仮想空間さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

囚われの女(2000年製作の映画)

4.0

アケルマン作品はずっと観たかったのだが今回ようやく初鑑賞。めちゃくちゃ自分に合っていたので長文感想になりそう。
ドラマも構図も常に一方通行。車の進む先も歩く先も会話も一方的でぜんぜんLOVEを感じない
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沖縄やくざ戦争(1976年製作の映画)

4.8

鑑賞3回目。
最高だろ、、、狂犬と化した松方弘樹とか狂犬そのものみたいな千葉真一とか大満足のアクションと演技だった。実録路線作品で一番好きだな
ひろみ麻耶のアンニュイな雰囲気とスレンダーさがすごい癖で
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ズームアップ ビニール本の女(1981年製作の映画)

3.8

液体への執着
吉田喜重の映画のようなセックス
加藤文彦とセットで語られるべき作品だろう

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

3.3

トンデモ右翼映画かと思ったらトンデモ左翼映画だった。原爆と男のピュグマリオニズム。
監督の自己投影のプロセスが整理されないまま映画が見切り発車してしまった印象は否めないが、とにかくアクション。そして中
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パリところどころ(1965年製作の映画)

-

ゴダール、シャブロル、ロメールが印象的。
おっさんが冬の凱旋門前を突っ走るだけでもう面白い

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.9

新海誠の20年ものキャリアの集大成であり到達点。新海演出と作家主義の総括の賜物だと断言できる。
かつての作品で果たせなかった表現や渇望した領域についに手を延ばすことができたという達成感と爽快感に満ち満
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バビ・ヤール(2021年製作の映画)

-

某すずめではなくあえてこちらを鑑賞
昔はウクライナにいたナチを撃退したソ連が今ロシアとなって蹂躙するという歴史が皮肉だな

貞子DX(2022年製作の映画)

1.5

なぜ、木村ひさしという監督はこうもコンスタントに商業大作が撮れてしまうのか、私には納得がいかない。彼の作品において、登場人物は感情表現を奪われ、異常に叫ぶか顔芸に逃げるか、観客が一切求めていないお約束>>続きを読む

DOOR デジタルリマスター版(1988年製作の映画)

-

前半は無限に続くかのように思われた高橋惠子劇場がダラダラと続くが、終盤に行くにつれスプラッターへ直滑降してゆくので意外と疲れる。画ヅラが完全に池田敏春のロマンポルノだった上に高橋惠子だったので説得力マ>>続きを読む

王立宇宙軍 オネアミスの翼 4Kリマスター版(1987年製作の映画)

-

発射シークエンスを見ていると、ガイナックス人脈のやろうとしていることが『シン・ゴジラ』に至るまで30年間一切ブレていないことがわかる

ぼくらのよあけ(2022年製作の映画)

4.3

ぐっさり刺さった
いつ「やってみせろよマフティー!」って言い出すかヒヤヒヤした

たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

3.3

現代社会と信仰のあいだを揺れ動く若者をダウナーに描く作品だとは思ったが、ここまでダラダラ描くとは思わなかった

湖のランスロ(1974年製作の映画)

3.5

徹底的に個を無効化してガジェットと動作を捉える。
カラーのブレッソンの方が瑞々しく見えるのは何故だろう

モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

3.8

予告編は面白そうだったけど、本編は何故かあまりボルテージ高くなかったなという印象。面白くないわけではなかったけども。金かけまくりのモロッコロケやCGワークが見どころ。

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

3.5

大雪の夜に納屋で寝るの、東北だったら死んでますね

君を愛したひとりの僕へ(2022年製作の映画)

3.0

僕愛の100倍マシでしたというかこれ一本で充分
とも言い切れず僕愛の情報がちょいちょい作品理解に役立つの腹立ったなー
SF版『秒速5センチメートル』

僕が愛したすべての君へ(2022年製作の映画)

1.0

ナックのパイロットフィルムを102分間観せられている気分になります。これ以上は何も述べたくありません。

田園に死す(1974年製作の映画)

4.3

高校の時に部活の後輩と観た(???)記憶があり、それから何回か観て、久々の鑑賞。
これまでは感覚的に捉えていた事物が、鑑賞回数を重ねてゆくごとに点と点が繋がっていることに気づいた。
極上の映像詩であり
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どうぶつ宝島(1971年製作の映画)

-

ストーリーはともかくとして宮崎駿エキスをガブガブ飲まされる。

YMO PROPAGANDA(1984年製作の映画)

4.5

偏向的東洋観を表象しながら最後は滅びの美に落ち着くあたり、YMO!って感じだ

雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)

4.1

想像以上に、下馬評の何倍も面白かった。
家族の不在から逆説的に家族愛を炙り出す手法に脱帽。カットの割り方も真に「映画的」で、人物のIN/OUTや配置が抜群に効果的だった。
押入れから物語を動かす点で古
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生贄夫人(1974年製作の映画)

4.3

責めと苦しみがセットで迫ってくるエロス。坂本長利の異常性癖ぶりがえぐい。

リボルバー(1988年製作の映画)

4.4

藤田敏八の映画でこんな面白いことってあるんだって思うくらい面白かった
整理されたシナリオがうまく機能していた

夏へのトンネル、さよならの出口(2022年製作の映画)

2.3

このレビューはネタバレを含みます

封切り当日に鑑賞。
宣伝方法からコテコテの青春群像+映像美+SF・怪奇もの=ポスト新海誠的な凡庸さを感じさせたが、凡庸なんてもんじゃなかった。
予想をかなり上回る愚作だったと思う。
海の見える地方都市
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書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)

4.3

何年ぶりに見返すのだろう…
書物は地縁的結合から逃れるための手段という言葉通り、登場人物たちは家という仕組みからはみ出そうとする。かなりざっくり言えばそんな話だが、実際のところそこで完結しない。
これ
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その夜の妻(1930年製作の映画)

4.0

『非常線の女』と同じノワールものでありながら家族を庇うために奔走する夫婦を描く、以後の小津映画の変奏曲的作品。
岡田時彦の色気がエグい。
パンニングの反復やラストの非人称ロングショットなど小津イズムは
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少女娼婦 けものみち(1980年製作の映画)

3.3

内田裕也のセリフもそうだが概して台詞が聞き取りづらい。あえての演出なのか。
神代密度がずば抜けて高いので観る側もどのようなアティチュードで諸要素を捉えれば良いのか困る。
ゴダール『女は女である』を思い
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やくざ観音・情女仁義(1973年製作の映画)

4.1

割と初期の神代。
プロデューサー・三浦朗、脚本・田中陽造、撮影・安藤庄平というスタッフィングなので駄作になる訳がない。神代で日活任侠映画を撮らせたら映画史が多少なりとも変わっていたんじゃないか。
岡崎
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ワン・セカンド 永遠の24フレーム(2020年製作の映画)

3.5

初チャン・イーモウ
フィルムの奪い合いには悪い意味でハラハラさせられた。美術がいかにも1960年代中国って感じで半分フィクションかと思うくらいだった。
ラストシーンの砂漠へ向かう→埋もれたフィルム断片
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リング・ワンダリング(2021年製作の映画)

3.0

期待値は高かったんだけど…うーん。
世界観は悪くない。ただ編集がノロいせいで観る側の興味関心を徐々に削いでいった気がする。
長谷川初範の他にヤスケンと田中要次も出ていたので贅沢。
ショットの審美性を優
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