち、平気で自分より弱
>>続きを読む

空がこんなに青いわけがない(1993年製作の映画)

3.0


90年代の映画って、こういう謎のスタイルを模索する作品が多い印象がある。面白くなくはない、と控えめな感想しか出ない。ただ、崩れる家のなかで「お父さん」と呼び続ける声に、何故か泣きそうになった。

>>続きを読む

家なき子 希望の歌声(2018年製作の映画)

-


試写会が吹替しかなく残念だったし、展開の流れが児童向けのように感じた。

ケス(1969年製作の映画)

-


子供が出ている映画は何でも好きと思い込んでいたけど、どうもこれは合わなかった。数年後、また観たい。

ランジュ氏の犯罪(1936年製作の映画)

4.2


これが1936年制作なのかと思うと、ルノワールの手腕に改めて驚かされる。まず、誰かが殺され、ランジュ氏が犯人であると初めから分かっており、その真実が回想されるという導入部分から既に物語へ引き込まれる
>>続きを読む

緋色の街/スカーレット・ストリート(1945年製作の映画)

4.5


序盤、主人公の中年男性クロスは仲間たちに仕事の功績を祝われ、社長から高価な時計と葉巻を受け取る。この時、社長は自分、隣の同僚の順に火をつけてから、クロスに「迷信は信じるかね?」と聞く。ここでクロスは
>>続きを読む

記憶にございません!(2019年製作の映画)

3.2


数年は観れるけど、現在を知っている人が観るから楽しい作品だね……。淡々と物語が進み、気づいたら終わる。中井貴一をはじめ、豪華な俳優陣を楽しむという点では良かった。

今まであまり意識していなかったけ
>>続きを読む

ネバーエンディング・ストーリー(1984年製作の映画)

3.2


予想はしていたけど、「子どもにみせたい作品だな、あら頑張って」とひたすら保護者目線でしか観ることができなかった。決して子どもの気持ちになって感情移入できる作品ではないので、子どもの頃に観たかったな。
>>続きを読む

アリーテ姫(2000年製作の映画)

3.2


絵柄や雰囲気が好きで観続けたが、いまいち心に響いてこなかった。これが二作目なら分かるんだけど、前提を飛ばしているような展開で、主人公に感情移入することが出来ない。

一つ一つのモチーフを考えてゆけば
>>続きを読む

リラの門(1957年製作の映画)

3.8


主人公の哀切はもちろん分かるんだけど、主人公以上に芸術家へ感情移入してしまって、心が痛かった。

ジュジュはのんだくれだが、周囲に愛され、特に芸術家とは気が合う友人であった。ところが、銃を持った殺人
>>続きを読む

海炭市叙景(2010年製作の映画)

4.5


観ていて楽しい、笑える映画って終わってみると「あれ?あんなに笑ってたけど、大した内容じゃなかったな」とふと我にかえる時がある。それはそれで刹那的な面白さがあるけど、本作には真反対の魅力が詰まっている
>>続きを読む

その人は遠く(1963年製作の映画)

4.1


山内賢演じるりょうちゃんの気持ちになれば、思わせぶりなことをしておいて、何だい!と憤りを感じるほどの小悪魔ぶりを発揮する芦川いづみ姉さん。

りょうちゃんが好青年だから、また良いんだよね。

姉さん
>>続きを読む

エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

4.5


観終わったあと、ほっぺたの筋肉が痛くなるほどにこにこ(にやにや?)してしまった。

実は、昨年違う作品を観に映画館へ行った時に予告篇が流れていて、それだけでもう面白かったんだけど、勝手に「予告篇の面
>>続きを読む

若い東京の屋根の下(1963年製作の映画)

3.6


あら〜いいじゃない〜。

吉永小百合演じる蕗子の家に、浜田光夫演じる三上が下宿することになるが、二人は口喧嘩ばかり……という展開のベタさ。これはもう、両想いで終わるに決まっている。

お互いを好きに
>>続きを読む

ぼくと魔法の言葉たち(2016年製作の映画)

4.0


ディズニーの何が、どこが素晴らしいのか、語らずとも、彼の顔をみるだけでその魅力がわかる。久しぶりにまたディズニーと出会おうか、という気持ちになった。

この数十分を観ただけで彼の人生がわかるわけでは
>>続きを読む

世界で一番ゴッホを描いた男(2016年製作の映画)

5.0


素晴らしい。ドキュメンタリーが映画作品として成立していて、無駄がない。

約二十年間もゴッホの複製を書き続け、ゴッホに強い想いを抱く男性。オランダから注文を受け止め、彼らは家族全員で何百枚もの複製を
>>続きを読む

ガンジスに還る(2016年製作の映画)

1.6


え?!!いや、待って。これが「感動ドラマ」?

想定では死を前にした老人が主人公かと思ったが、その息子の物語だった。しかしこれが終始辛すぎて、私には救いも見えず、感動ドラマとも思えなかった。

息子
>>続きを読む

月とキャベツ(1996年製作の映画)

4.8


レビュー読んで、「あれあれ?」と思ったけど、序盤から山崎まさよしが格好良すぎだし、穏やかに進む空気、お互いを想い合う二人、全て愛おしい作品だった。

突然雨の中を走り出したヒバナを必死で追いかけ、花
>>続きを読む