ホームドラマなのに荒唐無稽。ピンク映画の良いノリと悪いノリをそのまま受け継いだ最終形態的作品。特に尖っていると感じた部分は無い。
山本義隆「ここ20年で、若者たちは笑わなくなってしまった。自分だけ笑ってしまって周りから外れてしまわないかという同調圧力がある」
よかったと思った(特に坂本龍一による音楽)が感動はしなかった
LGBT描写の弱さは表現それ自体の脆弱さによるものではなくこれまでの日本映画におけるブロマンス表現に近いものがあるからだと感じる。
内容もさることながらスポ根の王道を丁寧になぞっていた。編集の変調さは曽根中生作品を思い起こさせる。
思っていた以上に面白かったし凝っていた。劇内部の音声と劇伴としての音声の使い分けが上手いと思った。
佐藤允の一つ一つの表情がとても豊かで、喜怒哀楽をビシッと表す作品のアイコンになっていた。菅原文太のヤ>>続きを読む
幾度となく出てくる歌のシーンでその時どきの雰囲気を反映させる。高倉健も梅宮辰夫も鶴田浩二もかっこよかった
決定的瞬間は多々あれど話が間延びし過ぎ&引きの絵多すぎで全体的に退屈。ロマンポルノ最終盤作品にしては寂しすぎる。ラストショットこそ加藤文彦の本領発揮だと思う。
今から40年も前に(という相対的な条件を付すのもおかしいが)こんな観念的でゴリゴリのアレゴリーを組み込んだ変態作品ができていたことに驚き。加害者とその追及が不在の中で展開されるディストピア(理想郷?)>>続きを読む
黒沢清ベスト
追い詰める側と追い詰められる側が何度も反転する。アイデンティティの深淵を刺激して崩壊に至る役所広司。最後は食事を完食できていたようで良かった。
仮釈放か決まった役所広司が割と広めの土地の近くで理髪店を開き出したので『ニンゲン合格』か『すばらしき世界』が始まってしまうのかとヒヤヒヤした。構成はやや大味な印象だが悪くない。寓話性を途中で諦めてしま>>続きを読む
他のレビュアーが指摘しているように正しいタイトルは『高原に列車が走った』である。
ウルトラシリーズや東映不思議シリーズを和多く手がけた佐伯監督らしく、ポップで明快な演出だった(ウルトラマンタロウのソフ>>続きを読む
ありとあらゆるものがキマっていて頭おかしくなりそうだった。白昼夢のような世界観と同じロケーションで繰り広げられる難解な会話劇が逆説的に閉鎖性を生み出している。
日本共産党の武力闘争路線批判をしたかった>>続きを読む
ダメだ。打ちのめされた。ここまでアニメーションが性に極限まで迫れるとは思わなかった。途中涙出てきた。
共産主義思想をあからさまに示唆する内容だった(婚姻に依らない性交渉など)のも驚き。そして背景美術を>>続きを読む
最初から最後まで意味が分からなかったが、最初から最後まで面白い。淀川長治の別れの挨拶で映画が終わり、ピーター自身の視覚の死が訪れる。
暴虐の限りを尽くす内田裕也を痛切に捉えたホラー映画。内田がペニスをステージで露出していきなり立ち上がって歓喜するオーディエンスも狂ってる。安岡力也の性犯罪揉み消しも今の観点ではアウト。
編集のテンポが絶望的。行動主体の世界観を浅く広くではなく狭く深く語って欲しかった。寿司屋で子供を亡くした話をした瞬間に泣き出す母など書き割りの感情描写が鼻につく。
虚偽的な外面を否定するための物語のは>>続きを読む
めっっっちゃ良かった。ハラハラさせるギミックがきちんと配置されていた。
日常と戦争がここまで対等に配置されながら語りが進行していく作品は珍しいのではないか。間一髪逮捕を間逃れた主人公の動向を追うのでは>>続きを読む
贅沢が過ぎる。吉田喜重のショットの数々と岡田茉莉子の光る演技がヨーロッパの名刹の風景と融合している。観念的ショットの多い吉田喜重との愛称は抜群。
ロケーションの硬質さはすでにATG性を感じさせる。
音声の遮断と映像からの分離を視覚面での主題としながらキメキメの喜重ショットで重厚かつエクスペリメンタルな二面性のある映画になっていたと思う
障子に自>>続きを読む
若き日の蜷川幸雄を見れただけでもかなり貴重だが、札幌〜室蘭〜ニセコとロケーションを転々とする三者の物語は意外にダレなかった。あの3人の女性たちはなんだったのだろう。
自己をマス(大衆)に略奪された男が死によってしか自己を回復できないという強烈な皮肉を描き切っていた。吉田喜重はとにかく目にこだわる。
『ウルトラマン』出演以前の毒蝮三太夫(石井伊吉)が終盤に記者役とし>>続きを読む
セーラームーンに関する知識が亜美=マーキュリーしかない状態で鑑賞。
語りのテンポがあまりにも速すぎる。カットの余韻を切り捨ててスペクタクルにひた走っている。テレビ版の再編集版か何かかと思った。
出てく>>続きを読む
気づいたら終わってしもうた
画面の張力について行くので精一杯だったかもしれない。
2023.8.16 シネ・ヌーヴォにて再見
シナリオとして完成されているわけではないが、強い情念によって作品が転がさ>>続きを読む
岸田森のキスシーンくらいしか記憶に残らない。日活は吉田喜重に何を求めてオファーしたのだろう
打算的で刹那的、救い用のない若者たちの生き急いだ末の転落。松竹ヌーヴェルヴァーグという潮流で量産された構図だがこの作品もそれに準じている。ロングショット+ダイヤローグの遮断によって余白を強引に広げるボ>>続きを読む